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気になる
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*諸事情により元王太子の名前をアロイスに変更しております。よろしくお願いします。
アロイス殿下に会うには陛下の許可が必要らしい。
陛下は「今更アロイスに会ってどうしようというのだ。もうそっとしておいてやってくれ」となかなか許可を出してくれないそうだ。
せめて、ゲオルグの回復魔法で心穏やかになってくれたらいい。それだけなんだけどね。
ゲオルグは元々、元王太子のアロイス殿下の側近だったという。
アロイス殿下の願いで一緒に召喚の研究をしていたらしい。
彼の心の傷は髪のことだけではなく、アロイス殿下のこともあったのかもしれないな。
私はレオナード殿下に聞いてみた。
「ゲオルグはアロイス殿下とは親しかったのですか?」
「あぁ、。小さい頃から仲が良かったよ。ゲオルグの母上は私達の叔母なんだ」
「叔母?」
「うん、母上の妹。兄上は面倒見が良かったから、ゲオルグのことを弟のように可愛がっていた。髪のことをとやかく言う奴らからいつもゲオルグを庇っていたんだ。ゲオルグも兄上も母似でふたりは顔がよく似ているので兄弟に間違われたりもしていたんだ。私は父上に似ているから兄上とはあまり顔も雰囲気も似てないんだけどね」
どうやら、レオナード殿下はゲオルグに嫉妬していた時期があったようだな。レオナード殿下もアロイス殿下のことを慕っていたんだろう。
それならアロイス殿下は狼系か。レオナード殿下と陛下はおおらかで強いライオンっぽいもんな。王妃様はシャープな狼っぽい。
陛下と王妃さまはそう言われてみればライオンと狼かもしれない。
「聖女召喚も年々結界が緩んできているからと、兄上とゲオルグと神官達が色々調べて何年もかかってやっと成功したんだ。でも成功する前に兄上はあんなことになって……」
なんだか、ゲオルグとアロイス殿下との間にも色々ありそうね。
「ゲオルグとアロイス殿下は途中から距離が有ったのですか?」
殿下は眉根を寄せた。
「ゲオルグは頭もいいし、魔法は天才だったから学園にも飛び級で入って、年はかなり下だが、他の側近達と一緒に兄上の側にいたのだ。しかし、あの女が現れてから兄上はゲオルグを避け出した。きっと側近の中でゲオルグだけがあの女に傾倒しなかったので、あの女が兄上から引き離したのだろう」
ん? 側近達はみんなその令嬢に?
「まさか、魅了の魔法?」
「ちがうよ。あの女は魔法は使えないし、兄上は精神拘束魔法にはかからないように訓練されている。あの時、ゲオルグも兄上が何かの魔法にかけられているのかもと、色々調べたけど魔法の痕跡は一切出てこなかった」
魔法じゃないのか。でも何かおかしい。何かあるな。
「それならその令嬢はそんなにみんなを虜にするくらい魅力的だったのですか? 殿下から見てどんな感じでした?」
「私は全く魅力を感じなかった。マナーも酷いし、淑女としては全くダメ。下品で下劣な感じがした。兄上も最初は嫌っていたのだがいつの間にか取り込まれていた。私はエミーの方が100万倍魅力的だと思う。」
はいはい。惚気は結構です。取り込まれていたと言う言い方が気になるな。ひょっとして……。
「殿下、ゲオルグが回復魔法をかける前に私に鑑定させてくれませんか? もし可能ならその側近達も」
「あぁ、構わない。ただ兄上も側近達も騙されていたショックで心を病んでいて、みんな廃人のようになっているんだ」
殿下は目を伏せた。
もしも私の考えていることが当たりなら、アロイス殿下をもう一度日の当たる場所に引っ張り出せるかもしれない。
とにかく会ってみないとはじまらないな。
「殿下、陛下に会わせてもらえませんか? アロイス殿下に会えるよう直談判しますわ」
「うん。アイリ殿が言ってくれるなら父上も会わせてくれるかもしれないな」
それからすぐに陛下に謁見し、私は陛下にささやいた。
もとのアロイス殿下に戻るかもしれないと。
アロイス殿下に会うには陛下の許可が必要らしい。
陛下は「今更アロイスに会ってどうしようというのだ。もうそっとしておいてやってくれ」となかなか許可を出してくれないそうだ。
せめて、ゲオルグの回復魔法で心穏やかになってくれたらいい。それだけなんだけどね。
ゲオルグは元々、元王太子のアロイス殿下の側近だったという。
アロイス殿下の願いで一緒に召喚の研究をしていたらしい。
彼の心の傷は髪のことだけではなく、アロイス殿下のこともあったのかもしれないな。
私はレオナード殿下に聞いてみた。
「ゲオルグはアロイス殿下とは親しかったのですか?」
「あぁ、。小さい頃から仲が良かったよ。ゲオルグの母上は私達の叔母なんだ」
「叔母?」
「うん、母上の妹。兄上は面倒見が良かったから、ゲオルグのことを弟のように可愛がっていた。髪のことをとやかく言う奴らからいつもゲオルグを庇っていたんだ。ゲオルグも兄上も母似でふたりは顔がよく似ているので兄弟に間違われたりもしていたんだ。私は父上に似ているから兄上とはあまり顔も雰囲気も似てないんだけどね」
どうやら、レオナード殿下はゲオルグに嫉妬していた時期があったようだな。レオナード殿下もアロイス殿下のことを慕っていたんだろう。
それならアロイス殿下は狼系か。レオナード殿下と陛下はおおらかで強いライオンっぽいもんな。王妃様はシャープな狼っぽい。
陛下と王妃さまはそう言われてみればライオンと狼かもしれない。
「聖女召喚も年々結界が緩んできているからと、兄上とゲオルグと神官達が色々調べて何年もかかってやっと成功したんだ。でも成功する前に兄上はあんなことになって……」
なんだか、ゲオルグとアロイス殿下との間にも色々ありそうね。
「ゲオルグとアロイス殿下は途中から距離が有ったのですか?」
殿下は眉根を寄せた。
「ゲオルグは頭もいいし、魔法は天才だったから学園にも飛び級で入って、年はかなり下だが、他の側近達と一緒に兄上の側にいたのだ。しかし、あの女が現れてから兄上はゲオルグを避け出した。きっと側近の中でゲオルグだけがあの女に傾倒しなかったので、あの女が兄上から引き離したのだろう」
ん? 側近達はみんなその令嬢に?
「まさか、魅了の魔法?」
「ちがうよ。あの女は魔法は使えないし、兄上は精神拘束魔法にはかからないように訓練されている。あの時、ゲオルグも兄上が何かの魔法にかけられているのかもと、色々調べたけど魔法の痕跡は一切出てこなかった」
魔法じゃないのか。でも何かおかしい。何かあるな。
「それならその令嬢はそんなにみんなを虜にするくらい魅力的だったのですか? 殿下から見てどんな感じでした?」
「私は全く魅力を感じなかった。マナーも酷いし、淑女としては全くダメ。下品で下劣な感じがした。兄上も最初は嫌っていたのだがいつの間にか取り込まれていた。私はエミーの方が100万倍魅力的だと思う。」
はいはい。惚気は結構です。取り込まれていたと言う言い方が気になるな。ひょっとして……。
「殿下、ゲオルグが回復魔法をかける前に私に鑑定させてくれませんか? もし可能ならその側近達も」
「あぁ、構わない。ただ兄上も側近達も騙されていたショックで心を病んでいて、みんな廃人のようになっているんだ」
殿下は目を伏せた。
もしも私の考えていることが当たりなら、アロイス殿下をもう一度日の当たる場所に引っ張り出せるかもしれない。
とにかく会ってみないとはじまらないな。
「殿下、陛下に会わせてもらえませんか? アロイス殿下に会えるよう直談判しますわ」
「うん。アイリ殿が言ってくれるなら父上も会わせてくれるかもしれないな」
それからすぐに陛下に謁見し、私は陛下にささやいた。
もとのアロイス殿下に戻るかもしれないと。
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