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ミディア勉強する

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 おばあ様にお会いするまでに、プチ王子妃教育を受けることになった。

 先生としてうちに来てくれることになったのはなんと王妃様。

 まぁ、王妃様は勉強を教えるのは建前でリュカとジェットに会いたいだけのようだ。

 そういえば、ジェットを抱っこすると体調が良くなり、肌艶やハリも良くなると身内では噂になっているらしい。
 熟女たちにジェットは大人気なのだ。

「王家の歴史なんてつまらないでしょう? 私が受けた時はつまらないので丸暗記したわ」
「王妃様はどんな感じで国王陛下の婚約者になったのですか?」

 ちょっと興味があったので聞いてみた。

「私は生まれた時から決まっていたのよ。陛下はちょっと残念な人でしょう、だから物心つくくらいから私が殿下を補わなきゃならないからどんどん教育されたの。当時の女王陛下は怖かったから、叱られないように必死だったわ」

 やっぱり怖いのか。

「おばあ様はやっぱり怖いのですか?」

 恐る恐る聞いてみた。

「当時はね。でも怖いというより厳しい人だわね。他人にも厳しいけど自分にも厳しい人よ。陛下なんて未だに怖がってるわ」

 やっぱり怖いのか。

「でも、身体を悪くしてからすっかり気弱になっちゃったの」

「病気なのですか?」

「うん、手足の関節が腫れて痛くなる病気らしくて痛み止めが手放せないの。最近は指の骨が変形したりして、人前にでるのも嫌がってらっしゃるの。ジェットを抱っこしたら楽になるんじゃないかと思ってね。だから別に嫌なことは言われないから勉強なんかしなくても大人気なのよ」

 おばあ様は病気だったのか。

「前国王が亡くなったくらいから発症したらしいからもう随分経つけどどの先生に見てもらっても治せなくてね。隣国から魔法医師に来てもらって治療してもらっているんだけどね」

 隣国からか。

「あっ、そのご縁でヘンドリックの嫡男……ジャックだっけ? その人の婚約者を隣国の魔法医師に預けたのよ」

「そうだったんですね。隣国で魔法看護師をしていると聞いてびっくりしましたが、元気になってよかったですね」

「ええ、でもあの頃の記憶は無いままらしいわ。まぁ、戻る必要もないけど……」

 記憶がなくなるほどショックだったんだな。でも元気になって自立できてよかった。

 フェノバール領も魔法医師や魔法看護師がいるといいのにな。魔法助産師さんにはリュカが生まれる時にお世話になった。
 
 チャーリー先生やメグ先生も魔法医師とは名乗ってないけど隣国で学んだので魔法治療もできるらしい。

 専門の先生たちをなんとか招致できないかな?
 魔法医療取り入れたいなぁ。

 あとでリカルド様やアーサー様に相談してみよう。



「リカルド様、おばあ様は病気だそうですよ」

「うん、私も母上から聞いた。関節が腫れて痛くなるらしいね」

「ジェットを抱っこしたら楽になるんじゃないかと」

「そうだね。ジェットに聞いてみよう」

 ジェットに聞く? またおかしなことを言う。
 ジェットはまだあーとかうーとかしか話せないよ。聞いてもあーとかうーしか返してくれないけどなぁ。

「それとは別にフェノバール領で魔法医療の医師や看護師に来てもらって病院を作ることはできないかと思うですが」

「そうだね。魔法医療はまだ専門の医師が少ないんだ。だからなかなか難しい。例えば魔法医療を学びたい人をフェノバール領がお金を出して隣国に行かせて学んできてもらい、ここの病院で働いてもらうのはアリかもしれないね。勉強したくても高いし、平民では難しいからね」

 リカルド様はやっぱりすごいな。いないなら作ろうと言うことね。

「それいいと思います。やりましょう。是非やりましょう。医師だけでなく、看護師や助産師になりたい人も薬師になりたい人もフェノバール領でサポートしましょう」

 フェノバール領で魔法医療の病院を作るための先行投資だな。ワクワクしてきたわ~。

 私はおばあ様に会うのにびびって勉強していたことなどすっかり忘れていた。
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