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三章
19・ブレスを撃てば大体解決する
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天界で卵パーリーが企画されていた頃、グシオンは急いで公爵邸に向かっていた。
リッチが何を企んでいたか分からない以上、一刻も早く公爵へ報告をするためだ。
そしてノワールはムラムラしていた。
竜は基本、好戦的な生き物だ。ノワールもその例に漏れず好戦的だ。
食べる=戦う>寝る、くらいには好戦的だった。
いつもは食べる事で戦闘欲を抑えていたのだが、リッチとの戦い?と教会でまともに食べられなかった為、色々と抑えられずムラムラしていたのである。
ちなみにノワールは本気で戦う事はせず、いつも手加減している。
理由は黒竜時代に女神に止められた為だ。
黒竜が本気で戦ったら周りの被害が尋常ではない。そのため女神に
「戦う時は子供と遊ぶ感覚で戯れるのよ」と言われていた。
人に転生後も律儀に守っていたノワールだった。
しかしそんな女神との約束も今回の【ノワールちゃんムラムラ事件】に一役買っていた。
「ムラムラする」
『大丈夫?ちなみに私は大丈夫じゃないわ、主にベッドが』
「もうヤりたい様に突き進もうかしら?」
『生態系とかが崩れそうだから止めてね……ちょっ!妹ちゃん何を……皆も何をぎゃああアァぁぁー!』
今までは(ノワール的に)控えめにしていたが我慢の限界が来てしまった。
後に生命の女神イセリアはこう語る……
「あの日以来ノワールちゃんの遠慮が無くなったわ。前から無かった様な気もするけど」
「ホグワッツ!?」
急にノワールの乗っていた馬車が止まる。
何事かと窓から顔を出しグシオンに聞いてみるノワール。
「貴様、何事じゃ?」
ムラムラが原因で口調までおかしくなってきたノワール。だがグシオンのスルースキルにより華麗に回避された。
「それが……崖崩れで道が塞がっていまして」
「ほーん」
「クソッ……早く公爵様に報告しなければ為らないのに」
「んー……。あの瓦礫を退かしたいって事でいいの?」
「え、ええ……そうですが」
「私が殺ってあげる!」
グシオンは意味が分からなかった。
ノワールの痩せ細った体で何が出来るのだと。
さらに魔法も自分で苦手だと言っていたのだ。
ならばどうやって退かすのかと見ていると、ノワールは馬車から出てきて瓦礫に向かって前屈みに為った。
「この姿に成ってからやった事ないけど、多分出来ると思うのよねー……取り敢えず、一番威力を低くして……」
「お嬢、何を……」
ノワールは口を開いて魔力を圧縮していく。
竜のブレスには二種類ある。
一つは火や雷、毒などを撃つブレスだ。
魔力を火等に変換したり、体内にある器官を使い撃つ。
もう一つはノワールのやろうとしている魔力をそのまま撃つ方法だ。
魔法が苦手なノワールに魔力を変換なんて出来る筈もなく(出来たら魔法だ)、火を出す器官もない。そもそも今は人間だしね!
そのためノワールの撃てるブレスはこれだけだった。
魔法が駄目ならブレスを撃てば良いじゃないbyノワール
「団長、嫌な予感が……」
「奇遇だな、俺もだ」
「デスフレア」
「んー……やっぱり弱くなってる。まあでも、瓦礫は退かせたし良いか」
ノワールは瓦礫を吹き飛ばした……が、奥にあった山に穴を空けていた。
山「解せぬ」
「口の中がヒリヒリするし、今は全力で撃てなそうね」
『やり過ぎよ……山以外被害者がいなかったからいいけど』
ノワールが口からブレスを撃ったのを見て、グシオン達は口から魂が出そうになった。
「あー……お嬢?やり過ぎですよ……。どうするんですか、山に穴空けて空けて」
(団長!つっこむ所そこですか!?)
「駄目だった?」
「駄目ですよ……マジでどうしよう……」
「もう、分かったわよ。山を戻せば良いのでしょう?大地の女神よ、山を戻しなさい!」
「いやいや、戻るわけ……戻ってるー!?」
こうして山は戻りましたとさ。めでたしめでたし。
【ノワール・ドラグーン】
口から高威力のブレスを撃ち、神々の力を使う(お願いする)事が出来る、強力なデジモ……公爵令嬢だ!
必殺技は『デスフレア』。世界の理を無視し、万物全てを消滅させるぞ!
「人に転生して弱くなったし、今の姿じゃ本気で撃ってもそこまでの威力はないわ」
あ……そうですか。
リッチが何を企んでいたか分からない以上、一刻も早く公爵へ報告をするためだ。
そしてノワールはムラムラしていた。
竜は基本、好戦的な生き物だ。ノワールもその例に漏れず好戦的だ。
食べる=戦う>寝る、くらいには好戦的だった。
いつもは食べる事で戦闘欲を抑えていたのだが、リッチとの戦い?と教会でまともに食べられなかった為、色々と抑えられずムラムラしていたのである。
ちなみにノワールは本気で戦う事はせず、いつも手加減している。
理由は黒竜時代に女神に止められた為だ。
黒竜が本気で戦ったら周りの被害が尋常ではない。そのため女神に
「戦う時は子供と遊ぶ感覚で戯れるのよ」と言われていた。
人に転生後も律儀に守っていたノワールだった。
しかしそんな女神との約束も今回の【ノワールちゃんムラムラ事件】に一役買っていた。
「ムラムラする」
『大丈夫?ちなみに私は大丈夫じゃないわ、主にベッドが』
「もうヤりたい様に突き進もうかしら?」
『生態系とかが崩れそうだから止めてね……ちょっ!妹ちゃん何を……皆も何をぎゃああアァぁぁー!』
今までは(ノワール的に)控えめにしていたが我慢の限界が来てしまった。
後に生命の女神イセリアはこう語る……
「あの日以来ノワールちゃんの遠慮が無くなったわ。前から無かった様な気もするけど」
「ホグワッツ!?」
急にノワールの乗っていた馬車が止まる。
何事かと窓から顔を出しグシオンに聞いてみるノワール。
「貴様、何事じゃ?」
ムラムラが原因で口調までおかしくなってきたノワール。だがグシオンのスルースキルにより華麗に回避された。
「それが……崖崩れで道が塞がっていまして」
「ほーん」
「クソッ……早く公爵様に報告しなければ為らないのに」
「んー……。あの瓦礫を退かしたいって事でいいの?」
「え、ええ……そうですが」
「私が殺ってあげる!」
グシオンは意味が分からなかった。
ノワールの痩せ細った体で何が出来るのだと。
さらに魔法も自分で苦手だと言っていたのだ。
ならばどうやって退かすのかと見ていると、ノワールは馬車から出てきて瓦礫に向かって前屈みに為った。
「この姿に成ってからやった事ないけど、多分出来ると思うのよねー……取り敢えず、一番威力を低くして……」
「お嬢、何を……」
ノワールは口を開いて魔力を圧縮していく。
竜のブレスには二種類ある。
一つは火や雷、毒などを撃つブレスだ。
魔力を火等に変換したり、体内にある器官を使い撃つ。
もう一つはノワールのやろうとしている魔力をそのまま撃つ方法だ。
魔法が苦手なノワールに魔力を変換なんて出来る筈もなく(出来たら魔法だ)、火を出す器官もない。そもそも今は人間だしね!
そのためノワールの撃てるブレスはこれだけだった。
魔法が駄目ならブレスを撃てば良いじゃないbyノワール
「団長、嫌な予感が……」
「奇遇だな、俺もだ」
「デスフレア」
「んー……やっぱり弱くなってる。まあでも、瓦礫は退かせたし良いか」
ノワールは瓦礫を吹き飛ばした……が、奥にあった山に穴を空けていた。
山「解せぬ」
「口の中がヒリヒリするし、今は全力で撃てなそうね」
『やり過ぎよ……山以外被害者がいなかったからいいけど』
ノワールが口からブレスを撃ったのを見て、グシオン達は口から魂が出そうになった。
「あー……お嬢?やり過ぎですよ……。どうするんですか、山に穴空けて空けて」
(団長!つっこむ所そこですか!?)
「駄目だった?」
「駄目ですよ……マジでどうしよう……」
「もう、分かったわよ。山を戻せば良いのでしょう?大地の女神よ、山を戻しなさい!」
「いやいや、戻るわけ……戻ってるー!?」
こうして山は戻りましたとさ。めでたしめでたし。
【ノワール・ドラグーン】
口から高威力のブレスを撃ち、神々の力を使う(お願いする)事が出来る、強力なデジモ……公爵令嬢だ!
必殺技は『デスフレア』。世界の理を無視し、万物全てを消滅させるぞ!
「人に転生して弱くなったし、今の姿じゃ本気で撃ってもそこまでの威力はないわ」
あ……そうですか。
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