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新たな決意(ランドルフ視点)
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「では、父上、母上、行って参ります。しばらくお会いできませんがお元気で。手紙を書きます。フランも元気で大きくなるんだぞ」
「ランディ、また会えるわ。今度はお嫁さんを連れて新婚旅行でいらっしゃい」
「そうだな。弟家族やレオン殿下達にもよろしく伝えてくれ。もう、ほとぼりも冷めているだろうし、こちらにも遊びにきてくれと」
「はい。必ず伝えます」
私は父母と弟に別れを告げ、ルリッド伯爵家をあとにした。
全てが終わったら呼び戻すので行ってこいとレオンハルト叔父上とミランダ様に言われ、侯爵が生前望んでいたというラックノーラン国に留学した。そこでまさかの再会。夢のような充実した毎日だった。
気がつけば祖国を後にしてから10年近くになろうとしている。
レオン叔父上とミランダ様達がたてた計画は長い年月をかけてやっと終わるようだ。その計画は自分達も幸せになり、祖国の民も幸せになる計画だった。
父と母は遠回りはしたが今はふたり目の子供も生まれ幸せになった。母の話では仲間達は既に皆好きな相手と結婚しているらしい。
そして、カインロッドと仲間の娘のリンジー嬢が結婚し、祖国の国王、王妃となった。
カインロッドが叔父上の子供だと聞いた時は驚いたが、あんな元国王だったやつが父でなくてよかった。私もあいつが父で無いと知った時は本当に嬉しかった。きっとカインロッドも嬉しかったはずだ。
カインロッドはまだ若い。国王の補佐には叔父上とミランダ様がつくらしい。
私もカインロッドの側近として、これからサポートしていきたい。
しかし、いきなり婚約か~。
アンジェラ嬢とは幼い頃に何度か話したことはあるが、あの頃の私は屈折していたからな。アンジェラ嬢はあんまりいいイメージを持っていないだろう。それにもし、好きな男がいたらどうしよう。父や計画を企てたメンバーは本当なら私がレキソール侯爵家の跡継ぎなのだから、アンジェラ嬢に婿入りし、レキソール侯爵家を継ぐのが1番いい。そしてそれがこの計画の最後の締めだと言うが。大切なのはアンジェラ嬢の気持ちだ。
ずっと手紙のやり取りはしていたが、踏み込んだ話は何もしていない。当たり障りのない近況報告みたいなものだった。
私は祖国に戻る馬車の中でどうしたものかと考えていた。
「ただいま戻りました」
「お帰りなさい。ランドルフ。すっかりいい男になったじゃない。さすが美女とイケメンの息子はイケメンね」
ミランダ様は私の頭をくしゃくしゃと撫でる。相変わらず明るくて愉快な人だ。
「久しぶりだな、ランディ。ようやく城の中の掃除も終わった。これからこの国は生きやすくなる。本来なら第1王子のお前が国王になるはずだったのに。申し訳ない」
「いえ、正当な判断です。カインロッドは正しい後継です。元々私は王位継承権を放棄して臣下に降るつもりでした。これからは国王を支えていきたいと思っています」
そう言って今までのように呼び捨てにしていたことに気がついた。
「国王陛下を呼び捨てにしてしまいました。不敬ですね。申し訳ありません」
「兄上は何があろうと私の兄上です。どうか今までどおりカインロッドとお呼び下さい。ずっとお会いして兄上とお話したかった。やはり手紙を何度もやりとりするより、こうやってお会いする方がいい。これからはどこにも行かないで私の側にいて下さいね」
血は繋がっていないと分かってもそんな事を言ってくれる。私はこの国王を守り、この国に尽くしていこう。
「早速なんだけど、アンジェラと会って欲しいの」
ミランダ様が言う。
「アンジェラ嬢は私でよろしいのですか?好きな男などいないのでしょうか。もし、王家の力で無理矢理結婚させるのであればこの婚約は断りたいと思っております」
「馬鹿ね。私達がそんな事するわけないじゃない。アンジェラはOKよ。と言うか今更他の男なんていないわ。ちょうどいい年頃の令息はみんな婚約者いるの。ジェフリーとソフィアがアンジェラに来た縁談をみんな断ってしまったからね。あなた責任を取らなきゃダメよ」
ミランダ様はウインクをしていたずらっ子のように笑う。
私はアンジェラ嬢と会う事になった。
「ランディ、また会えるわ。今度はお嫁さんを連れて新婚旅行でいらっしゃい」
「そうだな。弟家族やレオン殿下達にもよろしく伝えてくれ。もう、ほとぼりも冷めているだろうし、こちらにも遊びにきてくれと」
「はい。必ず伝えます」
私は父母と弟に別れを告げ、ルリッド伯爵家をあとにした。
全てが終わったら呼び戻すので行ってこいとレオンハルト叔父上とミランダ様に言われ、侯爵が生前望んでいたというラックノーラン国に留学した。そこでまさかの再会。夢のような充実した毎日だった。
気がつけば祖国を後にしてから10年近くになろうとしている。
レオン叔父上とミランダ様達がたてた計画は長い年月をかけてやっと終わるようだ。その計画は自分達も幸せになり、祖国の民も幸せになる計画だった。
父と母は遠回りはしたが今はふたり目の子供も生まれ幸せになった。母の話では仲間達は既に皆好きな相手と結婚しているらしい。
そして、カインロッドと仲間の娘のリンジー嬢が結婚し、祖国の国王、王妃となった。
カインロッドが叔父上の子供だと聞いた時は驚いたが、あんな元国王だったやつが父でなくてよかった。私もあいつが父で無いと知った時は本当に嬉しかった。きっとカインロッドも嬉しかったはずだ。
カインロッドはまだ若い。国王の補佐には叔父上とミランダ様がつくらしい。
私もカインロッドの側近として、これからサポートしていきたい。
しかし、いきなり婚約か~。
アンジェラ嬢とは幼い頃に何度か話したことはあるが、あの頃の私は屈折していたからな。アンジェラ嬢はあんまりいいイメージを持っていないだろう。それにもし、好きな男がいたらどうしよう。父や計画を企てたメンバーは本当なら私がレキソール侯爵家の跡継ぎなのだから、アンジェラ嬢に婿入りし、レキソール侯爵家を継ぐのが1番いい。そしてそれがこの計画の最後の締めだと言うが。大切なのはアンジェラ嬢の気持ちだ。
ずっと手紙のやり取りはしていたが、踏み込んだ話は何もしていない。当たり障りのない近況報告みたいなものだった。
私は祖国に戻る馬車の中でどうしたものかと考えていた。
「ただいま戻りました」
「お帰りなさい。ランドルフ。すっかりいい男になったじゃない。さすが美女とイケメンの息子はイケメンね」
ミランダ様は私の頭をくしゃくしゃと撫でる。相変わらず明るくて愉快な人だ。
「久しぶりだな、ランディ。ようやく城の中の掃除も終わった。これからこの国は生きやすくなる。本来なら第1王子のお前が国王になるはずだったのに。申し訳ない」
「いえ、正当な判断です。カインロッドは正しい後継です。元々私は王位継承権を放棄して臣下に降るつもりでした。これからは国王を支えていきたいと思っています」
そう言って今までのように呼び捨てにしていたことに気がついた。
「国王陛下を呼び捨てにしてしまいました。不敬ですね。申し訳ありません」
「兄上は何があろうと私の兄上です。どうか今までどおりカインロッドとお呼び下さい。ずっとお会いして兄上とお話したかった。やはり手紙を何度もやりとりするより、こうやってお会いする方がいい。これからはどこにも行かないで私の側にいて下さいね」
血は繋がっていないと分かってもそんな事を言ってくれる。私はこの国王を守り、この国に尽くしていこう。
「早速なんだけど、アンジェラと会って欲しいの」
ミランダ様が言う。
「アンジェラ嬢は私でよろしいのですか?好きな男などいないのでしょうか。もし、王家の力で無理矢理結婚させるのであればこの婚約は断りたいと思っております」
「馬鹿ね。私達がそんな事するわけないじゃない。アンジェラはOKよ。と言うか今更他の男なんていないわ。ちょうどいい年頃の令息はみんな婚約者いるの。ジェフリーとソフィアがアンジェラに来た縁談をみんな断ってしまったからね。あなた責任を取らなきゃダメよ」
ミランダ様はウインクをしていたずらっ子のように笑う。
私はアンジェラ嬢と会う事になった。
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