大魔王の娘に転生したのはいいが、何故か幼なじみたちが勇者として現れた

弥刀咲 夕子

文字の大きさ
上 下
18 / 84

ナルサ

しおりを挟む
「へぇーお母さんが花屋を?」

「はい。子供の頃から花に触れ合う機会が多かったので、美月にお願いをして一緒に水やりをすることになりました」

 あ、そうだ。蒼大に聞きたいことがあったんだ。

「蒼大、聞きたいことがあるんだけど」
「何?」

「このお花がどうして元気ないのか分かる?」

 先週から水をやっても元気にならないお花があった。何が原因か分からなかった。

「あーこれは…お水毎日あげてる?」
「もちろん!最近は毎日5回ぐらい水やりしてるよ!」

 お花はとにかくお水が大事だって聞いた。あと太陽。

「だからだね」
「だから?」

「あげすぎても駄目なんだよ」  
「うそ…、」

 つまり、私のせいで、この子は…

「大丈夫、まだ間に合うよ。とにかく、土が乾くまではあげないようにして」

「わ、分かった。お水のあげすぎも駄目だったなんて…」

 知らなかった。お水はあげればあげるだけいいものだと…

「そんな落ち込むことないよ。勘違いしてる人も多いから、次から気をつければいいよ」

「分かった、」

 考えてみれば私、お花に対して何の知識もないまま水やりしてた…

「美月、そんな落ち込むことないって蒼大くんも『師匠!』」

「師匠?もしかして俺の事…?」

 私にとってのお花の専門家だから師匠

「そう!私にお花の事もっと教えて!」
「え?」

 師匠ならきっと、お花のこと沢山知ってるから

「今までなんの知識もないまま水やりしてて、そんなのお花に失礼だって思ったの」

「いや、でも俺そんな大したとこは知らないよ?」

「それでもいいの!私よりは知ってるだろうし、少しでも知識があれば、いざと言う時に使えるだろうと思って。だからお願い教えてください師匠!」

 今回は師匠がいたから良かったけど。いない時は私の判断で行動しないといけない。

 助けられるお花も私のせいで助けてあげられないかもしれない。そんなの嫌だ。

「ははっ、分かった。いいよ教えてあげる」

「ししょー!」

「だから、とりあえず師匠って呼ぶのはやめてくれる?」
「え、なんで!」

 師匠なのに。あ、博士の方が良かったか?

「師匠なんて、恥ずかしいからね。それに、美月には名前で呼んで欲しいんだよ」

 そりゃそうか。蒼大は蒼大なんだから。

「そうだよね、分かった。蒼大よろしく」

「じゃあ俺もいいかな」

 あ、お兄ちゃんがいたこと忘れてた 

「もちろんです」

 もう、なんで真似するの。

「お兄ちゃんがどうして」
「どうしてって、水やりをするのは美月だけじゃないからね」

 そうか、お兄ちゃんも毎日するって言ってたな。

「私は本気なんだから邪魔しないでよね」

「もちろん。俺も本気だよ」

 なんだかなぁ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました

taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件 『穢らわしい娼婦の子供』 『ロクに魔法も使えない出来損ない』 『皇帝になれない無能皇子』 皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。 だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。 毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき…… 『なんだあの威力の魔法は…?』 『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』 『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』 『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』 そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

神々に育てられた人の子は最強です

Solar
ファンタジー
突如現れた赤ん坊は多くの神様に育てられた。 その神様たちは自分たちの力を受け継ぐようその赤ん 坊に修行をつけ、世界の常識を教えた。 何故なら神様たちは人の闇を知っていたから、この子にはその闇で死んで欲しくないと思い、普通に生きてほしいと思い育てた。 その赤ん坊はすくすく育ち地上の学校に行った。 そして十八歳になった時、高校生の修学旅行に行く際異世界に召喚された。 その世界で主人公が楽しく冒険し、異種族達と仲良くし、無双するお話です 初めてですので余り期待しないでください。 小説家になろう、にも登録しています。そちらもよろしくお願いします。

処理中です...