【完結】公爵令嬢ルナベルはもう一度人生をやり直す

金峯蓮華

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29話 ミオナール様のお屋敷でパーティーです3

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 パーティーは庭でのガーデンパーティーだった。

 中庭には沢山のお客さんが集まっているのかと思っていたのだが、そうでもなかった。どうやら今日は本当に近しい人だけが集まっているようだ。

 ミオナール様を見つけた。

「ミオナール様、本日はお招きいただきありがとうございます。先程はご挨拶できなくて申し訳ありません」

「よろしいのよ。夫から話を聞きました。大丈夫だから、全て女神に任せておけばいいの。今日はリオナ様の仲間とはまた違う仲間を紹介するわね」

 ニコニコしながら私の手を引っ張る。

「ルセフィ様は夫に足止めさせるから大丈夫よ。たまには離れないと息が詰まるわ」

いやぁ、特に息はつまらないけど……。

 ミオナール様が紹介してくれる人は主に魔法関係か神殿関係の人だ。そういえば、ジェミニーナはリルゾール王国の神殿で仕事をしないかと誘われているらしい。

 リルゾール王国は国籍、身分、男女、年齢関係なく能力や才能で仕事につけるらしい。

 ジェミニーナは前の世界で聖女だったし、祈ることが好きなので、やはり聖女的な仕事が向いているのかもしれない。


 ミオナール様に紹介されたのは筆頭聖女のアラセナ様だった。

「アラセナ、紹介するわね。こちらはルナベル様、ルセフィ様の婚約者よ」

「愛し子様ね。会いたかったわ」

 そう言うと私をぎゅっと抱きしめた。何だか凄いエネルギーを感じる。色に例えるとオレンジゴールドかな。暖かく強く崇高な感じがする。

「可愛いわ。ルセフィ殿下なんかに渡したくないわね」

「そうよね。女神の愛し子だもの。可愛いわよね。でも、まぁ、これも女神の采配だから仕方ないわ。あの男を側においておけば安心といえば安心だものね」

 あの男? まさかルセフィ様のことかしら?私を置いてきぼりにしてすっかり二人で盛り上がっている。

 二人の話によると、私はブロチゾラム家の血を受け継ぐ女神の愛し子。何年かにひとり女神と同じ髪色瞳の色の女の子が生まれるらしい。だからブロチゾラム家の娘は他国に嫁がないようにしているのだが、曽祖母は留学してきた曽祖父と熱烈な恋愛をして、セレニカ王国に嫁いだので、私のように他国に愛し子が誕生するという異例のケースがうまれたという。母も同じ髪色、瞳の色だと思っていたのだが、よく見ると私の瞳には、真ん中に虹のような色があり、母にはそれがない。でもあとは同じなので魔力は強いそうだ。

 私がリルゾールに戻るのは当たり前だという。前の世界でも死ななければリルゾールに戻っていたらしい。そんなことを聞いたら今まで色々もがいていたことが何ともバカらしく感じる。やはり女神の掌の上で転がされているのだな。

 ジェミニーナはかなり格が上の聖女なのだそうだ。前の世界で神の救済が遅れ、殺されてしまった。このまま失うのは惜しいと、女神は自分の元に引き寄せたそうだ。

 なので今の世界では私は愛し子としてこの国で幸せに生き、ジェミニーナは大聖女としてこの国で幸せに生きるらしい。

 それにしてもミオナール様もアラセナ様も時が巻き戻っていることを知っていて、普通のことのように話しているので驚く。

「私達は女神の眷属だから、女神がされることのサポートをしているの。だからあなた方のこともよく知っているわ」

「眷属って半分は天界の者で半分は人間みたいな感じかしら? リルゾール王国だけにしか存在しないけど私達の他にも何人かいるわ。また紹介するわね」

 ミオナール様とアラセナ様はふわりと微笑む。

 この国に来たばかりの頃、眷属とは聖女のようなものと説明された。しかし、その実はとんでもない方々のようだ。リルゾール王国は奥が深すぎる。

 ミオナール様の子息のお誕生日なのに、まだ子息本人にお祝いを伝えていない。子息に会うまでにすでにお腹いっぱいになってしまっていた。
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