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番外編

次期国王決まる2(フィオナ視点)

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 大ばぁばに「フィオナは女王になるの。アスは王配よ」と言われたのは私が5歳になったばかりの時だった。

 あの時、急にリュカ兄様が「大ばぁばが呼んでるから行くぞ」と言い、私達を連れて移動魔法で王宮の大ばぁばの部屋に飛んだ。

 大ばぁばは「これから毎日ここに来て、遊びながら学びましょう」と言い、それから毎日アスとふたりで大ばぁばや他のおじいさん、おばあさんから色々な事を教えてもらった。

「フィオナが女王様か~、でもそういえばフィオナは小さい頃『じょおーさまになるの~』って言っていたわね。有言実行ね」

 ママは笑う。

「そうね。大ばぁばに女王になるのよと言われて、何だかよくわからないけど、そうなんだなぁと思ったの。アスと一緒よって言われたから安心だったのかな?」

「フィオナはアスがいると力をだせるもんね」

「うん、アスは私のエネルギーよ」

 私はアスとはじめて会った時にアスと共に生きるって思ったの。

 まだ子供だったけど、わかったわ。きっと生まれる前から魂に刻まれていたのだと思う。アス以外は考えられないもん。
 
 前世とか神様とかそんなことはよくわからないけど、アスとは何か特別な繋がりがあるとわかったのよね。

 あれからずっとアスと一緒にいる。死ぬまでアスと離れることはないと思う。

 一年先に戴冠式と結婚式を同じ日にすると大ばぁばに言われた。

 それまでに色々な準備があるらしい。

 結婚したら王宮に引っ越すそうだ。生まれ育ったフェノバールを離れるのは淋しいけど、移動魔法でいつでもいけるわね。

 エスタゾラム王国では女王陛下から色々と教わった。

 エスタゾラムは女王の国だ。だが次期国王は男性だそうだ。

 男とか女とかではなく能力のある者が王になればいいと女王陛下は言っていた。私は能力があるのかしら?

 私が女王になるのは瞳の色で私に決まったそうだ。それがノルスバン王国の代々の国王の決め方らしい。

 自信なんてない。女王になんかなれるのかな? 

 でもアスが側にいてくれるし、兄様達やお父様やママも力になってくれるわ。

 リュカ兄様はこの国は変わると言った。一緒に変えようと言った。

 私は私らしい女王になろうと思う。

 戴冠式には真紅のドレスを着るそうだ。それが伝統らしい。

 戴冠式の後は真っ白なドレスに着替えての結婚式だ。

 フェノバール領産の布地でレベッカドレスサロンの皆さんが作ってくれるそうだ。

 ソフィア叔母様の刺繍楽しみだな。

 戴冠式も結婚式も、リュカ兄様とヴィーナ姉様の結婚式みたいにジェット兄様とデーア姉様が魔法で色々な仕掛けをしてくれるとのこと。

 楽しみだな。
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