大魔王の娘に転生したのはいいが、何故か幼なじみたちが勇者として現れた

弥刀咲 夕子

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どういうことでしょうか?

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「グレンさん、これはどういうことでしょうか?」



私は目の前にいる二人についてグレンさんに聞いた。

「君を守りたいと思っているのは僕だけじゃないってことだよ。」

今私の目の前にいるのは、魔王城を警護していた魔族。

「でも、二人ともお仕事は···?」

「やめましたよ。
だって、大魔王様より姫様の方が大事ですから。」

濃い緑色の髪で碧の目の魔族が言った。

「ここで見殺しにしたらファンクラブの名折れですから。」

赤い髪でオレンジの目のチャラそうな魔族は笑った。

てか、ファンクラブって何!?

「いいんですか?お仕事を辞めてしまって。
ご家族の方が···」

「いえ、私達に家族はいません。
王城に使える魔族は大体が家族を持っていません。」

「俺達は自分の家族やら居場所やらを無くしているとこがないから兵としているだけですから。
まあ、最近は戦争が長続きしているせいで強い魔族や若い魔族も兵にするために集められているみたいですけど。」

やれやれ、とチャラそうな魔族が首を振る。


「さて、話はそれまでにしてそろそろ自己紹介をしたらどうかな。」


グレンさんが話を続けようとする私達に言った。

「かしこまりました。
クルア様、私はエイルンと申します。」

「俺は、ハルレスです。
こいつはエル、俺のことはハルと呼んでください。」

すると、エルさんはこいつじゃないだろ、とハルさんを小突いた。


どうやら、エルさんは真面目さんらしい。


「えっと、クルア・メーガンです。
よろしくお願いします、エルさんにハルさん。」

とりあえず、自己紹介なので名乗って頭を下げる。

「クルア様、『さん』はいりません。」

「そうそう、俺達のことは呼び捨て呼んでください。」

「あの、私としては『様』をやめていただきたいのですが···。
それと、いくら地位があっても大人の人を呼び捨てにする気はないです。」

私は地位より年功序列を大切にしてるからね!

···と言いたいところだけど、前世のお父さんのしつけの為か自然と思考がそっち行っちゃうんだよね。
それに、今は城から追われている身だから地位は無いのと同じだし。

「しかし···」



「いやエル、そのほうがいいだろう。」



エルさんの言葉を遮ったのはグレンさんだった。

「今、クルア姫は追われている身だからな。
お前たちが畏まっていれば、変に思われるかもしれない。」

「···かしこまりました。」

「それを止めてほしいんだけどな···。」

グレンさんが苦笑いした。

「でも、そしたら名前とかも変えた方が良くないですか?
俺達が来る途中、名前と見た目が書かれた紙があちこちに配られてましたよ。」

ハルさんが思い出したように言った。

···私は指名手配されてるのか···。

「それもそうだな。
クルア姫、姿を変える魔法とかできる?」

「えっと、できなくはない、とは思います。」

「よし、じゃあやってみて。」

「···今すぐですか?」

私の問いにグレンさんがニコニコと頷く。

···あー、そういえばグレンさんは私が魔法うまくできないの知ってるんだった。







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