大魔王の娘に転生したのはいいが、何故か幼なじみたちが勇者として現れた

リアル

見た目は子供、頭脳は大人。
ただ今、私の前には性別が違うけどリアルコ〇ンくんがいる。
むしろ、コ〇ンくんの方が子供だ。
「そ、そんなに驚くことかな？」
リアル女版コ〇ンくんことナルサさんが恥ずかしそうに言った。
「えっ、あ、すみません。私はクルアです。」
「よろしく。クルア。」
ナルサさんが微笑んだ。
─これがお母様よりも上か···。
「クルア、自分よりも少し上だと思って油断したでしょ。」
私の反応にお母様がクスクス笑った。
─だって、まさかリアルコ〇ンくんだと思わないじゃないか!!
無言でお母様に訴えかけた。
「ナルサはもともとはちゃんと大人の女性だったのよ。」
「えっ。」
「うん。クシャーナのいう通り大人の体だったんだけど、ある日酔っぱらってその時に研究していた若返らせる薬を二日酔いの薬と勘違いして飲んでしまってね。
起きたらこうなっていたわけだよ。
しかも副作用か主作用か分からないけれど、ここからなぜか成長しないんだ。」
─惜しいけど、薬のところまでリアル。
やれやれというナルサさんについつい彼を重ねてしまう私は、飲まされたわけじゃないことに少しがっかりしていた。
「でも、ナルサは女性の体の時も私より小さかったからあんまり変わらないわよ。」
ナルサさんにお母様が勝ち誇ったように言った。
「いくら大きくてもちゃんと頭も成長できてなくちゃ意味無いだろ。」
小馬鹿にしたようにナルサさんはお母様を見上げた。
─···この二人は一体何を張り合っているのだろうか···。