魅了が解けた元王太子と結婚させられてしまいました。 なんで私なの!? 勘弁してほしいわ!

金峯蓮華

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こんにちは

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*途中からリュカ視点になります*


 双子の出産は大変なようだ。

 身体が? いえいえ周りがですわ。

 私はとても健康で、エマにマタニティヨガなるものを教えてもらいストレッチ系の運動をしたり、散歩をしたりしてすごしていたのだが、みんな双子が気になるのか?

 おばあ様をはじめとする熟女軍団や国王陛下とお父様のじぃじチーム。

 最近居候しているアンソニー殿下、

 それに領地の人たちや使用人たちまで心配してくれている。というよりお祭りみたいに楽しんでいる。

 乳母や侍女、従者の募集をまだかけていないのに、売り込みに来る人がいたり、まだ生まれていないのにお祝いを持ってきてくれる人もいる。

 国の人たちからフェノバール領はいいところだと認識されだしたようなのはうれしいけどね。

 もう、いつ産まれてもおかしくないとメグ先生から言われている。お腹も重いし、そろそろ出てきてほしいな。


ーリュカ視点ー

 ママのお産が近づいてきた。

 今度はふたりだからちょっと大変かな。

 お腹の中にいる子たちはボクらみたいに魔力が強すぎるわけじゃない。ママが痛いのは可哀想だから痛くないようにしたいけど、どうしたらいいかボクはなやんでいた。

「パパに部屋に入ってもらって、ボクがパパ経由で痛くない魔法を流すよ。多分陣痛がはじまったらパパはずっとママにくっついてるでしょ?」

 ジェットがボクとパパに念話で話しかけてきた。確かに直接ママに魔法を送れないし、パパ経由がベストだろうな。パパに話してみよう。

「了解した。私がジェットからのチカラをいったん受け止めてそれをミディアに流すんだな。任せておけ」

 パパは胸を叩く。

「しかし、双子とはびっくりしたよ」

「ごめんねパパ、ボクが勘違いしてもっとあとでくるはずの子をよんじゃったんだ」

「リュカでもそんな間違いをするんだな。ちょっと安心したよ」

 パパはボクの頭をぽんぽんする。

「でも神様はそれでいいって。これも必然だって言ってたよ」

 必然?

「早くなったのは、この国が動き出すのがちょっと早くなるみたいなんだ。それで大ばぁばが辺境地によく行ってるでしょ。それにはあの子たちが必然なんだって」

 神さまと話ができるジェットは色んな情報をもらってきて、それをパパやばぁばや大ばぁばに伝えている。大ばぁばがしょっちゅうフェノバールに来るのはそのためだ。

 ママは息抜きにボクたちと遊びにきてると思ってるんだけどね。

 ママはそれでいいんだ。

 そろそろあの子たちが来るな。

「パパ、そろそろだよ」

「パパ、頼むね」

「任せろ」

 パパは力強く握り拳を作り高く上げた。


 メグ先生が来たな。

 みんながバタバタしている。

「パパ、送るよ!」

 ジェットが部屋の中でママの手を握るパパに魔力を送る。

 さぁ、出ておいでみんな君たちを待ってるんだよ。


『ふぎゃ~ふぎゃ~』

 ひとり来たな。

 ママがんばれ。もう一息だよ。

『ふぎゃ~ふぎゃ~』

 よし、ふたりとも無事だ。ママも元気だ。

「「こんにちは!」」

「いらっしゃい、待ってたよ」

「ふたりとも可愛いね」

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