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26話 3人でお茶会2
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私はふたりに前の世界では、無実の罪で断罪され、国外追放になり死んだと話をした。ふたりは驚いているようすだった。が、しかし、そのあとジェミニーナ嬢が言った言葉に私は驚愕した。
「私、その後のことを少しだけ知っています」
なんとジェミニーナも2度目の人生を過ごしていた。ジェミニーナから語られた私が殺されてからの国に様子は心を痛めるものだった。
「ルナベル様が国外追放になったあと、側近の方々の婚約者やその家も無実の罪をきせられ処罰されました。王妃殿下はルナベル様は無実だと訴え続けたのですが、テオドール殿下とゾレア様に、気が触れたと決めつけられて、北の塔に幽閉されました。そして、毒を飲まされたようで、まもなく儚くなられました。それまでは陛下もゾレア様の言いなり状態だったのですが、さすがに王妃様が殺されたことにショックを受けられたようで、その事を気に病み体調を崩され、テオドール殿下が陛下の代わりに国務をするようになったのです。テオドール殿下や側近の方々、城の者は皆、ゾレア様の言いなりで国はどんどんおかしくなっていきました」
王妃殿下が毒を……。
いつも優しく私を励ましてくれた妃殿下を思い出し涙が溢れてきた。
「妃殿下は私を信じてくださったばかりに……。それでニーナはどうなったの?」
ジェミニーナは話を続ける。
「それから、ゾレア様は殿下や側近の方々を使い、邪魔者を排除していかれました。あの時、セレニカ王国の聖女であった私が害されると国が滅びる恐れがあるので私は神殿に匿われていたのですが、ゾレア様やテオドール殿下、そして側近の方々に見つかったのです。ゾレア様は自分が本物の聖女だと仰り、私のことは聖女と偽り、呪いをかけ国を破滅させようとしていると仰り、近衛騎士に命じ、私を殺しました」
えっ? 殺された? 殺されたの? 国の聖女なのに? 私は驚きすぎて動悸がしてきた。
「はい、そして気がついたら7歳の頃に戻っていました」
ジェミニーナは哀しい顔になった。
聖女が死んだら国は滅びてしまうわ。あの女が聖女の訳がない。それにしても、殺されたのに今の世界であんなにイグザレルト様に付き纏われて大丈夫なのかしら? 私は父やアローノが盾になって、テオドール殿下と距離を作ってくれていたけれど、ジェミニーナは生まれた時からくっつかれているんでしょ? 私は無理だわ。絶対無理。テオドール殿下と結婚するなんて無理。ジェミニーナ凄いわ。
私が心の中で思いっきり否定していたらジュリナが前に乗り出した。
「そこからは先は私がお話しするわね」
え~。ジュリナもなの? 私は驚いて聞いてしまった。
「リナも2度目なの?」
「いえ、私は時が戻ったわけではなく、日本という別のところから転生してきたの。25歳の時に事故死して、気がついたら7歳のジュリナになっていたのよ。ベルやニーナと同じく7歳の時に前の人生の記憶を思い出したの」
日本? 日本ってどこ? 生まれ変わったということなのだろうか?
ジュリナは話を続ける。
「その時に、この世界は私が読んでいた小説の世界だと気がついたの。ゾレアが手引きした国が攻め込んで来た時はもう、聖女も、国の重要な方々も排除されていて、殿下や側近達、騎士団など全てゾレアの意のままになっていたので、簡単にセレニカ王国は占領されたの。攻め込まれ、民は殺され、土地は焼かれ、セレニカ王国は滅びたわ。ゾレアは他国の工作員で強力な魅了の魔法を使い殿下達を骨抜きにして、ゾレアの母国が我が国に攻め込む手引きをしていたのよ」
その工作員と真実の愛を見つけたテオドール殿下はどうなったのだろう?
「テオドール殿下はどうなったの?」
「小説の中では、テオドール殿下は捕らえられ処刑されたわ。他の方々はどうなったかまで書いてなかったから、イグザレルト様やリドカイン様、アローノ様のことはわからないの」
殿下は処刑されたのか。まぁ、仕方ないな。魔法にかかっていたからといって何をやってもいい訳ではない。ただ処刑の理由は敗戦国の王族だからであって、私を無実の罪で断罪し殺したからではないのだろう。
「この話はその時、父にしたの。父は最初は信じてくれなかったけど、7歳の私があまりにもリアルに人名や国名を話すので驚いて宰相閣下のお耳にも入れたの。ちょうど同じ時期に閣下の娘のベルがそんな夢を見たと宰相も話をしていて、全く面識のない子供が同じような事を言いのはおかしいと、秘密裏に政府で諜報員を送り、他国の情勢を色々探りながら、私達をこの国へやり、殿下や側近は工作員が現れても魔法に引っかからない為に無効魔法と魔法との関わり方を学び、私とベルは幅広くこの国の色んな魔法や魔道具を学び、そしてミーナは光属性と聖属性の魔法の強化の為に一年間の留学になったようよ」
なるほど、ジュリナの父親は魔導士団長だし、秘密裏に情報を共有していたのだろう。
国のために私達を留学させたのか?
それにしてもセレニカ王国が滅んだなんて衝撃的すぎる。
テオドール殿下はきっと前の世界の記憶はない。知らぬが仏だろう。アローノもないはずだ。
「では、私が2度目だと知っていたの?」
「2度目か転生か、もしくは御神託かわからなかったけど、今ではない世界のことを知っていると思っていたわ」
ジュリナは知っていたのね。
「イグザレルト様やリドカイン様は前の記憶があるのかしら?」
「ええ、ふたりともあるわ。カインは今は暗部の人間なの。記憶が戻ってからは父親と一緒に他国の情勢を探っているわ。留学に参加したのもそのためよ」
暗部? ということは表の顔は外務大臣のリドカイン様の父親は暗部のトップか。
一応王家から色々教育は受けたが知らないことがいっぱいだな。
「イグザレルト様もあるわよね?」
ジュリナがジェミニーナの顔を見た。ジェミニーナは頷き、小さく深呼吸をしてから話し出した。
「時を巻き戻したのはレルト様なの」
「え~~~~!!」
私は驚きで淑女らしからぬ大きな声を出してしまった。
「国が滅びた後、生き残ってしまったレルト様は、偶然リドカイン王国の魔法騎士団の団長さんと知り合って、その時に魔法を解かれたそうよ。魔法が解けた後に、自分がしてきた事を思い出して後悔と絶望で自死しようとしたけど、団長さんに巻き戻してやりなおせと言われても、死にものぐるいで修行して、女神様に認められて巻き戻す魔法が使えるようになり、巻き戻したそうよ」
イグザレルト様だったのか……。
「本人から聞いたの?」
「ううん。私は団長さんから聞いたの。あいつを受け入れてやってほしいって」
「それで殺されたのに受け入れられるの?」
ジュリナは聞きにくい事をしれっと聞く。私なら絶対に受け入れられない。
「受け入れるも何も、逃げられないでしょ? それに私達巻き戻る前の世界でも婚約者ではあったけど、そんなに接点がなかったから、レルト様から何かをされたって記憶はないの。どちらかといえば、テオドール殿下やゾレア様が怖いわ」
やはり、テオドール殿下とゾレアか。テオドール殿下は私が亡くなった後も色々やらかしているようだ。
「お二人が前の人生の記憶がある仲間だとわかり、何だか心強いですわ。いつかイグザレルト様にお礼を伝える機会を持てると嬉しいですわ」
「レルト様は、ベル様のために戻したんじゃないといいそうですね」
「確かに」
3人で顔を見合わせて笑いあった。
その後は、ジュリナが前世の日本にあった便利な道具を何とかして魔道具として、今の世界に作り出せないか? 今、研究している魔道具について色々聞かせてもらった。
また時間を作り、お茶会をしようと約束をして、別れた。
時間を巻き戻したのはまさかのイグザレルト様だった。
きっと彼はジェミニーナにした仕打ちに後悔したのだろう。だから今は前の世界の分もジェミニーナを大切にしているのだな。
「私、その後のことを少しだけ知っています」
なんとジェミニーナも2度目の人生を過ごしていた。ジェミニーナから語られた私が殺されてからの国に様子は心を痛めるものだった。
「ルナベル様が国外追放になったあと、側近の方々の婚約者やその家も無実の罪をきせられ処罰されました。王妃殿下はルナベル様は無実だと訴え続けたのですが、テオドール殿下とゾレア様に、気が触れたと決めつけられて、北の塔に幽閉されました。そして、毒を飲まされたようで、まもなく儚くなられました。それまでは陛下もゾレア様の言いなり状態だったのですが、さすがに王妃様が殺されたことにショックを受けられたようで、その事を気に病み体調を崩され、テオドール殿下が陛下の代わりに国務をするようになったのです。テオドール殿下や側近の方々、城の者は皆、ゾレア様の言いなりで国はどんどんおかしくなっていきました」
王妃殿下が毒を……。
いつも優しく私を励ましてくれた妃殿下を思い出し涙が溢れてきた。
「妃殿下は私を信じてくださったばかりに……。それでニーナはどうなったの?」
ジェミニーナは話を続ける。
「それから、ゾレア様は殿下や側近の方々を使い、邪魔者を排除していかれました。あの時、セレニカ王国の聖女であった私が害されると国が滅びる恐れがあるので私は神殿に匿われていたのですが、ゾレア様やテオドール殿下、そして側近の方々に見つかったのです。ゾレア様は自分が本物の聖女だと仰り、私のことは聖女と偽り、呪いをかけ国を破滅させようとしていると仰り、近衛騎士に命じ、私を殺しました」
えっ? 殺された? 殺されたの? 国の聖女なのに? 私は驚きすぎて動悸がしてきた。
「はい、そして気がついたら7歳の頃に戻っていました」
ジェミニーナは哀しい顔になった。
聖女が死んだら国は滅びてしまうわ。あの女が聖女の訳がない。それにしても、殺されたのに今の世界であんなにイグザレルト様に付き纏われて大丈夫なのかしら? 私は父やアローノが盾になって、テオドール殿下と距離を作ってくれていたけれど、ジェミニーナは生まれた時からくっつかれているんでしょ? 私は無理だわ。絶対無理。テオドール殿下と結婚するなんて無理。ジェミニーナ凄いわ。
私が心の中で思いっきり否定していたらジュリナが前に乗り出した。
「そこからは先は私がお話しするわね」
え~。ジュリナもなの? 私は驚いて聞いてしまった。
「リナも2度目なの?」
「いえ、私は時が戻ったわけではなく、日本という別のところから転生してきたの。25歳の時に事故死して、気がついたら7歳のジュリナになっていたのよ。ベルやニーナと同じく7歳の時に前の人生の記憶を思い出したの」
日本? 日本ってどこ? 生まれ変わったということなのだろうか?
ジュリナは話を続ける。
「その時に、この世界は私が読んでいた小説の世界だと気がついたの。ゾレアが手引きした国が攻め込んで来た時はもう、聖女も、国の重要な方々も排除されていて、殿下や側近達、騎士団など全てゾレアの意のままになっていたので、簡単にセレニカ王国は占領されたの。攻め込まれ、民は殺され、土地は焼かれ、セレニカ王国は滅びたわ。ゾレアは他国の工作員で強力な魅了の魔法を使い殿下達を骨抜きにして、ゾレアの母国が我が国に攻め込む手引きをしていたのよ」
その工作員と真実の愛を見つけたテオドール殿下はどうなったのだろう?
「テオドール殿下はどうなったの?」
「小説の中では、テオドール殿下は捕らえられ処刑されたわ。他の方々はどうなったかまで書いてなかったから、イグザレルト様やリドカイン様、アローノ様のことはわからないの」
殿下は処刑されたのか。まぁ、仕方ないな。魔法にかかっていたからといって何をやってもいい訳ではない。ただ処刑の理由は敗戦国の王族だからであって、私を無実の罪で断罪し殺したからではないのだろう。
「この話はその時、父にしたの。父は最初は信じてくれなかったけど、7歳の私があまりにもリアルに人名や国名を話すので驚いて宰相閣下のお耳にも入れたの。ちょうど同じ時期に閣下の娘のベルがそんな夢を見たと宰相も話をしていて、全く面識のない子供が同じような事を言いのはおかしいと、秘密裏に政府で諜報員を送り、他国の情勢を色々探りながら、私達をこの国へやり、殿下や側近は工作員が現れても魔法に引っかからない為に無効魔法と魔法との関わり方を学び、私とベルは幅広くこの国の色んな魔法や魔道具を学び、そしてミーナは光属性と聖属性の魔法の強化の為に一年間の留学になったようよ」
なるほど、ジュリナの父親は魔導士団長だし、秘密裏に情報を共有していたのだろう。
国のために私達を留学させたのか?
それにしてもセレニカ王国が滅んだなんて衝撃的すぎる。
テオドール殿下はきっと前の世界の記憶はない。知らぬが仏だろう。アローノもないはずだ。
「では、私が2度目だと知っていたの?」
「2度目か転生か、もしくは御神託かわからなかったけど、今ではない世界のことを知っていると思っていたわ」
ジュリナは知っていたのね。
「イグザレルト様やリドカイン様は前の記憶があるのかしら?」
「ええ、ふたりともあるわ。カインは今は暗部の人間なの。記憶が戻ってからは父親と一緒に他国の情勢を探っているわ。留学に参加したのもそのためよ」
暗部? ということは表の顔は外務大臣のリドカイン様の父親は暗部のトップか。
一応王家から色々教育は受けたが知らないことがいっぱいだな。
「イグザレルト様もあるわよね?」
ジュリナがジェミニーナの顔を見た。ジェミニーナは頷き、小さく深呼吸をしてから話し出した。
「時を巻き戻したのはレルト様なの」
「え~~~~!!」
私は驚きで淑女らしからぬ大きな声を出してしまった。
「国が滅びた後、生き残ってしまったレルト様は、偶然リドカイン王国の魔法騎士団の団長さんと知り合って、その時に魔法を解かれたそうよ。魔法が解けた後に、自分がしてきた事を思い出して後悔と絶望で自死しようとしたけど、団長さんに巻き戻してやりなおせと言われても、死にものぐるいで修行して、女神様に認められて巻き戻す魔法が使えるようになり、巻き戻したそうよ」
イグザレルト様だったのか……。
「本人から聞いたの?」
「ううん。私は団長さんから聞いたの。あいつを受け入れてやってほしいって」
「それで殺されたのに受け入れられるの?」
ジュリナは聞きにくい事をしれっと聞く。私なら絶対に受け入れられない。
「受け入れるも何も、逃げられないでしょ? それに私達巻き戻る前の世界でも婚約者ではあったけど、そんなに接点がなかったから、レルト様から何かをされたって記憶はないの。どちらかといえば、テオドール殿下やゾレア様が怖いわ」
やはり、テオドール殿下とゾレアか。テオドール殿下は私が亡くなった後も色々やらかしているようだ。
「お二人が前の人生の記憶がある仲間だとわかり、何だか心強いですわ。いつかイグザレルト様にお礼を伝える機会を持てると嬉しいですわ」
「レルト様は、ベル様のために戻したんじゃないといいそうですね」
「確かに」
3人で顔を見合わせて笑いあった。
その後は、ジュリナが前世の日本にあった便利な道具を何とかして魔道具として、今の世界に作り出せないか? 今、研究している魔道具について色々聞かせてもらった。
また時間を作り、お茶会をしようと約束をして、別れた。
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