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Sacrifice
しおりを挟む――――吐きたい……
「…ゲホッ…ゲホゲホ……ッ……」
拘束を解かれると徐々に意識がはっきりしてくる――――
嫌悪感と罪悪感で込み上げてくる不快感を全て吐き出すように、ベッドから転がり落ち、床に精液と血液の混じった胃液を繰り返し嘔吐する。
「…大丈夫か……?」
吐瀉物を見て心配そうに和泉が顔を覗き込んでくる。
「……触ん、なッ――――!!」
介抱しようと伸びてくる手を思い切り払い退ける。
「……どうせ俺のことなんか、肉便器としか思ってないくせに……!!!」
表情一つ変えないパパと、和泉が顔を見合わせる。
涙目で二人を睨み付け動かない足を引き摺るように、四つん這いで浴室に向かう。
勢いよくシャワーから湯を出し全てを洗い流そうとした。内股に伝う白濁も溢れる涙も一緒に。
――――――――切りたい
呆然とただ床に座り込んだまま頭からシャワーの湯を浴び続け、身体中の汚れを洗い流しながら無性に切りたい衝動に駆られる。
ストレスから自傷行為に走るのは昔からの癖だった。
それ以外考えられなくなると無意識に鏡を叩き割り、破片を握ると震える手で無造作に手首に押し当てる。
……ッ……ぅ……
痛みに涙がじわと滲む。痛みをまだ感じることに何故かホッとした。
鏡が割れる派手な音が浴室から聞こえてくると、リビングにいた二人が気付き足早に浴室に向かう。
「……アイツ…ッ……」
嫌な予感が的中する――――
「湊ッ!?湊!!!」
返事のない浴室の扉を力任せに開けると、壁に凭れ手首から暗赤色の血を流し続ける姿が目に飛び込んでくる。
シャワーから流れ出る湯が朱色を排水溝に運んでいく。
「拙いな……意識が無い。すぐに病院に運ぶぞ!」
静脈だろうが失血量がわからない以上急を要する。和泉が止血しようと腕を押さえながら叫ぶ。
開いた傷口から血に染まった真っ赤な肉が覗き、床に散らばった鏡の破片を見て珍しく和泉がイラつく。
「クソッ…!どうせ切るなら剃刀くらい使えよ!バカッ……」
抱え上げソファまで運ぶとタオルで腕を縛り、バスタオルで押さえ救急車を待つ。
傷口が深いのかなかなか止まらない血にタオルが真っ赤に染まっていく。
対照的に青白い顔が更に血の気を失いまるで陶器の人形のようだ。
――――勝手に死ぬのは許さない。
「……?」
目を覚ますと見覚えのない部屋にいた。
救急車で運ばれ緊急入院し一命を取り留めた後、例の闇医者擬きが関係してる施設の精神科に措置入院させられたらしい。
記憶が混濁してよく憶えていない――――
忘れてしまいたいほど辛い記憶なのか、包帯の巻かれた腕に点滴に繋がれ、無理やり命が繋がれていた。
薬物依存と低体重の治療が優先されたらしく、隔離生活中主治医からは面会制限が出されていた。
「このままだと命の保証はしない――――」
摂食障害は体重が50kgを超えることを退院の条件に出された。
食欲はわかず最低限の栄養は点滴で補いながら、一週間後くらいから薬物依存の後遺症か激しいフラッシュバックに苦しむ。
「――――ク、スリ…ッ…クスリが、欲し…い――――……助け…てッ……殺し、てッ……!」
薬物のこと以外考えられず、いっそ死んでしまいたい――――
泣き叫び興奮しながら、腕に刺さった点滴の針を引き抜き暴れ続ける。
錯乱状態に陥り暴れているのを抑えつけられ、腕に精神安定剤を打たれる。
毎晩気を失うように眠らされたが、睡眠薬は徐々に効かなくなっていき不眠が続いた。
……――――パパに、会いたい……
泣き疲れて強制的に眠る日々が続き、徐々に禁断症状が治まり一人で歩けるようになった頃、一時的に外出許可が出た。
和泉が迎えに来る手筈で待ち合わせをし、一人で病棟の外に出たところで、突如背後から襲われた。
――――!?
手袋越しに口元を塞がれ言葉が出ない。
「結城湊だな…?」
「……ッ……」
聞き覚えのない低い声が耳元で響く。
パニックになりながら息苦しさに踠こうとするも、強い力で後手に腕を捻られ身動きが取れない。
「――――ン……ッ」
痛みに呻きながら抵抗を続け、思い切り肘を相手の鳩尾に入れる。
「……――――ッ…!」
ガタイの良い大男が呻き手を放す。
「……なんだッ……テメェら」
声を荒げる俺に向かって、苦悶の表情を浮かべる男が襲い掛かってくる。
「……ッ、こ…の、……糞ガキッ」
二、三人ががりで抑えつけられると、布で鼻を塞がれ薬品のようなものを無理やり嗅がされた。
――――……パ…パ……
意識が遠退き膝から崩れ落ちかけたところを、咄嗟に片腕を掴まれた。
――――誰……?
「ガキ一人に手間取るな」
男が軽々と片手で肩に担ぎ上げ、車の後部座席に運び込む。
薄れゆく意識の中で『事務所へ運んどけ』と聞こえた気がした――――
――――?……どこ…だ……?
どれくらいの時間が経ったのか、随分長いこと眠っていた気がする。
見覚えのない部屋の景色――――
痛む頭で考えながら身動きが取れないことに気付く。
「お目覚めか?」
徐々に思い出すと自分の置かれている状況を理解する。
起こされ壁に凭れるように座らされ、刺青が入った屈強な男達に囲まれる。
「これが都築の弱点か」
――――ツ、ヅキ……?
舌を嚙まないよう猿轡を嵌められたまま、後手に手錠を嵌められていた。
複数人の男達に囲まれ、白いスーツを着た男が近付いてくる。
……同業者…?
「ほぅ。こりゃえらく別嬪だな……男にしとくには勿体ない」
猿轡を外されると顎を掴み持ち上げられ、思い切り睨みつけたまま血の混じった唾を吐く。
「……ッ…ざっけんなッ…!離せよッ……!誰だよテメェ!」
声を荒げながら後手に縛られた手錠を外そうと暴れ続ける。
「顔に似合わず元気だな」
目の前の男は余裕のある笑みを浮かべたまま、周囲に指図を出すと唇を抉じ開け咥内に指を突っ込んでくる。
舌を指の腹で撫で奥深くに突っ込まれると嘔吐しそうになる。
愉しそうに咥内を犯しながら、その様子をスマホの画面を向けられる。
「おい。都築と和泉に囚われのお姫様の動画を送ってやれ」
嗚呼、パパの名前か……
漸く事態を飲み込みながら、自分が何も知らないことを思い知らされる――――
わかるのはどうやら目の前の男はパパの敵らしく、俺はその敵に捕まったということだろう。
「大事な人質だ。顔には傷をつけるな」
指を引き抜くと煙草を吸いながらシャツを引き破り、身体中に付けられた痕をマジマジと眺めながら鼻で嗤う。
「随分と大事に可愛がられてきたみたいだなァ……」
「――――ッツ……」
乳首に取り付けられたピアスを引っ張られ、指で弾かれると鈴の音が小さく鳴り、痛みに表情を歪め涙が滲む。
目の前の男がニヤリとほくそ笑むと、硬さを持ち膨らんだ乳首を押し潰すように弄り続ける。
「手塩にかけて大事に大事に育てたモン、滅茶苦茶にぶっ壊されたら……アイツがどんな表情するか見物だな?」
拘束されていた手錠を外され、床に押し倒されると手首を頭の上で縛られた。
吸っていた煙草を胸元に押し付け、火傷の痕を残される。
「――――ッぅぁあッ……!!」
肉が焼ける臭いが広がり熱さに悲鳴を上げ必死に踠き続けた。
片手で口を塞がれると助けを求める声も出せずに、屈辱に塗れた涙が溢れ目尻から伝い落ちる。
「泣き顔もそそる」
涙を舐め取るように目元に舌が這い嫌悪感で悪寒が走る。
「……わかってねぇな……アイツはそんなモンなんとも思っちゃいねーよ」
平静を装いながら相手を睨みつけ吐き捨てる。
相手の顔色が変わらないのを見上げながら、自嘲気味に続ける。
「残念だったな。俺はアイツにとってはただの商品と一緒だ」
「ただの商品かどうか、試してみるか――――」
――――!?
「足抑えてろ」
「……離……せッ……」
衣服を剥ぎ取られ無理やり全裸にさせられ両足を拡げられると、アナルに指を三本突っ込まれる。
「……痛ッ…――――!!!」
瞳を見開きあまりの激痛に息が詰まる。
「狭いな……毎日抱かれてるんじゃないのか?」
四本から五本と無理やり挿入されると、アナルがギチキチと締め付け続け、拡張される激痛で内股が痙攣する。
「手首まで挿れてやるよ」
――――……!?
肛門を拡げる行為なんて無理に決まってる。元来そんな器官じゃない。
「……痛いッ…嫌だッ…裂け、る……抜け、よ……ッツ」
泣き叫びながら助けを求めようにも、複数人に凄い力で押さえ付けられ、壊されていく様を撮影され続ける。
「ほら。拳まで入った。これでチンポいくらでも挿れられるガバマン決定だな」
「――――ぅあぁあぁぁ……ッ……!!!」
フィストされ中で動かされると、会陰裂傷し流血が滴り下半身のあまりの痛みに失神した。
あれから何日が経ったのか、時間の感覚が掴めない。
――――イキ…た……い……ッ……!
「……どうした?肉便器の分際で」
簡素なベッドの上に磔にされ、四肢に手枷足枷鎖で拘束された姿で、数本のアナルパールと尿道プラグを挿入され、乳首のピアスには錘とバイブが装着されている。
「……ぁん…ッ……ふ、ざけんなッ……気色悪ィんだよッ…ホモ野郎の変態がッ……!!!」
性感帯を全て責められる苦痛に悶絶し、目の前の男を睨みつけながら声を荒げる。
「まだそんな暴言吐く元気があるとはな……」
ずっとカメラを回され一部始終を撮影され続けている。
「おまえは違うのか?都築のデカマラ銜えて毎日ヒィヒィ善がってんだろう?」
下卑た嗤いを浮かべながら、愉しそうに尿道に挿入されたプラグを乱暴に抜き差しされる。
「――――ッ…やめ…ッ…ろ……んぁ…ぁあァ…ッ……」
尿道を擦られる刺激でイきそうになり、声を押し殺そうと噛み締めた下唇から血が滲む。
「オンナみてぇなエロイ嬌声上げて、毎日種付けされてんだろうが」
乳首のピアスを引っ張られ痛みに感じてしまうと、開いた口から涎が溢れ乳首からも血が流れる。
アナルパールを一気に引き抜かれる。
「……――――ぅあぁあぁぁッ……!!」
連なった球体が肉襞をズルズルと擦られる快感に、否応なしに身体が反応すると、ビクビクと痙攣させながら射精してしまう。
「ケツだけでイく、どっちが変態だ。あぁ?そんなに気持ち良かったか?」
「――――……も、や…だッ……やめ…ろ……ッ……触……んな……ッ――――」
「玩具では満足出来ねーだろ?おい。犯してやれ」
「……や、だ……やめッ……――――」
泣きながら怯えて逃げようとする俺の足首を掴み大きく開くと、命じられた男が股間から半勃ちのモノを取り出し、手で扱き完勃ちさせると、容赦なく亀頭をアナルに押し込んでくる。
「おまえの肛門はもう性交専用だな。毎日毎日都築に可愛がられて腰振って啼いてんだろうが」
ガンガン最奥を突かれ結腸口に亀頭を埋め込まれる感触に、下腹が苦しくて吐きそうになる。
「あ――…中熱くて気持ち良いな……肉襞が吸い付いてきてチンポ離さねぇ…ホント男にしとくのは勿体ねぇな。ホラ出すぞッ――――ッ……」
「……っはぁ……んぁッ…ぁあァッ……ッぅ…――――ッ!!!」
容赦なく腰を打ち付け結腸を犯されると、喘ぎ続けながら中出しされると同時に潮を噴き上げた。
「結腸に中出しされて女みたいに乳首膨らまして……おまえのどこが男だよ」
真っ赤に肥大化した乳首のピアスを引っ張られると、痛みに泣き叫びながらも勃起したペニスからは透明な体液が溢れて止まらない。
「気が済むまで犯していいぞ」
複数人の男達が嗤いながら取り囲む。
「だってよ。覚悟しな、たっぷり可愛がってやる」
若い男達が取り囲み四肢を抑え付けると身動きを封じ、力づくで身体を開かれる。
「――――……も、いやぁあッ…!!!」
太腿の内股と腕に注射針でクスリを打たれる。
久しぶりに摂取する感覚に一気に引き摺り戻されると、瞳孔の奥が開き鼓動が早まっていく――――
浅い呼吸を繰り返し咥内深くに咥えさせられると、容赦なく髪を掴まれ気が済むように乱暴に頭を動かし、好き勝手に喉奥まで突かれる。
「出すから全部飲めよッ……」
頭を押し付けられたまま強制的に精液が流し込まれる。
「――――ン――……ッゲホッ……ゲホゲホッ……」
苦味に噎せ返りながら、薬の効果か多幸感に理性を失っていく――――
「ケツマンコに大好きなチンポが欲しいんだろ?」
「――――ぁあぁアァッ……――――!!……いやぁあぁッ……!!!」
興奮した男達にアナルに二輪挿しされ、焦点の定まらない瞳を見開いたまま悲鳴を上げる。
――――ヤバイ……
被虐心を煽られると意思と関係なく勃起し、内股が痙攣し内部は否応なしに二本のペニスを締め付け続ける。
応援ありがとうございます!
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