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怒りが止まらない(リュカ視点)
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何故だかわからないが身体が勝手に動いて移動魔法を発動してしまったようだ。
しかし、ここはどこだ?
多分あの子の姉上のいるところなんだろう。
「いる!」と叫んで移動魔法で移動したが、行き先の設定を俺はした覚えがない。
しかし、俺は探さなくてはならない。見つけなくてはならない。そんな気がする。
「兄上聞こえる?」
「あぁ」
ジェットから念話がきた。
「マティーアス殿下の意識に入ったよ。今から姉上の情報を送るからね」
「了解」
「飛び出したけどノープランだろ?」
さすが、ジェット。お見通しだな。
それからすぐに、俺の頭の中にマティーアス殿下からの情報が流れ込んできた。
なんだこれは?
ボクの姉上はお城の地下にいる。
ボクの父上は女の子が生まれると不吉だと言って殺してしまうんだ。
何人か生まれてすぐ殺されたらしい。
姉上はとても可愛らしかったので、12歳くらいになったら利用するために置いていると聞いた。
何に利用するのかよくわからない。
母上は姉上を逃がそうとして父上に殺されてしまった。
ボクは小さいし、誰も気にしていないのでみんなの目を盗んで時々姉上に会いに行った。
姉上は会いに来ていることがわかったら母上みたいに殺されるから来ちゃダメだという。
ボクは王妃様に嫌われている。いつもダメな子と言われてムチで叩かれる。母上の悪口を言われる。ボクと姉上の母上は生きている時、王妃様にいじわるされていた。
ボクは王妃様が嫌いだ。
姉上は地下の部屋でひとりで暮らしていた。死なない程度のご飯しかもらえず、侍女もいない。
使用人たちからもいじわるされていた。
ボクは悔しかった。ボクがもっと大きかったら姉上を連れて逃げるのに。
ボクはおじいさまに姉上を助けてもらおうとお願いに行った。
おじいさまは姉上は赤ちゃんの時に殺されたと思っていたそうだ。
必ず助けると約束してくれた。
お城に戻ろうとあの森を通った時、沢山の人がボクたちを襲ってきた。
ボクは剣で斬られた。そこから何もわからない。
従者も護衛もみんなどうなったんだろう?
姉上を助けてくれると約束したおじいさまはどうなったのかな?
ボクがおじいさまに姉上を助けてと言ったから殺されたのかな?
姉上を助けたかった。
ボクは姉上を助けられずに死んじゃうのかな……
「この子の祖父も祖母もその家の者、国王や王妃、兄弟たちも使用人たちも皆殺しだ。革命を起こした奴らは地下に姫がいるとは気づいていないようだが、見つかる前に見つけないと奴隷商に売りとばされるぞ。
今、地下にいるんだろ? 早く探せ、そしてうちに連れて来い」
ジェットは怒っている。俺ももう殺されている国王と王妃に怒っている。死んで当然だ。
革命を起こした者は余程恨んでいたのだろう。
しかし、早く見つけないと。どこにいるんだ!
暗い地下を壁伝いに歩く、地下には誰もいない。
ただ死体がゴロゴロ転がっている。
きっと地下は使用人の部屋で、押し入ってきた者たちに殺されたのだろう。ひどい有様だ。
あっ、ここの壁の色が少し違う。隠し扉か?
色が違っている場所をを押したり引いたりしてみた。
動かない。横か?
スライドさせてみたら少し開いた。階段が見える。降りてみるといくつか部屋がある。
俺は意識を集中させた。どこにいるんだ?
ここだ!
ここから魔力を感じる。
部屋には鍵がかけられていたが、そんなもの俺の魔法でなんとでもなる。
鍵をあけ、部屋に入るとプラチナブロンドの長い髪をした痩せ細った小さな女の子がいた。
「行くぞ」
俺はその子の腕を掴んだ。しかし、その子は動かない。
俺の顔を見て、頭を左右に振り、自分の足元に目を落とす。
足枷をつけられているのか。
こんな子供に。腹立たしい。怒りが止まらない。
すぐに魔法で外した。
腕につけられていた魔力封じのリングも外した。
可哀想に手首が赤くなっている。
「もう大丈夫だからな」
俺はその子を抱きしめて移動魔法でフェノバール公爵邸に飛んだ。
しかし、ここはどこだ?
多分あの子の姉上のいるところなんだろう。
「いる!」と叫んで移動魔法で移動したが、行き先の設定を俺はした覚えがない。
しかし、俺は探さなくてはならない。見つけなくてはならない。そんな気がする。
「兄上聞こえる?」
「あぁ」
ジェットから念話がきた。
「マティーアス殿下の意識に入ったよ。今から姉上の情報を送るからね」
「了解」
「飛び出したけどノープランだろ?」
さすが、ジェット。お見通しだな。
それからすぐに、俺の頭の中にマティーアス殿下からの情報が流れ込んできた。
なんだこれは?
ボクの姉上はお城の地下にいる。
ボクの父上は女の子が生まれると不吉だと言って殺してしまうんだ。
何人か生まれてすぐ殺されたらしい。
姉上はとても可愛らしかったので、12歳くらいになったら利用するために置いていると聞いた。
何に利用するのかよくわからない。
母上は姉上を逃がそうとして父上に殺されてしまった。
ボクは小さいし、誰も気にしていないのでみんなの目を盗んで時々姉上に会いに行った。
姉上は会いに来ていることがわかったら母上みたいに殺されるから来ちゃダメだという。
ボクは王妃様に嫌われている。いつもダメな子と言われてムチで叩かれる。母上の悪口を言われる。ボクと姉上の母上は生きている時、王妃様にいじわるされていた。
ボクは王妃様が嫌いだ。
姉上は地下の部屋でひとりで暮らしていた。死なない程度のご飯しかもらえず、侍女もいない。
使用人たちからもいじわるされていた。
ボクは悔しかった。ボクがもっと大きかったら姉上を連れて逃げるのに。
ボクはおじいさまに姉上を助けてもらおうとお願いに行った。
おじいさまは姉上は赤ちゃんの時に殺されたと思っていたそうだ。
必ず助けると約束してくれた。
お城に戻ろうとあの森を通った時、沢山の人がボクたちを襲ってきた。
ボクは剣で斬られた。そこから何もわからない。
従者も護衛もみんなどうなったんだろう?
姉上を助けてくれると約束したおじいさまはどうなったのかな?
ボクがおじいさまに姉上を助けてと言ったから殺されたのかな?
姉上を助けたかった。
ボクは姉上を助けられずに死んじゃうのかな……
「この子の祖父も祖母もその家の者、国王や王妃、兄弟たちも使用人たちも皆殺しだ。革命を起こした奴らは地下に姫がいるとは気づいていないようだが、見つかる前に見つけないと奴隷商に売りとばされるぞ。
今、地下にいるんだろ? 早く探せ、そしてうちに連れて来い」
ジェットは怒っている。俺ももう殺されている国王と王妃に怒っている。死んで当然だ。
革命を起こした者は余程恨んでいたのだろう。
しかし、早く見つけないと。どこにいるんだ!
暗い地下を壁伝いに歩く、地下には誰もいない。
ただ死体がゴロゴロ転がっている。
きっと地下は使用人の部屋で、押し入ってきた者たちに殺されたのだろう。ひどい有様だ。
あっ、ここの壁の色が少し違う。隠し扉か?
色が違っている場所をを押したり引いたりしてみた。
動かない。横か?
スライドさせてみたら少し開いた。階段が見える。降りてみるといくつか部屋がある。
俺は意識を集中させた。どこにいるんだ?
ここだ!
ここから魔力を感じる。
部屋には鍵がかけられていたが、そんなもの俺の魔法でなんとでもなる。
鍵をあけ、部屋に入るとプラチナブロンドの長い髪をした痩せ細った小さな女の子がいた。
「行くぞ」
俺はその子の腕を掴んだ。しかし、その子は動かない。
俺の顔を見て、頭を左右に振り、自分の足元に目を落とす。
足枷をつけられているのか。
こんな子供に。腹立たしい。怒りが止まらない。
すぐに魔法で外した。
腕につけられていた魔力封じのリングも外した。
可哀想に手首が赤くなっている。
「もう大丈夫だからな」
俺はその子を抱きしめて移動魔法でフェノバール公爵邸に飛んだ。
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