大魔王の娘に転生したのはいいが、何故か幼なじみたちが勇者として現れた

らしくない

私が放った一言にナルサさんだけでなくお母様も固まった。
「···ほ、本気で言ってるの···？」
「はい。もともと処分するつもりだったのなら私にください。
なんなら言い値で買取りさせていただきます。」
─こんな、私よりも若い歳で死にそうになっててほっとけるわけないじゃん。
「で、でもクルア、お金はどうするの？」
「大丈夫。とーさまが何かあったときのためにって私が留守番のときになぜか莫大なお金を置いていくから貯めておいたの。」
そう、父様はお母様が来る前まで留守番する私に毎回どこでそれ使うのってくらいのお金をいつの間にか置いていっていた。
私は、それを使うことがなかったのでとりあえず四次元ポケ〇トみたいな機能をもつマジックポーチに貯めておいたのだ。
「あははっ、クルアちゃん、君って本当に四歳児？」
話を聞いていたナルサさんが腹を抱えて笑い始めた。
─むう、笑える要素はあったかな？
私はムッとした。
「ごめん、ごめん。
でも、どうしてこの人間にそこまでするの？
だって、ただの人間だよ？
似たようなのはそこらにたくさんいるのに。」
「欲しくなったからに決まってるじゃないですか。」
さすがに前世が人間だったから、とはいえない。
ということで私は思い付いた理由を口にした。
「ぶはっ、クルアちゃん今度は歳相応って感じだね。」
─だから、笑える要素あるかな!?
「いいよ、ただであげるよ。」
「えっ、ナルサいいの？」
お母様がすっとんきょうな声をあげた。
「ああ。いいさ。
どうせ処分するつもりだったし。
それに、まだ女王陛下と姫君にお祝いの品を送ってなかったからね。」
「ありがとうございます。」
私は頭を下げた。
すると、頭の上に手を乗せられた。
上を見るとナルサさんが言った。
「姫君が簡単に誰かに頭を下げてはいけないよ。」
「いえ、何かをしてもらったら身分など関係なく感謝を伝えることが大切だと思うので。」
─というか、前世の習慣がとれないだけだよ。
「まったく四歳児らしくないな。
クシャーナ、君は一体どんな育て方をしたんだい？」
「ふふっ、私のクルアはとても良い子でしょう。」
心なしか、お母様の蛇たちが嬉しそうに動いた。
─まぁ、本来の精神年齢は十六歳だから仕方ない！