【完結】王子から婚約解消されましたが、次期公爵様と婚約して、みんなから溺愛されています

金峯蓮華

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「冗談だよ」

 ユリウス様は顔を離し、手で顔を覆って笑っているようだ。

「そうだリリーを呼びましょう!」

 私は話を逸らそうとリリーを呼ぶことを提案した。

 「リリーって?」

 ユリウス様は難しい顔をしている。

「猫です」

「猫?」

「いつも一緒に寝てるんです。お腹に顔を埋めて息を吸い込むと癒されるんですよ。ユリウス様もやってみますか?」

 ユリウス様は「猫か~」と小声で呟いている。

「ユリウス様はいつも私を猫みたいに可愛がってくれてるし、私のお腹でやってみますか? ぽよぽよだから癒されるかも?」

「ヴィオの? いいの?」

「夜着の上からならいいですよ」

 ユリウス様は上を向いて何が考えているようだ。

「じゃあお願いしようかな」

 少ししてユリウス様はそう言うと私のお腹に顔を埋めた。

 熱いな。ユリウス様って体温高いんだな。リリーみたいだわ。

 プラチナブロンドの髪がキラキラだな。撫でたら怒るかしら?
 私はユリウス様の髪を撫でてみた。

 わ~! さらさらツルツル。


「ヴィオ、やっぱり客間に寝るよ。何があったら大きい声を出すんだよ」

 急に顔を離したユリウス様はそう言うとさっさと部屋に戻ってしまった。
 髪を撫でられたの嫌だったのかな?

 でも、客間に戻ってくれてよかった! 

 さぁ、本でも読もうかな。

 私はベッドに寝転がって本を広げた。





ーユリウス視点―


 あ~~~~~~~~~~。

 よく頑張った。自分を褒めてやりたい。
ヴィオは無防備過ぎる。俺以外の男にあんなことしてるのか?

 そいつ殺す!

 俺はヴィオに異性認定されていないことがよくわかった。

 まるで俺は飼い主の腹に顔を寄せて甘える大型犬のようだ。
 ヴィオはその飼い主。甘える犬の頭を撫でる。

 ヴィオは俺が襲うなんて全く思ってないんだな。
 自分のこと猫みたいに可愛がってるとか言うし。

 ヴィオに男として見られたいなぁ。恋愛の対象として見られたい。

 は~~~~~っ。

 俺は大きなため息をついた。

 しかし、ヴィオの身体は柔らかかったな。
 しかもめっちゃいい匂いがした。

 それに胸がかなりデカい。

 ドレスを着ている時は分からなかったから、小さく見えるように押さえているのだろうか?

 夜着だからか頭の上に感じた胸はかなりのボリュームだった。

 本当は顔を埋めたいのは腹じゃなく、その上から下なんだけどな。

 あ~~~~~~~~。

 したいな~~~。

 ヴィオとあんなことやこんなこと。

 ほんとによく我慢したよ。俺、偉い!

 あのままあの部屋にいたら、大型犬から獣に変身してしまうところだった。

 あ~~~~~~~~。

 早く結婚したい!!

 早くヴィオとしたい!!

 とりあえず今夜はヴィオを想いながら自分で慰めとこ。




*ユリウスは残念なイケメン騎士になってきてしまってますね。いつもの私から俺になってるし。
 ヴィオレッタのことをものすごく愛してるのに全く伝わってないので、なんとか頑張って欲しい。
 それにしてもよく踏ん張りました。実はユリウスは結婚するまでは絶対に手を出してはダメだと母上に言われているのです。
母上怖いですもんね*
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