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 葵はイルブランドにまたもや、組み敷かれていた。
「あの、そんな義務みたいに毎日手を出さなくても良いと思うんですよね!」
「義務などと、私は己の心が求めるままに行動しているだけだ」
 彼の手が葵の太ももを撫でる。
「毎日、毎日、お元気過ぎますよ!」
「元気なのは良い事だ。おまえのおかげだな」
 イルブランドが葵の首にキスをする。
「あ! 痕付けないでくださいよ!」
「付けるに決まっているだろ」
 彼は尚も、首や肩に吸い付いている。
「いやいや、ドレス着れないじゃないですか! 明日はヤスパースさんいらっしゃるんですよ!」
「首の見えないドレスにすれば良いだろう」
 そう言いつつ、今度は胸にキスをする。
「本当に、胸好きですね! おっぱい星人!」
「その言葉の意味はよくわからないが、女の柔らかな乳房を嫌いな男はいないぞ」
「開き直ってる……」
 胸にキスをされながら、もう片方の胸を執拗に揉まれている。彼は、胸の頂きを口に含む。
「っ!」
 舌先で、ゆっくりと舐められて、ちゅっちゅっと吸われる。その甘い刺激に、葵は目まいを覚える。
(がまん、がまんよ葵)
 眉を寄せて、熱くなって来る顔を枕に押し付ける。揉んでいた手が、乳首をつまんでつぶす。
「きゃっ!」
 思わず声がもれる。普段はあまり気にした事の無い、乳首が彼の手によって性感帯にされるのを感じる。受ちゃんの乳首開発ネタは好きで葵もよく描くのだが、実際自分がされると羞恥で死ねる。イルブランドはゆっくり丁寧に、そしてしつこく葵の乳首を愛撫し続ける。
(早く離れないかなー! このおっぱい大好き魔王!!!)
 ようやく彼がおっぱいから離れてくれて、お腹にキスを落とす。次に股の間に顔を埋めて太ももにキスをする。
「そんなとこまで、痕を付けなくても良いじゃないですか」
「私も己の所有欲の強さに驚いている」
 太ももの際にまでキスされるのを、葵は目を閉じて耐える。また、秘部を舐められるのかと思っていたら、彼は太ももにキスの痕だけ付けて起き上がる。葵の隣に座って、笑みを浮かべる。
「さて、私の方に尻を向けて座ってくれないか」
「ほあ?」
 言われた意味がわからない。OKする前に彼が葵の腕の下に手を入れて、軽々と持ち上げてしまう。彼に背を向けたまま、膝に乗せる。そして、背中を押される、一緒に腰が引き寄せられる。
「?????」
 彼に促される姿勢になりながら、葵はしばらくしてようやく彼の意図を理解した。葵は彼にお尻を向けており、代わりに彼のモノが目の前にあった。
(これシックスナインって奴だー!!!)
 薄い本で描いた事あるー! と思いつつ、葵は泣きそうだった。なんで、こんな恥ずかしい格好をしなければならないのか。降りようともがくと、彼に押さえられる。
「こら、逃げるな」
「むぅ」
 葵は眉を寄せて、彼を振り向く。
「不服そうだが、これは私なりの譲歩でもあるのだぞ」
 彼が葵のお尻を撫でながら、言う。
「良いか、おまえは処女で膣が狭い。ならば、私のモノを挿入できるのはまだ先だろう。しかし、娼婦ならば私を満足させて貰わなくては困る。となると、この形になる」
「な、なんで私まであなたにお尻を向けなくちゃいけないんですか」
 葵は顔が熱い気がしながら、彼を睨む。
「おまえの喘ぐ声も聞きたいからだ」
「うわっ、変態だ」
 イルブランドにじっとり睨まれた。
「何を言う、このくらいごく普通の範囲だろう。おまえの世界では、男女のまぐわいは子を作る為にしかしないのか」 
「いや、そう言うわけでも無いですけど……」
「ならば、きっとおまえの世界でもこれくらい普通だろう」
 そう言って、葵のパンティを解く。彼の前に、秘部が露わになる。彼の舌が秘部に触れる。
「きゃっ!」
 柔らかい舌が、葵の秘部を舐める。葵は目を閉じて、それに耐える。舌で触れられる刺激には、どうにも慣れない。
「おまえが私を逝かせたら、止めてやろう。それまでは、続けるぞ」
 そう言って、舌でぐりぐりクリトリスを押された。
「!」
 葵は眉を寄せながら彼のガウンを開いて、黒の下着をおろした。中から出て来る屹立したペニスが頬に当たる。
「むぅ」
 相変わらず大きい。手で触れて、しごいた後に口に咥える。その時、葵の秘部の中に彼の舌が入って来る。
「んっ」
 秘部から蜜が溢れているのがわかる。葵は、男根の先端をちろちろと舐めながら竿部分を手で擦る。
「なかなか上手いじゃないか」
 機嫌の良い、彼の声が聞こえて来る。しかし、葵は必死だった。早く逝け、この野郎と言う気持ちしか無い。そんな葵の秘部の中に、指が潜り込んで来る。
「やっ!」
 わずかに、痛みが走る。
「血は出ていない、安心しろ」
 奥へと指は入って行く。葵は眉を寄せて、唸る。指が中を刺激すると、どうにも力が入らない。
「どうした、手が止まっているが中をいじられるのが気に入ったのか? 私は一向に構わないがな」
 彼は秘部の中を探りながら、舌先でクリトリスも舐める。
「ーーー!」
 葵は下半身に与えられる刺激に眉を寄せる。蜜が溢れ、お腹は緊張し、彼の指を締め上げている。こんな快楽、ずっと与えられてたら死ぬ。絶対無理だ。葵は、彼の男根を咥えて早急に射精して貰う事にした。弱い先端をちろちろ舐め、裏筋を押さえながら竿をしごく。張った玉袋を揉んで、射精を促す。
「ふっ、んっ……」
 しかし、彼は一向に逝かない。この間は、けっこうあっさり射精してくれていたと思うのだが。口がだるくなって来ても逝ってくれない。その間に、挿入される指の数が一本増えた。
「私は元々、遅漏だからな。頑張って、奉仕してくれ」
 戸惑う葵に、尻をもみながら彼はそう報告してくれた。葵は、一旦ペニスを口から離す。このままじゃ、いつまで経っても逝ってくれない気がする。葵は、少し前に進み出る。彼の舌が秘部から離れ、代わりに葵の胸が彼のペニスに当たる位置に来た。
「よいしょ」
 そこそこ大きい胸で、彼のペニスを挟む。パイズリと言う物があるのは知っている。受ちゃん女体化本だって、今まで結構描いて来た。実際のところ、気持ちいいのかわからないが、今はやるしかない。豊満な胸で挟んだペニスを体を動かして、擦る。
「むっ」
 彼の戸惑いを感じた。
「な、なんと言う……」
 しばらく擦っていると、透明ながまん汁がペニスの先端からとろりと出た。葵は、にんまり笑顔になって先端を咥えて更に舌先で舐めて刺激する。胸と口を使って、彼のモノを責めた。しばらく、動きの止まっていた彼の指が葵の秘部の中で動く。葵の動きに合わせてぐちゅぐちゅと、激しく動く。
「んっ!!」
 激しく動くとその分、彼の指も葵を責めて来る。どっちがが先に根負けするか勝負だと言わんばかりに葵は、彼のモノを激しく擦って射精させた。葵も一緒に逝ってしまう。口の中に、にがい味が広がる。葵は眉を寄せながら、それを飲み込む。射精が終わると、彼のモノを口から離して、くたりと前に倒れる。逝ったばかりで、腰が震え秘部がひくついている。
(凄い疲れた……)
 そんな体を軽々と引き寄せられて、キスされる。お互い、秘部とペニスを舐めていた口なのだが……と一瞬抵抗したのだが、彼はそれを押さえ込んでディープキスをする。舌を絡め、唾液が行き交う。腰を引き寄せられ、後頭部を押さえられて葵は酸欠気味な疲れた頭で彼のキスを受けた。

***

 テストの答案チェックがされる。問題の答えを一つ一つ見たヤスパースは、片眉を上げる。
「悪くないですね。今後もこの調子で頑張ってください」
 毎日みっちり単語の勉強をしていたので、良い点数が取れたと思う。
「では、簡単な文法も教えて行きます。こちらの絵本を、練習代わりに使ってください」
 葵は文法を教えて貰い、彼女が帰った後も絵本を何度も読んで文章の作りを頭に入れた。とにかく、知らない言語を学ぶにはとことん暗記する作業が必要だ。しかし、さすがに疲れて来た葵は、貰った紙に落書きを始める。言葉の練習の為に、大量の紙を貰っていたのだ。字の練習をした裏紙に、絵を描く。
「ふふん」
 大好きな『エスキベルガンナー』の受ちゃんをせっせと描く。それはそれは、かわいく描く。一枚、受ちゃんの絵で埋めると、今度は二枚目をかっこいい攻の絵で埋め尽くした。
「良い絵が描けたわ」
 満足気な息を吐いて、その紙をトランクの中に隠した。これは、勉強道具を入れておくように貰った物だった。
 再び、集中して勉強に戻った。

つづく
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