Lost†Angel

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Violence

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「どこに逃げた?」

苛立ちを隠そうともせず、立て続けに吸い続けた煙草を灰皿に放る。

「いい加減にしろよ。チェーンスモーカーが」

吸い殻の山でいっぱいになった灰皿を片付けながら、和泉が溜息を吐き出す。


自主的に逃げ出したと思いたいが、確証が持てない以上捜索願すら出せない。

「アイツが行きそうな場所は?」

「知らねぇよ。俺が迎えに行った時は既に姿は見えなかったんだ」

「そこら一帯の防犯カメラは?」

「警察でもないのに見れるわけがねーだろ。少しは常識で考えろよ」


湊が行方を晦まして数日。


湊のスマホは今こちらの手元にある。

不安と苛立ちがピークを迎えていた。




和泉のスマホと同時に通知が鳴る。

添付されたファイルを開くと、流れる動画に無残な湊の姿が映し出される。




――――ッ……!?


なんで?なんで湊が……?


どこからバレたかは、最早問題ではない。

湊が攫われ囚われている以上取り返す以外に道はない。

スマホを握り締める手が怒りに震える。


「と、とりあえず……俺が行く。おまえはここに残ってろ」

和泉が必死に説得しようとするも、その言葉は耳には入っても、頭には届いていない。

怒りに任せ何を仕出かすかわからないことだけは確かだ。

「奴の目的は俺だ――――」

怒りで震える手を抑え、和泉が努めて冷静に言葉を吐く。

「平常心を保てない以上、おまえが行けば、余計に湊を危険な目に遭わすことになる。わかるだろ?」


湊の存在が知られた以上、大人しく従うか、下手をすれば殺されてもおかしくはない。


「アイツはまだ生きてる。俺を信じろ。湊を必ず取り戻してやるから」


ソファに崩れるように腰を下ろし、片手で頭を抱えると髪を掻き毟る。


「――――俺は、最低な飼い主だな……」

珍しく弱気な言葉を呟く姿に、和泉が意外そうに目を見開く。


「おまえも人の子だったんだな……」

「……頼む。湊を、助けてやってくれ」

「嗚呼。この借りは高くつくぞ。一生分な」

和泉が口角を上げ、足早に去っていく。

遠くで玄関のドアが閉まる音が聞こえ、自嘲気味に嗤うと、空になった煙草の箱を握り潰す。



――――違うんだ


虐げられる湊の姿を画面越しに見つめ、無事でいて欲しい気持ちよりも興奮を覚えていた。


熱を帯びた股間が膨らみ、湊を抱き壊して良いのは自分だけだと醜い感情が蠢めく。




和泉が車を運転しながら港近くの廃工場に向かう。

ヤり殺せば海に沈める気かも……
過ぎる不安を掻き消すように頭を振る。

簡単に言えば組の抗争に巻き込まれただけの話。

都築を引き入れたいのか、それとも徹底的に潰したいのか――――


湊は恐らく自分の置かれた立場や状況など、何一つわかってはいないだろう。




あれから数日間、無機質な部屋の中で、天井からロープで吊るされた姿で折檻を受け続けていた。

「……ッ痛……ぃ……んァ…、あぁんッ……も、赦し……て……ッ……も、……無理……ッやぁァ……ぁあん……ぁ……ぐッ……ぅ」

甘ったるく啼く言葉を奪うように、グロテスクな陰茎が無理やり咥内に突っ込まれる。

背後から二輪で犯されながら、正面からイラマチオを繰り返される。

乳首や尿道も弄られ、血の混じった精液が、床まで垂れていた。

何度潮を噴いたか、失禁したかすらわからない。

――――苦しい。息が出来ない……

朝晩関係なく輪姦された末に、鞭や玩具で凌辱を続けられ身体中に痣や鬱血痕が残り、いつの間にか抵抗する気力を奪われていた。

「背後から突くと咽喉が締まって気持ちいいな」

首を絞められると連動するように、アナルも収縮を強める。

「……は、そろそろ出す、ぞ――――ッ!」

後頭部の髪を掴むと更に咽喉の奥へと亀頭を埋め込まれる。

「零さず全部飲めよ」

下卑た笑いを湛えながら男が容赦なく喉奥に亀頭を嵌め腰を振るわす。

アナルに射精されるとほぼ同時に、頭を抑えつけられたまま気道に流れ込んでくる精液を無理やり飲まされる。

「……ゲホッ……ゲホッ――――」

嘔吐感に噎せ込みながら奥歯が当たると横面を殴られ血が滲む。

「咬んだらブッ殺すからな!」

吐き出してはまた飲まされ、胃の中が空になるほど行為を繰り返される。


「顔はやめろと言っただろうが」

主犯者の男が複数の男達と交代し、俺のアナルに一際巨大なペニスを捻じ込むように埋め込む。

「――――……ッ痛……」

小さく悲鳴をあげるも、中で散々出された精液のおかげで、簡単に呑み込みナカを搔き乱すように容赦なく犯され続ける。

「…………ッ……」

なんとか感じないように耐えようとするも、本能には抗えず痛みに勃起してしまう……


「どうした?キモチイイんだろ?」

ぐちゅぐちゅと卑猥な水音が響き渡り泡立った精液が、血液と混じった体液が床まで溢れ垂れ流れていた。

「おまえの腹ん中何人分のザーメン溜め込んでんだよ?」

男は服を着たまま、まるで感情などない物を扱うように抱く抱き方が、パパに似ている……

「種付けされる為のケツマンだろうが?」

結腸の中に射精され下腹が膨れ、何度となく潮吹きと失禁を繰り返す。

「――――……違……ぅ……」

俺は、女じゃ……な……い……

掠れた声を絞り出しながら。喘ぎ声すら出なくなっていた。

パパと変わらない巨躰で首を絞められながら、前立腺と尿道と乳首を同時に責められると、アナルと真っ赤になった肉襞は無意識に締め付け捻じ込まれた陰茎を咥え込み離そうとしない。

空イキし失神しても夜通し犯され続け、いっそのことこのまま全ての記憶を失えればと思う……


「エロガキがいい加減認めろよ?ぐちゃぐちゃのケツマンコ掻き回されて悦ぶチンポ狂いが!」

耳朶と首筋に噛み付かれ、俺の亀頭に取り付けられたピアスを引っ張りながら、真っ赤に腫れた亀頭を叩かれ根元を強く握り締められる。

「童貞のチンポなんかこの先使わねーだろ?不必要なもん切り落としてやろうか?」

「――――ぃやぁ……ぁあ……ッ……んッ……イ……き、たい……イか……せ……て……」

被虐を煽られ羞恥心と痛みに勃起したまま感じてしまうと、射精したくて溜まらない欲望が支配する。

とっくに精液など出なかった。


「おらッ!イケよ。ド変態が」

腰を激しく打ち付けられ好き勝手に犯され続け、男がイくと熱い精子が結腸に出され、溢れ出るように直腸に逆流し傷ついたアナルから薄紅色に染まった体液が内股を伝って流れ出る。


違う。感じたくない。薬物のせいだ――――

俺のせいじゃない。俺は淫乱じゃない。

「中出しされるたびに内部が痙攣して、メスイキしてんぞッ!」

否定すればするほど、そうだと言われているような気分になる。


―――違う……。違う。違う。違う。


涙が溢れ泣きじゃくりながら、背中を仰け反らせながらイってしまうと、手首の枷が喰い込む力が強くなる。

俺の脳裏にはただただ楽になりたい一心しかない。

誰に犯されようが、今更薄汚れた躰に違いはない。

俺にとってはもうどうでもいいことだ。




助けて。助けてパパ……

なんで俺がこんな目に遭わなくちゃいけないんだ――――


男が出し終え身形を整えると、部屋の扉が開き冷たい外気に肌が晒される。

「湊、無事か!?」


――――イ……ズ……ミ……?

脳裏に聞こえる懐かしさを覚える声に、朦朧としたまま拘束を解かれると床に崩れ落ちる。



和泉が俺の身体を大事そうに起こす。

「朝比奈さん。アンタらしくもない。なんでこんなガキに執着するんですか?」

和泉が朝比奈と呼んだ男を睨みつけながら、軽蔑するように冷たい視線を送る。


「そいつが都築アイツにとってのだからだ」


「――――ゔッ……」


堪え切れずに嘔吐する。精液交じりの胃液の吐瀉物が床に広がる。

青臭い雄の生の臭い。

俺にとってはある意味馴染みの深いもの。

生きているのが嫌になるほど、己の醜さを思い知らされる。

果たして今の俺にとって、生きている意味があるのか――――


パパに会いたい。その一心でなんとか自尊心を保っていた。

和泉が俺の頰を撫でながら、指で涙を拭う。


傷だらけでも生かしておかなければ意味がない。


「アイツはどうした?」

朝比奈が胸ポケットから取り出すと和泉に銃口を向ける。

冷たい声が響く。引き金に手をかけたまま緊張が走る。


「舎弟の命と引き換えに、コイツは解放してやって下さい」

細い肩を抱く腕にグッと力が籠められる。


――――俺、殺されるのかな……?

不思議と恐怖はなく、他人事のようにただぼんやりと考えていた。



和泉の言葉に朝比奈がフッと鼻で嗤い銃を仕舞うと、ついて来いと車の方を促す。

「そいつは大事な人質だ。アイツが来るまで渡すわけにはいかねーな」

和泉に抱き抱えられたまま、車に乗せられると限界だった俺の意識は遠退いた。




「――――……湊!?」

心配そうに和泉が呼びかける。

「気を失ったか」

助手席の朝比奈が煙草を吸い紫煙を吐き出し、ミラー越しに後部座席に語り掛ける。

「大事な大事なお姫様だ。アイツが来るまで殺しはしないから安心しろ」

「……『来るまで』は、ね――――」

「和泉。おまえもそいつを抱いたのか?」

「…………何が言いたいんですか?」

静かな怒りが込められた口調で和泉が睨みつける。

「おまえが両刀だとは知らなったな。それともそいつに惚れてんのか?」

「――――……別にそんなんじゃないです」

「相変わらず忠実な犬だな」

「裏切者はどっちですか?」

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