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13 ☆ 一応こっちもエッチマーク付けておきます

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 三日ぶりにミツアキに会う為に、アデーレは急いで彼の部屋に行った。
 扉を開けると、彼はベッドの上で毛布をくしゃくしゃにしているところだった。
 (ぐぅ、かわいい♡♡♡♡♡)
 就寝前のワンコの巣作りは何度見てもかわいいものだ。
 彼に試作した服を見せて、早速着て貰う事にする。
 着方がよくわからないようなので、アデーレは手伝ってあげる。
 服を脱がせたら、彼の胸の肌が見えてちょっと動揺してしまう。
 服を着せると、想像通りばっちり似合っている。
(かわいいぃ♡♡♡かわいいぃ♡♡♡私の天使いぃ♡♡♡♡♡かわいいポイント一億点あげたい♡♡♡♡♡)
 そんな溢れる気持ちをぎゅっと圧縮して、感想を言う。
 隠すべきところだけを隠して、あとのもふもふの毛のあるところはバッチリ見えるその服は、素晴らしい出来と言える。
 そして興奮のあまりアデーレは彼に抱きつく。彼の匂いを肺いっぱいに吸い込む。
(はぁあ♡♡しあわせえぇ♡♡♡♡♡♡)
 獣の匂いをかぎながら、アデーレは大いに興奮状態にあった。
(三日ぶりなんだから仕方ないよね!!! もう、本当!! 三日間寂しかったな!!!!)
 彼の首周りの毛に顔を埋めて、背中の毛をもふもする。
(いずれ彼を外に連れ歩けるように絶対するぞぉ!!!)
 堅い決意を胸にアデーレは、ミツアキをモフリ続ける。
 ミツアキも興奮したのかアデーレをぎゅっと抱きしめてくんくん匂いをかいでいる。更に興奮した彼に押し倒されて、ペロペロ舐められる。
(えへへへへへ♡♡♡♡♡) 
 ミツアキともの凄く仲良くなれた事を感じて、アデーレは締まりのない顔をしてしまう。
 その時、彼がぐいっと股間をアデーレの太腿に押し付けて来たのを感じる。
(あっ!)
 興奮気味な呼吸をしながら、ぐいぐいと押し付けられる。
 何をしているのか、アデーレにはすぐにわかる。
(な、なんて、かわいいんだろう♡♡♡♡♡♡)
 彼が一生懸命、腰を擦り付けて来る。アデーレは、それを止める事なく受け入れる。
 他のワンコ達も、興奮してアデーレへの『好き』の気持ちが溢れると、こうして腕や足に腰を擦り付けて来る事があった。
 本来は犬同士の性交で行う行為なのだが、それは彼らの一瞬の愛情表現だとアデーレは受け止めている。
 なので、基本的ににっこりしながら受け入れる様にしていた。
(かわいいミツアキ、そんなに私の事を好きなんだね)
 アデーレもなんだか興奮してしまって、彼の毛深い首元にキスをした。
「はぁはぁ………はぁ…………………………、………!」
 彼が射精して震えた後、荒く息をして、慌てて体を起こす。
 視線が合うと、アデーレは彼を安心させるように笑みを見せる。
「気持ちよかった?」
「……はい…………」
 彼は小さな声で返事をする。耳がペタンとなっている。
 怒られると思っているのだろう。
「そう、それは良かった」
 アデーレは手を伸ばして、彼の頭を撫でる。
「…………怒ってないのか……?」
(全く怒ってないよ!! むしろ嬉しかったよ!!)
「え、怒ってないよ? だって、よくされるから」
 アデーレは極力冷静さを装って彼に言う。
「はぁ!?」
 彼がものすごく驚く。
「興奮した犬達はよく、私の腕とか足とかに出すよ。かわいいよね」
 これで彼は安心してくれるだろうか。アデーレは、腰をカクカクされる事に嫌悪感は全然無い!
「犬か……」
「うん」
 彼はバツが悪そうに、視線を彷徨わせる。
「また、したくなったらいつでも言ってね」 
(本当、いつでも相手するからね)
 彼は返事をせず、アデーレの胸に顔をつっぷした。
(かわいぃ♡♡♡♡♡♡♡♡ しょんぼり反省してるミツアキかわいぃ♡♡♡♡♡♡)
 アデーレは彼の頭を撫でながら神に感謝した。
 しかし、現在アデーレの方にも障りがあった。それがバレないように必死に、下半身に力を入れている。
(彼が私にするのは愛情表現だから良いんだけど、私が彼にするのは人道的に絶対にダメだから我慢しないと……!)
 獣に興奮して、獣を相手に性処理をする人間は人道に反していると言われている。
 アデーレもそう思う。
(私は絶対にそんな事はしないぞ! ミツアキを襲ったりしない!!)
 アデーレはぐっと我慢して己の性欲を押さえつけた。
  


   
つづく
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