25 / 50
ユリウス様ったら
しおりを挟む
*ユリウス壊れてます*
「お嬢様、アルブラン卿がお見えですが、どうなさいますか?」
家令のセバスが告げに来た。
「ユリウス様が?」
「はい、先触れもございませんでしたので、お嬢様のご都合を伺いに参りました」
「そうね。何か急用なのかしら? 会うわ。サロンにお通しするわ。お茶の用意をして」
「かしこまりました」
ユリウス様、どうしたのかしら? 何か急用なのかしら?
「ヴィオ、先触れもなく押しかけてすまない。これを」
凄い! 薔薇の花束だ。
「ありがとうございます」
なんでこんなに沢山の花束を私にくれるんだろう? 今日は何かの記念日でもないし。ユリウス様はいつもお花やらお菓子やら雑貨やら色んなプレゼントをくれるけれどこんなに大量の薔薇の花束は初めてだ。
「ヴィオ、昨日は君の気持ちも考えずに、無神経な事を言って君を傷つけてしまった。本当に申し訳ない」
昨日? あっ! そうか。私は昨日ユリウス様に失礼な態度をとったことなどすっかり忘れていた。
「とんでもございません。私の方こそ失礼な態度をとってしまい、あのあとお詫びに伺ったのですが、皆様お留守でお会いできずに戻りましたの」
ユリウス様は驚いた顔をしている。
「うちに来てくれたのか?」
「はい。私の方こそ調子に乗って不敬な態度をとってしまいました。申し訳ございません」
「いや、ヴィオは悪くない。ヴィオが望むなら結婚を先に伸ばしてもいいと思っている。王立学校に行きたければそれもいい。やりたいことがあるなら応援する。
ヴィオの望みはなんでも叶える。だから私と結婚してほしい。
私はヴィオじゃないとダメなんだ。ヴィオに嫌われたら生きていけない。
頼む。この通りだ。ヴィオがいいと言うまで何年でも待つ。だから私と結婚してほしい」
ユリウス様、どうしたの? 頭なんが下げないでよ。
私がちょっと我儘言っただけでこの人はこんなになるのか。
なんでだろ? お義母さまに叱られたのかな?
私は色々思い巡らせていたら、ユリウス様は急に立ち上がった。そして床に座り手をついた。
「ヴィオ、頼む。愛してるんだ。私から離れないでくれ」
ちょっと待ってよ! 土下座はやめて!!
「ユリウス様、頭を上げてください」
「いや、ヴィオが許してくれるまではやめない」
「許します。結婚します。だから椅子に座ってください」
この人は時期公爵だよ。しかも筆頭公爵。今は騎士団の副団長で第1王子の側近。魔力もある。見目麗しく、権力もお金もあって、女性も選び放題でしょ?
なのに、なんでたいして取り柄もない。ただの伯爵家の小娘相手に土下座してるの?
本当に私のことが好きで、嫌われたくないの? 信じていいのかな?
「ヴィオ、信じてほしい。私はヴィオの為なら何でもする」
なんでこんなに捨て身になれるの。
「どうしてここまでされるのですか? 私からは婚約を解消する事などできません」
「嫌われたくないんだ。権力でヴィオを縛るなんて嫌なんだ。私を好きになってほしい。ヴィオが結婚したいと望んでもらいたい」
「では、私が望まなければ結婚はやめるのですか?」
「いや、望んでくれるように頑張る。どうしても無理なら自害する。ヴィオに嫌われて生きている意味がない」
は~っ。いつもクリス様が言っている意味が少しわかったような気がする。
ユリウス様はかなり重い。それにかなり拗らせている。
私がすんなり結婚しないと、拉致監禁とかあるかもしれないな。
すんなり結婚してもここまで執着されていると監禁まではいかないとしても軟禁くらいはあるかもしれない。
軟禁か~。うん、悪くないかもね。
私は社交も得意じゃないし、お義母さまやクリス様や、お母さまと一緒なら出かけさせてもらえるよね。
やっぱりユリウス様と結婚するのがベストよね。
だって、私は自信がなくて結婚するのが不安だっただけ。
ここまで執着されているのなら、ほかの人に心移りする事も、捨てられることはないだろう。
「わかりました。予定通りユリウス様と結婚します。ただふたつだけ私の我儘を聞いてくれますか」
「聞くよ。何でも聞く」
「ひとつめは結婚しても、今まで通り、クリス様やお義母さま、お母さま、お友達や家族が一緒ならお茶会やお買い物に行かせてください」
「もちろんだ。ただ私以外の男はダメだ」
「お父さまやリカルドもですが?」
「家族は仕方ない。でも出来るだけ私も一緒が望ましいし、私に言ってからにしてほしい」
「わかりましたわ」
ユリウス様、かなり狭量だな。でも、それだけ自信がないってこしかしら?
「ふたつ目は、私以外の人を好きにならないで下さい。浮気や不倫は嫌です。他に好きな人ができたり、私が嫌になった時は離縁して下さいませ」
「当たり前だ。他の女など好きになるわけがない。私は死んでもヴィオを離さない。来世もその次も未来永劫私はヴィオだけを愛すると誓う」
喜ぶべきよね。これは喜ぶしかないわよね。まぁ、温度差はかなりあるけど、私はユリウス様の事が好きだし、ここまで執着してくれているならもう迷うことはない。
愛なのか? 執着なのか? まぁ、私にはそんなことはたいした問題じゃない。
「ありがとうございます。私もユリウス様が好きです。ユリウス様に嫌われないように頑張りますわ」
「頑張ることなんか何もない。ヴィオはそのままでいい。私こそヴィオに嫌われないように頑張る。私の態度が嫌な時はいつでも言ってほしい。すぐに直す」
ユリウス様は私を抱きしめた。
「ユリウス様、痛いです」
「ごめん。嬉しくて力が入ってしまった」
この人は不思議な人だ。私の前とその他の人の前では別人になるようだ。
私しかないと言うのなら、信じてみよう。
「ユリウス様、大好きです」
私がそう言うと、抱きしめた腕にまた力が入った。
「痛いです、ユリウス様。肋骨折れてしまいますわ」
カルシウムを沢山摂って、骨を強くしないといけないな。
「お嬢様、アルブラン卿がお見えですが、どうなさいますか?」
家令のセバスが告げに来た。
「ユリウス様が?」
「はい、先触れもございませんでしたので、お嬢様のご都合を伺いに参りました」
「そうね。何か急用なのかしら? 会うわ。サロンにお通しするわ。お茶の用意をして」
「かしこまりました」
ユリウス様、どうしたのかしら? 何か急用なのかしら?
「ヴィオ、先触れもなく押しかけてすまない。これを」
凄い! 薔薇の花束だ。
「ありがとうございます」
なんでこんなに沢山の花束を私にくれるんだろう? 今日は何かの記念日でもないし。ユリウス様はいつもお花やらお菓子やら雑貨やら色んなプレゼントをくれるけれどこんなに大量の薔薇の花束は初めてだ。
「ヴィオ、昨日は君の気持ちも考えずに、無神経な事を言って君を傷つけてしまった。本当に申し訳ない」
昨日? あっ! そうか。私は昨日ユリウス様に失礼な態度をとったことなどすっかり忘れていた。
「とんでもございません。私の方こそ失礼な態度をとってしまい、あのあとお詫びに伺ったのですが、皆様お留守でお会いできずに戻りましたの」
ユリウス様は驚いた顔をしている。
「うちに来てくれたのか?」
「はい。私の方こそ調子に乗って不敬な態度をとってしまいました。申し訳ございません」
「いや、ヴィオは悪くない。ヴィオが望むなら結婚を先に伸ばしてもいいと思っている。王立学校に行きたければそれもいい。やりたいことがあるなら応援する。
ヴィオの望みはなんでも叶える。だから私と結婚してほしい。
私はヴィオじゃないとダメなんだ。ヴィオに嫌われたら生きていけない。
頼む。この通りだ。ヴィオがいいと言うまで何年でも待つ。だから私と結婚してほしい」
ユリウス様、どうしたの? 頭なんが下げないでよ。
私がちょっと我儘言っただけでこの人はこんなになるのか。
なんでだろ? お義母さまに叱られたのかな?
私は色々思い巡らせていたら、ユリウス様は急に立ち上がった。そして床に座り手をついた。
「ヴィオ、頼む。愛してるんだ。私から離れないでくれ」
ちょっと待ってよ! 土下座はやめて!!
「ユリウス様、頭を上げてください」
「いや、ヴィオが許してくれるまではやめない」
「許します。結婚します。だから椅子に座ってください」
この人は時期公爵だよ。しかも筆頭公爵。今は騎士団の副団長で第1王子の側近。魔力もある。見目麗しく、権力もお金もあって、女性も選び放題でしょ?
なのに、なんでたいして取り柄もない。ただの伯爵家の小娘相手に土下座してるの?
本当に私のことが好きで、嫌われたくないの? 信じていいのかな?
「ヴィオ、信じてほしい。私はヴィオの為なら何でもする」
なんでこんなに捨て身になれるの。
「どうしてここまでされるのですか? 私からは婚約を解消する事などできません」
「嫌われたくないんだ。権力でヴィオを縛るなんて嫌なんだ。私を好きになってほしい。ヴィオが結婚したいと望んでもらいたい」
「では、私が望まなければ結婚はやめるのですか?」
「いや、望んでくれるように頑張る。どうしても無理なら自害する。ヴィオに嫌われて生きている意味がない」
は~っ。いつもクリス様が言っている意味が少しわかったような気がする。
ユリウス様はかなり重い。それにかなり拗らせている。
私がすんなり結婚しないと、拉致監禁とかあるかもしれないな。
すんなり結婚してもここまで執着されていると監禁まではいかないとしても軟禁くらいはあるかもしれない。
軟禁か~。うん、悪くないかもね。
私は社交も得意じゃないし、お義母さまやクリス様や、お母さまと一緒なら出かけさせてもらえるよね。
やっぱりユリウス様と結婚するのがベストよね。
だって、私は自信がなくて結婚するのが不安だっただけ。
ここまで執着されているのなら、ほかの人に心移りする事も、捨てられることはないだろう。
「わかりました。予定通りユリウス様と結婚します。ただふたつだけ私の我儘を聞いてくれますか」
「聞くよ。何でも聞く」
「ひとつめは結婚しても、今まで通り、クリス様やお義母さま、お母さま、お友達や家族が一緒ならお茶会やお買い物に行かせてください」
「もちろんだ。ただ私以外の男はダメだ」
「お父さまやリカルドもですが?」
「家族は仕方ない。でも出来るだけ私も一緒が望ましいし、私に言ってからにしてほしい」
「わかりましたわ」
ユリウス様、かなり狭量だな。でも、それだけ自信がないってこしかしら?
「ふたつ目は、私以外の人を好きにならないで下さい。浮気や不倫は嫌です。他に好きな人ができたり、私が嫌になった時は離縁して下さいませ」
「当たり前だ。他の女など好きになるわけがない。私は死んでもヴィオを離さない。来世もその次も未来永劫私はヴィオだけを愛すると誓う」
喜ぶべきよね。これは喜ぶしかないわよね。まぁ、温度差はかなりあるけど、私はユリウス様の事が好きだし、ここまで執着してくれているならもう迷うことはない。
愛なのか? 執着なのか? まぁ、私にはそんなことはたいした問題じゃない。
「ありがとうございます。私もユリウス様が好きです。ユリウス様に嫌われないように頑張りますわ」
「頑張ることなんか何もない。ヴィオはそのままでいい。私こそヴィオに嫌われないように頑張る。私の態度が嫌な時はいつでも言ってほしい。すぐに直す」
ユリウス様は私を抱きしめた。
「ユリウス様、痛いです」
「ごめん。嬉しくて力が入ってしまった」
この人は不思議な人だ。私の前とその他の人の前では別人になるようだ。
私しかないと言うのなら、信じてみよう。
「ユリウス様、大好きです」
私がそう言うと、抱きしめた腕にまた力が入った。
「痛いです、ユリウス様。肋骨折れてしまいますわ」
カルシウムを沢山摂って、骨を強くしないといけないな。
47
お気に入りに追加
1,229
あなたにおすすめの小説
前世記憶持ちの悪役令嬢は聖女様呼ばわりされることが嫌で嫌で仕方がない~乙女ゲームのヒロインにゲームクリアしてもらうために奮闘する
青の雀
恋愛
王太子殿下から卒業記念パーティで突然、婚約破棄を言い渡されてしまう。
ここは、前世医師の金沢さくらが開業医の兄の患者さんが忘れ物の乙女ゲーム「オルブライトに咲く白百合」を遊んでいたところ、その世界とそっくりな世界にいることを気づいてしまう。
この乙女ゲームは初心者でも楽しめるように、攻略対象が複数人いて、どの攻略対象者を狙っても、違う悪役令嬢が用意されていて、失敗しても、どこかの攻略者のところでは必ず?ハッピーエンドが迎えられるようなゲーム仕様になっている。
最初は、悪役令嬢として転生
次の転生では、王子の婚約者とならない道を選び、平穏な学園生活を送る予定だったが……溺愛ルート?
その次の転生では、
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる
マチバリ
恋愛
貴族令嬢エステルは姉の婚約者を誘惑したという冤罪で修道院に行くことになっていたが、突然ある男の花嫁になり子供を産めと命令されてしまう。夫となる男は稀有な魔力と尊い血統を持ちながらも辺境の屋敷で孤独に暮らす魔法使いアンデリック。
数奇な運命で結婚する事になった二人が呪いをとくように幸せになる物語。
書籍化作業にあたり本編を非公開にしました。
愛されないはずの契約花嫁は、なぜか今宵も溺愛されています!
香取鞠里
恋愛
マリアは子爵家の長女。
ある日、父親から
「すまないが、二人のどちらかにウインド公爵家に嫁いでもらう必要がある」
と告げられる。
伯爵家でありながら家は貧しく、父親が事業に失敗してしまった。
その借金返済をウインド公爵家に伯爵家の借金返済を肩代わりしてもらったことから、
伯爵家の姉妹のうちどちらかを公爵家の一人息子、ライアンの嫁にほしいと要求されたのだそうだ。
親に溺愛されるワガママな妹、デイジーが心底嫌がったことから、姉のマリアは必然的に自分が嫁ぐことに決まってしまう。
ライアンは、冷酷と噂されている。
さらには、借金返済の肩代わりをしてもらったことから決まった契約結婚だ。
決して愛されることはないと思っていたのに、なぜか溺愛されて──!?
そして、ライアンのマリアへの待遇が羨ましくなった妹のデイジーがライアンに突如アプローチをはじめて──!?

純白の牢獄
ゆる
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ハズレ嫁は最強の天才公爵様と再婚しました。
光子
恋愛
ーーー両親の愛情は、全て、可愛い妹の物だった。
昔から、私のモノは、妹が欲しがれば、全て妹のモノになった。お菓子も、玩具も、友人も、恋人も、何もかも。
逆らえば、頬を叩かれ、食事を取り上げられ、何日も部屋に閉じ込められる。
でも、私は不幸じゃなかった。
私には、幼馴染である、カインがいたから。同じ伯爵爵位を持つ、私の大好きな幼馴染、《カイン=マルクス》。彼だけは、いつも私の傍にいてくれた。
彼からのプロポーズを受けた時は、本当に嬉しかった。私を、あの家から救い出してくれたと思った。
私は貴方と結婚出来て、本当に幸せだったーーー
例え、私に子供が出来ず、義母からハズレ嫁と罵られようとも、義父から、マルクス伯爵家の事業全般を丸投げされようとも、私は、貴方さえいてくれれば、それで幸せだったのにーーー。
「《ルエル》お姉様、ごめんなさぁい。私、カイン様との子供を授かったんです」
「すまない、ルエル。君の事は愛しているんだ……でも、僕はマルクス伯爵家の跡取りとして、どうしても世継ぎが必要なんだ!だから、君と離婚し、僕の子供を宿してくれた《エレノア》と、再婚する!」
夫と妹から告げられたのは、地獄に叩き落とされるような、残酷な言葉だった。
カインも結局、私を裏切るのね。
エレノアは、結局、私から全てを奪うのね。
それなら、もういいわ。全部、要らない。
絶対に許さないわ。
私が味わった苦しみを、悲しみを、怒りを、全部返さないと気がすまないーー!
覚悟していてね?
私は、絶対に貴方達を許さないから。
「私、貴方と離婚出来て、幸せよ。
私、あんな男の子供を産まなくて、幸せよ。
ざまぁみろ」
不定期更新。
この世界は私の考えた世界の話です。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。
いつか彼女を手に入れる日まで
月山 歩
恋愛
伯爵令嬢の私は、婚約者の邸に馬車で向かっている途中で、馬車が転倒する事故に遭い、治療院に運ばれる。医師に良くなったとしても、足を引きずるようになると言われてしまい、傷物になったからと、格下の私は一方的に婚約破棄される。私はこの先誰かと結婚できるのだろうか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる