初級魔法しか使えない？だったら極めます

１章 初級レベルの魔法使い

ダンジョンへ

ヘレティック「…ただいま」

あれからクラス発表があり、ヘレティックは学園から帰ってきたが、あまり喜んでいない

ヘレティックの父「お帰り」

ヘレティックの母「どうだった？」

ヘレティック「少ないけど……魔力はあったよ」

ヘレティックの言葉に両親は安心した

ヘレティック「……けど、初級レベルの魔法しか使えない…」

ヘレティックは両親に言うと､自分の部屋に行った










ヘレティック「…結局来ちゃった」

ヘレティックは昨日決まった教室に来て、席に座っている

ヘレティック「(何で来たんだろ？)」

ヘレティックを見るクラスメイトの目は邪険にするような目で見ている。此処までならなんとか耐える事ができるかもしれないが

ノービリス「授業を始める」

だがそれは自分が苦手な教師じゃなかった場合という二つがなかった場合にある










ノービリス「おいヘレティック(貴様)」

ヘレティック「…はい」

ヘレティックの席は見せしめなのか分からないか、一人だけ一番前の席にいる

ノービリス「これで赤色以上を出してみよ」

ノービリスは教卓に魔法石(まほうせき)を置いた。魔法石とは､魔法の強さが色で分かり、赤色、その次に黄色、次に白、一番上が青と決まっている

ヘレティック「……はい」

ヘレティックは魔法石に魔力を与え、赤色に変わったが､それ以上変わらなかった

ノービリス「凡人め」

ノービリスの一言言った後、クラスメイトのほとんどが笑った

？？？「…うるさい」

女子クラスメイトのその一言で感じた魔力によって、クラスメイトが黙った










ヘレティック「…あの」

ヘレティックはさっきの女子クラスメイトに話しかけた

？？？「なに？」

ヘレティック「さっきはありがとう」

？？？「ただ授業を邪魔されたくなかったから」

エイス「それと、私はエイス」

ヘレティック「僕はヘレティック」

エイス「……」

エイスは何も言わず、去っていった

ヘレティック「…ん？」

ヘレティックは教室に戻る前に学園にある掲示板に貼っている、ダンジョン、と書いてある紙を見つけた

クラスメイト「おい凡人」

ヘレティック「…え？」

ヘレティックが振り向いた時には､頭上から雷が落ちてきた

ヘレティック「くっ」

ヘレティック達が着ている制服とローブは魔法のダメージが軽減される魔法石が仕込まれている

クラスメイト「こいつはいい的が､お前ら、やろうぜ！！」

そこからはヘレティックに向かって中級、上級の魔法が一斉に放たれた










ヘレティック「…ヒール」

ヘレティックは制服とローブのおかげ生きており、回復魔法で、少し傷を癒した










ヘレティック「…此処なら」

ヘレティックはボロボロに近い状態で剣を持ちながら、ダンジョンに入った

ヘレティック「ブースト」

ヘレティックは自分の身体能力を上げ、強引に身体を万全の状態にした

ヘレティック「……」

ヘレティックの周りにはモンスターが集まってきた

ヘレティック「負けない！」

ヘレティックは剣を振り、モンスターが斬った

モンスター「……」

モンスターの口から火球を放った

ヘレティック「っフレイム！」

ヘレティックは火球をくらったが､すぐに炎を放った

モンスター「……」

だが、それだけではモンスターは倒せず、ヘレティックに無数の魔法が放たれた

ヘレティック「ッ！」

ヘレティックは防御もできないまま、落下していった










ヘレティック「…うぅ」

幸い、ヘレティックは生きているが、かなり深くの階層まで落ちてきていた。しかも、上からの光がほとんど見えない程、下の階層まで落ちてきていた

ヘレティック「……はは、此処で死ぬのか」

周りの強力なモンスターがヘレティックに向かってきた

ヘレティック「…強くなりたかったな」

ヘレティックは目を瞑った










ヘレティック「……え？」

目を開けると、ヘレティックに傷はなく、周りいた強力なモンスターは倒されており、そこにはエイスが居た

エイス「生きてる？」

ヘレティック「う、うん」

エイス「良かった」

エイス「こんな深い層まで来て、死にたかったの？」

ヘレティック「此処は何階層なの？」

エイス「１００階層」

ヘレティック「１００ッ！？」

エイス「うん。上級以上しか来れない場所」

ヘレティック「上級以上……超越者(マジックマスター)って事？」

超越者(マジックマスター)。遥か昔、世界を消した侵略者を封印した魔法使いに与えられた称号、ウィザード学園の生徒達は皆(みな)、超越者(ウィザードマスター)を目指している

エイス「うん。初級しか使えない人は帰った方が良いよ」

ヘレティック「……よ」

エイス「ん？」

ヘレティック「君に何が分かるんだよッ！！」

ヘレティック「皆が中級、上級を使える中､僕一人だけが初級なんだッ！！」

ヘレティック「この気持ちが分かるかッ！！」

ヘレティックの言葉は自分の無力さに嫌気がさし、八つ当たりのように言っている

エイス「……分かるよ。私も自分の無力さに嫌気がさした事もある」

エイス「けど､どうしてそこで終わる？どうして魔法を極めない？」

ヘレティック「魔法を……極める？」

エイス「魔法は所有者の魔力によって決まるけど､魔法を理解すれば魔法は進化する」

エイス「君は今の自分のまま、殻に閉じこもっていたいならそのままでいい」

エイス「けど､今の自分を変えたいなら､私は協力する。どうするかは君が決めて」

ヘレティック「……」

ヘレティック「僕は今の自分を変えたい」