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17話 私の道?(ハウル視点)
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初めてエデルガルトに会った時、天使が来たのかと思った。
兄上やアロイスもそう思ったようだ。
エデルガルトはバウムガルテン王国の王女でうちの国の魔法学校に2年間留学するという。
エデルガルトは私よりひとつ上だ。私は騎士学校に行くつもりだったが、エデルガルトが魔法学校に行くなら私もそうしよう。確か魔法学校には魔法騎士科があったはずだ。
実のところ学校なんてなんでもいい。私は次男なので、将来は国王になる兄上の補佐だろう。兄上を押し退けて国王になどなる気もない。
だからとりあえず騎士科あたりが無難だろうと思っている。あいつは騎士を目指しているんだと周りに思わせれば私を担ぎ上げようなどというややこしい輩も出てこないだろう。
我が国はお祖父様も父上も側妃も愛妾も持たずに妃はひとりだけだ。なので子供も皆、同じ母なので、仲は良い。跡継ぎは兄上、私とアロイスは兄上の補佐と問題なく決まっている。エデルガルトは兄上の妃候補なのだろう。でもエデルガルトと結婚できるなら兄上を押し退けるのもありかもしれない。
しかし、兄上が訳のわからないことを言い出した。
「エデルは私の婚約者だからな。邪な気持ちを持つんじゃないぞ」
兄上もエデルガルトを狙っているのか、でもまだ婚約したわけじゃない。
母上は兄上はエデルガルトに一目惚れしたみたいだと言っている。私も一目惚れしたのに兄上だけみたいに言われるのは嫌だな。
兄上とエデルガルトには何か事情があるらしい。母上は後で説明すると言っていた。なんだろう? 私は気になって食事どころではなかった。
食事の後私達は父母から、エデルガルトは暗殺された女王が現国王である弟の娘として生まれ変わってきたと聞かされた。
その上、兄上が亡くなった叔父上の生まれ変わりだとも聞かされた。兄上は今まで前世の記憶はなかったが、エデルガルトと出会い思い出したらしい。
だから婚約者だとか言って、私を牽制していたのか。
生まれ変わりか……確かに我が国では生まれ変わりの魔法がある。でもそれは大変な魔法で使える者はそんなにいない。魔法で生まれ変わったのか? 本当に生まれ変わった者がいたなんて。
確かにエデルガルトは8歳にしては大人っぽい。そう言われてみればそうかもしれない。
我が国には留学してもっと魔法を学ぶのど、暗殺した犯人探しに来ているという。
犯人に狙われる可能性もあるので護衛騎士や影を大量につけるそうだ。そしてあの女を傍に置くという。
あの女とはエルネスティーネ・ダウム。ダウム家は表の顔は宰相の家だが、裏の顔は我が国の暗部を取りまとめている家だ。
エルネスティーネはその家の令嬢。私よりちょっと年上らしいが本当の年はわからない。あの家の者は何か本当かわからないのだ。
小さい頃から任務を遂行できるように鍛えられるらしい。エルネスティーネはきっと私より強いと思う。同じ女だし、エデルガルトの護衛にはうってつけだと思うが、エデルガルトがあいつに精神拘束魔法をかけられて傀儡されてしまうのではないかと心配なのだ。
私の心配をよそに、ふたりは意気投合してしまった。まさかもう魔法にかけられたのか? エデルガルトは純粋だから、きっとエルネスティーネに騙されているんだ。兄上は何をしているんだ。婚約者と言うならエデルガルトを守れよ!
私は見張りのためにふたりの茶会を邪魔することにした。
しかし、そこでエルネスティーネは思いがけない行動に出た。
遮音魔法をかけ、エデルガルトに自分の秘密をカミングアウトしたのだ。
私達王族は知っているが、あいつがエデルガルトの傍にいるのは任務だろ? バレない方がいいのではないのか? 別にエデルガルトに知らせる必要はない。それなのになぜだ?
するとエデルガルトは急にエルネスティーネを抱きしめた。
「ティーネ、辛かったでしょう。普通の女の子になりたいよね。そんな家に生まれなきゃ、そんな体質でなければ普通に結婚して穏やかな毎日が過ごせたのに」
私は青天の霹靂だった。エルネスティーネが辛い? まさか。あいつはそんなタマか? なのにエルネスティーネはポロポロと涙を流している。演技か? 一瞬そう思ったがそうでは無いようだ。
私は暗部の駒だといつも言って不敵に笑っていたエルネスティーネ。それを本心だと思っていた。私もまだまだだな。
やはりエデルガルトは生まれ変わっているだけあって大人なんだろう。
私ではエデルガルトは無理だな。レベルが違う。しかし、兄上の妃にするのはなんだか嫌だな。でもやっぱり兄上か。兄上と結婚して我が国の王妃になるのがベストだよな。私はエルネスティーネとともに二人を支える。
えっ? エルネスティーネとともに?
あれ? どうしたんだろう? エルネスティーネのこと良く思ってなかったのに。
まるで魔法にかかったみたいだ。
ヤバい魔法を使うのはエルネスティーネではなくエデルガルトじゃないのかとその時思った。だからこそ王妃に相応しい。
仕方がない。兄上の為に頑張るか。
まぁ、とにかくそれより今は犯人を見つけて、エデルガルトが安心できるようにしなくてはならない。私も暗部で鍛えてもらおうかな?
エルネスティーネはきっと首を左右に振り「あんたには無理よ」と言うだろう。
そんなことを思いながら菓子を手に取り頬張った。
兄上やアロイスもそう思ったようだ。
エデルガルトはバウムガルテン王国の王女でうちの国の魔法学校に2年間留学するという。
エデルガルトは私よりひとつ上だ。私は騎士学校に行くつもりだったが、エデルガルトが魔法学校に行くなら私もそうしよう。確か魔法学校には魔法騎士科があったはずだ。
実のところ学校なんてなんでもいい。私は次男なので、将来は国王になる兄上の補佐だろう。兄上を押し退けて国王になどなる気もない。
だからとりあえず騎士科あたりが無難だろうと思っている。あいつは騎士を目指しているんだと周りに思わせれば私を担ぎ上げようなどというややこしい輩も出てこないだろう。
我が国はお祖父様も父上も側妃も愛妾も持たずに妃はひとりだけだ。なので子供も皆、同じ母なので、仲は良い。跡継ぎは兄上、私とアロイスは兄上の補佐と問題なく決まっている。エデルガルトは兄上の妃候補なのだろう。でもエデルガルトと結婚できるなら兄上を押し退けるのもありかもしれない。
しかし、兄上が訳のわからないことを言い出した。
「エデルは私の婚約者だからな。邪な気持ちを持つんじゃないぞ」
兄上もエデルガルトを狙っているのか、でもまだ婚約したわけじゃない。
母上は兄上はエデルガルトに一目惚れしたみたいだと言っている。私も一目惚れしたのに兄上だけみたいに言われるのは嫌だな。
兄上とエデルガルトには何か事情があるらしい。母上は後で説明すると言っていた。なんだろう? 私は気になって食事どころではなかった。
食事の後私達は父母から、エデルガルトは暗殺された女王が現国王である弟の娘として生まれ変わってきたと聞かされた。
その上、兄上が亡くなった叔父上の生まれ変わりだとも聞かされた。兄上は今まで前世の記憶はなかったが、エデルガルトと出会い思い出したらしい。
だから婚約者だとか言って、私を牽制していたのか。
生まれ変わりか……確かに我が国では生まれ変わりの魔法がある。でもそれは大変な魔法で使える者はそんなにいない。魔法で生まれ変わったのか? 本当に生まれ変わった者がいたなんて。
確かにエデルガルトは8歳にしては大人っぽい。そう言われてみればそうかもしれない。
我が国には留学してもっと魔法を学ぶのど、暗殺した犯人探しに来ているという。
犯人に狙われる可能性もあるので護衛騎士や影を大量につけるそうだ。そしてあの女を傍に置くという。
あの女とはエルネスティーネ・ダウム。ダウム家は表の顔は宰相の家だが、裏の顔は我が国の暗部を取りまとめている家だ。
エルネスティーネはその家の令嬢。私よりちょっと年上らしいが本当の年はわからない。あの家の者は何か本当かわからないのだ。
小さい頃から任務を遂行できるように鍛えられるらしい。エルネスティーネはきっと私より強いと思う。同じ女だし、エデルガルトの護衛にはうってつけだと思うが、エデルガルトがあいつに精神拘束魔法をかけられて傀儡されてしまうのではないかと心配なのだ。
私の心配をよそに、ふたりは意気投合してしまった。まさかもう魔法にかけられたのか? エデルガルトは純粋だから、きっとエルネスティーネに騙されているんだ。兄上は何をしているんだ。婚約者と言うならエデルガルトを守れよ!
私は見張りのためにふたりの茶会を邪魔することにした。
しかし、そこでエルネスティーネは思いがけない行動に出た。
遮音魔法をかけ、エデルガルトに自分の秘密をカミングアウトしたのだ。
私達王族は知っているが、あいつがエデルガルトの傍にいるのは任務だろ? バレない方がいいのではないのか? 別にエデルガルトに知らせる必要はない。それなのになぜだ?
するとエデルガルトは急にエルネスティーネを抱きしめた。
「ティーネ、辛かったでしょう。普通の女の子になりたいよね。そんな家に生まれなきゃ、そんな体質でなければ普通に結婚して穏やかな毎日が過ごせたのに」
私は青天の霹靂だった。エルネスティーネが辛い? まさか。あいつはそんなタマか? なのにエルネスティーネはポロポロと涙を流している。演技か? 一瞬そう思ったがそうでは無いようだ。
私は暗部の駒だといつも言って不敵に笑っていたエルネスティーネ。それを本心だと思っていた。私もまだまだだな。
やはりエデルガルトは生まれ変わっているだけあって大人なんだろう。
私ではエデルガルトは無理だな。レベルが違う。しかし、兄上の妃にするのはなんだか嫌だな。でもやっぱり兄上か。兄上と結婚して我が国の王妃になるのがベストだよな。私はエルネスティーネとともに二人を支える。
えっ? エルネスティーネとともに?
あれ? どうしたんだろう? エルネスティーネのこと良く思ってなかったのに。
まるで魔法にかかったみたいだ。
ヤバい魔法を使うのはエルネスティーネではなくエデルガルトじゃないのかとその時思った。だからこそ王妃に相応しい。
仕方がない。兄上の為に頑張るか。
まぁ、とにかくそれより今は犯人を見つけて、エデルガルトが安心できるようにしなくてはならない。私も暗部で鍛えてもらおうかな?
エルネスティーネはきっと首を左右に振り「あんたには無理よ」と言うだろう。
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