大魔王の娘に転生したのはいいが、何故か幼なじみたちが勇者として現れた

転生

それは、突然のことだった。
学校からの下校中、信号が青に変わるのを待っている小学生がいる歩道にトラックが突っ込んで来た。
私は気付けばからだが動いていて、小学生を抱えて避けようとしたが無理そうだった。
「そこのお兄さん！この子お願いしますっ!!」
小学生をお兄さんの方へ投げた。
いくら低学年位の子とはいえ小学生投げれるんだから、火事場の馬鹿力ってすごい。
小学生を無事避難させることができ、横をみるとトラックが迫ってきていた。
──あ、私、死んだわ。
死ぬときって意外と潔く認められるものなんだなぁと思いながら、トラックと建物に挟まれ私は圧死した。
そう、私は圧死したのだ。
なのに、なのにどうして私は──
「くーちゃん、オムツ変えましょうね。」
「ああうあうあお」
──赤ん坊になっているわけ!?
しかも、私のお世話してるの角生やした赤目黒髪のイケてるおっさんってどういうことよ。
神様、私になんか恨みでもあるんすか？
いやいや、それ以前に私は神様と会ったことさえないよ!?
こういう転生するやつって神様にチートなる特典をもらって、将来美少女になる約束をされて初めて始まるんじゃないの？
「くーちゃん、あんまり動かないでくだちゃいね。
オムツが変えられまちぇんよ。」
おっさんが神様に精一杯抗議する私に向かってニコニコしながら言った。
─おっさん、その赤ちゃん言葉やめれ。
私の思いは届かず、その後おっさんは赤ちゃん言葉で話しかけながらオムツを取り替えていった。
「うー。」
どうしてこうなったのか···。
そもそも、これは夢なのか？現実なのか？
それさえも、
「あうああう。」(分からない。)
まだ立てないからここがどこかもよく分からないし。
···、あーあ、眠くなってきちゃった。
転生ものとかによく赤ん坊のころは眠くなるって書いてあったけど、あれは本当なんだ。
とりあえず、考えても仕方ないし寝るか。
私は、生理的欲求に身を任せ眠りについた。