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リーゼロッテ12歳です(リーゼ視点)

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 朝の鍛錬は楽しい。フェノバール領は平和だけど普段から鍛えとかないと何があるかわからない。

 鍛錬のあと、汗を流し、メアリーに支度をしてもらいダイニングに来たらもう誰もいなかった。

「ママ~、みんなは?」

「もうみんな出かけたわよ。さぁ、私たちも出かけるわよ。早く食べちゃいなさい」

 今日はママとフィオナと一緒に街に行く予定だ。
 フェノバール領には小さな街がある。王都ほどではないがカフェもあるし、服屋さんや雑貨屋さんもある。

 私は兄様たちから脳筋と言われているがこれでも乙女なんだ。可愛い服や雑貨、スイーツは大好き。

 ママと同じで黙っていればなかなかの美人なの。私は顔はパパに似ている。髪色もパパ。瞳の色だけがママと同じなの。
 フィオナも同じ髪色で同じ瞳の色なんだけど顔はママに似ている。だからフィオナは可愛い。

 やきもちを焼かないのかって? なんで? みんながフィオナを可愛いって言うから? だって本当に可愛いんだから仕方ないよ。
 それにちっちゃいしね。

 私はどちらかというと美人なの。ママはいつも「リーゼはパパに似て美人だから羨ましい~」と言うわ。

 それに私はこの国で王妃様をやってるばぁばにめっちゃ可愛がられているの。騎士服を作ってくれて、ばぁばの専属騎士にしてくれてるわ。

 パパもママもフィオナが可愛いからって別に特別扱いはしない。私たち兄弟はみんな平等に愛されているの。

 まぁ、パパはママがいちばん好きだけどね。

「私はミディアがいちばんだ。お前たちはお前たちのいちばんを見つければいい」とパパは言う。

 パパは何かあるとママをいちばんに助けるそうだ。

「お前たちは自分の身は守れるだろう」とも言う。

 確かに私たちは自分の身は自分で守れる。

「フィオナは私たちが守るから心配ないよ」とパパに言ったら「任せた」と言った。

 これってどうよ。父親としてどうよ。兄様たちに言ったら「パパだから仕方ない」って笑っていたわ。

 パパはそう言ってもママはきっと私たちを助けようとするだろう。ママはそういう人だ。私たちを助けようとするママをパパは助けるから、結局パパは私たちを助けるしかなくなる。

 でも私たちの方がきっと強い。

 私たちを乗せた馬車が街に到着した。まずはレベッカさんのドレスサロンに行く。  

 今度のばぁばのお茶会に着るドレスを作るらしい。
 私たち3人はお揃いでドレスを作ってもらう予定なのだ。

「ようこそミディア様」

 レベッカさんが出迎えてくれた。今日もレベッカさんはカッコいい。デザイナーもいいなぁなんて思う。騎士でデザイナーもありよね?

「ごきげんよう」

「今日は可愛いお姫様たちとご一緒なのですね」

 可愛いお姫様なんてめったに言われないからうれしいなぁ。

 ばぁばのお茶会は同じくらいの年の子供も来るらしい。

 友達できるかな? できるといいな。
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