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秀才と美女にも裏があり。

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「ここだ。」 

先生に言われるがままに見知らぬ部室にきた。
どこにも部活の名前が書いてなく、俺の知らない部室だった。 

「さぁ、入れ。」

先生が堂々とドアを開け、なかに入った。
入ると部室にはたくさんとパソコンがあった。

「先生あの、ここは...」
「六条、水無月、いるか?」
先生は俺の質問をとことん無視し、話を進めた。
 
「はい、います。」
初めに返事をしたのは六条だった。

2年3組 六条 晴香はるか...
学年ぼっちの俺でもこいつを知っている。
毎回学年トップの成績を誇る。入学当時から1位を譲らない化け物。そして容姿端麗の清楚系美女。

「先生、今丁度opなんだけど~。」
すると、次に水無月が返事をした。
2年1組水無月 咲蘭さら...
俺はこいつも知っている。
いつも教室で陽キャたちが噂している学年いや校内トップの美女。成績では六条にいつも負けて学年2位。

なぜ、完璧美女2人がこの部活に...
てか今水無月「op」て言ったよな。

opって...まさか、いやどうせオペレーション管理とか建築とかに使われる油性調合ペイントのことだろう...

「二人とも紹介する。今日からこの部活に入る米満 浜戸だ。仲良くしてやってくれ。」

「先生あのここって何部なんですか?」
問いかけようとすると、六条が立ち上がった。

「先生、ここは私が説明します。この部は表面ではグローバルカルチャー・コミニュケーション部です。」

なるほど。これで筋が通った。表面ではと六条は言った。表があるとしたら裏もある。

「裏ではアニメ部的な活動だろ。」

表情を変えず、六条が言った。
「その根拠は?」
「その根拠はさっき水無月が言ってたopとパソンコだろ。それ以外何がある?」 
俺も冷静に淡々と答えた。

「おい、六条その辺でいいだろ。」
「米満その通りだ。表ではグローバルカルチャー・コミニュケーション部裏ではアニ研をしている。」

おい、先生がそこに混ざっていいのかよ...先生としてどうなんだよ。

「おい、米満聞こえているぞ。そこにはあまり触れないほうが身のためだからな。」
睨みながら俺の足をふんでいる。先生ふんですますよー。
 
「よろしく。」
 
俺がいやいや挨拶すると、2人共無視し、自分のパソンコへと目を向けた。
水無月は「このopまじ神なんだよなー」と独り言を言いながら自分のパソコンへを操作し始めた。
トラウマ掘り返すなよ。
そう。それは中学1年生の頃。まだ俺がまだ捻くれていない頃、俺は入学初日に隣になった女子に勇気を振り絞り、「よろしく。」と挨拶をした。が返事がなく、隣の女子の肩を軽く叩くと「キャー」と悲鳴を上げられ、次の日にはセクハラ王子とあだ名が広まっていた。オーラと顔で決められ堕落した。
俺、悲し過ぎだろ。この痛みを分かち合える友達もいなく、黒歴史として俺の頭に残り続けた。

「米満、どのパソコンでも使っていいぞ。」
職員室に帰ろうとする先生を止めた。

「先生、なぜ俺がアニメ好きだと知っているんですか?」
後ろ姿では不確かだが少し悪魔のように笑っていた気がする。

「前、お前の席の下に落ちてた本を拾って開いたら、『妹が俺のこと好きすぎて照れてしまいます』みたいな本があったから、帰って調べるとアニメ化祝パッパカパーとネットに書いてあったからな。」
え、普通に怖いよ。先生怖いですよ。

「じゃあ、頑張れよ。」
先生はそう言い残し去っていた。
 
「あ、そういえば米満君」
再び六条が立ち上がり俺へ視線を向けた。
「もし、私たちの裏のこと話せばどうなるかね。」
「えーと、米満!もし話したら、住所なり電話番号なり、晒すわよ。」
六条に続き水無月も脅してきた。

お前、俺の家の住所知らんだろ。

「もちろん。住所も電話番号もいつでも特定でかくるんだからね。」 
恐ろしい水無月の特定スキル。

「あぁ、わかってるよ。てか俺が言っても誰も信用しないって。」
「そうね。クラスの様子を見ていれば分かることだったわ。」
無口六条と呼ばれたあの六条がこんなに喋って違うな、煽ってくるのに動揺を隠せない。

なんだよこの部活。
なんだよこの裏表。
今ごろの女子って怖い。

そうして、俺の腐ったグローバルカルチャー・コミュニケーション部(アニ研)での活動が始まろうとしていた。
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