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番外編
アンソニーの恋6(リカルド視点)
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アーサーから連絡が来た。
アンソニーに話をする前に先に母上と話をしたほうがいいと思い、私は母上の執務室に飛び、母上と話をしていた。
「リカルド、アーサーは何と?」
「調べはついたのでオーウェンか宰相を呼んで欲しいとの事です」
「ナゼア男爵を暗部をね。面白くなってきそうね。本当にあなたがミディアと結婚してから刺激的すぎるわね」
母上は扇子で口元を隠して笑う。
あらかたの話は済んでいる。母上はアンソニーから臣籍降下したいと言われていたそうだ。
きっとアンソニーは王子のままではソフィア嬢が遠慮すると思って申し出たのであろうが、アンソニーよ、もう一歩踏み込まねばならなかったな。
お前の周りの者を使えばソフィア嬢の今置かれている立場が容易くわかるはずだ。
コンコン
「失礼します。お呼びでしょうか」
宰相が姿を現した。
「あら早いわね。アーサーが、まだなのよ。どこかから移動魔法でくるから少し待ってね」
母上が宰相に話す。
「おふたりがお揃いとは珍しいですね。アーサー殿に何か調べさせているのですか?」
「あぁ、そうなんだ。アーサーが宰相かオーウェンを呼んで欲しいと言ってきた」
「私かオーウェン? 暗部が必要なのですね」
宰相は悪い顔をして口角を上げている。
粒子が集まってきた。
アーサーか?
「お待たせした」
オーウェンか。
「何だぁ? お前じゃないみたいな顔だなぁ」
オーウェンはおどけたように笑う。
「あぁ、悪い。アーサーかと思ったんだ」
「今日はアーサーの呼び出しか」
「もとはといえばミディアが持ってきた話だ。アーサーが調べてくれている」
私がそう言うとオーウェンは口角を上げた。
「またあの、犯罪スレスレの魔法かよ。あれヤバいぜ。精神に結界張っとかないとするっと入り込まれる」
「まぁ、余程じゃないと入らないさ」
「じゃあ今回は余程なんだな」
私はアーサーが来るまでの時間、ふたりに大体の話をした。
「私達が呼ばれたと言うことは、ナゼア男爵を消せって事だな」
話を聞いた宰相は悪い顔で微笑む。
「かなり酷い事をしていると噂には聞いていたが、みんな自分が娘を売った負い目があるから表沙汰には出来なくて泣き寝入りしているようだ」
宰相がそう言うとオーウェンもそれに続く。
「他国の人身売買をしている奴らと付き合いがあるようだし、博打でイカサマをして借金をさせ、かたに娘を獲ったりもしているようだな。恨んでいる奴は多いな」
「息子はまともみたいなので、男爵を消して後を継がせれば良いんじゃないでしょうか? 罪に問うのは難しいし、やはり消すのが早いでしょう」
移動魔法で姿を現したアーサーが話に加わる。
「皆さん、お待たせしました。まずはこれをご覧ください」
アーサーが出したクリスタルを見る。
クリスタルには、ランタス伯爵、ナゼア男爵、そしてソフィア嬢が映し出された。
「アーサー、ふたりはいいとしてもソフィア嬢はやり過ぎよ。お仕置きしなきゃね」
母上が静かに怒っている。
「申し訳ありません。どうしても本心が知りたかったのです。殿下を利用しようとしている悪い女だった困りますので確認したかったのです」
私は昔、悪い女にひっかかった。アーサーはあの時にことがあるから、そうしたのだろう。
「まぁいいわ。本当にアンソニーの事を思っているのね。それに家や領民のために犠牲になろうとしているなんて泣かせるわね。アンソニーを呼んで気持ちを聞くわ。とりあえず宰相、オーウェン、あなた達は男爵を上手く消してちょうだい。ソフィア嬢やランタス伯爵に気づかれないようにね。リカルドとアーサーはランタス伯爵家への支援を検討して。お金もだけど、人よね。ランドセン侯爵にも領地の復興を手伝ってもらいましょう」
母上は話が早いな。
「じゃあ、アンソニーのところへ行きましょう。アンソニーがソフィア嬢を妃にしたいなら復興を手伝わせるわ」
母上は楽しそうだな。
私達はアンソニーの部屋に向かった。
アンソニーに話をする前に先に母上と話をしたほうがいいと思い、私は母上の執務室に飛び、母上と話をしていた。
「リカルド、アーサーは何と?」
「調べはついたのでオーウェンか宰相を呼んで欲しいとの事です」
「ナゼア男爵を暗部をね。面白くなってきそうね。本当にあなたがミディアと結婚してから刺激的すぎるわね」
母上は扇子で口元を隠して笑う。
あらかたの話は済んでいる。母上はアンソニーから臣籍降下したいと言われていたそうだ。
きっとアンソニーは王子のままではソフィア嬢が遠慮すると思って申し出たのであろうが、アンソニーよ、もう一歩踏み込まねばならなかったな。
お前の周りの者を使えばソフィア嬢の今置かれている立場が容易くわかるはずだ。
コンコン
「失礼します。お呼びでしょうか」
宰相が姿を現した。
「あら早いわね。アーサーが、まだなのよ。どこかから移動魔法でくるから少し待ってね」
母上が宰相に話す。
「おふたりがお揃いとは珍しいですね。アーサー殿に何か調べさせているのですか?」
「あぁ、そうなんだ。アーサーが宰相かオーウェンを呼んで欲しいと言ってきた」
「私かオーウェン? 暗部が必要なのですね」
宰相は悪い顔をして口角を上げている。
粒子が集まってきた。
アーサーか?
「お待たせした」
オーウェンか。
「何だぁ? お前じゃないみたいな顔だなぁ」
オーウェンはおどけたように笑う。
「あぁ、悪い。アーサーかと思ったんだ」
「今日はアーサーの呼び出しか」
「もとはといえばミディアが持ってきた話だ。アーサーが調べてくれている」
私がそう言うとオーウェンは口角を上げた。
「またあの、犯罪スレスレの魔法かよ。あれヤバいぜ。精神に結界張っとかないとするっと入り込まれる」
「まぁ、余程じゃないと入らないさ」
「じゃあ今回は余程なんだな」
私はアーサーが来るまでの時間、ふたりに大体の話をした。
「私達が呼ばれたと言うことは、ナゼア男爵を消せって事だな」
話を聞いた宰相は悪い顔で微笑む。
「かなり酷い事をしていると噂には聞いていたが、みんな自分が娘を売った負い目があるから表沙汰には出来なくて泣き寝入りしているようだ」
宰相がそう言うとオーウェンもそれに続く。
「他国の人身売買をしている奴らと付き合いがあるようだし、博打でイカサマをして借金をさせ、かたに娘を獲ったりもしているようだな。恨んでいる奴は多いな」
「息子はまともみたいなので、男爵を消して後を継がせれば良いんじゃないでしょうか? 罪に問うのは難しいし、やはり消すのが早いでしょう」
移動魔法で姿を現したアーサーが話に加わる。
「皆さん、お待たせしました。まずはこれをご覧ください」
アーサーが出したクリスタルを見る。
クリスタルには、ランタス伯爵、ナゼア男爵、そしてソフィア嬢が映し出された。
「アーサー、ふたりはいいとしてもソフィア嬢はやり過ぎよ。お仕置きしなきゃね」
母上が静かに怒っている。
「申し訳ありません。どうしても本心が知りたかったのです。殿下を利用しようとしている悪い女だった困りますので確認したかったのです」
私は昔、悪い女にひっかかった。アーサーはあの時にことがあるから、そうしたのだろう。
「まぁいいわ。本当にアンソニーの事を思っているのね。それに家や領民のために犠牲になろうとしているなんて泣かせるわね。アンソニーを呼んで気持ちを聞くわ。とりあえず宰相、オーウェン、あなた達は男爵を上手く消してちょうだい。ソフィア嬢やランタス伯爵に気づかれないようにね。リカルドとアーサーはランタス伯爵家への支援を検討して。お金もだけど、人よね。ランドセン侯爵にも領地の復興を手伝ってもらいましょう」
母上は話が早いな。
「じゃあ、アンソニーのところへ行きましょう。アンソニーがソフィア嬢を妃にしたいなら復興を手伝わせるわ」
母上は楽しそうだな。
私達はアンソニーの部屋に向かった。
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