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side玲奈

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桜木久留亜。
彼女は17歳でその生涯を閉じた。
私たちの大切な幼なじみ。
あれから2週間がたった。
私たちの中にはぽっかり穴が開いたようだった。

「れーこ、ひ、久しぶりに一緒に帰らない?」
私に声をかけたショートヘアの少女は幼なじみの一人、東條木霊だった。
彼女の後ろに肩まで伸びたウェーブがかった髪を二つ結いにした同じく幼なじみの海野千華がいた。
「二人ともなに?改まって。
別にいつも一緒に帰ってるでしょ?」
私は水城玲奈。
幼なじみたちからはれーこって呼ばれている。
ちなみに、木霊はたま、千華はちー。
久留亜はなぜか名字の二文字でさくって呼んでたわ。
私たちはいつも一緒だった。
クラスが別れても、部活がバラバラでも。
普通だと思っていたけれど、ここまでの付き合いはなかなかないみたい。
高校2年のクラス替えで4人とも同じクラスになって、最近はさらに一緒でいることが多かった。
そう、さくが交通事故で命を落とす日が来るまでは。
あの日、私たちはそれぞれ部活や委員会、係の仕事でさくは一人で帰ることになった。
バラバラで帰ることはたまにあったからその日もまた明日って笑って別れた。
本当は帰って行くさくを引き止めるべきだったのに。
私たちはそれぞれの用事が同じ頃に終わったことで一緒に帰るために教室にいた。
そのときだった、走ってきた教師にさくのことが伝えられたのは──
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