諦めた自分はもう一度夢を追います

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2章 悲劇を蘇らせないために

六 悲劇

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ジン「……ただいま。シデン」

未来「師匠!」

未来は迅の元に行こうとしたが、倒れた

ジン「…お前はこっちに来ないでくれ」

ジンは転移札で未来を人間界に戻した










未来「……んん?」

未来「え…」

未来は目を覚ましたが、そこは霊界ではなく、寮の天井だった

翼「未来、無事かッ!?」

翼は未来の部屋に勢いよく入った

未来「は、はい!」

翼「お前らッ未来が起きたぞッ!!」

翼は急いで未来の部屋を出て、耳を塞ぎたくなる程の声で言った

空・翔「わ、分かった」

二人は耳を押さえながら言った





未来「えっと、どうして私は此処に?」

落ち着いたところで、未来は聞いた

翼「それは俺達が聞きたいな。未来は寮の玄関前に倒れていたんだから」

空「迅はどうしたんだ?」

未来「師匠は……」










シデン「ジン。懐かしいだろ?」

シデンは今、ジンと一緒に霊界の底にある街にいる

ジン「ああ」

ジンが頷くと、ジンの視界に大柄の堕霊が見えた

ジン「ゴウキ、久し振りだな」

ゴウキ「…お前、ジンか?」

ジン「ああ」

ゴウキ「ハッハッ、久しいなジン!」

ゴウキ「また己を高めようぞ!!」

ジン「良いぜ」





ジン「此処ならできるか?」

あれからジンとゴウキは街を離れ、開けた場所に来た

ゴウキ「ああ」

ゴウキ「行くぞ!」

ゴウキは踏み込み、一気に接近した

ジン「変わらずだな!」

ジンは構え、言った

ゴウキ「ふん!」

ゴウキは拳を振りかぶると、周りに衝撃波が発生した

ジン「……もうちょっと考えろよ?」

ジンは片手でゴウキを止めている

ジン「潰せ、我が身は変わらん」

ジンはそのまま唱えると、ジンの腕に鎧のようなものが纏われ、爪に変わった

ジン「激爪!!」

ジンが腕を振ると、斬撃が放たれた

ゴウキ「おお!」

ゴウキは防いだが、ジンの一撃をくらって喜んでいる。ゴウキの後ろにある霊界には巨大な爪痕ができた

ジン「まだまだ行くぜ!!」

ジンとゴウキは戦いを楽しんでいる



空「…そうか」

空「……行ったんだな」

未来「……はい」

空「あっそういえば森羅さんには言いそびれてたな」

空「……これは10年前の祓い寮の話だ」





空「こちら空、霊界で子供(ガキ)を見つけた」

空は通信機で連絡したが、向こうからは驚いた声が聞こえてきた

空「うるせぇな」

空は通信機を切った

空「子供(ガキ)、起きてるか?」

空は嫌な顔をしながら子供を見た

子供「うん」





翼(幼少期)「空、子供(ガキ)見つけたってどういう事?」

翔(幼少期)「どういう事?」

翼に続いて翔が出てきた

空「言った通りだ」

迅(幼少期)「子供(ガキ)じゃない……迅」

迅は空の後ろに隠れながら言った

翼(幼少期)「迅、隠れてないで遊ぼ?」

迅(幼少期)「…いいの?」

翼(幼少期)「うん♪」





迅(幼少期)「祓え、我が手に剣は宿らん」

あれから数日経ち、迅は祓い者の才能がある事が分かった

空「もうできたのか…」

空は驚いているが、祓い寮にいる皆も驚いていた

翼(幼少期)「すごい!もうできたんだ!」

迅(幼少期)「う、うん」

空「見せてくれないか?」

迅(幼少期)「い、良いよ」

迅は空に剣を渡した

空「ちゃんと霊力でできた剣だな」

空「形もおかしくはないな」

空が剣を見たが、剣におかしなところはなかった

空「(コイツは将来とんでもない奴になるな)」





空「行っておくが、俺の側を離れんなよ」

空は今、迅、翼、翔の三人を連れて霊界に来ている

迅(幼少期)「う、うん」

翼(幼少期)「翔、どっちがたくさん祓える?」

翔(幼少期)「僕!」

翼(幼少期)「私!」

二人はそう言って、空から離れて行った

空「あっおい!」

空は離れて二人を追ったが、迅が一人になってしまった

空「しまった…」

空は迅を見たが、悪霊が迅を襲おうとしていた

迅(幼少期)「やあ!」

迅はいつの間にか作っていた剣で悪霊を祓った

空「…すげぇな」





翼(幼少期)「翔、霊力どれくらいある?」

翔(幼少期)「まだまだあるよ。翼は?」

翼(幼少期)「まだまだあるよ」

二人は霊界の下の階層に来ている。下の階層には強力な悪霊もいる

迅(幼少期)「……見つけた」

迅は二人の霊力を見つけ、向かった

空「ちょ、待て!!」

空は向かおうとしたが、悪霊に食い止められている





翼(幼少期)・翔(幼少期)「こ、来ないで」

二人は悪霊を倒そうとしたが、その悪霊を倒せず、逃げている

迅(幼少期)「やああッ!!」

迅は上から剣を振り下ろし、悪霊を倒した

迅(幼少期)「二人とも、大丈夫?」

翼(幼少期)・翔(幼少期)「うん…」

迅(幼少期)「なで…なで」

迅は二人を落ち着かせた





空「(やっぱり俺は不器用だな…)]

迅(幼少期)「そ、空」

迅は皆と一緒に祓い寮に戻って空に話しかけた

空「どうした?」

迅(幼少期)「僕、祓い者を目指す」

空「今祓い者だろ?」

迅(幼少期)「そ、そうじゃなくて」

迅(幼少期)「皆を守れる祓い者になる」

この日、迅の夢が決まった





迅「空お兄ちゃん~」

空「どうした?」

あれから一年が経ち、迅は空を兄と思い、空は性格が丸くなった

迅「僕も霊界に行ってお兄ちゃんと一緒に戦いたい」

空「ダメだ。子供は遊んでろ」

迅と空が話していると、祓い寮全体に霊界に繋ぐ扉が現れた





空「霊界!?」

空「…祓い寮全体をかよ」

周りを見たが、そこには祓い寮にいる全員が居た

???「全員居るな」

空「…お前、誰だ?」

空は現れた人間に対して、警戒している

悪霊の王「悪霊の王とでも呼んでくれ」

悪霊の王が腕を振るうと、空以外の皆が強制的に動かされている

空「……なにをした?」

悪霊の王「選別だ」

空「何が選別だ!!」

空は怒りのままに剣を振るった

空「断撃斬!」

剣を振ると、霊界の地面が割れ、衝撃波が向かって行った

悪霊の王「ふん」

衝撃波は悪霊の王に向かって行ったが、当たる前に消えた

祓い寮の男の子「うぅ」

身体を強制的に動かされているため身体が悲鳴をあげている

空「なッ」

そこからは祓い寮の者同士で戦っている地獄の景色になった





迅(幼少期)「どうして……ぼくだけが」

祓い寮同士の戦いは迅だけが生き残り、迅以外は倒れている

悪霊の王「ほう、生き残ったか」

悪霊の王が呟くと、迅の右腕に触れ、悪霊の力を迅に流した

迅(幼少期)「かはっ」

迅の右腕は変貌し、迅の目と口から血が出てきた

空「迅ッ!!」

空は迅を助けようとしたが、

悪霊の王「では行こう」

悪霊の王は迅と一緒に消えた










空「…それから二年経ってから、迅は戻ってきたが、祓い者の憧れは消えていたんだ」

空「それから俺は迅を養子にしたんだ」

翼「幸い、私達は生きていたが」

翔「あの時の迅は悲しそうだった」

三人が過去を言っていると、強力な悪霊の気配を感じた
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