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知らなかった(イルメラ視点)
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ハイデマリー達が留学を終えバーレンドルフ王国に戻った。
あの女は私が優しくしてやっていたら調子に乗って、私のマインラートに手を出した。
確かに私とマインラートはまだ白い関係だったけど、私はリュディガーを捨ててマインラートを選ぶつもりだったのに。
あの女は私の前でマインラートとの仲を見せつける。
『マイン様は激しくて朝まで何度も交わるのでカラダが持ちませんわ』
『マイン様は色んな体位をされるのです。経験豊富でいらっしゃるのかしら? とても気持ちよくさせて下さいますわ。お姉様との時はどんな感じですの?』
私とマインラート様はまだ白い関係だと知っているのであろうはずなのにそんなことを口にする。
マイン様と愛称呼びするのも腹立たしい。私は顔は笑いながら、陰で侍女達を使いあの女を酷い目に遭わせてやった。
イライラした気分を晴らすために、王妃に大量の薬を与え、苦しむ様子を見て楽しんだり、リュディガーを殴ったり、蹴ったり、鞭でうったりした。
リュディガーが聖人なんて誰も信じていない。
この国に役立たずの聖人なんていらない。
私はリュディガーに無実の罪を着せてやった。
リュディガーは元々、聖人であるとこをかさにきて義母や弟に酷いことをしていたのだし、自業自得よりね。国王である父も、側妃である母も賛成してくれてリュディガーは処刑になり、マインラートが次の聖人になった。まぁ、聖人なんて形ばかり。
マインラートは私の婚約者になった。
私は侍女にあの女を階段から突き落とさせ、大怪我をさせた。顔にも傷がついたあの女をマインラートも嫌いになるだろう。
しかし、マインラートは傷者になったあの女の王配になろうとした。恩を着せようとしたのだ。
私は父に頼み、聖人は我が国の外に出てはいけないという法律を作らせた。
これでマインラートは私のもの。
あの女達が消えてスッキリしたわ。
でも、最近気候がおかしい。何日も日照りが続き、暑くなったかと思ったら今度は豪雨が続き寒くなる。
マインラートはちゃんと祈っているのかしら?
「マインラート、ちゃんと祈っているの?」
「まさか。祈ってないよ。聖人なんて嘘だ、あんなのただの言い伝えだと言っただろう」
「そ、そうだわね。でも気候が良くないし、ちょっと祈ってみては?」
マインラートはふふふと笑った。
「私はヴェルトミュラー家の血が流れていないから無理だよ」
え? どういうこと? ヴェルトミュラー家の次男じゃないの?
「なんだよ。知らなかったのか? 父は婿養子だよ。父と後妻の母の間に生まれた私はヴァルトミュラー家の跡取りではあるけど、聖人の血は一滴も流れていない。もしも聖人が祈らなければこの国が破滅するとしても、もうこの国に聖人はいない。前のヴァルトミュラー夫人もリュディガー兄上も、君達王家が殺しちゃったものな」
え? リュディガーはわかるけど前の夫人?
「前の夫人は事故じゃないの?」
「君は本当に何も知らないんだな。前の夫人とその両親は君の母と私の母、そして私達の祖父のボーデ伯爵が事故に見せかけ殺したんだよ。らリヒャルド王子を殺したのもボーデの手の者さ。王妃に薬を持って弱らせているのが側妃なのは知っているだろう?」
それは知っている。私も共犯だからだ。
「元々、父は祖父の手駒だった。母と恋仲だったけど、ヴェルトミュラー家を乗っ取るために前の夫人の婚約者の家族を殺害し、家に火を放ち一家を火事で亡くなったことにして、傷心のヴェルトミュラー元夫人に王命で父と結婚させたんだ。その後邪魔な当時の公爵の両親と夫人、そして生まれたばかりのリュディガー兄上を馬車の事故に見せかけ殺したんだ。兄上だけ生き残っちゃったけどね。兄上は継母と私に迫害されて生きてきて、最後は冤罪で処刑。つまらない人生だよな。兄上がヴェルトミュラー家最後の血の繋がった人間だった」
冤罪? 確かにちょっと盛ったけど、全く無実の罪じゃないでしょう?
「君、まさかと思うけど、兄上が傲慢で我儘で私と母、使用人を虐げていたって話信じてるの? 反対だよ。兄上を私達で虐げていた。酷い目に遭わせていたのは私達の方さ。あいつはただ祈っていただけたよ」
マインラートははははと笑う。マインラートの話は始めで聞くことばからりで私は驚きで身体が固まった。
「そうそう、知ってると思うけど、国王陛下も精神拘束薬を飲まされてる。君の母親の側妃からね。だから言いなりなんだよ。私はもうこんな国嫌になってハイディをたらし込んでバーレンドルフ王国に逃げようと色々やったけど、君のおかげで全てパーだよ。イルメラ、責任取ってくれよな」
マインラートは乾いた笑いを私に向けた。
私が知っていたのは母が王妃に薬を飲ませて身体を悪くさせていることだけだった。
もしも、マインラートの言うことが本当ならリュディガーが死んだ時点でこの国は破滅に向かっているってこと?
結界が壊れてきているから、天候が変になっている?
魔獣が攻めてくるなんてこともなきにしもあらずだ。
逃げなきゃ。
「逃がさないよ。私をこの国から出せなくした君が逃げようとするなんてこと許すと思う? 死なば諸共だよ」
終わった。私は馬鹿だった。そして父も母も祖父も馬鹿だ。
今は本当に聖人なんて迷信だということが真実でありますようにと祈るしかない。
私は初めて神に手を合わせ心の底から祈った。
***
あと1話、23時30分位に投稿予定です。
あの女は私が優しくしてやっていたら調子に乗って、私のマインラートに手を出した。
確かに私とマインラートはまだ白い関係だったけど、私はリュディガーを捨ててマインラートを選ぶつもりだったのに。
あの女は私の前でマインラートとの仲を見せつける。
『マイン様は激しくて朝まで何度も交わるのでカラダが持ちませんわ』
『マイン様は色んな体位をされるのです。経験豊富でいらっしゃるのかしら? とても気持ちよくさせて下さいますわ。お姉様との時はどんな感じですの?』
私とマインラート様はまだ白い関係だと知っているのであろうはずなのにそんなことを口にする。
マイン様と愛称呼びするのも腹立たしい。私は顔は笑いながら、陰で侍女達を使いあの女を酷い目に遭わせてやった。
イライラした気分を晴らすために、王妃に大量の薬を与え、苦しむ様子を見て楽しんだり、リュディガーを殴ったり、蹴ったり、鞭でうったりした。
リュディガーが聖人なんて誰も信じていない。
この国に役立たずの聖人なんていらない。
私はリュディガーに無実の罪を着せてやった。
リュディガーは元々、聖人であるとこをかさにきて義母や弟に酷いことをしていたのだし、自業自得よりね。国王である父も、側妃である母も賛成してくれてリュディガーは処刑になり、マインラートが次の聖人になった。まぁ、聖人なんて形ばかり。
マインラートは私の婚約者になった。
私は侍女にあの女を階段から突き落とさせ、大怪我をさせた。顔にも傷がついたあの女をマインラートも嫌いになるだろう。
しかし、マインラートは傷者になったあの女の王配になろうとした。恩を着せようとしたのだ。
私は父に頼み、聖人は我が国の外に出てはいけないという法律を作らせた。
これでマインラートは私のもの。
あの女達が消えてスッキリしたわ。
でも、最近気候がおかしい。何日も日照りが続き、暑くなったかと思ったら今度は豪雨が続き寒くなる。
マインラートはちゃんと祈っているのかしら?
「マインラート、ちゃんと祈っているの?」
「まさか。祈ってないよ。聖人なんて嘘だ、あんなのただの言い伝えだと言っただろう」
「そ、そうだわね。でも気候が良くないし、ちょっと祈ってみては?」
マインラートはふふふと笑った。
「私はヴェルトミュラー家の血が流れていないから無理だよ」
え? どういうこと? ヴェルトミュラー家の次男じゃないの?
「なんだよ。知らなかったのか? 父は婿養子だよ。父と後妻の母の間に生まれた私はヴァルトミュラー家の跡取りではあるけど、聖人の血は一滴も流れていない。もしも聖人が祈らなければこの国が破滅するとしても、もうこの国に聖人はいない。前のヴァルトミュラー夫人もリュディガー兄上も、君達王家が殺しちゃったものな」
え? リュディガーはわかるけど前の夫人?
「前の夫人は事故じゃないの?」
「君は本当に何も知らないんだな。前の夫人とその両親は君の母と私の母、そして私達の祖父のボーデ伯爵が事故に見せかけ殺したんだよ。らリヒャルド王子を殺したのもボーデの手の者さ。王妃に薬を持って弱らせているのが側妃なのは知っているだろう?」
それは知っている。私も共犯だからだ。
「元々、父は祖父の手駒だった。母と恋仲だったけど、ヴェルトミュラー家を乗っ取るために前の夫人の婚約者の家族を殺害し、家に火を放ち一家を火事で亡くなったことにして、傷心のヴェルトミュラー元夫人に王命で父と結婚させたんだ。その後邪魔な当時の公爵の両親と夫人、そして生まれたばかりのリュディガー兄上を馬車の事故に見せかけ殺したんだ。兄上だけ生き残っちゃったけどね。兄上は継母と私に迫害されて生きてきて、最後は冤罪で処刑。つまらない人生だよな。兄上がヴェルトミュラー家最後の血の繋がった人間だった」
冤罪? 確かにちょっと盛ったけど、全く無実の罪じゃないでしょう?
「君、まさかと思うけど、兄上が傲慢で我儘で私と母、使用人を虐げていたって話信じてるの? 反対だよ。兄上を私達で虐げていた。酷い目に遭わせていたのは私達の方さ。あいつはただ祈っていただけたよ」
マインラートははははと笑う。マインラートの話は始めで聞くことばからりで私は驚きで身体が固まった。
「そうそう、知ってると思うけど、国王陛下も精神拘束薬を飲まされてる。君の母親の側妃からね。だから言いなりなんだよ。私はもうこんな国嫌になってハイディをたらし込んでバーレンドルフ王国に逃げようと色々やったけど、君のおかげで全てパーだよ。イルメラ、責任取ってくれよな」
マインラートは乾いた笑いを私に向けた。
私が知っていたのは母が王妃に薬を飲ませて身体を悪くさせていることだけだった。
もしも、マインラートの言うことが本当ならリュディガーが死んだ時点でこの国は破滅に向かっているってこと?
結界が壊れてきているから、天候が変になっている?
魔獣が攻めてくるなんてこともなきにしもあらずだ。
逃げなきゃ。
「逃がさないよ。私をこの国から出せなくした君が逃げようとするなんてこと許すと思う? 死なば諸共だよ」
終わった。私は馬鹿だった。そして父も母も祖父も馬鹿だ。
今は本当に聖人なんて迷信だということが真実でありますようにと祈るしかない。
私は初めて神に手を合わせ心の底から祈った。
***
あと1話、23時30分位に投稿予定です。
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