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乳母の面接

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 しばらくして乳母候補の女性が見つかったと連絡が来た。

 経歴書や紹介状を見ていたが特に問題はない。人間的に好ましい人であるなら是非お願いしたい。

 彼女は若い頃は騎士をしていたらしい。一度結婚したが離縁し、それからはナニーやガヴァネスをしていたそうだ。
 面接をすることになった。

「はじめまして。エマ・アイオナールと申します」

 年齢はちょうどハンナとメアリーの間くらい。凛とした感じのスレンダーな美人だ。

「エマさん、若い頃は騎士をされていたそうですが、今でも鍛錬はされてますか?」

「エマとお呼び下さい。ナニーやカヴァネスは護衛の役目が必要な時もありますので、もしもの時に対応できるように鍛錬はしております」

 きゃ~うれしい! 一緒に鍛錬できそうだ。リカルド様や騎士団のみんなはなかなか鍛錬に付き合ってくれない。
 リカルド様に至っては鍛錬をさせないように邪魔してくる。

「エマ、乳母をやりながら私の鍛錬にも付き合ってもらいたいの。ダメかしら?」

「奥様、鍛錬をされるのですか?」

「ええ、子供たちがら産まれるまではそれなりに鍛えていたのだけど、産まれてからは邪魔する人がいるのでなかなかできなくてね。すっかり緩んだ身体を引き締めたいの。エマが一緒にしてくれるなら嬉しいわ」

「そうですか、ならば引き締めながら柔らかさを失わないような身体作りをご指導させていただきます」

 エマはにっこり微笑む。

「引き締めながら柔らかさを失わないなんてことができるのか?」

 今まで黙って見ていたリカルド様が急に口を挟む。

「はい。女性の筋肉は男性の筋肉のようにはなかなかなりません。出るところは出て引っ込むところは引っ込み、無駄な贅肉は取るが柔らかさは残すように鍛えることは可能です」

 へぇ~、そんなことができるんだ。

「よろしく頼む」

 リカルド様はエマにそう言う。それなら鍛錬してもいいのね。

「子供たちの事は、まだ小さいのでナニー的な仕事が多いと思うのですが、大きくなってきたらカヴァネス的な仕事もお願いします。そして護衛的な事も」

「承知いたしました」

 エマに来てもらうことになった。
 
 移動魔法で通ってもらえばいいかと思っていたのだが、住み込みを希望したので住み込みで来てもらうことになった。

 エマとメアリーのふたりでリュカとジェットの世話をしてもらう。もちろん私もできる限り参加する。エマにはエマの良さ、メアリーにはメアリーの良さ、私には私の良さがあるはずだ。リュカとジェットがより良く生活できるようになり、メアリーの負担が減るといいな。

「それでは一旦王都に戻り引っ越しの準備をしてまいります」
 エマは移動魔法で王都に戻った。

「リカルド様、良い人が来てくれて良かったですね。メアリーともハンナとも仲良くやってくれそうだし」

「そうだね。ミディアは鍛錬を指導してくれるのも嬉しいんだろ?」

 リカルド様は意地悪な顔で笑う。

 確かにそれはそうだけどね。

 どんな人が来るかとドキドキしたけど良さそうな人でよかった。


*フェノバール家の男たちの念話は……*

リカルド: 「エマはどうかな?」

リュカ: 「いいと思うよう。ドラール家が太鼓判を押すなら間違いないよ。職務に忠実みたいだしね」

ジェット: 「ママともうまくやれそうだね」

リカルド: 「そうだな。鍛錬の指導をしてもらえると喜んでいた」

リュカ: 「でもパパはぽっちゃりしたママがいいんじゃないの?」

リカルド: 「まぁ、そうだけど、筋肉がつかなければ我慢するよ」

ジェット: 「大丈夫だよ。お腹周りのお肉をつかないようにコントロールするし、筋肉もつかないようにするね。ボクもお兄ちゃんもパパもおっぱいはおっきいのが好きだから授乳が終わっても萎まないようにお腹のお肉をおっぱいに行くようにしようかな。へへへへへ」


*ジェットの魔法はお肉のコントロールなんてできるのか? それにしても3人とも大きい胸が好きなのね*

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