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婚約者になるつもりはないわ
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私は神殿から王宮に移された。聖女なのに王宮預かりになるらしい。
「この部屋を使って欲しい。そなた専用の侍女のハンナとメラニーだ。ふたりは私の乳母とその娘でどちらも信用できる者だから安心してくれ。ハンナ、アイリ殿の着替えを頼む」
「はい。ハンナでございます。これからアイリ様のお世話をさせていただきます。よろしくお願いします。これは娘のメラニーです」
「ハンナ、メラニー、よろしくお願いします。私はこの国の事は何も知りません。色々教えてください」
私はふたりに頭を下げた。
「アイリ様、そんな勿体無い。私達に頭を下げるなど」
ハンナを困らせてしまった。
「私はこの国では何の爵位も無い平民です。あなた方よりも下の者です」
「いえ、聖女様は公爵に匹敵する身分でございます。それにアイリ様はどこからどう見ても平民とは思えません。王族、公爵令嬢、そのようにお見受け致します」
ハンナはなかなか鋭い。
私は前世は公爵家の娘、母は王妹だから一応王位継承権のある王族。それに5歳の時から王太子妃教育を受けていて、そこで受けた教育は転生した今でも骨の髄まで染み込んでいる。
「そう言ってもらえると嬉しいですが、私がいた世界は貴族も平民もなく、皆が同じ身分で暮らす世界でした」
「では、皆様がアイリ様のように素晴らしいのですね」
「もう、そんなに持ち上げないで下さい」
褒め殺しか。私は穴があったら入りたい気分になった。
王宮で用意されていたドレスに着替えた。懐かしい気分になる。
それにしても悪役令嬢の次は聖女とは驚きだ。お約束の婚約破棄は勘弁してほしい。
日本に生まれてから懐かしくて異世界ファンタジー小説をたくさん読んだ。私はその世界にいたし、悪役令嬢にされた当事者。小説のように断罪されてから巻き返し、王太子や聖女達にざまぁすることはできなかった。ただ処刑されただけ。現実はそんなものなのよね。
この世界では私は、王太子の婚約者を無実の罪で断罪し、婚約破棄させ、自分が婚約者に取って代わる聖女には絶対ならない。
あのキラキラ王太子は好みじゃ無い。私はあくまで国を助ける聖女だ。そのうちひょっとしたら日本に戻れるかもしれないしね。
そうだ、王太子の婚約者と仲良くしよう。きっと年齢も同じくらいだろう。
王太子に言って会わせてもらおう。
私は王太子の婚約者と友達になると心に決めた。
軽食を取るためにサロンに案内された。サロンには王太子が待っていた。
王太子は私に召喚の際の無礼を再び詫び、これからの私の生活について説明してくれた。
「アイリ殿はこれからはこの王宮で生活することになった。まずはこの国について学んで欲しい。それと並行して聖女としての仕事もお願いしたい。差し当たってこの国の事は私が教えようと思っている」
王太子自らか。それはまずいな。
「殿下自らでございますか。殿下には婚約者はいらっしゃらないのですか? できればその方にお願いしとうございます」
私は王太子に聞いてみた。
「婚約者か。いることはいるのだが……」
王太子の口は重い。上手くいってないのだろうか? まぁ、私もアイリーンの頃、婚約者の王太子とはそんなに上手くはいってなかった。私達の場合は王太子を補う為に私が忙し過ぎてすれ違っていたことや、王太子が私を疎ましく思っていたからなのだが、この王太子はあの方ほど馬鹿ではないし、何か拗らせているのかもしれない。
「なぜ婚約者を?」
王太子が私に聞き返してきた。
「きっと殿下の婚約者は私と同世代だと思うので、同世代で同性の方から色々なことを教えてもらえれば、私もこの国に馴染みやすいかと思ったのです。それに殿下とあまり近づきすぎると周りからあらぬ誤解をうけることもございます。それならば婚約者のご令嬢と親しくなっておいた方が良いかと思いまして」
「そうか、確かにそなたの言う通りだな」
王太子は何か考え込んでいるようだ。
「わかった婚約者を紹介しよう。話してみるので少し待っていて欲しい」
「ありがとうございます」
王太子は難しい顔をして席を立った。
「この部屋を使って欲しい。そなた専用の侍女のハンナとメラニーだ。ふたりは私の乳母とその娘でどちらも信用できる者だから安心してくれ。ハンナ、アイリ殿の着替えを頼む」
「はい。ハンナでございます。これからアイリ様のお世話をさせていただきます。よろしくお願いします。これは娘のメラニーです」
「ハンナ、メラニー、よろしくお願いします。私はこの国の事は何も知りません。色々教えてください」
私はふたりに頭を下げた。
「アイリ様、そんな勿体無い。私達に頭を下げるなど」
ハンナを困らせてしまった。
「私はこの国では何の爵位も無い平民です。あなた方よりも下の者です」
「いえ、聖女様は公爵に匹敵する身分でございます。それにアイリ様はどこからどう見ても平民とは思えません。王族、公爵令嬢、そのようにお見受け致します」
ハンナはなかなか鋭い。
私は前世は公爵家の娘、母は王妹だから一応王位継承権のある王族。それに5歳の時から王太子妃教育を受けていて、そこで受けた教育は転生した今でも骨の髄まで染み込んでいる。
「そう言ってもらえると嬉しいですが、私がいた世界は貴族も平民もなく、皆が同じ身分で暮らす世界でした」
「では、皆様がアイリ様のように素晴らしいのですね」
「もう、そんなに持ち上げないで下さい」
褒め殺しか。私は穴があったら入りたい気分になった。
王宮で用意されていたドレスに着替えた。懐かしい気分になる。
それにしても悪役令嬢の次は聖女とは驚きだ。お約束の婚約破棄は勘弁してほしい。
日本に生まれてから懐かしくて異世界ファンタジー小説をたくさん読んだ。私はその世界にいたし、悪役令嬢にされた当事者。小説のように断罪されてから巻き返し、王太子や聖女達にざまぁすることはできなかった。ただ処刑されただけ。現実はそんなものなのよね。
この世界では私は、王太子の婚約者を無実の罪で断罪し、婚約破棄させ、自分が婚約者に取って代わる聖女には絶対ならない。
あのキラキラ王太子は好みじゃ無い。私はあくまで国を助ける聖女だ。そのうちひょっとしたら日本に戻れるかもしれないしね。
そうだ、王太子の婚約者と仲良くしよう。きっと年齢も同じくらいだろう。
王太子に言って会わせてもらおう。
私は王太子の婚約者と友達になると心に決めた。
軽食を取るためにサロンに案内された。サロンには王太子が待っていた。
王太子は私に召喚の際の無礼を再び詫び、これからの私の生活について説明してくれた。
「アイリ殿はこれからはこの王宮で生活することになった。まずはこの国について学んで欲しい。それと並行して聖女としての仕事もお願いしたい。差し当たってこの国の事は私が教えようと思っている」
王太子自らか。それはまずいな。
「殿下自らでございますか。殿下には婚約者はいらっしゃらないのですか? できればその方にお願いしとうございます」
私は王太子に聞いてみた。
「婚約者か。いることはいるのだが……」
王太子の口は重い。上手くいってないのだろうか? まぁ、私もアイリーンの頃、婚約者の王太子とはそんなに上手くはいってなかった。私達の場合は王太子を補う為に私が忙し過ぎてすれ違っていたことや、王太子が私を疎ましく思っていたからなのだが、この王太子はあの方ほど馬鹿ではないし、何か拗らせているのかもしれない。
「なぜ婚約者を?」
王太子が私に聞き返してきた。
「きっと殿下の婚約者は私と同世代だと思うので、同世代で同性の方から色々なことを教えてもらえれば、私もこの国に馴染みやすいかと思ったのです。それに殿下とあまり近づきすぎると周りからあらぬ誤解をうけることもございます。それならば婚約者のご令嬢と親しくなっておいた方が良いかと思いまして」
「そうか、確かにそなたの言う通りだな」
王太子は何か考え込んでいるようだ。
「わかった婚約者を紹介しよう。話してみるので少し待っていて欲しい」
「ありがとうございます」
王太子は難しい顔をして席を立った。
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