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不思議な光
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「王太后様、アビゲイルでございます」
「入って」
王妃様が扉の外から中にいるであろうおばあ様に声をかける。
王妃様の名前はアビゲイルというのか。確か勉強した時に習った気もするが、王妃様の方がぴったりなので忘れてしまった。
扉が開いた。
奥に年配の女性が座っている。リカルド様と同じ金色の髪、グリーンの瞳だ。
離れていても独特のオーラを感じる。確かに王妃様より凄い。
これが王家直系のオーラか。
リカルド様も本当はあちら側の人なんだ。私は近くにいすぎて気がつかないけど、みんなはあんなオーラを感じているんだろう。だから未だに殿下と呼ぶ人がいて、フェノバール公爵家派なるものが存在するんだろう。
「王国の輝ける太陽で……」
「そんな挨拶はいいわ。こちらに」
おばあ様はリカルド様の挨拶を遮り近くにくるように言う。
「あなたたちもよ」
私たちもか?
私はリカルド様に促されおばあ様に近づく。
「王太后様、ご無沙汰しています」
「身体はどうなの? もう大丈夫なの?」
「はい。もうすっかり回復致しました。子供もふたりおります。ご挨拶が遅くなり申し訳ありません」
「いいのよ。私も誰にも会わなかったから仕方ないわ。可愛い子ね。紹介してくれるかしら」
可愛い子? 私か?
リカルド様が私の背中を少し押す。
「妻のミディアローズです」
「初めておめにかかります。ミディアローズでございます」
渾身のカーテシーをした。
「まぁ、綺麗なカーテシーができるのね。さすがアビーのお気に入りだわ」
おばあ様は微笑む。
「この子のチカラでリカルドは元気になったのね」
聞こえないくらいの小さな声で呟く。
そして、子供たちを見ておばあ様目を見開いた。
「この子の名前は?」
リカルド様に聞く。
「この子はリュカです。嫡男です。リュカ、ご挨拶しなさい」
リュカは一歩前に出て拙い挨拶をする。
「リュカでごじゃいましゅ」
ペコリと頭を下げた。
おばあ様は手招きをした。
リカルド様はリュカを抱き上げおばあ様のひざに乗せる。おばあ様はリュカの頭を撫でながら顔をじっと見ている。
う~ん、ふたりで見つめ合っているようだ。
そんな時間がしばらく続き、私たちはその様子を見守っていた。
おばあ様は首を縦に振った。頷いているようにも見える。
そして、顔を上げ、私たちの方を見た。
「次の国王はこの子。この子は先祖返り。初代国王と同じ力を持つ子よ。この子が遣わされたということは、そろそろこの国も新しくならねばならないようだわね」
そういうとふふふと笑った。
「ジェットを!」
リュカがリカルド様に言う。
リュカはおばあ様の膝から降り、代わりにジェットが乗った。
ジェットはモコモコと動き抱っこというより、おばあ様にしがみつくような体勢になった。そしておばあ様の左胸に右手をお腹に左手を当てる。
リュカが何やら聞いたこのない歌を歌い出した。
するとジェットの手から光が出てきたような気がし、部屋中が光に包まれた。
何が起こっているんだ? 私も光に包まれた。
「ミディア、気がついたか?」
リカルド様だ。
「ミディア!」
王妃様もいる。
ここはどこだろう?
「リカルド様、王妃様、私は?」
「急に倒れたんだ。びっくりしたよ」
「気がついて良かったわ。光がミディアの中に入ったように見えてすぐに倒れたんだもの」
光が? そういえば光にくるくる包まれて身体が吸い込んだようなきがしたな。
「あっ、子供たちは?」
慌ててキョロキョロ子供たちを探した。
「ママ」
「まー」
「ふたりともいるよ」
あぁ良かった。いつものリュカとジェットだ。
私は夢を見ていたのかな? 確かリュカが歌を歌うとジェットの手から光が出て……。
「私、夢を見たのかしら?」
「夢ではないよ。そういうことだ。この子たちには王家の中でも選ばれた者しか持たない力があるみたいなんだ。おばあ様の病気を治してしまった」
「王太后様、驚いていらしたけど、身体が自由になって、痛みがなくなり、手指の変形も治ったのでものすごく喜んでいらしたわ。あとで会いに行きましょう」
あれは夢じゃなかったの?
「あい!」
リュカが返事をした。ジェットも頷いている。
「抱っこ~」
リュカが私に手を伸ばす。
リカルド様がリュカを抱き上げ、私が横になっている寝台に乗せた。
私はリュカを抱きしめる。普通だよ。リュカは普通の子だよね? 私に抱かれてニコニコしているリュカは普通の子供にしか見えない。
王妃様に抱っこされているジェットもどう見ても普通の子供だ。
私は頭がこんがらがってきた。
「ミディア、リュカもジェットも私たちには普通の可愛い子供だよ。どんなチカラがあろうとそんなことは関係ない。今まで通り可愛がって愛して大事に育てていこう。先のことはリュカやジェットが自分で考えて選べばいい。私たちはふたりを見守っていこう」
そうだな。リカルド様のいう通りだ。
私はニュートラルでフラットなリカルド様の考え方が好きだ。どんなリュカもどんなジェットも私には可愛い子供なんだ。
キュルルルルー
そう思ったら急にお腹が鳴った。
「お腹減ったか? 戻ろうか、ホールで何か食べよう」
「ホールはもういいです」
げんなりした顔をするとリカルド様も王妃様もケラケラ笑っている。
「じゃあ、軽食の用意をしてもらいましょう。私もお腹が減ってきたわ」
「そうだね。軽くつまめるものがいいな」
リカルド様、私はがっつり食べたいのですが……。
私は両手を頬をばしばし叩いて、現実に戻る準備をした。
「入って」
王妃様が扉の外から中にいるであろうおばあ様に声をかける。
王妃様の名前はアビゲイルというのか。確か勉強した時に習った気もするが、王妃様の方がぴったりなので忘れてしまった。
扉が開いた。
奥に年配の女性が座っている。リカルド様と同じ金色の髪、グリーンの瞳だ。
離れていても独特のオーラを感じる。確かに王妃様より凄い。
これが王家直系のオーラか。
リカルド様も本当はあちら側の人なんだ。私は近くにいすぎて気がつかないけど、みんなはあんなオーラを感じているんだろう。だから未だに殿下と呼ぶ人がいて、フェノバール公爵家派なるものが存在するんだろう。
「王国の輝ける太陽で……」
「そんな挨拶はいいわ。こちらに」
おばあ様はリカルド様の挨拶を遮り近くにくるように言う。
「あなたたちもよ」
私たちもか?
私はリカルド様に促されおばあ様に近づく。
「王太后様、ご無沙汰しています」
「身体はどうなの? もう大丈夫なの?」
「はい。もうすっかり回復致しました。子供もふたりおります。ご挨拶が遅くなり申し訳ありません」
「いいのよ。私も誰にも会わなかったから仕方ないわ。可愛い子ね。紹介してくれるかしら」
可愛い子? 私か?
リカルド様が私の背中を少し押す。
「妻のミディアローズです」
「初めておめにかかります。ミディアローズでございます」
渾身のカーテシーをした。
「まぁ、綺麗なカーテシーができるのね。さすがアビーのお気に入りだわ」
おばあ様は微笑む。
「この子のチカラでリカルドは元気になったのね」
聞こえないくらいの小さな声で呟く。
そして、子供たちを見ておばあ様目を見開いた。
「この子の名前は?」
リカルド様に聞く。
「この子はリュカです。嫡男です。リュカ、ご挨拶しなさい」
リュカは一歩前に出て拙い挨拶をする。
「リュカでごじゃいましゅ」
ペコリと頭を下げた。
おばあ様は手招きをした。
リカルド様はリュカを抱き上げおばあ様のひざに乗せる。おばあ様はリュカの頭を撫でながら顔をじっと見ている。
う~ん、ふたりで見つめ合っているようだ。
そんな時間がしばらく続き、私たちはその様子を見守っていた。
おばあ様は首を縦に振った。頷いているようにも見える。
そして、顔を上げ、私たちの方を見た。
「次の国王はこの子。この子は先祖返り。初代国王と同じ力を持つ子よ。この子が遣わされたということは、そろそろこの国も新しくならねばならないようだわね」
そういうとふふふと笑った。
「ジェットを!」
リュカがリカルド様に言う。
リュカはおばあ様の膝から降り、代わりにジェットが乗った。
ジェットはモコモコと動き抱っこというより、おばあ様にしがみつくような体勢になった。そしておばあ様の左胸に右手をお腹に左手を当てる。
リュカが何やら聞いたこのない歌を歌い出した。
するとジェットの手から光が出てきたような気がし、部屋中が光に包まれた。
何が起こっているんだ? 私も光に包まれた。
「ミディア、気がついたか?」
リカルド様だ。
「ミディア!」
王妃様もいる。
ここはどこだろう?
「リカルド様、王妃様、私は?」
「急に倒れたんだ。びっくりしたよ」
「気がついて良かったわ。光がミディアの中に入ったように見えてすぐに倒れたんだもの」
光が? そういえば光にくるくる包まれて身体が吸い込んだようなきがしたな。
「あっ、子供たちは?」
慌ててキョロキョロ子供たちを探した。
「ママ」
「まー」
「ふたりともいるよ」
あぁ良かった。いつものリュカとジェットだ。
私は夢を見ていたのかな? 確かリュカが歌を歌うとジェットの手から光が出て……。
「私、夢を見たのかしら?」
「夢ではないよ。そういうことだ。この子たちには王家の中でも選ばれた者しか持たない力があるみたいなんだ。おばあ様の病気を治してしまった」
「王太后様、驚いていらしたけど、身体が自由になって、痛みがなくなり、手指の変形も治ったのでものすごく喜んでいらしたわ。あとで会いに行きましょう」
あれは夢じゃなかったの?
「あい!」
リュカが返事をした。ジェットも頷いている。
「抱っこ~」
リュカが私に手を伸ばす。
リカルド様がリュカを抱き上げ、私が横になっている寝台に乗せた。
私はリュカを抱きしめる。普通だよ。リュカは普通の子だよね? 私に抱かれてニコニコしているリュカは普通の子供にしか見えない。
王妃様に抱っこされているジェットもどう見ても普通の子供だ。
私は頭がこんがらがってきた。
「ミディア、リュカもジェットも私たちには普通の可愛い子供だよ。どんなチカラがあろうとそんなことは関係ない。今まで通り可愛がって愛して大事に育てていこう。先のことはリュカやジェットが自分で考えて選べばいい。私たちはふたりを見守っていこう」
そうだな。リカルド様のいう通りだ。
私はニュートラルでフラットなリカルド様の考え方が好きだ。どんなリュカもどんなジェットも私には可愛い子供なんだ。
キュルルルルー
そう思ったら急にお腹が鳴った。
「お腹減ったか? 戻ろうか、ホールで何か食べよう」
「ホールはもういいです」
げんなりした顔をするとリカルド様も王妃様もケラケラ笑っている。
「じゃあ、軽食の用意をしてもらいましょう。私もお腹が減ってきたわ」
「そうだね。軽くつまめるものがいいな」
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私は両手を頬をばしばし叩いて、現実に戻る準備をした。
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