大魔王の娘に転生したのはいいが、何故か幼なじみたちが勇者として現れた

そして話は

「ねぇ、ナルサ様、いるのでしょう？」

「はい、お待たせしました。」
隣から二人の声が聞こえた。

「すみません、すぐに手を離せない実験の最中でしたので。」
しらじらしいナルサさんの声。
きっと、うそくさい笑顔で言ってるんだろうな。

「あら、そうだったの。
ごめんなさい、なかなか返事がないから居留守をしているのかと思って必死になってしまったわ。」
···うわぁ、素直な物言い。

「それで、クルアちゃんに会わせてもらえる？」

「あぁ、彼女なら今は寝ていますから起こさない方がいいと思いますよ。」

「だったら、寝顔だけでも見ていきたいの。」
この言葉に私はドキッとした。
え、会いたくないよ？
ナルサさん、なんとかして。
あの人の前で寝てるフリなんて出来ないから！

「いえ、今はそっとしといてあげてください。
やっと熱が下がってぐっすり眠れているのですから。」
ナルサさん、ナイスだよ!!

「そう？じゃあ目が覚めるまで待つわ？
」
ストレートに粘るな、この人。

「いやいや、先ほど眠ったばかりだからしばらくは起きないと思いますよ？
さすがにこんな狭い部屋で待ってもらうのも悪いですから。」
ごめんなさいだけど、頑張って、ナルサさん。
小さくガッツポーズを彼女に贈る。
見えないけれどね！

「大丈夫よ、私は別に気にしないわ。
あなたも私に気にしなくていいから。」
わー、この人全然引く気ないよー(泣)
ナルサさん、どーするのー？

そして、話はラウンド２へ───