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居ても立っても居られなかった
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思い立ったらじっとしていることのできない私は、その後すぐにハインリッヒ様の元に向かった。
ハインリッヒ様はこの時間なら王宮にいるはず。
アーノルド殿下には『無茶するなよ』と言われたが、無茶する以外ない。
私がいくら傷など気にならないと言ったところでハインリッヒ様は心をひらいてはくれないだろう。
好きな人に言われてこそ心を開くと言うものだ。
私の気持ちはもう決まっている。ハインリッヒ様が幸せになるためにはこれしかない。
「ハインリッヒ様!」
私はハインリッヒ様のお姿を見つけて駆け寄った。
「シャーロット嬢、今日は会う約束はしていないはずだが」
「はい。わかっております。今日で最後です。今日で最後に致しますので、私にお時間を下さいませ」
私はハインリッヒ様の腕を掴み、空いているサロンに引っ張って行った。
「どういうことだ。今日で最後とは?」
「言葉通りでございます。今までご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。私は自分の気持ちを押し付けて、ハインリッヒ様のお気持ちを考えておりませんでした」
ハインリッヒ様は困ったような顔をして私を見ている。私は勢い止まらず話を続けた。
「ハインリッヒ様は傷があってもなくても私にはこの上ない程の素敵な方ですが、私に言われても心に響かないと思いますが、ハインリッヒ様は本当に素晴らしい方なのです。私がハインリッヒ様の傷を消します。なのでこれからは自信をお持ちになって下さいませ。どうか、お好きな方を見つけ幸せになって下さいませ」
「何を言っているんだ。この傷は消えない。宮廷医師にそう言われた」
私は両手でハインリッヒ様の頬を触り、目をじって見た。
「私を誰だと思っているのですか? 私はシュープリームス家の長女です。あなたの傷など消してご覧にいれます」
ハインリッヒ様は苦々しい顔をして私を見ている。
「ハインリッヒ様、今までありがとうございました。短い間でしたがあなた様の婚約者になれて幸せでした。これからは好きな方と幸せになって下さいませ。さようなら」
私は両手を魔力を込め呪文を唱える。
私の両手からは眩しい光が溢れ出してくる。光は私とハインリッヒ様を包みこむ。
私は意識を失った。
ハインリッヒ様はこの時間なら王宮にいるはず。
アーノルド殿下には『無茶するなよ』と言われたが、無茶する以外ない。
私がいくら傷など気にならないと言ったところでハインリッヒ様は心をひらいてはくれないだろう。
好きな人に言われてこそ心を開くと言うものだ。
私の気持ちはもう決まっている。ハインリッヒ様が幸せになるためにはこれしかない。
「ハインリッヒ様!」
私はハインリッヒ様のお姿を見つけて駆け寄った。
「シャーロット嬢、今日は会う約束はしていないはずだが」
「はい。わかっております。今日で最後です。今日で最後に致しますので、私にお時間を下さいませ」
私はハインリッヒ様の腕を掴み、空いているサロンに引っ張って行った。
「どういうことだ。今日で最後とは?」
「言葉通りでございます。今までご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。私は自分の気持ちを押し付けて、ハインリッヒ様のお気持ちを考えておりませんでした」
ハインリッヒ様は困ったような顔をして私を見ている。私は勢い止まらず話を続けた。
「ハインリッヒ様は傷があってもなくても私にはこの上ない程の素敵な方ですが、私に言われても心に響かないと思いますが、ハインリッヒ様は本当に素晴らしい方なのです。私がハインリッヒ様の傷を消します。なのでこれからは自信をお持ちになって下さいませ。どうか、お好きな方を見つけ幸せになって下さいませ」
「何を言っているんだ。この傷は消えない。宮廷医師にそう言われた」
私は両手でハインリッヒ様の頬を触り、目をじって見た。
「私を誰だと思っているのですか? 私はシュープリームス家の長女です。あなたの傷など消してご覧にいれます」
ハインリッヒ様は苦々しい顔をして私を見ている。
「ハインリッヒ様、今までありがとうございました。短い間でしたがあなた様の婚約者になれて幸せでした。これからは好きな方と幸せになって下さいませ。さようなら」
私は両手を魔力を込め呪文を唱える。
私の両手からは眩しい光が溢れ出してくる。光は私とハインリッヒ様を包みこむ。
私は意識を失った。
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