大魔王の娘に転生したのはいいが、何故か幼なじみたちが勇者として現れた

ラウンド3

「···そこをどいてちょうだい。」

ラウンド３はステラ様から始まった。
というか、最終ラウンド宣言!?

「何故どかなければならないのでしょうか？」

「あなたにクルアちゃんを預けておくのが不安になったからよ。
今すぐに引き取らせてもらうわ。」
ちょぉー、待てぇぇい!!
ナルサさんが疑われるようなことするから！
やだよー、やだよー、絶対気まずくなるから！
あの人は本当に無理だから！

「しかし、先ほども伝えましたように今は眠っているのですから、そっとしておいた方がいいと思いますが。」

「なら、城の自分の部屋で寝た方が安心できると思うわ。
あなたにいつ実験台にされるか分からずに怯えるよりも幾分もいいはずよ。」
はーい、よろしくありませーん。
てか、どうしてナルサさんが私を実験台にするって決めつけた言い方するわけ？
なんだか、イラッとしてしまった。

「彼女の母であるクシャーナ・メーガンは私の親友です。
親友の娘を実験台にするわけないじゃないですか、と言いましたよね。
まだ、そんなことをおっしゃるつもりならお引き取り願います。」
おお、ナルサさんが強行手段に出た。

「今の母は私よ！
それなのにあなたもあの子も、クシャーナ、クシャーナって···。
せっかく私が迎えに来て、仲良くしてあげようと思っているのに、そんなに死んだ女がいいわけ!?」

···は？何言ってるのこの人。

「······なるほど。」
直後、何かを納得したようなナルサさんの声が聞こえた。