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12 ☆ ちょっとエッチなシーン有

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 アデーレが三日ぶりに帰って来た。そして彼は夜に俺の部屋にやって来る。
「どうしたんだ?」
 俺はそろそろ寝ようと思っていた。今、いい感じに毛布をベッドの上にくしゃくしゃにまとめられたところだ。
「服が出来たんだ」
 彼はにっこり笑いながら、近づいて来る。
「これだよ」
 ぺらっと、彼が差し出した服を見る。ひらひらした布の服だった。
「ん???」
 俺はその服がどういう構造なのか、パッと見ではわからなかった。
「こっちの服は脱ごうね」
 アデーレが俺の寸胴着を脱がせる。
「むぅ」
 そして新しいヒラヒラ服を着せる。
「これは首の後ろで結ぶんだ」
 アデーレが俺の前方から腕を回して紐を結んでくれる。
 ちょっと、ドキっとした。
「よし出来た!」
 俺は、着せられた後にハッとする。
(これ……『童貞を殺す服』だ……!)
 以前ネットで話題になっていたデザインの服と、その服は良く似ていた。
 丈は太腿の中頃と短く、前面だけに布があり、背中と脇はぱっくりと開いている。
「窮屈だって言ってたから、いろいろと考えたんだ。極力締め付ける部分の少ない服にしようって」
(その結果、『童貞を殺す服』になったのか……)
 この服にもちゃんと尻尾を通す穴はついていた。
「どうかな?」
 デザインには思うところがあるのだが、現在の姿で着る服としては良い物だった。
「凄く着やすいよ。ありがとう、アデーレ」
 俺は笑みを見せる。
「はうぅ!!」
 彼は胸を押さえて悶える。
(この反応を見るの三日ぶりだな)
「わ、私からも感想を言うけど、とっても素敵だよ!!」
 彼は顔全体を赤くして、報告してくれる。
「そうか」
 俺は頷く。
 かなり嬉しいけど、それを悟られないようにぐっとこらえて我慢する。
「あぁ、もうダメだ、我慢出来ない!!」
 彼が飛びついて来る。
「!」
 アデーレが抱きついて、首元に顔を埋めて息を深く吸っている。
「うぅ、いいにおいぃ♡♡♡ もふもふぅ♡♡♡」
「お、おい」
「ごめんよミッチー。でも我慢できないんだ! 君に三日も会えなくて、私は!!」
 ぎゅーっと強く抱きしめられる。
 彼の匂いが側でする。アデーレはとても良い匂いがする。
(犬達によくないから、香水とかは付けてないって言ってたんだけどな……)
 俺は気になって、彼の首元に鼻を埋めて匂いをかぐ。
(やっぱり、良い匂いがする……)
 花のような甘い匂いだ。かぐと心地よい気持ちになる。
「くんくん……」
「ふふっ、くすぐったいよミッチー」
 彼の匂いをかぐと、、頭の中がとろけるようだった。
「背中もふもふ~♡」
 アデーレが、背に手を回して、俺の背中をもふもふ撫でる。
「はぁ♡ 本当、この服をデザインしてよかったなぁ♡♡♡」
 彼のもふりやすさを考慮したデザインでもあったらしい。
(それにしても良い匂いだ……)
 俺は夢中で彼の匂いをかぐ。うなじが特に匂いが濃い。
(幸せだ……)
 現在、男二人ベッドで抱き合っている状態な事も俺は完全に忘れている。
 俺は興奮したまま彼を押し倒す。
「わっ」
 体の下でアデーレが驚いた声をあげる。もちろん押しつぶさないようにして、体は浮かせている。
「ふんす、ふんす」
「うふふっ、よしよし♡♡♡」
 アデーレは怒りもせずにそんな俺の頭を撫でる。
(舐めたら美味しいかな)
 俺はアデーレの首をペロペロ舐める。
(美味しい!)
「あはは!」
 彼は楽しそうに笑っている。
 俺はそんな彼の首や、顔をペロペロ舐める。
(おいしい、おいしい、幸せ、いいにおい)
 ハフハフと、呼吸が荒くなる。
 知らず、ぐいっと彼の太腿に股を押し付ける。
(きもちいい……)
 アデーレの匂いを嗅ぎながら、俺は腰をすりすり動かして射精してしまった。
「はぁはぁ………はぁ…………………………、………!」
 俺はようやく正気に戻る。
 慌てて体を起こす。
 アデーレを見ると、彼はいつもの穏やかな顔で笑みを浮かべている。
「気持ちよかった?」
「……はい…………」
 俺は消え入りそうな声で返事をする。
「そう、それは良かった」
 アデーレが俺の頭を撫でる。
「…………怒ってないのか……?」
 男にアレをこすりつけられて、射精されて。
「え、怒ってないよ? だって、よくされるから」
 彼は平然と言う。
「はぁ!?」
「興奮した犬達はよく、私の腕とか足とかに出すよ。かわいいよね」
 彼はにっこりして言う。
 一瞬、人間の男相手にそう言う事をしているのかと想像して嫉妬心がわいたが、犬相手だった。
「犬か……」
「うん」
 アデーレは他意は無さそうである。
「また、したくなったらいつでも言ってね」 
 俺はそれに返事をする気もせず、彼の胸に上に顔をつっぷした。
(ヤバイくらい気持ちよかったけど、二度目が無い事を祈る……!!!)




つづく



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