37 / 39
35話 顛末
しおりを挟む
あのパーティーから3ヶ月経った。来週はいよいよ私達の結婚式だ。
母と私は移動魔法を習得し、母はリルゾール王国とセレニカ王国を魔法で行ったり来たりしている。私はルセフィ殿下がなかなかひとりでセレニカ王国に還らせてくれないので、せっかくの移動魔法も近距離にしか活用できていないが、さすがに結婚式前ということでセレニカ王国の実家に里帰りしている。結婚前から里帰りとは変な感じではあるが……。
当日はブロチゾラム公爵家で用意をし、大聖堂まで馬車を出すそうだ。父と弟は母が移動魔法でリルゾール王国に連れて行き、親族や参列してくれる方々は馬車で遠い道のりを参加してくれる。王太子の婚礼ということで、セレニカ王国の国王陛下、王妃殿下、王太子のテオドール様も参加してくれる。
あのパーティーでは、やはりゾレアは魅了の魔法を仕掛けてきた。リドカイン様がずっと魔法にかかったフリをしていたことも全く気がついていなかったようで、あの場にいた男性全てに魔法をかけ、最後はルセフィ様や国王陛下にも魔法をかけたという。もちろんみんなかかったふりだ。
リルゾール王国の高位貴族や城勤めの者は皆、魅了の魔法を含む、精神拘束魔法が無効化になるような魔道具を身につけたり、幼い頃から無効化の魔法を体内に取り込む訓練をしたり、無効化の薬湯やポーションなどで防いだりと色々なやり方で精神拘束魔法にかからないようにしているのでかかるわけがない。ただそれは国内の公然の秘密なのでペンタサ王国出身のゾレアもセレニカ王国出身の私も知らなかったのだ。
私も結婚が決まってすぐに精神拘束魔法を含めた悪意の攻撃魔法全て無効化の加護を女神様からもらった。私は愛し子なる者だそうで、皆さんのような修行や工夫をしなくても良いらしい。我ながら狡いなぁと思うが、ミオナール様曰く「女神の自己満足に付き合ってあげて~」だそうだ。
話を戻そう。パーティーで面白いくらいに引っかかり油断したゾレアを別部屋に連れて行き、そこでがっつり逆精神拘束魔法をかけ、計画をペラペラ話させてから、一緒にペンタサ王国に入った。
ペンタサ王国では、ザイティガ様とリドカイン様がゾレアの協力者として、ルセフィ様を人質にして、国王に謁見をとりつけた。もちろん幻影魔法で姿を隠した魔法騎士団も一緒に謁見室に入った。
そして、ルセフィ殿下の合図でペンタサ王国を捕らえた。一瞬のことだったという。
ペンタサ王国の首脳、中枢の貴族達、暗部の者達も捕らえられ、処刑された。
ペンタサ王国は土地や民、全て魔法無効化の処理をされ、5つに分割され、隣接している国に下げ渡されることになった。
たった1週間くらいの間にあっけなく全ての事が終わった。前の世界でゾレアが現れてからの一年と7歳で前の世界の記憶が戻ってからの私の辛い思いや恐怖や不安は何だったのだろうと思う。
里帰りしている私は、ルセフィ様と結婚して、セレニカ王国を離れる挨拶のために王宮を訪れた。
謁見室ではなく、プライベートエリアのサロンに通されて、陛下や王妃様に頭を下げられた。
私としては、今がこの上ないほど幸せな状態なのに、王妃様は自分達に気を遣って私が無理をしていると思い込んでいるようで、私が何を言っても聞く耳を持たずに謝罪をする妃殿下になんだか後ろめたくなってくる。いまだにクラリス様がわがままを言い、私が身を引いたとみんなは思っている。
「もう私のことは気にせず、嫁いでくるクラリス様をよろしくお願いします」
私が言うと、妃殿下は号泣された。
「ルナベルは本当に優しいのね。やっぱり私はルナベルがいいわ。陛下、クラリス姫との婚約は断りましょう」
妃殿下、それは困ります。国王陛下も困った顔をしている。
「そればかりは無理だな。そんな事をしたら我が国は滅びてしまう。ルナベルのおかげでリルゾール王国とは固い絆が結ばれたのだ。そなたも今回のペンタサ王国の件を知っているだろう? リルゾール王国を敵に回すようなことは私はできないよ」
国王陛下が妃殿下を諫める。
愛するルセフィ様と結婚できそうなのに、王妃殿下、お願いだから邪魔しないでくださいと心の中で祈った。
「ルナベル、この度の事は本当に申し訳ない。ただ、テオドールと結婚して、セレニカ王国の王太子妃になるより、ルセフィ殿下と結婚して、リルゾール王国の王太子妃になる方が幸せかもしれん。リルゾール王国は大国だし、ルナベルには血縁者もいる。こらえてくれ」
国王は私にだけ見えるようにウインクをして、また頭を下げる。
王妃殿下やテオドール殿下は前の世界のことは知らないらしい。事がことだけに、セレニカ王では、ジュリナのお父様の魔導士団長と我が父、リドカイン様のお父様で外務大臣(実は暗部の元締)、イグザレルト様のお父様の騎士団長が中心となり、隠密に計画し行動していたらしい。国王陛下に知らされたのも全てが繋がってからだったと父から聞いた。
「陛下、王妃殿下、ありがとうございます。セレニカ王国とリルゾール王国の橋渡しのために頑張ります」
「あぁ、頼む」
「嫌になったらいつでも帰ってきていいのよ」
いやいや、それはない。王妃殿下、それはダメだよ。
私はカーテシーをして王宮を後にした。
部屋を出て玄関に向かっていると、テオドール殿下に会った。
「戻っていたのか」
「はい、ご挨拶に参りました」
テオドール殿下はバツが悪そうな表情で私を見る。
「ペンタサ王国のこと大変だったな。我が国も狙われていたなんて驚いた。君やジュリナ嬢からの進言で宰相や魔導士団長達が動いていたなどとは全く知らなかった。同じ時に同じ場所にいたのに王太子失格だな」
テオドール殿下は留学中にゾレアとペンタサの情報をキャッチしたと思っているようだ。前の世界のことは何も思い出さないのだろう。
「そのようなことはありません。たまたまです」
「それに婚約を解消するようなことになって本当に申し訳ない。君を犠牲にするなんてと母上は激怒していた」
「私はルセフィ様とリルゾール王国で幸せになります。殿下もクラリス様とこのセレニカ王国で幸せになってください。クラリス様は決してわがまま姫などではありません。物事を大きく見る事ができ、すぐに決断できるお方です。クラリス様が嫁ぐ事でこのセレニカ王国は発展するはずです。クラリス様を大切にしてくださいませ」
「そうだね。もう決まった事だ。私は国益のためにクラリス姫を選んだ。腹を括ったつもりなのにダメだな」
ふっと自虐的に小さく微笑む。真面目で堅物。この人が前の世界の記憶が戻ったら、おそらく罪の意識で自害するだろう。神様は必要な者にしか前の記憶を残さなかったのだと思う。
「クラリス様とお幸せになってください。おふたりのお幸せをリルゾール王国で祈っておりますよ」
私はテオドール殿下に別れを告げ、自宅に戻った。
母と私は移動魔法を習得し、母はリルゾール王国とセレニカ王国を魔法で行ったり来たりしている。私はルセフィ殿下がなかなかひとりでセレニカ王国に還らせてくれないので、せっかくの移動魔法も近距離にしか活用できていないが、さすがに結婚式前ということでセレニカ王国の実家に里帰りしている。結婚前から里帰りとは変な感じではあるが……。
当日はブロチゾラム公爵家で用意をし、大聖堂まで馬車を出すそうだ。父と弟は母が移動魔法でリルゾール王国に連れて行き、親族や参列してくれる方々は馬車で遠い道のりを参加してくれる。王太子の婚礼ということで、セレニカ王国の国王陛下、王妃殿下、王太子のテオドール様も参加してくれる。
あのパーティーでは、やはりゾレアは魅了の魔法を仕掛けてきた。リドカイン様がずっと魔法にかかったフリをしていたことも全く気がついていなかったようで、あの場にいた男性全てに魔法をかけ、最後はルセフィ様や国王陛下にも魔法をかけたという。もちろんみんなかかったふりだ。
リルゾール王国の高位貴族や城勤めの者は皆、魅了の魔法を含む、精神拘束魔法が無効化になるような魔道具を身につけたり、幼い頃から無効化の魔法を体内に取り込む訓練をしたり、無効化の薬湯やポーションなどで防いだりと色々なやり方で精神拘束魔法にかからないようにしているのでかかるわけがない。ただそれは国内の公然の秘密なのでペンタサ王国出身のゾレアもセレニカ王国出身の私も知らなかったのだ。
私も結婚が決まってすぐに精神拘束魔法を含めた悪意の攻撃魔法全て無効化の加護を女神様からもらった。私は愛し子なる者だそうで、皆さんのような修行や工夫をしなくても良いらしい。我ながら狡いなぁと思うが、ミオナール様曰く「女神の自己満足に付き合ってあげて~」だそうだ。
話を戻そう。パーティーで面白いくらいに引っかかり油断したゾレアを別部屋に連れて行き、そこでがっつり逆精神拘束魔法をかけ、計画をペラペラ話させてから、一緒にペンタサ王国に入った。
ペンタサ王国では、ザイティガ様とリドカイン様がゾレアの協力者として、ルセフィ様を人質にして、国王に謁見をとりつけた。もちろん幻影魔法で姿を隠した魔法騎士団も一緒に謁見室に入った。
そして、ルセフィ殿下の合図でペンタサ王国を捕らえた。一瞬のことだったという。
ペンタサ王国の首脳、中枢の貴族達、暗部の者達も捕らえられ、処刑された。
ペンタサ王国は土地や民、全て魔法無効化の処理をされ、5つに分割され、隣接している国に下げ渡されることになった。
たった1週間くらいの間にあっけなく全ての事が終わった。前の世界でゾレアが現れてからの一年と7歳で前の世界の記憶が戻ってからの私の辛い思いや恐怖や不安は何だったのだろうと思う。
里帰りしている私は、ルセフィ様と結婚して、セレニカ王国を離れる挨拶のために王宮を訪れた。
謁見室ではなく、プライベートエリアのサロンに通されて、陛下や王妃様に頭を下げられた。
私としては、今がこの上ないほど幸せな状態なのに、王妃様は自分達に気を遣って私が無理をしていると思い込んでいるようで、私が何を言っても聞く耳を持たずに謝罪をする妃殿下になんだか後ろめたくなってくる。いまだにクラリス様がわがままを言い、私が身を引いたとみんなは思っている。
「もう私のことは気にせず、嫁いでくるクラリス様をよろしくお願いします」
私が言うと、妃殿下は号泣された。
「ルナベルは本当に優しいのね。やっぱり私はルナベルがいいわ。陛下、クラリス姫との婚約は断りましょう」
妃殿下、それは困ります。国王陛下も困った顔をしている。
「そればかりは無理だな。そんな事をしたら我が国は滅びてしまう。ルナベルのおかげでリルゾール王国とは固い絆が結ばれたのだ。そなたも今回のペンタサ王国の件を知っているだろう? リルゾール王国を敵に回すようなことは私はできないよ」
国王陛下が妃殿下を諫める。
愛するルセフィ様と結婚できそうなのに、王妃殿下、お願いだから邪魔しないでくださいと心の中で祈った。
「ルナベル、この度の事は本当に申し訳ない。ただ、テオドールと結婚して、セレニカ王国の王太子妃になるより、ルセフィ殿下と結婚して、リルゾール王国の王太子妃になる方が幸せかもしれん。リルゾール王国は大国だし、ルナベルには血縁者もいる。こらえてくれ」
国王は私にだけ見えるようにウインクをして、また頭を下げる。
王妃殿下やテオドール殿下は前の世界のことは知らないらしい。事がことだけに、セレニカ王では、ジュリナのお父様の魔導士団長と我が父、リドカイン様のお父様で外務大臣(実は暗部の元締)、イグザレルト様のお父様の騎士団長が中心となり、隠密に計画し行動していたらしい。国王陛下に知らされたのも全てが繋がってからだったと父から聞いた。
「陛下、王妃殿下、ありがとうございます。セレニカ王国とリルゾール王国の橋渡しのために頑張ります」
「あぁ、頼む」
「嫌になったらいつでも帰ってきていいのよ」
いやいや、それはない。王妃殿下、それはダメだよ。
私はカーテシーをして王宮を後にした。
部屋を出て玄関に向かっていると、テオドール殿下に会った。
「戻っていたのか」
「はい、ご挨拶に参りました」
テオドール殿下はバツが悪そうな表情で私を見る。
「ペンタサ王国のこと大変だったな。我が国も狙われていたなんて驚いた。君やジュリナ嬢からの進言で宰相や魔導士団長達が動いていたなどとは全く知らなかった。同じ時に同じ場所にいたのに王太子失格だな」
テオドール殿下は留学中にゾレアとペンタサの情報をキャッチしたと思っているようだ。前の世界のことは何も思い出さないのだろう。
「そのようなことはありません。たまたまです」
「それに婚約を解消するようなことになって本当に申し訳ない。君を犠牲にするなんてと母上は激怒していた」
「私はルセフィ様とリルゾール王国で幸せになります。殿下もクラリス様とこのセレニカ王国で幸せになってください。クラリス様は決してわがまま姫などではありません。物事を大きく見る事ができ、すぐに決断できるお方です。クラリス様が嫁ぐ事でこのセレニカ王国は発展するはずです。クラリス様を大切にしてくださいませ」
「そうだね。もう決まった事だ。私は国益のためにクラリス姫を選んだ。腹を括ったつもりなのにダメだな」
ふっと自虐的に小さく微笑む。真面目で堅物。この人が前の世界の記憶が戻ったら、おそらく罪の意識で自害するだろう。神様は必要な者にしか前の記憶を残さなかったのだと思う。
「クラリス様とお幸せになってください。おふたりのお幸せをリルゾール王国で祈っておりますよ」
私はテオドール殿下に別れを告げ、自宅に戻った。
903
お気に入りに追加
2,141
あなたにおすすめの小説

冤罪から逃れるために全てを捨てた。
四折 柊
恋愛
王太子の婚約者だったオリビアは冤罪をかけられ捕縛されそうになり全てを捨てて家族と逃げた。そして以前留学していた国の恩師を頼り、新しい名前と身分を手に入れ幸せに過ごす。1年が過ぎ今が幸せだからこそ思い出してしまう。捨ててきた国や自分を陥れた人達が今どうしているのかを。(視点が何度も変わります)
公爵令嬢は逃げ出すことにした【完結済】
佐原香奈
恋愛
公爵家の跡取りとして厳しい教育を受けるエリー。
異母妹のアリーはエリーとは逆に甘やかされて育てられていた。
幼い頃からの婚約者であるヘンリーはアリーに惚れている。
その事実を1番隣でいつも見ていた。
一度目の人生と同じ光景をまた繰り返す。
25歳の冬、たった1人で終わらせた人生の繰り返しに嫌気がさし、エリーは逃げ出すことにした。
これからもずっと続く苦痛を知っているのに、耐えることはできなかった。
何も持たず公爵家の門をくぐるエリーが向かった先にいたのは…
完結済ですが、気が向いた時に話を追加しています。

魅了魔法…?それで相思相愛ならいいんじゃないんですか。
iBuKi
恋愛
私がこの世界に誕生した瞬間から決まっていた婚約者。
完璧な皇子様に婚約者に決定した瞬間から溺愛され続け、蜂蜜漬けにされていたけれど――
気付いたら、皇子の隣には子爵令嬢が居て。
――魅了魔法ですか…。
国家転覆とか、王権強奪とか、大変な事は絡んでないんですよね?
第一皇子とその方が相思相愛ならいいんじゃないんですか?
サクッと婚約解消のち、私はしばらく領地で静養しておきますね。
✂----------------------------
カクヨム、なろうにも投稿しています。

謹んで婚約者候補を辞退いたします
四折 柊
恋愛
公爵令嬢ブリジットは王太子ヴィンセントの婚約者候補の三人いるうちの一人だ。すでに他の二人はお試し期間を経て婚約者候補を辞退している。ヴィンセントは完璧主義で頭が古いタイプなので一緒になれば気苦労が多そうで将来を考えられないからだそうだ。ブリジットは彼と親しくなるための努力をしたが報われず婚約者候補を辞退した。ところがその後ヴィンセントが声をかけて来るようになって……。(えっ?今になって?)傲慢不遜な王太子と実は心の中では口の悪い公爵令嬢のくっつかないお話。全3話。暇つぶしに流し読んで頂ければ幸いです。

【完結】私は側妃ですか? だったら婚約破棄します
hikari
恋愛
レガローグ王国の王太子、アンドリューに突如として「側妃にする」と言われたキャサリン。一緒にいたのはアトキンス男爵令嬢のイザベラだった。
キャサリンは婚約破棄を告げ、護衛のエドワードと侍女のエスターと共に実家へと帰る。そして、魔法使いに弟子入りする。
その後、モナール帝国がレガローグに侵攻する話が上がる。実はエドワードはモナール帝国のスパイだった。後に、エドワードはモナール帝国の第一皇子ヴァレンティンを紹介する。
※ざまあの回には★がついています。

純白の牢獄
ゆる
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。

婚約破棄の、その後は
冬野月子
恋愛
ここが前世で遊んだ乙女ゲームの世界だと思い出したのは、婚約破棄された時だった。
身体も心も傷ついたルーチェは国を出て行くが…
全九話。
「小説家になろう」にも掲載しています。

あなたへの想いを終わりにします
四折 柊
恋愛
シエナは王太子アドリアンの婚約者として体の弱い彼を支えてきた。だがある日彼は視察先で倒れそこで男爵令嬢に看病される。彼女の献身的な看病で医者に見放されていた病が治りアドリアンは健康を手に入れた。男爵令嬢は殿下を治癒した聖女と呼ばれ王城に招かれることになった。いつしかアドリアンは男爵令嬢に夢中になり彼女を正妃に迎えたいと言い出す。男爵令嬢では妃としての能力に問題がある。だからシエナには側室として彼女を支えてほしいと言われた。シエナは今までの献身と恋心を踏み躙られた絶望で彼らの目の前で自身の胸を短剣で刺した…………。(全13話)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる