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1話 プロローグ
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私はこの国の男爵家の娘だ。
ありふれた蜂蜜色の髪と碧い瞳。中肉中背、いや、どちらかというと背は少し低めでぽっちゃりとしている。そして美人でも不美人でもない。頭もそこそこ。特に優秀でもなく、かといって無能と言うほどでもない。どこにでもいるような女だと思う。
しかし、そんな私が、ある日突然第2王子から恋人になって欲しいと告白された。
罰ゲームか? それとも何かのカモフラージュ? 見染めただの、一目惚れだのと言われたが、こんな可もなく不可もない私をどこでどう見染めたと言うのだ。あり得ない。絶対にあり得ない。
殿下の言っていることが信じられず、恐れ多いと辞退したのだが、下位貴族の末位の男爵家の娘が王子様に逆えるはずもなく、仕方なく殿下と付き合いだした。
殿下は私が男爵令嬢と知ってはいたが、私を好きだという気持ちに偽りはないと言い、真摯に誠実に接してくれ、私に何度も愛を告げてくれる。
断ることができず、仕方なくお付き合いを始めたが、いつしかそんな殿下を好きになっていた。
「ナターリエを親しい侯爵家の養女にする手筈は整えているのだ。卒業したら我が妃にむかえたい」
殿下は私を侯爵家の養女にして、卒業したら結婚するつもりだと言ってくれていたのだが、そんなことが実現することがないのは私にもわかる。
私は貴族といっても所詮、男爵家の娘。貴族としては底辺。卒業とともに殿下から離れなければならないことはわかっている。いくら殿下が私を妃にすると言ってもダメなものはダメなのだ。身分とはそういうものだ。
父母もそのことを気にして、卒業したらすぐに私を領地に住まわせる段取りをしていた。私も王都から離れた領地の片隅で殿下を思いながらひっそり暮らそうと思っていた。
学園で私が殿下の恋人であるとの噂が広まるようになると、二人を別れさせようと思う令嬢達が、私に酷い嫌がらせをするようになった。酷い噂を流されたりもした。
中心人物は、侯爵令嬢のエスメラルダ様だ。エスメラルダ様は殿下の婚約者になりたくて色々画策していたらしい。しかし、殿下は「結婚するつもりはない。婚約者もいらん」とエスメラルダ様だけでなく、全ての令嬢を拒否していたのに、私のような末端貴族と付き合うようになった。そのことが令嬢達の逆鱗にふれたのだろう。殿下の目が及ばないところで狡猾な嫌がらせを受けた。
殿下に迷惑がかかってはいけないと黙っていたのがよくなかったのかもしれない。エスメラルダ様が子飼いの下位貴族の令息達を使い私を拉致した。
卒業パーティーの夜会で、お花摘みに行くために殿下の側を離れた。殿下が女性騎士のリンダ様を私の護衛につけてくれていて、お花摘みにもついてきてくれていたのだが、私が個室にはいっている間にエスメラルダ様と取り巻きの令嬢達がリンダ様に声をかけて足止めし、その隙をついて、令息達が出てきた私の口を布で押さえ、私が気を失っているうちにこの部屋に連れ込んだらしい。
エスメラルダ様は鬼のような形相で私を睨みつける。
「もう二度と殿下の前に出られないようにして頂戴。顔や身体を傷つけてもいいわ。男爵令嬢の分際で殿下に色目を使ってはいけなかったことをわからせてあげなさい」
「お任せください。お嬢様のご希望通り、もう二度と殿下の前に出られないような身体にいたします」
男達はニヤニヤと気持ち悪い笑いを浮かべている。
エスメラルダ様が部屋を出ていった。
子爵令息達は気持ち悪い笑いを浮かべる。確か同じクラスだったようた気がする。
「悪く思わないでくれよな。あの人には逆らえないんだよ。お前も身分違いの殿下なんかと付き合うからこんな目にあうんだ。男爵令嬢は男爵令嬢らしく、下位貴族と付き合うべきだったんだ。殿下のことは忘れるんだな」
「そうだよ。俺たちが殿下のことなんか忘れさせてやるよ。下位貴族は下位貴族同士仲良くしようぜ」
「俺達と仲良くやっているところを見たら殿下だって100年の恋も醒めるさ。所詮、男爵家の娘なんてはじめから遊びにきまっている」
男達が私に近づいてくる。もう二度と殿下の前に出られないのね。たとえ何もなくても密室に男と一緒にいた令嬢なんて傷物とみなされる。このままでは殿下に迷惑をかけてしまうわ。
こんな男達に穢されるくらいならいっそ自害しよう。私は素早く、隠し持っていた護身用の短剣をドレスの中から取り出した。
「馬鹿だな。そんなもので俺達と戦うつもりか? 3人いるんだぜ、勝てると思うのか」
男はヘラヘラ笑いながら私の手から短剣をとろうと近づいてきた。
「戦うつもりなんてないわ。こうするのよ」
私は短剣を両手で握り、一気に自分の胸を突き刺した。そこからは真っ赤な血があふれだしている。それを見て真っ青になった男達の顔が見える。
「お前、何やってるんだよ……。何もそこまでしなくても……」
そこまでするわよ。私はこれでも貴族なのよ。矜持はあるわ。
「ヤバいよ。そろそろお嬢様が来るんじゃないのか? こんな姿を見られたら……」
「逃げるか?」
男達は保身の為か、この場からにげようと考えているようだ。
部屋の外からバタバタと足音が聞こえてきた。
「こちらですわ。あの女が男を連れ込むところを見ましたのよ」
エスメラルダ様の声だ。
殿下を連れてきたのだろうか。さっき、男達が、私が辱められている姿を殿下に見せると言っていた。そろそろいい頃合いだと思いエスメラルダ様が殿下を連れてきたのだな。
残念だったわね。私は辱められてなんかいないわ。もし、まだ何かしようとするなら、この短剣を抜いて、こいつらを切りつけてやるわ。でも、もうこいつらにはそんな気はないだろう。まさか私が自害するとは思ってなかったのだろう。真っ青になってガタガタ震えている。
扉が開いた。最後に見るのがこんな男達の顔ではなく殿下の顔なら嬉しい。
殿下の顔が見えた。殿下は驚いた表情で私の傍に走り寄り抱きしめてくれた。
「ナターリエ!」
「で…ん……か。ごめいわ…くを…」
「何が迷惑なものか。私が傍を離れたばかりに。すまない」
私は小さく首を振った。
殿下がハンカチで私の血を止めようと押さえているが血は止まらない。
「医師を! 早く医師と魔導士を呼べ!」
血が止まらないせいか身体の感覚がなくなってきた。だんだん意識も薄れてきている。
「ナターリエ! ナターリエ! 死ぬな! その女と男達を捕えろ!」
殿下は私を抱きしめたまま涙を流してくれている。ハンカチはもう真っ赤に染まっている。私なんかを愛したばかりに辛い思いをさせてしまったわ。私が死んだ後、殿下にはもう私のことなど忘れて幸せになって欲しい。
「でん…か。おしあわ…せに」
絞り出すようにそう告げると目の前が真っ暗になった。
あの後どうなったかわからないが、エスメラルダ様が殿下と結婚することはないだろう。
今度生まれ変わったら身分不相応な恋はやめよう。いくら愛していても殿下は高嶺の花だ。遠くから見ているだけで良かったのだ。もっと早く両親に話をして領地に逃げるべきだった。
私は薄れゆく意識の中でそんな事を思っていた。
ありふれた蜂蜜色の髪と碧い瞳。中肉中背、いや、どちらかというと背は少し低めでぽっちゃりとしている。そして美人でも不美人でもない。頭もそこそこ。特に優秀でもなく、かといって無能と言うほどでもない。どこにでもいるような女だと思う。
しかし、そんな私が、ある日突然第2王子から恋人になって欲しいと告白された。
罰ゲームか? それとも何かのカモフラージュ? 見染めただの、一目惚れだのと言われたが、こんな可もなく不可もない私をどこでどう見染めたと言うのだ。あり得ない。絶対にあり得ない。
殿下の言っていることが信じられず、恐れ多いと辞退したのだが、下位貴族の末位の男爵家の娘が王子様に逆えるはずもなく、仕方なく殿下と付き合いだした。
殿下は私が男爵令嬢と知ってはいたが、私を好きだという気持ちに偽りはないと言い、真摯に誠実に接してくれ、私に何度も愛を告げてくれる。
断ることができず、仕方なくお付き合いを始めたが、いつしかそんな殿下を好きになっていた。
「ナターリエを親しい侯爵家の養女にする手筈は整えているのだ。卒業したら我が妃にむかえたい」
殿下は私を侯爵家の養女にして、卒業したら結婚するつもりだと言ってくれていたのだが、そんなことが実現することがないのは私にもわかる。
私は貴族といっても所詮、男爵家の娘。貴族としては底辺。卒業とともに殿下から離れなければならないことはわかっている。いくら殿下が私を妃にすると言ってもダメなものはダメなのだ。身分とはそういうものだ。
父母もそのことを気にして、卒業したらすぐに私を領地に住まわせる段取りをしていた。私も王都から離れた領地の片隅で殿下を思いながらひっそり暮らそうと思っていた。
学園で私が殿下の恋人であるとの噂が広まるようになると、二人を別れさせようと思う令嬢達が、私に酷い嫌がらせをするようになった。酷い噂を流されたりもした。
中心人物は、侯爵令嬢のエスメラルダ様だ。エスメラルダ様は殿下の婚約者になりたくて色々画策していたらしい。しかし、殿下は「結婚するつもりはない。婚約者もいらん」とエスメラルダ様だけでなく、全ての令嬢を拒否していたのに、私のような末端貴族と付き合うようになった。そのことが令嬢達の逆鱗にふれたのだろう。殿下の目が及ばないところで狡猾な嫌がらせを受けた。
殿下に迷惑がかかってはいけないと黙っていたのがよくなかったのかもしれない。エスメラルダ様が子飼いの下位貴族の令息達を使い私を拉致した。
卒業パーティーの夜会で、お花摘みに行くために殿下の側を離れた。殿下が女性騎士のリンダ様を私の護衛につけてくれていて、お花摘みにもついてきてくれていたのだが、私が個室にはいっている間にエスメラルダ様と取り巻きの令嬢達がリンダ様に声をかけて足止めし、その隙をついて、令息達が出てきた私の口を布で押さえ、私が気を失っているうちにこの部屋に連れ込んだらしい。
エスメラルダ様は鬼のような形相で私を睨みつける。
「もう二度と殿下の前に出られないようにして頂戴。顔や身体を傷つけてもいいわ。男爵令嬢の分際で殿下に色目を使ってはいけなかったことをわからせてあげなさい」
「お任せください。お嬢様のご希望通り、もう二度と殿下の前に出られないような身体にいたします」
男達はニヤニヤと気持ち悪い笑いを浮かべている。
エスメラルダ様が部屋を出ていった。
子爵令息達は気持ち悪い笑いを浮かべる。確か同じクラスだったようた気がする。
「悪く思わないでくれよな。あの人には逆らえないんだよ。お前も身分違いの殿下なんかと付き合うからこんな目にあうんだ。男爵令嬢は男爵令嬢らしく、下位貴族と付き合うべきだったんだ。殿下のことは忘れるんだな」
「そうだよ。俺たちが殿下のことなんか忘れさせてやるよ。下位貴族は下位貴族同士仲良くしようぜ」
「俺達と仲良くやっているところを見たら殿下だって100年の恋も醒めるさ。所詮、男爵家の娘なんてはじめから遊びにきまっている」
男達が私に近づいてくる。もう二度と殿下の前に出られないのね。たとえ何もなくても密室に男と一緒にいた令嬢なんて傷物とみなされる。このままでは殿下に迷惑をかけてしまうわ。
こんな男達に穢されるくらいならいっそ自害しよう。私は素早く、隠し持っていた護身用の短剣をドレスの中から取り出した。
「馬鹿だな。そんなもので俺達と戦うつもりか? 3人いるんだぜ、勝てると思うのか」
男はヘラヘラ笑いながら私の手から短剣をとろうと近づいてきた。
「戦うつもりなんてないわ。こうするのよ」
私は短剣を両手で握り、一気に自分の胸を突き刺した。そこからは真っ赤な血があふれだしている。それを見て真っ青になった男達の顔が見える。
「お前、何やってるんだよ……。何もそこまでしなくても……」
そこまでするわよ。私はこれでも貴族なのよ。矜持はあるわ。
「ヤバいよ。そろそろお嬢様が来るんじゃないのか? こんな姿を見られたら……」
「逃げるか?」
男達は保身の為か、この場からにげようと考えているようだ。
部屋の外からバタバタと足音が聞こえてきた。
「こちらですわ。あの女が男を連れ込むところを見ましたのよ」
エスメラルダ様の声だ。
殿下を連れてきたのだろうか。さっき、男達が、私が辱められている姿を殿下に見せると言っていた。そろそろいい頃合いだと思いエスメラルダ様が殿下を連れてきたのだな。
残念だったわね。私は辱められてなんかいないわ。もし、まだ何かしようとするなら、この短剣を抜いて、こいつらを切りつけてやるわ。でも、もうこいつらにはそんな気はないだろう。まさか私が自害するとは思ってなかったのだろう。真っ青になってガタガタ震えている。
扉が開いた。最後に見るのがこんな男達の顔ではなく殿下の顔なら嬉しい。
殿下の顔が見えた。殿下は驚いた表情で私の傍に走り寄り抱きしめてくれた。
「ナターリエ!」
「で…ん……か。ごめいわ…くを…」
「何が迷惑なものか。私が傍を離れたばかりに。すまない」
私は小さく首を振った。
殿下がハンカチで私の血を止めようと押さえているが血は止まらない。
「医師を! 早く医師と魔導士を呼べ!」
血が止まらないせいか身体の感覚がなくなってきた。だんだん意識も薄れてきている。
「ナターリエ! ナターリエ! 死ぬな! その女と男達を捕えろ!」
殿下は私を抱きしめたまま涙を流してくれている。ハンカチはもう真っ赤に染まっている。私なんかを愛したばかりに辛い思いをさせてしまったわ。私が死んだ後、殿下にはもう私のことなど忘れて幸せになって欲しい。
「でん…か。おしあわ…せに」
絞り出すようにそう告げると目の前が真っ暗になった。
あの後どうなったかわからないが、エスメラルダ様が殿下と結婚することはないだろう。
今度生まれ変わったら身分不相応な恋はやめよう。いくら愛していても殿下は高嶺の花だ。遠くから見ているだけで良かったのだ。もっと早く両親に話をして領地に逃げるべきだった。
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