大魔王の娘に転生したのはいいが、何故か幼なじみたちが勇者として現れた

弥刀咲 夕子

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玄関につくと、人がまばらにいた。
玄関は広い。
私は玄関って読んでるけど、正しくは広間。
ほら、おとぎ話のお城って扉開けたら広間で両端に階段あるでしょ?
まさしくあれ。
隅の方には荷物などが並べられていて、侍女さんたちがせっせとどこかへ運んでいた。
「アルディアス様、お久しぶりでございます。」
父様を見つけた執事の人が挨拶に来た。
執事の人は髪が緑で青い目で、目付きが悪くてすごく怖そうな人だった。
「ワートン、久しぶりだな。
長い間、妻のことで迷惑かけた。」
「いえ、もったいないお言葉です。
そちらのお嬢様はクルア様でいらっしゃいますか?」
「ああ、クルア、ご挨拶できるかな?」
「はい、とーさま。」
私は父様に降ろしてもらい、ワートンさんを見た。
「大魔王アルディアス・メーガンの娘のクルア・メーガンです。
よろしくお願いいたします。」
「···!あっ頭をお上げください。
クルア様、私はワートンと申します。
こちらこそお願いいたします。」
私が頭を下げるとワートンさんがあわてて挨拶した。
「クルア、良いご挨拶だね。」
父様が私の頭を撫でた。
その光景をみて、ワートンさんだけでなく使用人の人たちが一斉に固まった。
─一体どうしたのだろうか···。
「だっ大魔王が、幼子を撫でた···。」
─ええっ、そこ!?
いくらなんでもそれは驚くことじゃないでしょ!
信じられないが、でも周りの人も物珍しそうにみている。
─父様、あんたどんなキャラしてんのさ。
しかし、よくよく見ていると家で働いている人は仕事を続けている。
なるほど。
家の顔と外の顔ってことか。
私は一人納得した。
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