16 / 21
えっ?
しおりを挟む
疑問を感じながら王太子妃教育を頑張ったり、アデライド様ともそれなりに交流しながらアカデミーに入学する年になった。
前の世界では学園といい、今の世界ではアカデミーという。在籍する時間も少し違う。
同じ世界を巻き戻っているのでは無いらしいので違うところがあってもおかしくはないのだが、やはり戸惑う時もある。
アカデミーではセレスとナディアが同じ1年生、アデライド様は3年生。ウィル様とジェフリー様が6年生だ。
ヒューイ様はもう卒業し、我が国とヨーセット王国を行ったり来たりしている。
相変わらずウィル様の復讐は凄まじい。前の世界でのグリーデン公爵のように力を持っているようだ。
国王が原因不明の病で倒れた。グリーデン公爵と同じ症状なので同じ病といわれている。
ウィル様は国王にも盛っていたのか?
今ではもう側妃派など存在しない。グリーデン公爵家も王妃とウィルにひれ伏しているようだ。
ウィル様も17歳。今国王が亡くなればすぐにでも王位を継ぐことは可能だろう。
グリーデン公爵はすでに寝たきり状態。側妃も壊れている。
もう復讐もこの辺でいいのではないかと思っている。
ウィル様の一人勝ちだろう。
グリーデン公爵は表舞台から去り、側妃も終わった人だ。
アデライド様は父親の国王も病だし、母親の側妃も病んでいる。祖父も風前の灯火だ。
前の世界のようにはいかない。
アデライド様は自分もあの2人のようになるのではないかと恐れているようだ。
今日はふたりでのお茶会。アカデミーに入学したお祝いをふたりでしましょうとアデライド様に誘われた。
離宮の中庭にあるガゼボにアフタヌーンティーのセットが置かれている。
いつもと同じだ。
「ベル、今日のスイーツはヨーセット王国で人気のある店のマドレーヌよ。ヒューイ様が届けてくれたの。お茶会にもあとから参加するわ」
「ヒューイ様ですか?」
アデライド様とヒューイ様?
ふたりはそんなに接点はなかったと思うけど。、まぁ王族同士だし、私が知らない間に仲良くなったのかな?
しばらくするとヒューイ様がきた。
「ベルティーユ嬢、お久しぶりです。我が国で評判の菓子はいかがですか?」
「美味しいですわ」
ヒューイ様は別に普通だな。特におかしな感じはない。
「ベル、私ヒューイ様と結婚して、この国の女王になることにしたの」
「アデライド様、お戯を」
「本当よ。ね、ヒューイ様?」
アデライド様はヒューイ様の腕に絡みついている。
「えぇ、なので邪魔なウィルヘルム殿とあなたには消えてもらいます」
あれ? 何?
この感じ?
まさか? また盛られたの?
「ヒュ……」
言葉にならない。
「ベル、あなたに恨みがあるわけじゃ無いのよ。でもね、あの人を失脚させるためにはあなたに犠牲になってもらうしかないのよ。悪く思わないでね」
遠くでそんな声が聞こえた気がした。
前の世界では学園といい、今の世界ではアカデミーという。在籍する時間も少し違う。
同じ世界を巻き戻っているのでは無いらしいので違うところがあってもおかしくはないのだが、やはり戸惑う時もある。
アカデミーではセレスとナディアが同じ1年生、アデライド様は3年生。ウィル様とジェフリー様が6年生だ。
ヒューイ様はもう卒業し、我が国とヨーセット王国を行ったり来たりしている。
相変わらずウィル様の復讐は凄まじい。前の世界でのグリーデン公爵のように力を持っているようだ。
国王が原因不明の病で倒れた。グリーデン公爵と同じ症状なので同じ病といわれている。
ウィル様は国王にも盛っていたのか?
今ではもう側妃派など存在しない。グリーデン公爵家も王妃とウィルにひれ伏しているようだ。
ウィル様も17歳。今国王が亡くなればすぐにでも王位を継ぐことは可能だろう。
グリーデン公爵はすでに寝たきり状態。側妃も壊れている。
もう復讐もこの辺でいいのではないかと思っている。
ウィル様の一人勝ちだろう。
グリーデン公爵は表舞台から去り、側妃も終わった人だ。
アデライド様は父親の国王も病だし、母親の側妃も病んでいる。祖父も風前の灯火だ。
前の世界のようにはいかない。
アデライド様は自分もあの2人のようになるのではないかと恐れているようだ。
今日はふたりでのお茶会。アカデミーに入学したお祝いをふたりでしましょうとアデライド様に誘われた。
離宮の中庭にあるガゼボにアフタヌーンティーのセットが置かれている。
いつもと同じだ。
「ベル、今日のスイーツはヨーセット王国で人気のある店のマドレーヌよ。ヒューイ様が届けてくれたの。お茶会にもあとから参加するわ」
「ヒューイ様ですか?」
アデライド様とヒューイ様?
ふたりはそんなに接点はなかったと思うけど。、まぁ王族同士だし、私が知らない間に仲良くなったのかな?
しばらくするとヒューイ様がきた。
「ベルティーユ嬢、お久しぶりです。我が国で評判の菓子はいかがですか?」
「美味しいですわ」
ヒューイ様は別に普通だな。特におかしな感じはない。
「ベル、私ヒューイ様と結婚して、この国の女王になることにしたの」
「アデライド様、お戯を」
「本当よ。ね、ヒューイ様?」
アデライド様はヒューイ様の腕に絡みついている。
「えぇ、なので邪魔なウィルヘルム殿とあなたには消えてもらいます」
あれ? 何?
この感じ?
まさか? また盛られたの?
「ヒュ……」
言葉にならない。
「ベル、あなたに恨みがあるわけじゃ無いのよ。でもね、あの人を失脚させるためにはあなたに犠牲になってもらうしかないのよ。悪く思わないでね」
遠くでそんな声が聞こえた気がした。
145
お気に入りに追加
2,558
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
喋ることができなくなった行き遅れ令嬢ですが、幸せです。
加藤ラスク
恋愛
セシル = マクラグレンは昔とある事件のせいで喋ることができなくなっていた。今は王室内事務局で働いており、真面目で誠実だと評判だ。しかし後輩のラーラからは、行き遅れ令嬢などと嫌味を言われる日々。
そんなセシルの密かな喜びは、今大人気のイケメン騎士団長クレイグ = エヴェレストに会えること。クレイグはなぜか毎日事務局に顔を出し、要件がある時は必ずセシルを指名していた。そんなある日、重要な書類が紛失する事件が起きて……
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
幼馴染の親友のために婚約破棄になりました。裏切り者同士お幸せに
hikari
恋愛
侯爵令嬢アントニーナは王太子ジョルジョ7世に婚約破棄される。王太子の新しい婚約相手はなんと幼馴染の親友だった公爵令嬢のマルタだった。
二人は幼い時から王立学校で仲良しだった。アントニーナがいじめられていた時は身を張って守ってくれた。しかし、そんな友情にある日亀裂が入る。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】私は側妃ですか? だったら婚約破棄します
hikari
恋愛
レガローグ王国の王太子、アンドリューに突如として「側妃にする」と言われたキャサリン。一緒にいたのはアトキンス男爵令嬢のイザベラだった。
キャサリンは婚約破棄を告げ、護衛のエドワードと侍女のエスターと共に実家へと帰る。そして、魔法使いに弟子入りする。
その後、モナール帝国がレガローグに侵攻する話が上がる。実はエドワードはモナール帝国のスパイだった。後に、エドワードはモナール帝国の第一皇子ヴァレンティンを紹介する。
※ざまあの回には★がついています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
捨てた私をもう一度拾うおつもりですか?
ミィタソ
恋愛
「みんな聞いてくれ! 今日をもって、エルザ・ローグアシュタルとの婚約を破棄する! そして、その妹——アイリス・ローグアシュタルと正式に婚約することを決めた! 今日という祝いの日に、みんなに伝えることができ、嬉しく思う……」
ローグアシュタル公爵家の長女――エルザは、マクーン・ザルカンド王子の誕生日記念パーティーで婚約破棄を言い渡される。
それどころか、王子の横には舌を出して笑うエルザの妹――アイリスの姿が。
傷心を癒すため、父親の勧めで隣国へ行くのだが……
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄された令嬢のささやかな幸福
香木陽灯(旧:香木あかり)
恋愛
田舎の伯爵令嬢アリシア・ローデンには婚約者がいた。
しかし婚約者とアリシアの妹が不貞を働き、子を身ごもったのだという。
「結婚は家同士の繋がり。二人が結ばれるなら私は身を引きましょう。どうぞお幸せに」
婚約破棄されたアリシアは潔く身を引くことにした。
婚約破棄という烙印が押された以上、もう結婚は出来ない。
ならば一人で生きていくだけ。
アリシアは王都の外れにある小さな家を買い、そこで暮らし始める。
「あぁ、最高……ここなら一人で自由に暮らせるわ!」
初めての一人暮らしを満喫するアリシア。
趣味だった刺繍で生計が立てられるようになった頃……。
「アリシア、頼むから戻って来てくれ! 俺と結婚してくれ……!」
何故か元婚約者がやってきて頭を下げたのだ。
しかし丁重にお断りした翌日、
「お姉様、お願いだから戻ってきてください! あいつの相手はお姉様じゃなきゃ無理です……!」
妹までもがやってくる始末。
しかしアリシアは微笑んで首を横に振るばかり。
「私はもう結婚する気も家に戻る気もありませんの。どうぞお幸せに」
家族や婚約者は知らないことだったが、実はアリシアは幸せな生活を送っていたのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
幼馴染だけを優先するなら、婚約者はもう不要なのですね
新野乃花(大舟)
恋愛
アリシアと婚約関係を結んでいたグレイ男爵は、自身の幼馴染であるミラの事を常に優先していた。ある日、グレイは感情のままにアリシアにこう言ってしまう。「出て行ってくれないか」と。アリシアはそのままグレイの前から姿を消し、婚約関係は破棄されることとなってしまった。グレイとミラはその事を大いに喜んでいたが、アリシアがいなくなったことによる弊害を、二人は後に思い知ることとなり…。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】婚約者は私を大切にしてくれるけれど、好きでは無かったみたい。
まりぃべる
恋愛
伯爵家の娘、クラーラ。彼女の婚約者は、いつも優しくエスコートしてくれる。そして蕩けるような甘い言葉をくれる。
少しだけ疑問に思う部分もあるけれど、彼が不器用なだけなのだと思っていた。
そんな甘い言葉に騙されて、きっと幸せな結婚生活が送れると思ったのに、それは偽りだった……。
そんな人と結婚生活を送りたくないと両親に相談すると、それに向けて動いてくれる。
人生を変える人にも出会い、学院生活を送りながら新しい一歩を踏み出していくお話。
☆※感想頂いたからからのご指摘により、この一文を追加します。
王道(?)の、世間にありふれたお話とは多分一味違います。
王道のお話がいい方は、引っ掛かるご様子ですので、申し訳ありませんが引き返して下さいませ。
☆現実にも似たような名前、言い回し、言葉、表現などがあると思いますが、作者の世界観の為、現実世界とは少し異なります。
作者の、緩い世界観だと思って頂けると幸いです。
☆以前投稿した作品の中に出てくる子がチラッと出てきます。分かる人は少ないと思いますが、万が一分かって下さった方がいましたら嬉しいです。(全く物語には響きませんので、読んでいなくても全く問題ありません。)
☆完結してますので、随時更新していきます。番外編も含めて全35話です。
★感想いただきまして、さすがにちょっと可哀想かなと最後の35話、文を少し付けたしました。私めの表現の力不足でした…それでも読んで下さいまして嬉しいです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
いらない婚約者と言われたので、そのまま家出してあげます
新野乃花(大舟)
恋愛
カレンの事を婚約者として迎え入れていた、第一王子ノルド。しかし彼は隣国の王族令嬢であるセレーナに目移りしてしまい、その結果カレンの事を婚約破棄してしまう。これでセレーナとの関係を築けると息巻いていたノルドだったものの、セレーナの兄であるデスペラード王はかねてからカレンの事を気に入っており、婚約破棄をきっかけにしてその感情を怒りで満たしてしまう。その結果、ノルドの周りの空気は一変していくこととなり…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる