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Regret
しおりを挟む…チッ…嫌なこと思い出しちまった……
寮を飛び出した足で、繁華街の路地裏で煙草を吸いながらしゃがみ込んでいた。
今夜のウリの相手でも探そうか――――
ぼんやりと考えてると、近付いてきた若い男達に声をかけられる。
「なー、俺らと遊ばない?」
見るからにチャラそうな男のナンパに無視をする。
どうせ女と間違ってんだろ……
相手をせずにいると、仲間と思われる数人に囲まれた。
「未成年が堂々と喫煙してていーのかなー?」
…あ――……ウザい
「うっせーな。関係ねぇだろ。ほっとけよ!」
相手に向かって吸い殻を投げ捨て苛立つ声で答えると、俺のハスキーボイスに違和感を覚えた奴が、興味深そうに顔を覗き込んでくる。
「あれ?もしかして男!?」
「綺麗な顔してんなー?本当に男の子?」
「無視すんなよ?こんなとこで何してんの?」
しつこい男達に、今夜は帰ろうと立ち去ろうとした瞬間、下腹を殴られた。
……っゔ……!?
声が出ない痛みに前のめりになりながら視界が歪む。
「売り専なんかよりもっと簡単に稼がせてあげるよ」
『割のいい小遣い稼ぎ』と嫌がる俺を半ば強制的に、無理やり連れて行かれた部屋の中には、複数人の大人の男達とカメラや照明が用意されていて、ゲイ向けのAV撮影なのだと一目でわかった。
「…離せッ!離せよッ…!」
暴れて嫌がる俺を羽交い締めにし、手首に手錠を嵌められる。
「へー。現役の高校生?上玉じゃん。こりゃ裏で高く売れるな」
「だろ?男の娘でもイケそうだな」
下衆い会話をしながら男達は準備を始め、俺は逃げられないようベッドに拘束された。
「…ヤ、ダッ…嫌だッ…離せ…ッ……触ん…なッ…!!」
男達の手がベルトのバックルを外し、下着を剥ぎ取ると俺のペニスを掴み扱きながら、下卑た笑いを零した。
「お!ちゃんと付いてんじゃん。本当に男だったんだな」
複数人に抑え込まれ全裸にされると、口元にペニスを近付けられる。
「咥えろ」
……死んでも嫌だ
いくら大金を積まれても大人数にマワされるのを、記録に残すような趣味はない。
「糞ガキが!咥えろっつってんだよ!」
命じられる言葉を拒否し、奥歯を噛み締めていると鼻を摘まれ呼吸を奪われる。
「……ン――――ッ…」
真っ赤になりながら耐えるも、数分で我慢出来ずに息を吸うと、開いた口にねじ込むように既に勃起したペニスを突っ込まれた。
「…ン、…ぅッ…!…」
雄臭い臭いに吐き気を覚え、奥歯で思い切り噛み付く。
「…痛ってぇな…!!…この、糞ガキッ!」
血の滲んだペニスを吐き出すと、股間を抑えながら、怒りに震えた男に顔面を殴られる。
鼻血が飛び散り口端が切れ鉄の味がした。
「次歯立てたら、テメェの歯全部折ってやっからな!!!」
怒り任せに再び咥内に突っ込まれ、一気に喉奥を犯される。
興奮状態の他の男達が俺の足首を掴み拡げると、アナルに熱り勃ったペニスを押し付けてきた。
「…ッ…んァ…ぁ……」
俺の口の中に一際デカイ、赤黒いぺニスが突っ込まれたまま「舐めろ」と指示される。
フェラは苦手だ。
上目遣いのまま睨み付ける俺に、
「とっととチンポ咥えろよッ」
痺れを切らした男の手が前髪をグッと掴み、好き勝手に喉奥を犯すように激しく突かれ……その行為は最早イラマチオだ――――
「…ホラ、出すぞ……ザーメン全部飲めよ…!」
頭を抑えつけられ固定され動けないまま、男が喉奥に出した精液を強引に飲まされる。
「…っぐ…ッン……」
同時にヒクつくアナルに無慈悲に突っ込まれると、ビクビクと内股が痙攣し、上も下も男を銜え込んだ醜態を晒した。
前髪を鷲掴みにしたままカメラへ向けさせ、横から顔射され白濁に塗れた顔を撮影される。
他の男達がベッドに寝かし四肢を押さえ付けられ、それでもまだ抵抗しようとする俺の頬を平手で叩き、首に手をかけられる。
「ナカが締まって、マジでケツマンコ気持ちイイわー……アー、もう出るッ!」
中出しだけは嫌だと、必死に抵抗しようとするのも虚しく、最奥にたっぷりと出された。
「女と違っていくら出しても妊娠しないからな」
せせら笑いながら、首を絞めて悦ぶ男達に嬲られながら、俺のプライドは崩壊する。
「……も、…や…め……」
掠れた喘ぎを漏らしながら、涙が溢れる。
「やめてじゃねぇだろ?ホラ、本当は気持ち良いんだろう?素直になれよ」
乳首に噛み付かれ、前立腺を刺激されると、薄い透明な精液を少量吐き出した。
「中だけでイけるとは素質あるな」
「見ず知らずの男にレイプされながら、しっかり感じてんだろ?淫売」
被虐心を煽られ痴態を晒しながら、喘ぎを繰り返し射精した直後にも変わらず、出なくなった精液の代わりに潮を噴き上げる。
「……ッ…ぁあぁ…ン…ッァ…あ、ダメッ…また…イ…くッ…――!」
そのシーンもしっかり撮影されると、体位を変えてヤると起こされ、近付く男の手の注射器を見て、俺は緊張で身を強張らせた。
「…ヤ…ダッ…やめ、ろッ…!」
涙で濡れた瞳で必死に抵抗を続ける。
「折角だから二輪挿しやろうぜ」
「…や、だぁ…やめ…て!…無理…ッ…ぃやぁあぁ…壊れ…る…ッ…」
小刻みに震え泣き叫びながら懇願する俺を無視し、無理やり突っ込まれると身体が悲鳴を上げ、骨が軋む音が聞こえた気がした。
「怪我されても困るし、ちょっと大人しくしといて貰おうか」
「………ッツ…!」
注射針が太腿に刺さり、中の液体が注入されていくと、徐々に抵抗する力が奪われ身体の自由が効かなくなっていった。
「怖がらなくてもただの筋弛緩剤だよ」
力が入らず倒れこむ俺を支えながら、男の上に跨ぐように寝かされ、もう一人が背後から挿入したまま形振り構わず無我夢中で腰を打ち付ける。
身体が鉛のように重く感じられ、自分の意思とは関係なく、二本のペニスが俺の中で擦れ合い、めちゃくちゃに引き裂かれる感覚。
「…やべぇ…スゲェ興奮する……」
「このガキ、エロ過ぎだろ」
限界まで拡がり出血したアナルから精液が垂れ流れ、大量に溢れ出てくるのをカメラがアップで捉える。
その後も一晩中入れ変わり立ち代わりする男達の、欲望の捌け口にされ続けた。
幸い激しい痛みは感じずにすんだ。
男達の嬲りものとして、口と傷ついたアナルに、何本もの肉棒を銜え込まされ、
人形のように激しく揺さぶられながら、痛みも快感もなく、やがて俺は緩やかに意識を手放した――――
目を覚ますと病院のベッドの中だった。
「……ン………」
永い夢から目醒めたように薄眼を開き、見覚えのない天井の景色に戸惑いながら、
喉の渇きを覚え起き上がろうとすると、ズキンと背筋に迄走った下半身の痛みに布団の上に崩れ落ちた。
「気付いたか?」
部屋に入って来た担任教師が、悶え苦しんでいる俺の傍に近付き上半身を起こすと、再び寝かされた。
「…ココ…どこ……?」
「病院」
腕に点滴が刺さってるのを見て、漸く自分の置かれている境遇を察した。
「…………」
無言で思い出そうとするが記憶が混濁する。
「……覚えてないのか?」
ミネラルウォーターのペットボトルを差し出され受け取るも、問いかけに俺は黙り込んだまま俯く。
「…………」
何も答えない俺に諦めたのか小さく溜息を吐くと、呆れたように頭にポンと片手を置かれた。
「言いたくないなら無理には聞かないが、あんまり無茶ばっかやってると、そのうち痛い目みるぞ」
「うっせぇ……」
その後は誰に何を聞かれても、「わからない」と何も答えなかった。
実際俺を襲った奴らのことなんか、わからないのだから――――
後から聞いた話では、道端で倒れ野垂れ死にそうになってた所を、通行人に通報され拾われたらしい。
丸2日眠り続けてたと言われたが、女だったら検査やら被害届やら色々言われるんだろうけれど、
男の場合はただの喧嘩で片付けてくれるんだから、ある意味助かる。
何があったのかなんて、身体を調べられればわかってるだろうけれど。
医者も深く追求して来ないのは、俺への同情というよりは、
触れてはいけない禁忌だとでも思われたのだろう。
世間体を気にする学校だから、警察沙汰になることなんか避けるに決まってる。
「おまえの取り柄は面しかないんだから、傷付けんなよ」
帰り際、傷口に貼ってある絆創膏に、ツンと触れながら言った教師の軽口が、全く冗談に聞こえなかった。
翌日には退院し寮に戻され、俺には謹慎が言い渡された。
部屋の二段ベッドの下のベッドにゴロンと寝転び、煙草をふかしていると、同室の先輩が学校から帰ってきた。
「寝煙草はやめろって言ってるだろ」
俺の机の上の真っ白なレポート用紙に目を遣り苦笑いすると、制服を脱いで部屋着に着替え始めた。
「それ、注意するとこ間違ってね?」
この人、仮にも風紀委員と寮長じゃなかったっけ……?
「おまえの場合大人しく部屋にいるだけ偉いと思うけどね」
嫌味にも聞こえるが、おそらく本心から出てくる言葉なんだろう。
「別に。堂々とサボれてラッキーくらいにしか思ってねーよ」
反省文ですむなら安いもんだろう。
寝返りを打ち俯せになったまま、早速机に向かって課題を片付けている姿を眺めながら、
前々から常々疑問に思っていることを口にしてみる。
「先輩はさー、嫌じゃねーの?」
「何が?」
「俺と同室で嫌じゃないのか?」
「なんで?どうしてそう思う?」
どうしてって、そりゃ…ね
「周りから色々言われるだろ?『あの尻軽毎晩抱いてんの?』とか、『部屋でヤりまくってんだろ?』とか、『ホモキモ~い』とか……」
「気にしてないよ」
俺の言葉を遮るように、言葉を被せてくる。
「言いたい奴には勝手に言わせておけばいい。俺は可愛い後輩と同室で光栄だと思ってるよ」
「……ブッ殺す」
「ははっ。可愛いが気に障ったんなら謝るよ」
不貞腐れるように枕元の灰皿に吸い殻を押し付けて火を消し、ベッドに寝転んだまま背中を向けた。
誰からも好かれ、慕われ、信頼も厚い典型的な優等生。
俺はこの人が苦手だ。
毎晩俺が悪夢に魘されてることを、この人だけは知ってるから――……
夏休みに入り、みんな実家に帰省したが、俺は寮に残っていた。
「結城は、帰らないのか?」
荷物を鞄に詰めながら、同室の先輩に聞かれた。
「んー……まぁなんか適当に、帰りたくなったら帰る」
先輩が笑顔でベッドに寝転がってる俺の顔を覗き込む。
「出席日数が足りないんだろ?頑張れよ補習」
「ウルセェ。とっとと帰れ」
楽し気に笑いながら出て行く先輩を見送ってから、俺も夜の街に繰り出した。
繁華街から少し外れた路地裏は、深夜になれば人通りは少なくなる。
夜になっても蒸し暑く、公園のベンチで煙草を吸ってると、サラリーマン風の中年の男に声をかけられた。
「君、いくら?」
一瞬言ってる意味がわからなかったが、この公園の公衆便所は、有名な発展場らしいことを思い出す。
まさかこの風体で補導に出回ってる私服警官でもないだろう。
「ね、口でやって。舐めてくれるだけでいいから」
公衆トイレに無理やり連れて行かれ、口の中にペニスを突っ込まれる。
「…ッぐ…ん…ぁ…っふ……」
少し舌を動かしただけですぐに勃起させ、ハァハァと荒い息遣いで気持ち良よさそうに、俺の髪を掴み咽喉奥を突きながら、程無く粘っこい精液を吐き出した。
「…げほッ…げほ……」
咥内に苦味が広がり無理に飲まされ精液が気管に入ってしまい、噎せながら涙目になる俺の腕を掴まれる。
「この近所に売り専の子がよく使ってるホテルがあるから行こうか」
表通りから一本外れると、落書きだらけのシャッターが下りた裏通りで、街灯もまばらになる。
治安は当然悪く酔っぱらいの喧嘩や、客引きのホストやらの喧騒が続き、風俗店が並ぶ通りの端はラブホ街だ。
男同士でも大丈夫らしいラブホに連れて行かれると、部屋に入りベッドに腰掛けるよう促される。
「ビールでいいかな?」
冷蔵庫から缶ビールを手に取って、隣りに座るとプルタブを引いたよく冷えた缶を手渡された。
コクンと頷き一気に半分ほど飲んで喉の渇きを潤す。
――――…目の前が揺れる。
「……ン…ッ…」
目の下を赤く染めたまま目の端が濡れ、隣の肩に寄り掛かった。
「酔っちゃった…?」
「……ッ」
そのまま強烈な睡魔が襲ってくると、ベッドに倒れ込んだ。
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