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第2章 変わりゆく者達
第十七話 嘘と真実
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「ふぁ~、何だか寝ていた感じが全然しないな」
正直、凄く眠い。
あの後ずっと話を聞いたりしていて、起きたときは時計の針は九時を指していた。
後で少し寝ようかな?
ともあれ、朝食を摂らなければ。
俺はリアンを起こして食堂に向かうと、すでにもう朝食は下げられていた。
まあそんな予感はしていたけど、ってどうしよう......
このまま昼食を待つのは、ちょっときついな。
「はて、一体どうしようか......」
俺は少し考えたが、結局近くの喫茶店で済ませることにした。
「リアンは朝食は喫茶店でいい?」
一応、念のため聞いてみた。
すると、リアンは構わないと頷いた。
リアンに聞いた後、俺達は近くの喫茶店で朝食を済ませた。
夢の中でかなり紅茶を飲んだが、ついコーヒーを飲んでしまった。
紅茶もいいが、やっぱり俺はコーヒーかな。
その後は、リアンは宿に戻り、俺はまた市場を覗きに行った。
もしかしたら奴に会えるかもしれないからな。
「とはいえ、やっぱり市場は素材が安く仕入れられるな」
俺は奴を探すついでに色々素材を仕入れた。
しかし、素材は仕入れても奴にはまだ会っていない。
だがあの野郎がこのテイロニアにいることは間違いない。
少なくとも早めに決着は付けたいしな、あの野郎本当にどこに潜んでいるんだ?
そう考えていると、後ろから声がした。
「この俺の事を探しているのかな?」
俺は、とっさに振り向こうとした。
「動くなよ、俺だって面倒ごとは嫌だからな」
何だこいつ......
一体どういうつもりなんだ。
そう思っていると、男がまた話し始めた。
「俺も色々話したかったんだよ、大方ユーリの差し金だろう、俺を探し出せって命令されたのか?」
「いや、お前を探しに来たのは俺の意思だ、それよりなんでお前がユーリの事を......」
奴は黙り込んだ。
その後、俺は奴に連れられて小さい小屋に入った。
「はぁ、とにかくまずお前の名前を聞きたいんだが?」
「名前を聞くときはまず自分から名乗るものだろ?」
「......華崎秦だ」
「俺は......そうだな、今はヴァレスとでも名乗っておこうか」
こいつは本当に何が目的なんだ?
そう思っていると、男はまた話し続けた。
「単刀直入に言う、お前はこの世界でどうするつもりだ?」
「というと?」
「お前は本来、世界の人間ではないだろう?」
「まあお前に秘密にしていても仕方ないだろうしな、確かに俺はユーリに他の世界から連れてこられた」
「やはりか......」
するとヴァレスは黙り込んだ。
俺は逆にヴァレスに質問をした。
「さっきから何故そんな事を聞くんだ? それにお前の口調からするとまるでお前も別の世界の人間みたいじゃないか」
そういうと、ヴァレスは口を開いた。
「ああ、お前の言う通り俺はこの世界の人間ではない、お前と同じ日本から来た人間だ」
「なに!?」
俺は驚いた。
何故なら目の前に俺と同じ世界から来た人間がいるんだからな。
「おい、それどういうことだよ!? 一体どうやってこっちへ来たんだよ?」
「落ち着け、とにかく一つずつ話す」
俺は、ヴァレスの言葉で冷静になり少し落ち着いた。
「まずどうやってこっちへ来たかだ、単純な話が奴にはめられたんだ」
「奴にはめられた?」
「そうだ、子供の悪戯のような罠でな」
悪戯?
まさかその罠って......
ヴァレスはニヤリと笑い話し続けた。
「カップ麺のようなものでな、まさか中身がすり替えられていたなんて思ってもいなかったさ」
何て言うか、俺の場合は完全に自分で地雷を踏んだようなものだけどな。
しかし、なぜユーリは俺以外にもこっちの世界に日本から来ていることを話さなかったんだ......
考えられるのは二つ。
一つは、何か考えがあって話さなかった。
二つは、この男がユーリにとって何か都合の悪い事をして、俺には黙っていた。
実際に、トラリィアでこの男は王に成りすましていたからな。
すると、ヴァレスは口を開いた。
「俺がこっちに来たのは十三年前だ、ちょうどお前と同じ高校生の時、奴にはめられたんだ」
「だが、あんたもこっちに来たときユーリに何か能力をもらったんだろ?」
「ああ、お前と同じ薬草のスキルをな」
俺は、その言葉を聞いて愕然とした。
「なんだと、確かユーリは俺にこのスキルは適性があるって言っていたが......」
「そんなの奴の嘘だ、俺の時もそんな事を言っていた」
嘘だろ、まさかそんな事が......
いや、でもまだ聞きたいことが一つ残っていたな。
「何故トラリィアの王に化けていたんだ?」
俺は、一番気になっていたことをヴァレスに聞いた。
「簡単な話さ、奴にそうしろって言われたからだ」
何だと......
くそ、俺は一体どうしたらいいんだ。
聞いた話こいつの話が本当ならユーリは、かなりの黒だ。
だがこいつが本当の事を言っているという確証はない。
だが、ヴァレスの目を見る限り嘘をついているようには見えないし。
一体どっちを信じればいいんだ......
「悪いが今回はここまでにさせてくれ、正直よくわかんなくなってきた」
そういうと、ヴァレスは頷いた。
「確かにその方が良さそうだな、だが油断をするなよ、奴はこの世界を管理しているのは嘘だが、知っているのは本当だ、少なくとも次に奴と会った時がお前と奴の縁は途切れるだろう」
「まだどうなるかはわからないぞ?」
「どうするかはお前次第だ、ヤバくなったらここに来い、後こいつを持っておけ」
ヴァレスは、俺に黒いビー玉みたいな物を渡してきた。
「おい、何だこれ」
「心を読まれないようにするための道具だ、あいつは人の考えを何故か読めるようだからな」
「もしかしてユーリがお前の事だけ把握できなかったのって......」
「ああ、この玉が原因だろう」
なるほど、そういう事だったのか。
そう思いながら、俺は小屋を離れ、リアンのいる宿に向かった。
時計を見ると、針は十五時を指していた。
そうえば昼食を食べていなかったな......
あんな話を聞かされたら昼食の事なんて忘れてしまうわ。
「はぁ......」
俺は宿に入って、部屋に向かった。
「おかえり、何か手掛かりは掴めた?」
どうしよう、これ話したらリアンは信じてくれるのだろうか......
俺でも未だに信じられないっていうのに。
「うーん、市場にはいなかったよ」
俺は一応この事は黙っておこうと思い、リアンには喋らなかった。
「そう......なら仕方ないね」
そういい、リアンは俺に水を持ってきてくれた。
「お疲れさま」
「ああ、ありがとう」
俺は一気に飲み干した。
「はぁ、喉乾いていたからちょうどよかった」
俺は、ふと時計を見ると針は十八時を指していた。
「そろそろ夕食の時間か、リアンは今から夕食でも大丈夫?」
そう聞くと、リアンは構わないと言った。
その後、俺達は夕食を食べて、俺は風呂に入ろうとしていた。
そうえばこの黒い球、一応持って行っておくか。
「ふー、どうするかな......]
俺は湯船に使いながら、考え事をしていた。
それは、ユーリが白か黒か。
一体誰を信じればいいんだ俺は......
「やあ、ずいぶん悩んでいるようだね」
「うぉ!?」
後ろから声をかけられて、振り向くとそこにはユーリがいた。
「別にそんなに驚かなくてもいいだろ、何か僕に隠し事でもあるのかな?」
「いや、特にそんなことは無いよ」
そう言うと、ユーリは表情を変えて質問してきた。
「そうえば、さっきから僕は君の考えが読めないんだ、何かあったのかい?」
くっ、やはり気付いたか......
何とかしてごまかさなければな。
「ああ、リアンには話してないが奴にあったよ」
「そうか、それは大変だったね」
ユーリはそう言い、いつもの表情に戻った。
「それより君は僕に何か隠しているね?」
なに!?
今奴は俺の考えはわからないはずだ。
何故だ。
「君が何を考えているのかはわからないけど、あの男と何かあったのだろ?」
くそ、どうするか。
このまま話すか、それとも隠し通せる限り隠すか。
いや、このまま隠してもしょうがないか。
だがこっちも少し聞いてみるか。
「ユーリ、この世界には俺以外にも日本から来た人間はいなかったか?」
そう聞くと、ユーリは少し表情を変えて動揺した。
これは何か思い当たることがあるのだろう。
そう思うと、ユーリもまた口を開いた。
「確かに、君よりも前にこっちに来た人間はいたけどそれがどうしたんだい?」
「いや、少し気になってな、その男は何年前に来て今はどこにいるんだ?」
「さあ? どこかに消えてしまってね、今では僕も彼の行方は分からないよ、彼が来たのはもう何十年も前だからもういないんじゃないかな?」
やはりおかしい、ヴァレスは確か十三年前と言っていたはずだ。
となれば恐らくユーリは嘘をついているんだろう。
ひょっとしたら、ヴァレスの話は本当なのかもしれないな。
「さあ、もういいだろ、結局僕に何を隠しているんだ?」
「ユーリ、お前はあの男にトラリィアの王に化けろと命令したんだろう?」
すると、ユーリは表情がまた変わり真顔になった。
「何のことだい? 変な言いがかりはやめてくれないかな」
ユーリはやはり何か隠しているな。
ここまでユーリが動揺しているのは初めて見たよ。
しかし、問題はどうやってこの場を乗り越えるかだな。
そう思っていると、ユーリの後ろからある男が近づいてきた。
「久しぶりだな、ユーリ」
「っ!? その声は!」
ユーリは声に反応して振り向いた。
「鏡牙! お前がこいつに吹き込んだのか......」
ん? キョウガ? ヴァレスはやはり偽名だったのか。
そう思っていると、鏡牙は話し始めた。
「シン、よく見ておけ、今からこいつの正体を暴いてやる」
正直、凄く眠い。
あの後ずっと話を聞いたりしていて、起きたときは時計の針は九時を指していた。
後で少し寝ようかな?
ともあれ、朝食を摂らなければ。
俺はリアンを起こして食堂に向かうと、すでにもう朝食は下げられていた。
まあそんな予感はしていたけど、ってどうしよう......
このまま昼食を待つのは、ちょっときついな。
「はて、一体どうしようか......」
俺は少し考えたが、結局近くの喫茶店で済ませることにした。
「リアンは朝食は喫茶店でいい?」
一応、念のため聞いてみた。
すると、リアンは構わないと頷いた。
リアンに聞いた後、俺達は近くの喫茶店で朝食を済ませた。
夢の中でかなり紅茶を飲んだが、ついコーヒーを飲んでしまった。
紅茶もいいが、やっぱり俺はコーヒーかな。
その後は、リアンは宿に戻り、俺はまた市場を覗きに行った。
もしかしたら奴に会えるかもしれないからな。
「とはいえ、やっぱり市場は素材が安く仕入れられるな」
俺は奴を探すついでに色々素材を仕入れた。
しかし、素材は仕入れても奴にはまだ会っていない。
だがあの野郎がこのテイロニアにいることは間違いない。
少なくとも早めに決着は付けたいしな、あの野郎本当にどこに潜んでいるんだ?
そう考えていると、後ろから声がした。
「この俺の事を探しているのかな?」
俺は、とっさに振り向こうとした。
「動くなよ、俺だって面倒ごとは嫌だからな」
何だこいつ......
一体どういうつもりなんだ。
そう思っていると、男がまた話し始めた。
「俺も色々話したかったんだよ、大方ユーリの差し金だろう、俺を探し出せって命令されたのか?」
「いや、お前を探しに来たのは俺の意思だ、それよりなんでお前がユーリの事を......」
奴は黙り込んだ。
その後、俺は奴に連れられて小さい小屋に入った。
「はぁ、とにかくまずお前の名前を聞きたいんだが?」
「名前を聞くときはまず自分から名乗るものだろ?」
「......華崎秦だ」
「俺は......そうだな、今はヴァレスとでも名乗っておこうか」
こいつは本当に何が目的なんだ?
そう思っていると、男はまた話し続けた。
「単刀直入に言う、お前はこの世界でどうするつもりだ?」
「というと?」
「お前は本来、世界の人間ではないだろう?」
「まあお前に秘密にしていても仕方ないだろうしな、確かに俺はユーリに他の世界から連れてこられた」
「やはりか......」
するとヴァレスは黙り込んだ。
俺は逆にヴァレスに質問をした。
「さっきから何故そんな事を聞くんだ? それにお前の口調からするとまるでお前も別の世界の人間みたいじゃないか」
そういうと、ヴァレスは口を開いた。
「ああ、お前の言う通り俺はこの世界の人間ではない、お前と同じ日本から来た人間だ」
「なに!?」
俺は驚いた。
何故なら目の前に俺と同じ世界から来た人間がいるんだからな。
「おい、それどういうことだよ!? 一体どうやってこっちへ来たんだよ?」
「落ち着け、とにかく一つずつ話す」
俺は、ヴァレスの言葉で冷静になり少し落ち着いた。
「まずどうやってこっちへ来たかだ、単純な話が奴にはめられたんだ」
「奴にはめられた?」
「そうだ、子供の悪戯のような罠でな」
悪戯?
まさかその罠って......
ヴァレスはニヤリと笑い話し続けた。
「カップ麺のようなものでな、まさか中身がすり替えられていたなんて思ってもいなかったさ」
何て言うか、俺の場合は完全に自分で地雷を踏んだようなものだけどな。
しかし、なぜユーリは俺以外にもこっちの世界に日本から来ていることを話さなかったんだ......
考えられるのは二つ。
一つは、何か考えがあって話さなかった。
二つは、この男がユーリにとって何か都合の悪い事をして、俺には黙っていた。
実際に、トラリィアでこの男は王に成りすましていたからな。
すると、ヴァレスは口を開いた。
「俺がこっちに来たのは十三年前だ、ちょうどお前と同じ高校生の時、奴にはめられたんだ」
「だが、あんたもこっちに来たときユーリに何か能力をもらったんだろ?」
「ああ、お前と同じ薬草のスキルをな」
俺は、その言葉を聞いて愕然とした。
「なんだと、確かユーリは俺にこのスキルは適性があるって言っていたが......」
「そんなの奴の嘘だ、俺の時もそんな事を言っていた」
嘘だろ、まさかそんな事が......
いや、でもまだ聞きたいことが一つ残っていたな。
「何故トラリィアの王に化けていたんだ?」
俺は、一番気になっていたことをヴァレスに聞いた。
「簡単な話さ、奴にそうしろって言われたからだ」
何だと......
くそ、俺は一体どうしたらいいんだ。
聞いた話こいつの話が本当ならユーリは、かなりの黒だ。
だがこいつが本当の事を言っているという確証はない。
だが、ヴァレスの目を見る限り嘘をついているようには見えないし。
一体どっちを信じればいいんだ......
「悪いが今回はここまでにさせてくれ、正直よくわかんなくなってきた」
そういうと、ヴァレスは頷いた。
「確かにその方が良さそうだな、だが油断をするなよ、奴はこの世界を管理しているのは嘘だが、知っているのは本当だ、少なくとも次に奴と会った時がお前と奴の縁は途切れるだろう」
「まだどうなるかはわからないぞ?」
「どうするかはお前次第だ、ヤバくなったらここに来い、後こいつを持っておけ」
ヴァレスは、俺に黒いビー玉みたいな物を渡してきた。
「おい、何だこれ」
「心を読まれないようにするための道具だ、あいつは人の考えを何故か読めるようだからな」
「もしかしてユーリがお前の事だけ把握できなかったのって......」
「ああ、この玉が原因だろう」
なるほど、そういう事だったのか。
そう思いながら、俺は小屋を離れ、リアンのいる宿に向かった。
時計を見ると、針は十五時を指していた。
そうえば昼食を食べていなかったな......
あんな話を聞かされたら昼食の事なんて忘れてしまうわ。
「はぁ......」
俺は宿に入って、部屋に向かった。
「おかえり、何か手掛かりは掴めた?」
どうしよう、これ話したらリアンは信じてくれるのだろうか......
俺でも未だに信じられないっていうのに。
「うーん、市場にはいなかったよ」
俺は一応この事は黙っておこうと思い、リアンには喋らなかった。
「そう......なら仕方ないね」
そういい、リアンは俺に水を持ってきてくれた。
「お疲れさま」
「ああ、ありがとう」
俺は一気に飲み干した。
「はぁ、喉乾いていたからちょうどよかった」
俺は、ふと時計を見ると針は十八時を指していた。
「そろそろ夕食の時間か、リアンは今から夕食でも大丈夫?」
そう聞くと、リアンは構わないと言った。
その後、俺達は夕食を食べて、俺は風呂に入ろうとしていた。
そうえばこの黒い球、一応持って行っておくか。
「ふー、どうするかな......]
俺は湯船に使いながら、考え事をしていた。
それは、ユーリが白か黒か。
一体誰を信じればいいんだ俺は......
「やあ、ずいぶん悩んでいるようだね」
「うぉ!?」
後ろから声をかけられて、振り向くとそこにはユーリがいた。
「別にそんなに驚かなくてもいいだろ、何か僕に隠し事でもあるのかな?」
「いや、特にそんなことは無いよ」
そう言うと、ユーリは表情を変えて質問してきた。
「そうえば、さっきから僕は君の考えが読めないんだ、何かあったのかい?」
くっ、やはり気付いたか......
何とかしてごまかさなければな。
「ああ、リアンには話してないが奴にあったよ」
「そうか、それは大変だったね」
ユーリはそう言い、いつもの表情に戻った。
「それより君は僕に何か隠しているね?」
なに!?
今奴は俺の考えはわからないはずだ。
何故だ。
「君が何を考えているのかはわからないけど、あの男と何かあったのだろ?」
くそ、どうするか。
このまま話すか、それとも隠し通せる限り隠すか。
いや、このまま隠してもしょうがないか。
だがこっちも少し聞いてみるか。
「ユーリ、この世界には俺以外にも日本から来た人間はいなかったか?」
そう聞くと、ユーリは少し表情を変えて動揺した。
これは何か思い当たることがあるのだろう。
そう思うと、ユーリもまた口を開いた。
「確かに、君よりも前にこっちに来た人間はいたけどそれがどうしたんだい?」
「いや、少し気になってな、その男は何年前に来て今はどこにいるんだ?」
「さあ? どこかに消えてしまってね、今では僕も彼の行方は分からないよ、彼が来たのはもう何十年も前だからもういないんじゃないかな?」
やはりおかしい、ヴァレスは確か十三年前と言っていたはずだ。
となれば恐らくユーリは嘘をついているんだろう。
ひょっとしたら、ヴァレスの話は本当なのかもしれないな。
「さあ、もういいだろ、結局僕に何を隠しているんだ?」
「ユーリ、お前はあの男にトラリィアの王に化けろと命令したんだろう?」
すると、ユーリは表情がまた変わり真顔になった。
「何のことだい? 変な言いがかりはやめてくれないかな」
ユーリはやはり何か隠しているな。
ここまでユーリが動揺しているのは初めて見たよ。
しかし、問題はどうやってこの場を乗り越えるかだな。
そう思っていると、ユーリの後ろからある男が近づいてきた。
「久しぶりだな、ユーリ」
「っ!? その声は!」
ユーリは声に反応して振り向いた。
「鏡牙! お前がこいつに吹き込んだのか......」
ん? キョウガ? ヴァレスはやはり偽名だったのか。
そう思っていると、鏡牙は話し始めた。
「シン、よく見ておけ、今からこいつの正体を暴いてやる」
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