26 / 26
番外編 アマーリエの恋
そして現在
しおりを挟む
フリューゲル王国に留学したあの時から7年が過ぎた。
私はなぜか自国、ベルメール王国で女王をしている。
こんなつもりじゃなかった。
あの時、フリューゲル王国で魔獣の破片が火の玉となり、凄い勢いで私に向かって飛んできた。私は死を覚悟し意識を失ったが、気がついたら辺境伯家の客間のベッドの上だった。
火の玉からは魔法で瞬間移動をしたアルフォンスに危機一髪で助けられたそうなのだが、私は魔力を使い過ぎ、魔力不足を起こしてたらしい。
魔力が回復するまでアルフォンスやマインラート殿下に回復魔法をかけてもらいながら1週間も眠っていたようだ。
そこでアルフォンスからミリー嬢とのことを聞いた。
ミリー嬢は魅了の魔法を使って、王太子や、その側近達、そして第2王子のアルフォンスまでも意のままに動かそうとしていたらしい。
王族は精神拘束魔法には耐性があるし、普段からそんな魔法にかからない訓練をしたり、魔道具をつけているのでかかるわけないのだが、黒幕を誘き寄せる為にかかったふりをして、ミリー嬢を泳がせていたらしい。
まさか留学先にまでくるとは思わなかったがフリューゲル王国でも暴れてくれたので、揺るがぬ証拠をあつめられ、捕えることができたという。
ミリー嬢が私に婚約者と言っていたことは全く知らなかったらしい。その話を手紙に書いていたが、心を閉ざした私は拒否し、捨ててしまって読んでなかった。馬鹿だわ。
捨てたはずの手紙は侍女頭のハンナがちゃんと取っておいてくれていて、自国に帰ってから全て読んで泣いたわ。
それからは素直になってアルフォンスにはなんでも話すし、なんでも聞くようになったの。
フリューゲル王国とヨードル王国の東西の魔法大国は手を取り合い、お互いの国の魔獣封鎖に力を入れ、両国の魔獣問題はあらかた解決した。
あの時、外遊先から戻ってきたフリューゲル王国の国王夫妻がロルフに激怒し、王位継承権を剥奪し、ただの魔導士にした。
ロルフは元は良い子だからしっかり反省し、今はフリューゲル王国の魔法省で働いている。
マインラート殿下はゾイゼ卿ことアーニー嬢と結婚し、今はフリューゲル王国の国王夫妻となった。
我が国とは友好国として、色々交流をしている。
私はフリューゲル王国でアルフォンスと一緒に1年過ごした後、一旦自国に戻り、今度はヨードル王国に留学した。アルフォンスと婚約していたので、ヨードル王国の王族や貴族との顔つなぎもあった。
ヨードル王国はみんな大柄で、自国ではデカくて威圧感のある鬼姫と呼ばれている私がなぜか可愛いとみんなから可愛がってもらえた。
ところ変われば持っている感覚は変わるもんだなぁと思った。
ヨードル王国での生活がすっかり気に入った私は結婚したらヨードル王国でのんびり暮らそうと思っていた……のに、我が国でも魅了の魔法事件が起きた。
私は国王である父に備えあれば憂いなしだから精神拘束魔法対策をしないといけないと何度も進言したのに、呑気な父は「我が国に限ってそんなことあるわけがない。大丈夫大丈夫」と聞く耳を持たずだった。
魅了の魔法にひっかかった弟で王太子だったエーベルハルトを廃嫡になり、父は国王を退き、第2王子のモーリッツが成人するまで私が国王代理となり、モーリッツが国王になった時に仕事がしやすいように国を改革した。
アルフォンスには私の補佐をしてもらいながら、国王代理から解放され、ヨードル王国に行ける日が来るのを待ってもらっていた。
しかし、モーリッツが突然「私は国王の器ではありません。デルフィーヌとも話し合ったのですが、私は臣下に下ろうと思います」と言い出した。
「じゃあ、国王はどうするの?」
「そのまま姉上がおやりになればいいのではないですか。私も今までどおり側で姉上のお手伝いを致します」
「女王なんかになりたくないわ。死ぬまで働かなきゃならないじゃないの!!」
私は抵抗していたが、議会でも満場一致で承認され、我が国初めての女王が誕生してしまった。
「そうなるような気がしたよ。モーリッツに国王は無理だし、即位しても君はここを離れられないだろうと思っていた。まさか国王自体を放棄するとは、モーリッツやるなぁ」
アルフォンスはケラケラ笑っている。
「笑い事じゃないわよ。私はあなたと結婚してヨードル王国でのんびり暮らしたいのよ。女王になんかなりたくないわ!」
私は頭から湯気を出す勢いで、文句を言いまくっていた。
「ヨードルには退位してからいけば良いじゃないか。私は王配でいいよ。この国はこれからだ。今アマーリエが抜けると大変なことになる。乗りかかった船だ、私が支えるから一緒にやり遂げよう」
王配? そんなこと考えてもいなかった。ひょっとしたら、モーリッツは私に話す前にアルフォンスと話をしている了承を得ていたのかもしれない。
苛烈な鬼姫の手綱をひけるのはアルフォンスだけだし。
ということで、アルフォンスの力を借りながらなんとか女王として一年が過ぎた。
今日は私の在位1年の式典、夜会、そしてアルフォンスと私の婚姻式がある。知り合ってから9年、婚約してから6年、やっとアルフォンスの妻になれる。
長かったわ~。
式典が終わり、婚姻式のためのドレスに着替える。いつもアップにして引っ詰めている髪も下ろして可愛く見えるようなお化粧をしてもらう。
「アマーリエ様、用意はよろしいですか? そろそろ会場にはいる時間ですよ。アルフォンス様がお迎えに来られてます。あら、可愛いですね。そんな感じのアマーリエ様初めて見ましたわ。これからは他国との話合いの時はそれで優しい女王だと騙してマウント取りましょう!」
ひとこと多い奴だ。
私付き女官のシルフィアが呼びにきた。シルフィアは子供の頃からの付き合いで気心のしれた信頼のできるまさに腹心の部下だ。
「シルはエミールと一緒に参列するの?」
「まさか! エミールはエミールの仕事、私は私の仕事がありますからね。私は忙しいですからあんなのに構う時間などありませんわ」
相変わらずのツンデレだ。
もうすぐ白い結婚の申立てができる期日がくるらしいが私から見てもふたりは仲良いけどね。
まぁ、シルフィアとエミールにはこれからもベルメール王国のためにガンガン働いてもらうつもりだから夫婦でいてもらった方がいいような気もするのだけど……。
「アマーリエ、凄く綺麗だ。式典の赤いドレスも綺麗だったけど、その白いドレスはアマーリエの純真な可愛らしさを表しているようだよ」
「ありがとう」
アルフォンスだけだわ素直に褒めてくれるのは。まぁ、ヨードル王国の女性は皆大きいからそう思うのかもね。
まぁ、これからも他国から侮られないように、ベルメール王国の女王は苛烈で手厳しい、王配はキレ者策士で曲者と噂操作をしておこう。
私はこの国を良い国にして次に繋げるだけ。そして退任後はヨードル王国でアルフォンスとのんびり暮らすのよ。
さて、婚姻式と夜会頑張るか。
〈了〉
*番外編 アマーリエの恋もこれにて終了でございます。
駆け足でしたがいかがでしたでしょうか。
今後は途中で止まっている2作と新しい1作をぼちぼち載せていこうと思っています。
よかったらまた読んでもらえたら嬉しいです。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
私はなぜか自国、ベルメール王国で女王をしている。
こんなつもりじゃなかった。
あの時、フリューゲル王国で魔獣の破片が火の玉となり、凄い勢いで私に向かって飛んできた。私は死を覚悟し意識を失ったが、気がついたら辺境伯家の客間のベッドの上だった。
火の玉からは魔法で瞬間移動をしたアルフォンスに危機一髪で助けられたそうなのだが、私は魔力を使い過ぎ、魔力不足を起こしてたらしい。
魔力が回復するまでアルフォンスやマインラート殿下に回復魔法をかけてもらいながら1週間も眠っていたようだ。
そこでアルフォンスからミリー嬢とのことを聞いた。
ミリー嬢は魅了の魔法を使って、王太子や、その側近達、そして第2王子のアルフォンスまでも意のままに動かそうとしていたらしい。
王族は精神拘束魔法には耐性があるし、普段からそんな魔法にかからない訓練をしたり、魔道具をつけているのでかかるわけないのだが、黒幕を誘き寄せる為にかかったふりをして、ミリー嬢を泳がせていたらしい。
まさか留学先にまでくるとは思わなかったがフリューゲル王国でも暴れてくれたので、揺るがぬ証拠をあつめられ、捕えることができたという。
ミリー嬢が私に婚約者と言っていたことは全く知らなかったらしい。その話を手紙に書いていたが、心を閉ざした私は拒否し、捨ててしまって読んでなかった。馬鹿だわ。
捨てたはずの手紙は侍女頭のハンナがちゃんと取っておいてくれていて、自国に帰ってから全て読んで泣いたわ。
それからは素直になってアルフォンスにはなんでも話すし、なんでも聞くようになったの。
フリューゲル王国とヨードル王国の東西の魔法大国は手を取り合い、お互いの国の魔獣封鎖に力を入れ、両国の魔獣問題はあらかた解決した。
あの時、外遊先から戻ってきたフリューゲル王国の国王夫妻がロルフに激怒し、王位継承権を剥奪し、ただの魔導士にした。
ロルフは元は良い子だからしっかり反省し、今はフリューゲル王国の魔法省で働いている。
マインラート殿下はゾイゼ卿ことアーニー嬢と結婚し、今はフリューゲル王国の国王夫妻となった。
我が国とは友好国として、色々交流をしている。
私はフリューゲル王国でアルフォンスと一緒に1年過ごした後、一旦自国に戻り、今度はヨードル王国に留学した。アルフォンスと婚約していたので、ヨードル王国の王族や貴族との顔つなぎもあった。
ヨードル王国はみんな大柄で、自国ではデカくて威圧感のある鬼姫と呼ばれている私がなぜか可愛いとみんなから可愛がってもらえた。
ところ変われば持っている感覚は変わるもんだなぁと思った。
ヨードル王国での生活がすっかり気に入った私は結婚したらヨードル王国でのんびり暮らそうと思っていた……のに、我が国でも魅了の魔法事件が起きた。
私は国王である父に備えあれば憂いなしだから精神拘束魔法対策をしないといけないと何度も進言したのに、呑気な父は「我が国に限ってそんなことあるわけがない。大丈夫大丈夫」と聞く耳を持たずだった。
魅了の魔法にひっかかった弟で王太子だったエーベルハルトを廃嫡になり、父は国王を退き、第2王子のモーリッツが成人するまで私が国王代理となり、モーリッツが国王になった時に仕事がしやすいように国を改革した。
アルフォンスには私の補佐をしてもらいながら、国王代理から解放され、ヨードル王国に行ける日が来るのを待ってもらっていた。
しかし、モーリッツが突然「私は国王の器ではありません。デルフィーヌとも話し合ったのですが、私は臣下に下ろうと思います」と言い出した。
「じゃあ、国王はどうするの?」
「そのまま姉上がおやりになればいいのではないですか。私も今までどおり側で姉上のお手伝いを致します」
「女王なんかになりたくないわ。死ぬまで働かなきゃならないじゃないの!!」
私は抵抗していたが、議会でも満場一致で承認され、我が国初めての女王が誕生してしまった。
「そうなるような気がしたよ。モーリッツに国王は無理だし、即位しても君はここを離れられないだろうと思っていた。まさか国王自体を放棄するとは、モーリッツやるなぁ」
アルフォンスはケラケラ笑っている。
「笑い事じゃないわよ。私はあなたと結婚してヨードル王国でのんびり暮らしたいのよ。女王になんかなりたくないわ!」
私は頭から湯気を出す勢いで、文句を言いまくっていた。
「ヨードルには退位してからいけば良いじゃないか。私は王配でいいよ。この国はこれからだ。今アマーリエが抜けると大変なことになる。乗りかかった船だ、私が支えるから一緒にやり遂げよう」
王配? そんなこと考えてもいなかった。ひょっとしたら、モーリッツは私に話す前にアルフォンスと話をしている了承を得ていたのかもしれない。
苛烈な鬼姫の手綱をひけるのはアルフォンスだけだし。
ということで、アルフォンスの力を借りながらなんとか女王として一年が過ぎた。
今日は私の在位1年の式典、夜会、そしてアルフォンスと私の婚姻式がある。知り合ってから9年、婚約してから6年、やっとアルフォンスの妻になれる。
長かったわ~。
式典が終わり、婚姻式のためのドレスに着替える。いつもアップにして引っ詰めている髪も下ろして可愛く見えるようなお化粧をしてもらう。
「アマーリエ様、用意はよろしいですか? そろそろ会場にはいる時間ですよ。アルフォンス様がお迎えに来られてます。あら、可愛いですね。そんな感じのアマーリエ様初めて見ましたわ。これからは他国との話合いの時はそれで優しい女王だと騙してマウント取りましょう!」
ひとこと多い奴だ。
私付き女官のシルフィアが呼びにきた。シルフィアは子供の頃からの付き合いで気心のしれた信頼のできるまさに腹心の部下だ。
「シルはエミールと一緒に参列するの?」
「まさか! エミールはエミールの仕事、私は私の仕事がありますからね。私は忙しいですからあんなのに構う時間などありませんわ」
相変わらずのツンデレだ。
もうすぐ白い結婚の申立てができる期日がくるらしいが私から見てもふたりは仲良いけどね。
まぁ、シルフィアとエミールにはこれからもベルメール王国のためにガンガン働いてもらうつもりだから夫婦でいてもらった方がいいような気もするのだけど……。
「アマーリエ、凄く綺麗だ。式典の赤いドレスも綺麗だったけど、その白いドレスはアマーリエの純真な可愛らしさを表しているようだよ」
「ありがとう」
アルフォンスだけだわ素直に褒めてくれるのは。まぁ、ヨードル王国の女性は皆大きいからそう思うのかもね。
まぁ、これからも他国から侮られないように、ベルメール王国の女王は苛烈で手厳しい、王配はキレ者策士で曲者と噂操作をしておこう。
私はこの国を良い国にして次に繋げるだけ。そして退任後はヨードル王国でアルフォンスとのんびり暮らすのよ。
さて、婚姻式と夜会頑張るか。
〈了〉
*番外編 アマーリエの恋もこれにて終了でございます。
駆け足でしたがいかがでしたでしょうか。
今後は途中で止まっている2作と新しい1作をぼちぼち載せていこうと思っています。
よかったらまた読んでもらえたら嬉しいです。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
79
お気に入りに追加
3,931
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(111件)
あなたにおすすめの小説
【完結】ハーレム構成員とその婚約者
里音
恋愛
わたくしには見目麗しい人気者の婚約者がいます。
彼は婚約者のわたくしに素っ気ない態度です。
そんな彼が途中編入の令嬢を生徒会としてお世話することになりました。
異例の事でその彼女のお世話をしている生徒会は彼女の美貌もあいまって見るからに彼女のハーレム構成員のようだと噂されています。
わたくしの婚約者様も彼女に惹かれているのかもしれません。最近お二人で行動する事も多いのですから。
婚約者が彼女のハーレム構成員だと言われたり、彼は彼女に夢中だと噂されたり、2人っきりなのを遠くから見て嫉妬はするし傷つきはします。でもわたくしは彼が大好きなのです。彼をこんな醜い感情で煩わせたくありません。
なのでわたくしはいつものように笑顔で「お会いできて嬉しいです。」と伝えています。
周りには憐れな、ハーレム構成員の婚約者だと思われていようとも。
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
話の一コマを切り取るような形にしたかったのですが、終わりがモヤモヤと…力不足です。
コメントは賛否両論受け付けますがメンタル弱いのでお返事はできないかもしれません。
【完結】愛しい人、妹が好きなら私は身を引きます。
王冠
恋愛
幼馴染のリュダールと八年前に婚約したティアラ。
友達の延長線だと思っていたけど、それは恋に変化した。
仲睦まじく過ごし、未来を描いて日々幸せに暮らしていた矢先、リュダールと妹のアリーシャの密会現場を発見してしまい…。
書きながらなので、亀更新です。
どうにか完結に持って行きたい。
ゆるふわ設定につき、我慢がならない場合はそっとページをお閉じ下さい。
【完結】もう辛い片想いは卒業して結婚相手を探そうと思います
ユユ
恋愛
大家族で大富豪の伯爵家に産まれた令嬢には
好きな人がいた。
彼からすれば誰にでも向ける微笑みだったが
令嬢はそれで恋に落ちてしまった。
だけど彼は私を利用するだけで
振り向いてはくれない。
ある日、薬の過剰摂取をして
彼から離れようとした令嬢の話。
* 完結保証付き
* 3万文字未満
* 暇つぶしにご利用下さい
貴方もヒロインのところに行くのね? [完]
風龍佳乃
恋愛
元気で活発だったマデリーンは
アカデミーに入学すると生活が一変し
てしまった
友人となったサブリナはマデリーンと
仲良くなった男性を次々と奪っていき
そしてマデリーンに愛を告白した
バーレンまでもがサブリナと一緒に居た
マデリーンは過去に決別して
隣国へと旅立ち新しい生活を送る。
そして帰国したマデリーンは
目を引く美しい蝶になっていた
終わっていた恋、始まっていた愛
しゃーりん
恋愛
結婚を三か月後に控えた侯爵令嬢ソフィアナは、婚約者である第三王子ディオンに結婚できなくなったと告げられた。二つ離れた国の王女に結婚を申し込まれており、国交を考えると受けざるを得ないということだった。ディオンはソフィアナだけを愛すると言い、ソフィアナを抱いた後、国を去った。
やがて妊娠したソフィアナは体面を保つために父の秘書であるルキウスを形だけの夫として結婚した。
それから三年、ディオンが一時帰国すると聞き、ディオンがいなくても幸せに暮らしていることを裏切りではないかと感じたが思い違いをしていたというお話です。
王太子さま、側室さまがご懐妊です
家紋武範
恋愛
王太子の第二夫人が子どもを宿した。
愛する彼女を妃としたい王太子。
本妻である第一夫人は政略結婚の醜女。
そして国を奪い女王として君臨するとの噂もある。
あやしき第一夫人をどうにかして廃したいのであった。
【片思いの5年間】婚約破棄した元婚約者の王子様は愛人を囲っていました。しかもその人は王子様がずっと愛していた幼馴染でした。
五月ふう
恋愛
「君を愛するつもりも婚約者として扱うつもりもないーー。」
婚約者であるアレックス王子が婚約初日に私にいった言葉だ。
愛されず、婚約者として扱われない。つまり自由ってことですかーー?
それって最高じゃないですか。
ずっとそう思っていた私が、王子様に溺愛されるまでの物語。
この作品は
「婚約破棄した元婚約者の王子様は愛人を囲っていました。しかもその人は王子様がずっと愛していた幼馴染でした。」のスピンオフ作品となっています。
どちらの作品から読んでも楽しめるようになっています。気になる方は是非上記の作品も手にとってみてください。
寡黙な貴方は今も彼女を想う
MOMO-tank
恋愛
婚約者以外の女性に夢中になり、婚約者を蔑ろにしたうえ婚約破棄した。
ーーそんな過去を持つ私の旦那様は、今もなお後悔し続け、元婚約者を想っている。
シドニーは王宮で側妃付きの侍女として働く18歳の子爵令嬢。見た目が色っぽいシドニーは文官にしつこくされているところを眼光鋭い年上の騎士に助けられる。その男性とは辺境で騎士として12年、数々の武勲をあげ一代限りの男爵位を授かったクライブ・ノックスだった。二人はこの時を境に会えば挨拶を交わすようになり、いつしか婚約話が持ち上がり結婚する。
言葉少ないながらも彼の優しさに幸せを感じていたある日、クライブの元婚約者で現在は未亡人となった美しく儚げなステラ・コンウォール前伯爵夫人と夜会で再会する。
※設定はゆるいです。
※溺愛タグ追加しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
アーノルドを婿にした商人の娘、これ表向きは婿だけど実際は奴隷として死なない程度にこき使って、跡取りは夫が種無しだからと養子を取るか別の男の種の子供を作るか……っていう復讐かな。
ありがとうございます。死なない程度にこき使い、虐げ、死んだ方がマシだと思わせるような感じです。因果応報、自業自得です。
楽しかったです〜。
ザラ編とアマーリエ編の時系列も分かりやすく、キャラクターもそれぞれ魅力的でした。
私は鬼姫樣が好きでした!
ありがとうございました!
感想ありがとうございます。嬉しいです。
最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
完結㊗️おめでとう&お疲れさまでした🎉
アマーリエ、強くてデキる女のイメージだったので、こんなに可愛いウフフ💕な時代があったのね🤭というお話が、アルフォンスの為人と共に知れて楽しかったです
アマーリエから魅了について聞いてたのに、あの対応だったのか…💧元国王め
……と思ったり
番外編ありがとうございました
アマーリエが何度も言っていたのに危機管理能力ゼロだった国王は退位するしかなかったのでした。
アマーリエの横にはちゃんとアルフォンスがついてるし、シルフィアもいるので国は安心です。
最後まで読んでいただきまして有難うございました。