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ヤスパースが新しくできた見本誌を見せてくれる。
「凄いですよ、アオイ先生の本飛ぶように売れてます」
いつの間にやら先生と呼ばれている。
「それから、これが例の本達です」
葵の真似をして描かれた、他の作家のマンガ本を読む。
「むむっ、だいぶ皆さん上達してますね」
半年経って、周りの作家達もマンガ技術に飛躍的な進化が見られた。後進の育成の為に、葵は四コママンガなども描いて出版している。あらゆるマンガ技術を見せて、みんなに取り込んで欲しいのだ。そして、葵に新たな萌を見せて欲しい。
「アマチュアの方でもかなり上手い方が出て来てるみたいですよ」
ヤスパースは、葵に届いたファンレターを渡す。中を見ると、熱い手紙と綺麗なイラストが付いている。
「おぉ、上手い!」
他のファンレターにも絵が付いている物が多い。
「うんうん、ゆくゆくは未来のマンガ家ね」
葵はファンレターを読んでほっこりした。
「あの、あの。アオイ先生。ところで例の新作は、できたのでしょうか?」
ヤスパースが言っている新作とは、出版する本の事ではない。葵が趣味でこっそり描いている、イルブランドとルーセルのマンガの事である。
「んふ、もちろん描いてますよ」
そっと、トランクから原稿を取り出して渡す。
「ひっ、分厚い!」
彼女は原稿を受け取って読み始める。ひーひー言いながら、萌えてくれている。同士がいるのは嬉しい事だ。その姿を見ながら、葵は少し考え込む。
「大変おもしろかったです!」
彼女が原稿を返してくれる。葵はその原稿をトランクにしまう。魔王と騎士の恋愛は、佳境に入っている。
「ねぇ、ヤスパースさん。恋愛ってなんでしょうね」
葵は、ぽつりとつぶやく。
「え?」
彼女は驚く。
「何か悩みでもあるのですか? 原稿でつまりましたか?」
葵は首を横に振る。
「ううん、現実の話です。実は魔王様に求婚されまして」
すると、ヤスパースは目を見開く。次の瞬間、涙を流す。その反応に葵は驚く。
「なんと、なんと。それは、おめでたい事です」
彼女は泣きながら喜ぶ。
「そ、そうなのかな」
「はい。魔王様についに、伴侶となる方が現れるなど。しかも、それがこのように素晴らしい才能をお持ちの方など……あぁ、おめでたい事です」
ヤスパースがハンカチで目元を拭く。
「ヤスパースさんも、やっぱり魔王様が心配だったの?」
「それはもちろんです。あの方程、孤独な方はおりません。誰とも触れ合えぬまま、三百年も過ごされたのですから」
「でも、私。イルブランドの事が好きなのか、わからないの」
「そうなのですか?」
葵は頷く。
「あの方の側に居て、うっとりする事はありませんか? 声を聞いていつまでも聞いていたいと思う事は」
「それはあるよ。だって、綺麗な容姿だし良い声してるもん」
「口づけをされて、幸せを感じる事はありませんか?」
「それは、あるかも。イルブランド、キスが上手いから」
「あの方に触れられて、嫌悪感を覚えますか? もしくは、心地よさがありますか?」
「嫌悪感は無いかな。一番最初はびっくりしたけど。心地よさはあるかも……」
「何も喋らずとも、共にゆったりとした時間を過ごすのは苦痛ではありませんか?」
「うん、お休みの日とか、よく一緒に過ごしてるよ。ぼんやり、本を読んだりぽつぽつ話をしたりしながら。特に苦痛では無いかな」
「アオイ様」
「はい」
ヤスパースが背筋を伸ばして葵を見るので、葵も背筋を伸ばす。
「イルブランド様を愛していらっしゃるのでは無いですか」
「えっ」
「普通、好意を抱いてもいない相手に体を触れられれば嫌悪いたします。口づけに幸福など感じません。それに、ゆったりとした時間を過ごすなど不可能です」
「そ、そうなのかな。それって、私がイルブランドを好きって事になるのかな」
葵は頬を両手で押さえる。
「どうして己の気持ちに抵抗なさるのです。素直にお認めになれば良いのに」
「だって……だって、イルブランドが美形過ぎるんだもん」
静かな沈黙が部屋に落ちる。
「どういう事でしょうか?」
「いや、だってイルブランド様って凄い美形じゃないですか! あんな美形に迫られたら、誰だって好意を抱いてしまいますよ! でも、それが本当に愛なのか私には自信が持てません!! せめてイルブランド様が、普通程度の容姿だったらココまでの抵抗はしませんよ!!」
そもそも超絶美形の魔王様に愛されると言うこの状況が、葵にはありえなさ過ぎて受け入れがたい現実なのである。だから、どうしても心が傍観を決め込んでしまう。それゆえ、彼の愛を真正面から受け止められないのだ。
「なるほど。ご事情は理解しました」
ヤスパースさんが頷く。
「では、逆に考えましょう。もしも、新たに別の方が異世界からこの世界に現れて、魔王様の心を射止めたとしたら、貴方はどう思いますか」
尋ねられて、想像した途端に葵の心臓はぎゅっーーーっと締め付けられた。
「うっ、なんか辛いです。でも、それは仕方ない事ですよ。だって、私と魔王様じゃ不釣り合い過ぎますし」
葵は偶然選ばれた女なのだ。
「確かに偶然ですが。この出会いは奇跡だとも言えます。そして、アオイ様がイルブランド様を受け入れられないのは、貴方の自信の無さから来る物ですね」
「……はい」
「では、もっと本を出しましょう」
「はいぃ?」
どうしてそんな結論になったのだろうか。
「自信が無いのなら、付ければ良いと思うのです。折り良くアオイ様は素晴らしい才能をお持ちです。もっともっと、本を売って有名作家になればきっと魔王様と釣り合う女になれますよ!!」
葵は額を押さえる。
「そう言う事なんでしょうか……」
「そう言う事なのです!!」
葵は唸りながら、彼女の意見に頷いた。
***
イルブランドに誘われて、庭の散歩に出る。手を引かれ、庭を歩く。
「この庭凄いですね。いつも迷ってしまいます」
迷路のように仕切られた庭を歩く。
「毎日、道が変わるからな」
「え」
「私を飽きさせないように、そういう仕組になっているんだ。道も、咲く花も毎日変わる」
「さすが、魔界の庭ですね……」
迂闊に入って、出てこれない可能性もある危険な庭である。
「ふっ、おまえが迷ったら私が迎えに行ってやるさ」
イルブランドが小さく笑みを浮かべる。
「ありがとうございます」
「おまえが困っていれば、どこにだって行く」
葵は顔が熱くなるのを感じる。実際彼は、葵が呼べばどこにだって来てくれるのだろう。
「ありがとうございます……」
最近よく言われる、睦言に葵はまだ慣れない。
「魔王様は、城の外には基本的に出ないんですよね」
「あぁ、そうだ」
以前葵を助けてに来てくれたイルブランドは、その姿を見せただけで賊を気絶させていた。
「つまらなくはありませんか?」
「……それは、まぁな。しかし、三〇〇年も経てば諦めもつく」
葵は俯く。
「今はおまえがいるから、日々は楽しいぞ」
葵は顔を上げる。
「おまえがいれば、一人で十人分の騒がしさがあるからな」
「うっ、なんか上げて落とされた気がします」
イルブランドが小さく笑う。
「あの、イルブランドはどうしてそんなに強い魔力を持っているんですか?」
「……死にたく無かったからだ」
意外な返答である。
「私は元は、あまり強い魔族では無くてな。日々、殺される恐怖を抱えて生きていた。その後、強くなる為にいろいろと努力して、私は大精霊との契約までこぎつけた」
「大精霊?」
「この大陸に封じられた精霊だ。私は、運良く彼にコンタクトを取り契約を結んだ」
「凄いですね」
イルブランドが鼻で笑う。
「いや、それからの日々が大変だった。大精霊と契約したものの、巨大過ぎる魔力に私の方が食われそうになった。死にたく無いから、必死に修行した。魔力量を伸ばす丸薬を呑み、精霊を抑え込む技を磨き、太古の魔術を学んだ。結果、私はこのように巨大な力を手に入れた。身に余る力を体に入れた代償はご覧のとおりだ」
イルブランドが葵を見る。悲しい目をしている。
「私は死への恐怖を克服したが、代わりに孤独を得た。誰も私を殺すものはいないが、私を抱きしめる者もいなくなった」
「それは……」
葵の胸が痛む。
「だが、今は触れ合える者がいる。こうして、手を繋ぎ穏やかに庭を歩く事のできる者がな」
彼が葵の手の甲にキスをする。
「おまえが、我が伴侶になってくれなくても、城に居て欲しい。もしも街に住むと言うのなら、たまに訪ねて来て欲しい。聞き入れてくれるだろうか」
葵は頷く。
「ありがとう」
彼は葵の手を引いて、再び庭を歩き始める。その後も、葵はイルブランドと言葉をいくつも重ねて、彼の愛の言葉を聞いた。
***
葵の手元にかなりの量の金貨が集まっていた。葵はそれを見て、一つの決意を固めようとしている。次の授業の日に、ヤスパースにそれを切り出す。
「城を出る?」
彼女は驚く。
「正気ですか?」
「はい」
「でも、どうして」
「『娼婦』を辞めて城を出ようと思うんです。資金も貯まりましたし」
「やはり魔王様の事はお好きでは無かったのですか?」
「それは……わからないんです。わからないから、少し離れてみようかと思って」
葵の心は彼の愛に抵抗していた。彼は日に日に葵に優しくなっていく。それを見る程に、彼を信用して裏切られた時が怖かった。中学時代、葵のイジメを傍観した『女子』の中には葵の小学校時代からの親友も居たのだ。心を開き信用した人に裏切られるのが一番辛い事を葵は知っている。
「……確かに、距離を置くのも必要な時もあるでしょう」
「はい」
「わかりました、では街での家の手配は私が行います。葵様が安全に住める家を用意しますね」
「あ、ありがとうございます!」
「いいえ、大事なアオイ様のためですから!」
ヤスパースはニッコリ笑う。
十日後、葵はヤスパースに住居の準備が整った事を聞く。イルブランドにそれを伝える事にした。
「城を出ると……?」
彼は驚いた顔をする。
「はい、実は本を出していて、それで資金が貯まったので自立してみようと思うんです」
「あぁ、そうか。本を出しているのは、ヤスパースから聞いている。随分売れたのだな……」
「はい……。今まで、お世話になりました」
「……何も出て行く必要は無いのではないか。原稿は城でも描けるのだろう」
「けじめをつけたいんです。『娼婦』を止めて、城を出たいんです」
彼は、息を呑む。
「おまえにはすまない事をした……あぁ、私には止める権利は無いな。良かろう、行ってくれ」
「ありがとうございます。あの、でも、たまに会いには来ますので」
「うむ」
彼は静かに頷いた。
三日後に荷物をまとめて、城を出る。魔法のトランク鞄一つ持って街へ行く。ヤスパースが用意してくれた家は、なんと彼女の家の三階だった。
「ここなら安全ですから!」
部屋の掃除に時間がかかったらしい。
「それから、彼女が私の妻のネルです」
長い三つ編みを前に垂らした娘がにっこり笑う。
「初めましてアオイ様。いつも、素晴らしい作品をありがとうございます」
「は、はじめまして。読んでいただいて、こちらこそありがとうございます」
ネルに、葵も頭を下げる。夫婦で葵のBLマンガを読んでいるのは、奇妙な心境になる。
「今日からここが、アオイ様のお家ですよ! 不便な事があったら頼ってくださいね。私もネルもお力になりますので!」
「は、はい。ありがとうございます」
その日は、二人に歓迎会をして貰い、次の日市場で必要そうな日用品を買い部屋に配置して、葵は机に座る。
「ようやく原稿ができるわ……」
カリカリと、鉛筆書きの下書きの上にペンを走らせる。一コマ描き終わり、勢いがついて来たところで一階からドタドタと音がして勢いよく扉が開けられる。
「どういう事だ!!」
振り向けばルーセルが、息を切らせて立っている。
「どうしたんですか、ルーセル様」
後ろ手にドアを閉めて、彼が部屋に入って来る。
「なぜ、城を出てこんなところにいる!」
葵はそっと原稿を隠す。
「ちょっと、こちらの事情があったのです」
「なんの事情があると言うのだ、イルブランド様を一人にして!」
「うっ。イルブランド様の側にはルーセル様がいらっしゃるじゃないですか!」
完全に一人ってわけではない。
「俺では足りないから言っているんだ!」
(それって、いくらかは足りてる自覚があるって事? 止めて、ル-セル×イルブランド、略して『ルーイル』の燃料を投下しないで!)
葵は妄想に傾きそうになる思考を元に戻して、彼を見る。
「ルーセルさんが、どんなに怒鳴っても私は城には戻りません」
「もう、城には来ないつもりか」
「いや、たまには行きますよ」
「毎日では無いのか」
「そこまでの時間は無くて……」
馬車で行って帰って、一時間かかる距離である。
「何故だ」
「仕事があるので……」
彼は驚いた顔をする。
「どう言う事だ。イルブランド様以外の誰に体を売ると言うんだ?」
葵の方が面食らう。そうか彼は、まだ『娼婦』としての葵しか知らないのか。
「か、体は売りません。そうじゃなくて、作家なんです私……」
「作家? おまえが? いつの間にそんな事になっていたんだ」
「気づいたら、こんな事に……」
ヤスバースさんの押しの強さのおかげだと思う。
「いったい、どんな本を書いているんだ」
「え、えっと、それは……」
葵は冷や汗をかく。
「ルーセル様にはちょっとお見せできないです」
「何故だ」
「え、エッチな本なので」
彼の片眉が動く。
「なるほど。イルブランド様を一人に城に残して、おまえは城下で部屋を借りて淫靡な本を書いているのか」
ルーセルの瞳が冷たい。
「呆れを通り越して怒りがわいて来たぞ。神はどうしてこのような女をイルブランド様の、ただ一人の女としてお与えになったのだろうか」
葵はむっとする。
「私は、偶然この世界に来ただけです。イルブランド様の女になる為に来たわけじゃありません!」
「偶然にしろ必然にしろ、おまえはイルブランド様の側にいるべきだと俺は思う。それともおまえには、既に好きな相手でもいるのか? よもや、ヤスパースの奴か?」
葵は肩を跳ねさせる。
「ち、違います!! ヤスパースさんとは、そう言う関係じゃありません!! ヤスパースさん奥さんいるじゃないですか!!」
「何を言っている。妻は居ても、恋人がいない理由にはならないだろ」
「へ? それって、浮気じゃないですか?」
「浮気とはなんだ。おまえの世界では、妻が居たら恋人は作れないのか」
葵は頷く。
「面倒な世界だな」
さすが魔界、恋愛に奔放である。
「まぁ、おまえがヤスパースとデキていないのはわかった」
葵はほっとする。
「では何故、イルブランド様の婚姻を断るんだ」
ルーセルが真っすぐに葵を見る。
「それは……私にもわかりません」
「何故、自分の心がわからないんだ」
「だ、だって。結婚って好きな者同士がやる事じゃないですか。でも、私はイルブランド様を好きなのかわからないんです」
ルーセルが腕を組む。
「おまえは、頬を染めてイルブランド様を見ている時があるが、あれは好意では無いのか」
葵は考える。確かにイルブランドは顔も良いし、背も高く全身の造形が良く、服の趣味も良いので日々見惚れる事は多かった。それと同時に、そんなかっこいいイルブランドとルーセルの日々の妄想を頬を染めて楽しんでいた記憶もある。
「ど、どうでしょうか……」
葵は言葉を濁す。どうしても腐った思考が、葵の恋愛脳を妨害している気がする。
「わかった。おまえは、イルブランド様への愛が自覚できぬからココにいるのだな」
「まぁ、そうです」
「あの方との事を真剣に考えているのならば良い」
彼は納得したように頷く。
「俺は城に戻る。おまえの心が早急に覚悟を決めてくれる事を願う」
彼は部屋を出て行った。
葵は新しい家に慣れると、次第に原稿のペースを上げていった。元の世界にいる時も、働きつつ同人中心の原稿漬けの生活をしていたので仕方ない。描けば描く程、楽しくなってどんどん手は早くなった。原作のある本のマンガ化、ギャグ四コマ、オリジナルBLマンガと多様な作品を日々描き続ける。
「アオイ様! お弟子さんとか取ってみませんか!!」
「弟子?」
葵は、ネルに作ってもらた昼食を食べつつヤスパースと話す。
「はい、弟子希望の方がいるのです。元々、画家やイラストレーターの方なので技術は間違い無いですよ」
「うっ、私はちゃんと絵の勉強した事無いんだけどな……」
「いえ、皆さんは『マンガ家』の弟子になりたいのです!」
「なるほど」
葵は腕を組む。
「弟子って言うか、お手伝いさんなら欲しいかな」
「お手伝いさんですか?」
「原稿描くの手伝って欲しいの。資料集めて来て貰ったり、消しゴムかけや、ベタ塗り、効果線引いたり、修正したり、あと…背景とか」
アナログなので、とにかく時間がかかる。
「わかりました!! お任せください!! 弟子希望の方の中から、探してみますね!!」
ヤスパースが意気込んで答えてくれる。
数日後、アシスタント希望の子が一人やって来る。
「ひとまず、この子を使ってみてください。イラストレーター歴は五年目です」
紹介された子に手伝って欲しい事を指示して葵は原稿を描く。アシスタントの子は、少しずつマンガを描く作業に慣れていった。更にアシスタントが増やされて、仕事場には三人のアシスタントが出入りするようになった。すると、机が追加で持ち込まれて葵のベッドは上の屋根裏部屋に運ばれた。
アシスタントが追加された事で、葵の原稿のペースは更に上る。アシスタント達を指導しつつ、葵は充実した日々を送っていた。
つづく
ヤスパースが新しくできた見本誌を見せてくれる。
「凄いですよ、アオイ先生の本飛ぶように売れてます」
いつの間にやら先生と呼ばれている。
「それから、これが例の本達です」
葵の真似をして描かれた、他の作家のマンガ本を読む。
「むむっ、だいぶ皆さん上達してますね」
半年経って、周りの作家達もマンガ技術に飛躍的な進化が見られた。後進の育成の為に、葵は四コママンガなども描いて出版している。あらゆるマンガ技術を見せて、みんなに取り込んで欲しいのだ。そして、葵に新たな萌を見せて欲しい。
「アマチュアの方でもかなり上手い方が出て来てるみたいですよ」
ヤスパースは、葵に届いたファンレターを渡す。中を見ると、熱い手紙と綺麗なイラストが付いている。
「おぉ、上手い!」
他のファンレターにも絵が付いている物が多い。
「うんうん、ゆくゆくは未来のマンガ家ね」
葵はファンレターを読んでほっこりした。
「あの、あの。アオイ先生。ところで例の新作は、できたのでしょうか?」
ヤスパースが言っている新作とは、出版する本の事ではない。葵が趣味でこっそり描いている、イルブランドとルーセルのマンガの事である。
「んふ、もちろん描いてますよ」
そっと、トランクから原稿を取り出して渡す。
「ひっ、分厚い!」
彼女は原稿を受け取って読み始める。ひーひー言いながら、萌えてくれている。同士がいるのは嬉しい事だ。その姿を見ながら、葵は少し考え込む。
「大変おもしろかったです!」
彼女が原稿を返してくれる。葵はその原稿をトランクにしまう。魔王と騎士の恋愛は、佳境に入っている。
「ねぇ、ヤスパースさん。恋愛ってなんでしょうね」
葵は、ぽつりとつぶやく。
「え?」
彼女は驚く。
「何か悩みでもあるのですか? 原稿でつまりましたか?」
葵は首を横に振る。
「ううん、現実の話です。実は魔王様に求婚されまして」
すると、ヤスパースは目を見開く。次の瞬間、涙を流す。その反応に葵は驚く。
「なんと、なんと。それは、おめでたい事です」
彼女は泣きながら喜ぶ。
「そ、そうなのかな」
「はい。魔王様についに、伴侶となる方が現れるなど。しかも、それがこのように素晴らしい才能をお持ちの方など……あぁ、おめでたい事です」
ヤスパースがハンカチで目元を拭く。
「ヤスパースさんも、やっぱり魔王様が心配だったの?」
「それはもちろんです。あの方程、孤独な方はおりません。誰とも触れ合えぬまま、三百年も過ごされたのですから」
「でも、私。イルブランドの事が好きなのか、わからないの」
「そうなのですか?」
葵は頷く。
「あの方の側に居て、うっとりする事はありませんか? 声を聞いていつまでも聞いていたいと思う事は」
「それはあるよ。だって、綺麗な容姿だし良い声してるもん」
「口づけをされて、幸せを感じる事はありませんか?」
「それは、あるかも。イルブランド、キスが上手いから」
「あの方に触れられて、嫌悪感を覚えますか? もしくは、心地よさがありますか?」
「嫌悪感は無いかな。一番最初はびっくりしたけど。心地よさはあるかも……」
「何も喋らずとも、共にゆったりとした時間を過ごすのは苦痛ではありませんか?」
「うん、お休みの日とか、よく一緒に過ごしてるよ。ぼんやり、本を読んだりぽつぽつ話をしたりしながら。特に苦痛では無いかな」
「アオイ様」
「はい」
ヤスパースが背筋を伸ばして葵を見るので、葵も背筋を伸ばす。
「イルブランド様を愛していらっしゃるのでは無いですか」
「えっ」
「普通、好意を抱いてもいない相手に体を触れられれば嫌悪いたします。口づけに幸福など感じません。それに、ゆったりとした時間を過ごすなど不可能です」
「そ、そうなのかな。それって、私がイルブランドを好きって事になるのかな」
葵は頬を両手で押さえる。
「どうして己の気持ちに抵抗なさるのです。素直にお認めになれば良いのに」
「だって……だって、イルブランドが美形過ぎるんだもん」
静かな沈黙が部屋に落ちる。
「どういう事でしょうか?」
「いや、だってイルブランド様って凄い美形じゃないですか! あんな美形に迫られたら、誰だって好意を抱いてしまいますよ! でも、それが本当に愛なのか私には自信が持てません!! せめてイルブランド様が、普通程度の容姿だったらココまでの抵抗はしませんよ!!」
そもそも超絶美形の魔王様に愛されると言うこの状況が、葵にはありえなさ過ぎて受け入れがたい現実なのである。だから、どうしても心が傍観を決め込んでしまう。それゆえ、彼の愛を真正面から受け止められないのだ。
「なるほど。ご事情は理解しました」
ヤスパースさんが頷く。
「では、逆に考えましょう。もしも、新たに別の方が異世界からこの世界に現れて、魔王様の心を射止めたとしたら、貴方はどう思いますか」
尋ねられて、想像した途端に葵の心臓はぎゅっーーーっと締め付けられた。
「うっ、なんか辛いです。でも、それは仕方ない事ですよ。だって、私と魔王様じゃ不釣り合い過ぎますし」
葵は偶然選ばれた女なのだ。
「確かに偶然ですが。この出会いは奇跡だとも言えます。そして、アオイ様がイルブランド様を受け入れられないのは、貴方の自信の無さから来る物ですね」
「……はい」
「では、もっと本を出しましょう」
「はいぃ?」
どうしてそんな結論になったのだろうか。
「自信が無いのなら、付ければ良いと思うのです。折り良くアオイ様は素晴らしい才能をお持ちです。もっともっと、本を売って有名作家になればきっと魔王様と釣り合う女になれますよ!!」
葵は額を押さえる。
「そう言う事なんでしょうか……」
「そう言う事なのです!!」
葵は唸りながら、彼女の意見に頷いた。
***
イルブランドに誘われて、庭の散歩に出る。手を引かれ、庭を歩く。
「この庭凄いですね。いつも迷ってしまいます」
迷路のように仕切られた庭を歩く。
「毎日、道が変わるからな」
「え」
「私を飽きさせないように、そういう仕組になっているんだ。道も、咲く花も毎日変わる」
「さすが、魔界の庭ですね……」
迂闊に入って、出てこれない可能性もある危険な庭である。
「ふっ、おまえが迷ったら私が迎えに行ってやるさ」
イルブランドが小さく笑みを浮かべる。
「ありがとうございます」
「おまえが困っていれば、どこにだって行く」
葵は顔が熱くなるのを感じる。実際彼は、葵が呼べばどこにだって来てくれるのだろう。
「ありがとうございます……」
最近よく言われる、睦言に葵はまだ慣れない。
「魔王様は、城の外には基本的に出ないんですよね」
「あぁ、そうだ」
以前葵を助けてに来てくれたイルブランドは、その姿を見せただけで賊を気絶させていた。
「つまらなくはありませんか?」
「……それは、まぁな。しかし、三〇〇年も経てば諦めもつく」
葵は俯く。
「今はおまえがいるから、日々は楽しいぞ」
葵は顔を上げる。
「おまえがいれば、一人で十人分の騒がしさがあるからな」
「うっ、なんか上げて落とされた気がします」
イルブランドが小さく笑う。
「あの、イルブランドはどうしてそんなに強い魔力を持っているんですか?」
「……死にたく無かったからだ」
意外な返答である。
「私は元は、あまり強い魔族では無くてな。日々、殺される恐怖を抱えて生きていた。その後、強くなる為にいろいろと努力して、私は大精霊との契約までこぎつけた」
「大精霊?」
「この大陸に封じられた精霊だ。私は、運良く彼にコンタクトを取り契約を結んだ」
「凄いですね」
イルブランドが鼻で笑う。
「いや、それからの日々が大変だった。大精霊と契約したものの、巨大過ぎる魔力に私の方が食われそうになった。死にたく無いから、必死に修行した。魔力量を伸ばす丸薬を呑み、精霊を抑え込む技を磨き、太古の魔術を学んだ。結果、私はこのように巨大な力を手に入れた。身に余る力を体に入れた代償はご覧のとおりだ」
イルブランドが葵を見る。悲しい目をしている。
「私は死への恐怖を克服したが、代わりに孤独を得た。誰も私を殺すものはいないが、私を抱きしめる者もいなくなった」
「それは……」
葵の胸が痛む。
「だが、今は触れ合える者がいる。こうして、手を繋ぎ穏やかに庭を歩く事のできる者がな」
彼が葵の手の甲にキスをする。
「おまえが、我が伴侶になってくれなくても、城に居て欲しい。もしも街に住むと言うのなら、たまに訪ねて来て欲しい。聞き入れてくれるだろうか」
葵は頷く。
「ありがとう」
彼は葵の手を引いて、再び庭を歩き始める。その後も、葵はイルブランドと言葉をいくつも重ねて、彼の愛の言葉を聞いた。
***
葵の手元にかなりの量の金貨が集まっていた。葵はそれを見て、一つの決意を固めようとしている。次の授業の日に、ヤスパースにそれを切り出す。
「城を出る?」
彼女は驚く。
「正気ですか?」
「はい」
「でも、どうして」
「『娼婦』を辞めて城を出ようと思うんです。資金も貯まりましたし」
「やはり魔王様の事はお好きでは無かったのですか?」
「それは……わからないんです。わからないから、少し離れてみようかと思って」
葵の心は彼の愛に抵抗していた。彼は日に日に葵に優しくなっていく。それを見る程に、彼を信用して裏切られた時が怖かった。中学時代、葵のイジメを傍観した『女子』の中には葵の小学校時代からの親友も居たのだ。心を開き信用した人に裏切られるのが一番辛い事を葵は知っている。
「……確かに、距離を置くのも必要な時もあるでしょう」
「はい」
「わかりました、では街での家の手配は私が行います。葵様が安全に住める家を用意しますね」
「あ、ありがとうございます!」
「いいえ、大事なアオイ様のためですから!」
ヤスパースはニッコリ笑う。
十日後、葵はヤスパースに住居の準備が整った事を聞く。イルブランドにそれを伝える事にした。
「城を出ると……?」
彼は驚いた顔をする。
「はい、実は本を出していて、それで資金が貯まったので自立してみようと思うんです」
「あぁ、そうか。本を出しているのは、ヤスパースから聞いている。随分売れたのだな……」
「はい……。今まで、お世話になりました」
「……何も出て行く必要は無いのではないか。原稿は城でも描けるのだろう」
「けじめをつけたいんです。『娼婦』を止めて、城を出たいんです」
彼は、息を呑む。
「おまえにはすまない事をした……あぁ、私には止める権利は無いな。良かろう、行ってくれ」
「ありがとうございます。あの、でも、たまに会いには来ますので」
「うむ」
彼は静かに頷いた。
三日後に荷物をまとめて、城を出る。魔法のトランク鞄一つ持って街へ行く。ヤスパースが用意してくれた家は、なんと彼女の家の三階だった。
「ここなら安全ですから!」
部屋の掃除に時間がかかったらしい。
「それから、彼女が私の妻のネルです」
長い三つ編みを前に垂らした娘がにっこり笑う。
「初めましてアオイ様。いつも、素晴らしい作品をありがとうございます」
「は、はじめまして。読んでいただいて、こちらこそありがとうございます」
ネルに、葵も頭を下げる。夫婦で葵のBLマンガを読んでいるのは、奇妙な心境になる。
「今日からここが、アオイ様のお家ですよ! 不便な事があったら頼ってくださいね。私もネルもお力になりますので!」
「は、はい。ありがとうございます」
その日は、二人に歓迎会をして貰い、次の日市場で必要そうな日用品を買い部屋に配置して、葵は机に座る。
「ようやく原稿ができるわ……」
カリカリと、鉛筆書きの下書きの上にペンを走らせる。一コマ描き終わり、勢いがついて来たところで一階からドタドタと音がして勢いよく扉が開けられる。
「どういう事だ!!」
振り向けばルーセルが、息を切らせて立っている。
「どうしたんですか、ルーセル様」
後ろ手にドアを閉めて、彼が部屋に入って来る。
「なぜ、城を出てこんなところにいる!」
葵はそっと原稿を隠す。
「ちょっと、こちらの事情があったのです」
「なんの事情があると言うのだ、イルブランド様を一人にして!」
「うっ。イルブランド様の側にはルーセル様がいらっしゃるじゃないですか!」
完全に一人ってわけではない。
「俺では足りないから言っているんだ!」
(それって、いくらかは足りてる自覚があるって事? 止めて、ル-セル×イルブランド、略して『ルーイル』の燃料を投下しないで!)
葵は妄想に傾きそうになる思考を元に戻して、彼を見る。
「ルーセルさんが、どんなに怒鳴っても私は城には戻りません」
「もう、城には来ないつもりか」
「いや、たまには行きますよ」
「毎日では無いのか」
「そこまでの時間は無くて……」
馬車で行って帰って、一時間かかる距離である。
「何故だ」
「仕事があるので……」
彼は驚いた顔をする。
「どう言う事だ。イルブランド様以外の誰に体を売ると言うんだ?」
葵の方が面食らう。そうか彼は、まだ『娼婦』としての葵しか知らないのか。
「か、体は売りません。そうじゃなくて、作家なんです私……」
「作家? おまえが? いつの間にそんな事になっていたんだ」
「気づいたら、こんな事に……」
ヤスバースさんの押しの強さのおかげだと思う。
「いったい、どんな本を書いているんだ」
「え、えっと、それは……」
葵は冷や汗をかく。
「ルーセル様にはちょっとお見せできないです」
「何故だ」
「え、エッチな本なので」
彼の片眉が動く。
「なるほど。イルブランド様を一人に城に残して、おまえは城下で部屋を借りて淫靡な本を書いているのか」
ルーセルの瞳が冷たい。
「呆れを通り越して怒りがわいて来たぞ。神はどうしてこのような女をイルブランド様の、ただ一人の女としてお与えになったのだろうか」
葵はむっとする。
「私は、偶然この世界に来ただけです。イルブランド様の女になる為に来たわけじゃありません!」
「偶然にしろ必然にしろ、おまえはイルブランド様の側にいるべきだと俺は思う。それともおまえには、既に好きな相手でもいるのか? よもや、ヤスパースの奴か?」
葵は肩を跳ねさせる。
「ち、違います!! ヤスパースさんとは、そう言う関係じゃありません!! ヤスパースさん奥さんいるじゃないですか!!」
「何を言っている。妻は居ても、恋人がいない理由にはならないだろ」
「へ? それって、浮気じゃないですか?」
「浮気とはなんだ。おまえの世界では、妻が居たら恋人は作れないのか」
葵は頷く。
「面倒な世界だな」
さすが魔界、恋愛に奔放である。
「まぁ、おまえがヤスパースとデキていないのはわかった」
葵はほっとする。
「では何故、イルブランド様の婚姻を断るんだ」
ルーセルが真っすぐに葵を見る。
「それは……私にもわかりません」
「何故、自分の心がわからないんだ」
「だ、だって。結婚って好きな者同士がやる事じゃないですか。でも、私はイルブランド様を好きなのかわからないんです」
ルーセルが腕を組む。
「おまえは、頬を染めてイルブランド様を見ている時があるが、あれは好意では無いのか」
葵は考える。確かにイルブランドは顔も良いし、背も高く全身の造形が良く、服の趣味も良いので日々見惚れる事は多かった。それと同時に、そんなかっこいいイルブランドとルーセルの日々の妄想を頬を染めて楽しんでいた記憶もある。
「ど、どうでしょうか……」
葵は言葉を濁す。どうしても腐った思考が、葵の恋愛脳を妨害している気がする。
「わかった。おまえは、イルブランド様への愛が自覚できぬからココにいるのだな」
「まぁ、そうです」
「あの方との事を真剣に考えているのならば良い」
彼は納得したように頷く。
「俺は城に戻る。おまえの心が早急に覚悟を決めてくれる事を願う」
彼は部屋を出て行った。
葵は新しい家に慣れると、次第に原稿のペースを上げていった。元の世界にいる時も、働きつつ同人中心の原稿漬けの生活をしていたので仕方ない。描けば描く程、楽しくなってどんどん手は早くなった。原作のある本のマンガ化、ギャグ四コマ、オリジナルBLマンガと多様な作品を日々描き続ける。
「アオイ様! お弟子さんとか取ってみませんか!!」
「弟子?」
葵は、ネルに作ってもらた昼食を食べつつヤスパースと話す。
「はい、弟子希望の方がいるのです。元々、画家やイラストレーターの方なので技術は間違い無いですよ」
「うっ、私はちゃんと絵の勉強した事無いんだけどな……」
「いえ、皆さんは『マンガ家』の弟子になりたいのです!」
「なるほど」
葵は腕を組む。
「弟子って言うか、お手伝いさんなら欲しいかな」
「お手伝いさんですか?」
「原稿描くの手伝って欲しいの。資料集めて来て貰ったり、消しゴムかけや、ベタ塗り、効果線引いたり、修正したり、あと…背景とか」
アナログなので、とにかく時間がかかる。
「わかりました!! お任せください!! 弟子希望の方の中から、探してみますね!!」
ヤスパースが意気込んで答えてくれる。
数日後、アシスタント希望の子が一人やって来る。
「ひとまず、この子を使ってみてください。イラストレーター歴は五年目です」
紹介された子に手伝って欲しい事を指示して葵は原稿を描く。アシスタントの子は、少しずつマンガを描く作業に慣れていった。更にアシスタントが増やされて、仕事場には三人のアシスタントが出入りするようになった。すると、机が追加で持ち込まれて葵のベッドは上の屋根裏部屋に運ばれた。
アシスタントが追加された事で、葵の原稿のペースは更に上る。アシスタント達を指導しつつ、葵は充実した日々を送っていた。
つづく
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