魔力ゼロの腐女子ですけど、魔王様の娼婦をやっています

綾里 ハスミ

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 城に戻ってから、寝室は以前と同じようにイルブランドと同じ部屋だった。キングサイズのベッドに一緒に寝ている。しかし、葵は以前と同じでは無い。彼がガウンを着て寝室に入って来ると、シーツで顔を隠してしまう。彼が明かりを消して隣に入って来て、葵を抱き寄せても葵は彼に背を向けて丸まっている。とにかく、恥ずかしいのだ。
「娼婦の頃は、ここまで羞恥を見た記憶は無いのだがな……」
 葵を腕に抱えて、イルブランドはやや呆れている。
「あれは、生きる為と割り切っていたので……」
 イルブランドが葵の耳にキスを落とす。
「まぁ、しかし男として意識されるのは、悪い気はしない」
 耳や頬、首に彼はキスを落とす。
「しかし、そろそろ我慢も限界ではある」
 実は城に戻って来てから三ヶ月になるのだが、まだ一度も彼と寝ていない。原因は、葵が異様に緊張する事にある。
「いずれ慣れるかと思ったが、まだ慣れないのだな」
「イルブランド様の美しさと、美声に慣れるとか無理です……」
「嬉しい事を言ってくれる」
 彼はあえて、耳元で囁く。
「ひゃっ!」
「はっはっはっ、おまえはそうして騒がしいくらいが丁度いいな」
 彼は機嫌よく笑う。
「もー」
 唸っていると、肩を押されて振り向かせられる。そして、キスされる。
「明日は、仕事も休みであろう。抱くには良い機会だ」
「や、やる気ですか!?」
「あぁ、やる気だ」
 葵は完全に、気を抜いていた。イルブランドがキスをして来る。唇を食み、舌が入って来る。
「んっ」
 口の中で彼の舌先が動く。葵は、翻弄されながらそれに応える。長いキスの後に、唇が離れる。
「や、やっぱり止めませんか……?」
「ダメだ」
 彼は葵の提案をばっさり切って捨てる。
「今のおまえには、少しぐらい押しが強い方が良いと思ってな」
 彼は葵の、ネグリジェに手をかけてボタンを一つずつ外す。葵はそれを、緊張した面持ちで見る。とは言え、明かりは無いので彼は黒い影にしか見えない。明かりを付けてSEXなんて、今の葵には絶対無理だろう。ボタンを外し終わると、キャミソールの上から彼の手が触れる。
「む」
「ど、どうしましたか」
「少し、大きくなったか?」
 彼は胸を揉みながら言う。葵は、顔が熱い。しばらく運動もせずにずっと原稿をやっていたので、体重が増えていても仕方ないだろう。
「わ、わるかったですね!」
「何も悪い事はない。むしろ良い事だ」
 彼はもみもみと少し大きくなった胸を揉む。
(そうだこの人、おっぱい星人だった)
 葵は遠い目をしてしまう。イルブランドは、熱心に胸を揉んでいる。葵とキスをしながら胸を揉み、太ももを妖しく撫でながら胸を揉んでいる。
「イルブランド様の……おっぱい星人……」
 葵は息が上がるのを自覚しながら、ぼそっと言う。
「懐かしい罵倒だな。しかし、この三ヶ月ずっと、触れるのを我慢していたのだぞ。これは、致し方の無い事だ」
「そうかなぁ」
「あぁ」
 彼は力強く答える。
 キスをしながら、胸を揉まれたり、太ももを撫でられたりした後に、彼は葵の股を膝で割り開いて手を滑り込ませる。
「!」
 久しぶりにそこに触れられて、緊張する。下着の上から、彼の指が葵の秘部をなぞる。イルブランドは葵の胸の頂きを、口に含んで舐める。柔らかいな舌が、頂きを刺激する。
「っ……」
 秘部と胸への刺激に体が熱くなる。彼の手が、秘部絶対をゆっくりと刺激した後に下着の中に手が入って来る。蜜のしたたるそこに、指が触れる。花びらを撫でた後に、指が秘部の中に入って来る。
「んんっ……」
 葵は眉を寄せる。細い指一本だが、久しぶりなのでキツく感じる。指が中に入って、マッサージするようにゆっくりと中を刺激する。
「はぁ、あぁ……」
 熱く息を吐きながら、彼の愛撫に体を任せる。胸と、秘部への愛撫はたっぷりと時間がかけられる。
 彼は指を引き抜き、今度は下に屈む。葵は何をするのか、気づいて慌てる。
「舐めちゃだめ!」
 すると彼が止まる。
「何故だ?」
「な、何故って……恥ずかしいからです……」
 葵は眉を寄せる。
「気持ちよく無いか?」
「き、気持ちは良いですけど……困るんです……」
「何に困るんだ」
「気持ちよすぎて困るんです」
 しばらく、沈黙が落ちる。
「なるほど」
 そう言って、彼は葵の秘部を舐める。
「何が、なるほどですか!?」
 彼は、葵の弱いところをペロペロと舐めている。
「あっ、あぁ!!!」
 葵はシーツを握りしめて、喘ぐ。太ももは、彼にがっちりと押さえ込まれている。
「気持ちが良いのは実に結構じゃないか」
「や、やめっ!」 
 秘部に指を差し入れて、クリトリスが吸われ舌で刺激される。
「ひぐっ、あっ、んんっ」
 葵は腰をくねらせて、快感に身をよじる。頭の中が白くなり、ぼんやりする。蜜が止め処なく溢れ、腰がひくひくと震える。
「はぁ、はぁ、あぁ……」
 葵はもう何も考えられなくって、彼の愛撫を受けて体を震わせる。最中に指が二本、三本と増えて行ったが、たっぷりと濡らされた秘部に痛みは無かった。長い愛撫の後、彼がようやく秘部から口を離す。葵は、快楽の余韻に体を震わせる。荒く息をする。そんな葵にイルブランドはキスをして、舌で口内を撫でる。
「んっ……」
 葵の思考は溶けていた。彼の舌に応えながら、彼に背中に触れられるとそれだけで体がびくびくと揺れる。彼が押し付けて来た股間に、熱いものがあるのを感じる。
 キスをしながら、彼がソレを葵の秘部に直接押し当てる。濡れた秘部に、大きなソレが入り込んで来る。
「あっ」
 葵は息苦しくなって唇を離す。しかし彼は、葵の頬を押さえてキスで口を塞ぐ。
「んっ、んっ」
 キスをしながら、彼のモノが押し込まれる。たっぷりと濡れた秘部は、彼のモノを問題無く飲み込む。彼が最後に強く腰を押し付けると、奥まで入り内臓を押し上げる。
「はっ、あ……」
 葵は目まいを覚える。じんわりと、お腹の奥から快楽が広がる。思考は溶け切って、彼のモノを受け入れる事だけに意識が向いていた。そのまましばらく、深いキスをする。ぬるりとした舌先を互いに絡めて、キスをする。お腹の奥に彼のモノを感じながら、葵は熱い息を吐く。そのまま、一度逝ってしまう。
「っ……」
 彼のモノを締め上げる。体を震わせた後に、目を開く。彼が、唇を離しもう一度軽くキスをした後に体を起こす。葵の腰を押さえて、腰を動かす。ゆっくりとした動きで、お腹の奥が突かれる。
「はっ、あっ、あぁ」
 内蔵を下から押し上げられるので、自然と声が出る。目まいのような快楽を覚えながら、葵は体を反らす。次第に、全身に気持ちの良さが広がる。
「あぁ! あっ、あっ」
 少しずつ彼の腰の動きが激しくなる。それに合わせて葵のあげる声も大きくなる。恥ずかしかったが、我慢なんてできやしない。彼と触れ合う場所が全て気持ち良い。声を上げながら荒く息をする。すると彼が、両足を肩上に抱える。そのまま、葵の方に覆いかぶさって来て更に深く腰を打ち付ける。
「あっ、あっ、あ、やっ」
 激しく腰を打ち付けられて、頭の中が白くなる。気持ちよすぎて、死にそうだ。イルブランドが葵にキスをする。唇に、頬に首に。首には、痕を残すようにキツく吸うキスをする。葵は彼の頭に手を回して、背中を反らして逝く。
「ひあっ! あぁあああ……」
 今までに感じ事の無い快楽だ。脳みその細胞が焼ききれてしまいそうな、気持ちよさを感じる。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
 逝った痕、葵はぐったりとなる。
「アオイ……」
 首にキスをしながら、彼が尋ねる。
「私はまだ逝っていないのだが、このまましても良いか」
 確かに彼のモノはまだ葵の中に元気にしている。葵は遠い目をする。
「少し待ってね……」
 葵は、息を整える。もう体は無理だと言っていたが、断る事はできない。
「大丈夫だよ」
 すると彼が再び腰を動かす。
「はっ、あっ」
 葵は背中を反らす。凄く気持ち良いのだが、あまりにも長く快楽が続くと辛くなって来る。葵はすぐに逝ってしまう。しかし、彼は葵が逝く間も止まらずに腰を揺らす。
「はっ、あぁ、あっ……」
 葵はシーツを握りしめて、快楽に耐える。体が震え、息はずっと荒い。意識を失ってしまいそうな快楽が、何度もやって来る。
「ああああ!」
 再び逝ってしまう。彼は一度止まる。葵の震えが治まると、今度は葵の体をひっくり返して後ろから覆いかぶさって突いて来た。四つん這いになり、彼にお尻を突き出す姿勢だったが、羞恥心を感じる暇も無かった。彼のモノが何度も、膣の奥に突き立てられる。葵は、荒く息をしながら与えられる快楽に耐える。
 何度か体位を変えた後、葵の片足を持ち上げて後ろから突く姿勢で彼はようやく逝ってくれた。
「あっ、はっ、はぁ……」
 葵は目を閉じ、じっとりと汗をかいて彼の精子を秘部の奥に受け入れた。どれくらい経ったのだろ。二時間以上は経っている気がする。イルブランドが葵の首や肩にキスを落とす。彼の射精は長く、まだ葵の秘部の中でどくどくと脈打っている。
「愛しているアオイ……」
 彼が愛おしそうに呟いた言葉に、葵の胸がわし掴まれる。
(今、そう言う事言わないで欲しいなぁ)
 自然と彼のモノを締め上げる秘部がキツくなる。それに気づいたのか、彼も笑う。
「願うならば、この先もずっと私の側にいてくれ」
 ぎゅっと抱きしめて来る彼に振り向いて葵はキスをする。今日で一番、気持ちの良いキスだった。・

 葵は目を開ける。白い天井が見える。
「腰が痛い……」
「それはすまない事をした」
 視線を上に上げれば、イルブランド葵を横に寝かせて見ている。
「昨日久しぶりのSEXだったのに、いきなり三ラウンドは無いと思うんですよね」
「すまない、気持ちが昂ぶってしまってな。しかし、私が本気を出せばあのまま五ラウンドだってできたんだぞ。それを我慢したのだ」
 葵は彼をじとっとした目で睨む。
「む、その目は止めてくれ。すまなかった」
「許しません。イルブランド様がドーナツ作ってくれないと、絶対許しません」
「すぐに作って来よう」
 彼は葵の頬にキスをして、ガウンを羽織って部屋を出て行った。葵はその姿を見送って、昨日の事を思い出して頬が熱くなって来るのを感じた。
 その後、イルブランドが美味しいドーナツを作ってくれたので仲直りした二人だった。


つづく
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