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10話 アローノに報告しました
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自室に戻り、普段着に着替える。エストラーナ様にお会いしたばかりの私はまだ夢の中にいるようだった。
『女神リルゾールのお導き』『セレニカ王国には帰さない』などと言われ、舞い上がっている。
女神リルゾールについて私は何も知らない。図書館で女神リルゾールの事を調べてみよう。
図書館に行き、女神リルゾールについての本のことを係の人に聞き、女神リルゾールのコーナーを教えてもらった。
コーナーに行くと、一冊だけ光輝いているような気がする本があり、本棚からその本を手に取ってみた。
「待っていたわ」
えっ? 誰?
本から声が聞こえたようなきがした。
席につき、本を開いてみた。本から光が溢れ出てくる。
「私はリルゾール。この国と民を守る神よ。あなたは私の加護を持つ女神リルゾールの子。幸せにおなりなさい」
えっ? えっ! え~~~~~。
これって本当の御神託?
それから一言一句、見落とさないように本を読んだ。
女神リルゾールに愛された者は身体のどこかに花びらの形の小さな赤い痣があると書いてあった。
まさかこれ?
前の人生であったのかどうか覚えていないが、今の人生では右手の薬指の爪の付け根辺りに赤い小さな花びら型の痣のような印がある。本当に小さいのであまり気にしていなかったが、そういえば先程、エストラーナ様がそれに触れていた。
「傷ではないのです」と私がいうとふふふと微笑んでいたのだが、それで『女神リルゾールのお導き』と仰られたのかもしれない。
やはり、今の人生は女神リルゾールが私に与えてくれた人生のようだ。
その日の夕飯が終わり、みんなそれぞれの部屋へ戻った。私は今日起こったことの話をしたかったのでアローノを部屋に呼んだ。
「姉様、お話って何でしょうか? 殿下に何かされましたか?」
アローノは私に何かあったのかと思ったようで難しい顔をしている。今の殿下はゾレアが現れる前の優しい殿下だ。何がされるわけなどない。
「殿下は関係ないのよ。今日は王妃殿下のお茶会に参加していたのだけれど……」
私は私達のひいお祖母様とルセフィ殿下やクラリス様のひいお祖母様が姉妹だとわかった話をした。
「この話を父上や母上はご存知なのでしょうか?」
「どうかしら? お母様のお祖母様だけど、結婚する前に亡くなっているから、知らないかもしれないわね。ご存知だったら、ひいお祖母様の話が出た時に、お姉様が陛下のお祖母様よと言うだろうしね」
「そうですね……」
アローノは何か考えているようだ。
「それでね。そのひいお祖母様のお姉様のエストラーナ様にお会いしたの」
「えっ? まだご健在なのですか?」
「そうなの。もう70歳を超えていらっしゃるのに、とても若々しくてそんなふうには見えなかったわ。あなたにも会いたいと言っていたのよ」
「私も会いたいです。どなたにお願いすればお会いできるでしょうか」
アローノは難しい顔をしている。
「そうね。妃殿下の従者のリーマスさんに聞いてみたらいいかしらね。リーマスさんが移動魔法で案内してくれたのよ」
「移動魔法ですか?」
「ええ、一瞬で離宮にいらっしゃるエストラーナ様のサロンに移動したの。魔法って凄いわ」
「そんな魔法もあるのですね。やはり我が国とは全然違いますね」
「そうなの。驚いたわ。王族や王族に近い方々はみんな使えるらしいわ。私達も練習すれば使えるようになるみたい」
「では、早速練習しないと行けませんね」
アローノはニヤリと笑う。なんでニヤリ?
「リーマスさんですね。まずはエストラーナ様にお会いしてきます
アローノもエストラーナ様に会いたいみたいね。急いで部屋を出ていってしまった。せっかく一緒にエストラーナ様からもらったお菓子を食べようと思ったのに。
次の日アローノからエストラーナ様に会うことになったと連絡があった。さすが次期宰相候補、やることが早い。あのあとすぐに連絡をとったみたいね。
今日は私は、昨日エストラーナ様が紹介してくれた魔法の先生と会う予定があったので一緒には行けないと言うと、アローノは一人で大丈夫だと行ってしまった。
まぁ、アローノも私と同じで、妹のひ孫だし、エストラーナ様と楽しい時間が持てるはず。
私は大して気にせず、ミレーナと一緒に魔法の先生の会う用意をはじめた。
『女神リルゾールのお導き』『セレニカ王国には帰さない』などと言われ、舞い上がっている。
女神リルゾールについて私は何も知らない。図書館で女神リルゾールの事を調べてみよう。
図書館に行き、女神リルゾールについての本のことを係の人に聞き、女神リルゾールのコーナーを教えてもらった。
コーナーに行くと、一冊だけ光輝いているような気がする本があり、本棚からその本を手に取ってみた。
「待っていたわ」
えっ? 誰?
本から声が聞こえたようなきがした。
席につき、本を開いてみた。本から光が溢れ出てくる。
「私はリルゾール。この国と民を守る神よ。あなたは私の加護を持つ女神リルゾールの子。幸せにおなりなさい」
えっ? えっ! え~~~~~。
これって本当の御神託?
それから一言一句、見落とさないように本を読んだ。
女神リルゾールに愛された者は身体のどこかに花びらの形の小さな赤い痣があると書いてあった。
まさかこれ?
前の人生であったのかどうか覚えていないが、今の人生では右手の薬指の爪の付け根辺りに赤い小さな花びら型の痣のような印がある。本当に小さいのであまり気にしていなかったが、そういえば先程、エストラーナ様がそれに触れていた。
「傷ではないのです」と私がいうとふふふと微笑んでいたのだが、それで『女神リルゾールのお導き』と仰られたのかもしれない。
やはり、今の人生は女神リルゾールが私に与えてくれた人生のようだ。
その日の夕飯が終わり、みんなそれぞれの部屋へ戻った。私は今日起こったことの話をしたかったのでアローノを部屋に呼んだ。
「姉様、お話って何でしょうか? 殿下に何かされましたか?」
アローノは私に何かあったのかと思ったようで難しい顔をしている。今の殿下はゾレアが現れる前の優しい殿下だ。何がされるわけなどない。
「殿下は関係ないのよ。今日は王妃殿下のお茶会に参加していたのだけれど……」
私は私達のひいお祖母様とルセフィ殿下やクラリス様のひいお祖母様が姉妹だとわかった話をした。
「この話を父上や母上はご存知なのでしょうか?」
「どうかしら? お母様のお祖母様だけど、結婚する前に亡くなっているから、知らないかもしれないわね。ご存知だったら、ひいお祖母様の話が出た時に、お姉様が陛下のお祖母様よと言うだろうしね」
「そうですね……」
アローノは何か考えているようだ。
「それでね。そのひいお祖母様のお姉様のエストラーナ様にお会いしたの」
「えっ? まだご健在なのですか?」
「そうなの。もう70歳を超えていらっしゃるのに、とても若々しくてそんなふうには見えなかったわ。あなたにも会いたいと言っていたのよ」
「私も会いたいです。どなたにお願いすればお会いできるでしょうか」
アローノは難しい顔をしている。
「そうね。妃殿下の従者のリーマスさんに聞いてみたらいいかしらね。リーマスさんが移動魔法で案内してくれたのよ」
「移動魔法ですか?」
「ええ、一瞬で離宮にいらっしゃるエストラーナ様のサロンに移動したの。魔法って凄いわ」
「そんな魔法もあるのですね。やはり我が国とは全然違いますね」
「そうなの。驚いたわ。王族や王族に近い方々はみんな使えるらしいわ。私達も練習すれば使えるようになるみたい」
「では、早速練習しないと行けませんね」
アローノはニヤリと笑う。なんでニヤリ?
「リーマスさんですね。まずはエストラーナ様にお会いしてきます
アローノもエストラーナ様に会いたいみたいね。急いで部屋を出ていってしまった。せっかく一緒にエストラーナ様からもらったお菓子を食べようと思ったのに。
次の日アローノからエストラーナ様に会うことになったと連絡があった。さすが次期宰相候補、やることが早い。あのあとすぐに連絡をとったみたいね。
今日は私は、昨日エストラーナ様が紹介してくれた魔法の先生と会う予定があったので一緒には行けないと言うと、アローノは一人で大丈夫だと行ってしまった。
まぁ、アローノも私と同じで、妹のひ孫だし、エストラーナ様と楽しい時間が持てるはず。
私は大して気にせず、ミレーナと一緒に魔法の先生の会う用意をはじめた。
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