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お茶会で疲れたミディアは色々思う
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あの事件からもう30年。
ちゃんと覚えている人はほとんどいない。そんなもんなんだな。だれが当事者だったのかももうわからない。風化しているのだ。人の噂なんてそんなもんなんだと思う。
あの時リカルド様をもう終わった人と言って笑っていた人たちが今は掌を返したように擦り寄ってくる。権力って怖いと改めて思う。
今日のお茶会もなかなか凄い。
最近はもう広告塔になって領地の特産品を売り込まなくていいので、めったにこういうお茶会や夜会に出なくなった。
久しぶりに私が出たからか、たくさんの人が寄ってくる。
悪意とまではいかないが、あわよくば的な人が多い。
今日はリーゼやフィオナも参加しているから子供たちと自分の子供を仲良くさせようと思う人も多い。
王家に近い公爵家と縁続になればいずれは王家に……なんて思うのかもしれない。
王妃様はリーゼの勉強のためにと言っていたが、私の勉強にもなった。
私たちに近づきたいのなら私たちがやっている事に賛同して、自分の領地でも取り入れてくれればいい。そのための協力ならいくらでもするのになぁ。
「ミディア、今日のお茶会はどう?」
「勉強になりますわ。貴族は権力に弱い事がよくわかりました」
「それだけフェノバール家が力をつけて影響力を持ったということよ」
私が他の貴族さんたちに聞こえないように小声で言うと、王妃様はふふふと笑う。
「たぬきやきつねを見極めて捌くことも覚えなきゃね。リーゼが取り込まれないように気をつけなくてはならなくてよ」
「それでエリアス君?」
「ええ、あの子は盾になるわ。あわよくば結婚してくれないかと。ダメでも親友とかね」
王妃様そんなことを思ってたのか。確かに暗部の元締めのドラール家と『王国の鋼』だっけ? のリーゼはピッタリなのかもしれない。
ドラール家なら大好きな鍛錬もし放題。それにきっとエリアスは強い。
まぁ、私がどうこういう話じゃないな。ふたりがいいならそれでいい。
王妃様は嬉しそうに話をする。
「リュカの婚約者も探してるんだけど、なかなか難しいわ。ジェットもシャルも結婚しないっていってるし」
4人とも我が子ながらなかなかのくせ者だ。
リュカに合う令嬢なんているのだろうか? アンジェリーナ様みたいな人ならいいんじゃないかと思うけど、いそうもない。
ジェットは結婚しないだろうし。シャルはなんでも前世で失敗したから結婚は懲り懲りらしい。
うちの子たちはなんでも使命があって生まれてきたらしく、みんなお腹に入る前から記憶があるらしい。
胎児の頃から念話? とか言う謎の会話をしていたらしい。
今も4人とリカルド様、おばあ様は時々念話会議みたいなのをしてるらしいが私にはなんのことがさっぱりわからない。
シャルに至っては前世違う人だった記憶もあるらしい。ほんとかしらと思うけど、そういうんだから本当なんだろう。
それにしても国を立て直すために送り込まれたって、ノルスバン王国ってそんなにヤバいのかしらね。私は首を傾げた。
「王妃様、次のおばあ様のお誕生日の夜会、出なくちゃダメですわよね?」
「そりゃそうよ。来年あるかどうかわからないのよ。出てちょうだいね」
怖いこと言ってるよ。
おばあ様は82歳になる。
まだ現役バリバリでこないだも国王陛下に怒鳴っていた。国王陛下もなんだかんだ言われながら、監視カメラを開発して、とりあえず軌跡は残した。今は名前だけ国王と自分で言っている。
陛下はフィオナが世界でいちばん好きらしい。
リーゼは面白がってフィオナに「じぃじだいしゅき」と言えと教えている。
お茶会は疲れたが、やっぱり我が家族は平和だなぁ。
そういえば、エリアス君と薔薇を見に行ったままリーゼは帰ってこないけど、何してるんだろ?
まさか、手合わせしてるとか?
無い無い。
無いことを祈る。
初対面でいきなり剣を交えるとか無いわ~。
ちゃんと覚えている人はほとんどいない。そんなもんなんだな。だれが当事者だったのかももうわからない。風化しているのだ。人の噂なんてそんなもんなんだと思う。
あの時リカルド様をもう終わった人と言って笑っていた人たちが今は掌を返したように擦り寄ってくる。権力って怖いと改めて思う。
今日のお茶会もなかなか凄い。
最近はもう広告塔になって領地の特産品を売り込まなくていいので、めったにこういうお茶会や夜会に出なくなった。
久しぶりに私が出たからか、たくさんの人が寄ってくる。
悪意とまではいかないが、あわよくば的な人が多い。
今日はリーゼやフィオナも参加しているから子供たちと自分の子供を仲良くさせようと思う人も多い。
王家に近い公爵家と縁続になればいずれは王家に……なんて思うのかもしれない。
王妃様はリーゼの勉強のためにと言っていたが、私の勉強にもなった。
私たちに近づきたいのなら私たちがやっている事に賛同して、自分の領地でも取り入れてくれればいい。そのための協力ならいくらでもするのになぁ。
「ミディア、今日のお茶会はどう?」
「勉強になりますわ。貴族は権力に弱い事がよくわかりました」
「それだけフェノバール家が力をつけて影響力を持ったということよ」
私が他の貴族さんたちに聞こえないように小声で言うと、王妃様はふふふと笑う。
「たぬきやきつねを見極めて捌くことも覚えなきゃね。リーゼが取り込まれないように気をつけなくてはならなくてよ」
「それでエリアス君?」
「ええ、あの子は盾になるわ。あわよくば結婚してくれないかと。ダメでも親友とかね」
王妃様そんなことを思ってたのか。確かに暗部の元締めのドラール家と『王国の鋼』だっけ? のリーゼはピッタリなのかもしれない。
ドラール家なら大好きな鍛錬もし放題。それにきっとエリアスは強い。
まぁ、私がどうこういう話じゃないな。ふたりがいいならそれでいい。
王妃様は嬉しそうに話をする。
「リュカの婚約者も探してるんだけど、なかなか難しいわ。ジェットもシャルも結婚しないっていってるし」
4人とも我が子ながらなかなかのくせ者だ。
リュカに合う令嬢なんているのだろうか? アンジェリーナ様みたいな人ならいいんじゃないかと思うけど、いそうもない。
ジェットは結婚しないだろうし。シャルはなんでも前世で失敗したから結婚は懲り懲りらしい。
うちの子たちはなんでも使命があって生まれてきたらしく、みんなお腹に入る前から記憶があるらしい。
胎児の頃から念話? とか言う謎の会話をしていたらしい。
今も4人とリカルド様、おばあ様は時々念話会議みたいなのをしてるらしいが私にはなんのことがさっぱりわからない。
シャルに至っては前世違う人だった記憶もあるらしい。ほんとかしらと思うけど、そういうんだから本当なんだろう。
それにしても国を立て直すために送り込まれたって、ノルスバン王国ってそんなにヤバいのかしらね。私は首を傾げた。
「王妃様、次のおばあ様のお誕生日の夜会、出なくちゃダメですわよね?」
「そりゃそうよ。来年あるかどうかわからないのよ。出てちょうだいね」
怖いこと言ってるよ。
おばあ様は82歳になる。
まだ現役バリバリでこないだも国王陛下に怒鳴っていた。国王陛下もなんだかんだ言われながら、監視カメラを開発して、とりあえず軌跡は残した。今は名前だけ国王と自分で言っている。
陛下はフィオナが世界でいちばん好きらしい。
リーゼは面白がってフィオナに「じぃじだいしゅき」と言えと教えている。
お茶会は疲れたが、やっぱり我が家族は平和だなぁ。
そういえば、エリアス君と薔薇を見に行ったままリーゼは帰ってこないけど、何してるんだろ?
まさか、手合わせしてるとか?
無い無い。
無いことを祈る。
初対面でいきなり剣を交えるとか無いわ~。
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