7 / 28
7話 3歳になりました
しおりを挟む
今日は私の3歳の誕生日パーティーだ。
1歳の時よりも今回は護衛騎士や魔導士がやたらたくさんいる。もちろん影もわんさかいるようだ。
今日は私は白いフリルがひらひらしていて、生地が柔らかく、スカートがふわふわしたドレスを着せられている。スカートには白い花のモチーフがたくさんついている。軽い生地でできたモチーフなので重くはない。
髪も結構伸びてきたので可愛くハーフアップに結ってもらい、ドレスのモチーフと同じ白い花の髪飾りをつけられた。
披露パーティーの時に私が着せられそうになった白字に金の刺繍が施された謎のドレスを調べてみたら、小さな毒針が仕込まれていて、あれを着ていたら即死だった。おかしいと気づいて本当によかった。
犯人は幻影魔法が使える奴だ。この2年の間に幻影魔法や悪意のある魔法を察知できるような魔法を前世の私が鍛えた魔導士達が作り上げた。彼らからは2度と王女を失わないと執念すら感じる。
コンコン
扉を叩く音がする。
「はい」
メアリーが返事をする。
扉が開き、顔を出したのはアーベルだった。
「用意ができたようだね。今日のエデルは格別に可愛いな。不埒な奴らの手に落ちないようにこの魔道具をつけておこう」
アーベルはポケットから花の形に石を並べたネックレスを取り出して私の首につけた。私につけたネックレス型の魔道具は邪な心を持った奴が私に触れるとかなり強力な電気ショックを受けるらしい。これには、前のように何かあってはいけないというアーベルの気合いを感じる。そんな人に遭遇したくはないが、どうな風になるかちょっと見てみたい気もする。
「まぁ、今日は悪人にはエデルに指一本触れさせるつもりはないがな」
アーベルは気合い十分だ。
さすがに3歳ともなると拙くはあるが言葉を話すことができる。
「パパ、ぱーちぃの警護は大丈夫? おじいちゃまのまわりは特に注意ちてね」
「あぁ、父上には幻影魔法に惑わされない眼鏡をかけてもらっている。それに影をはべらして、厄介な奴は近づけないようにしているよ。王太后様も目を光らせている。エデルはずっと私が抱っこいている予定だ」
「また、犯人はわたくちに接触しようとちてくるかも?」
私は普段は堅い守りの中にいる。魔導士達によって何重にも結界魔法がかけられた場所にいる。私が幼児のうちは危ないのでこうしておくらしい。私は王宮の中の安心安全な場所でのんびり幼児ライフを送っている。
3歳児ではあるけれど、女王エデルガルトの記憶や知識はそのままあるので、勉強なども特にしなくても脳や身体に染み付いている。今回はその辺りは楽だ。
そうそう、今、私の側にはあの時の誘拐犯のふたりがいる。この2年の間、ふたりはに鍛えられいっぱしの護衛になった。そして魔法で姿を変え、名前もトーマスとジェフリーに変えた。
「まぁ、トーマスとジェフリーもいるしな」
「しょうね。トーマチュもジェフジーもルドルフにきちゃえられて強くなったもんね」
「あぁ、それにあいつらはあいつらに直接指示した奴のことは覚えている」
「来たらわかりゅといいわにぇ」
私の幼児言葉に普通に対応しているアーベルはなかなか大した奴だと思う。血の繋がりでわかるのだろうか?
3歳になるまでにも私は何度か命を狙われた。その都度、優秀な護衛騎士や魔導士、影達が助けてくれている。それはもう感謝しかない。
今日のパーティーは私の3歳の誕生日パーティーと弟の1歳のお披露目パーティーも兼ねている。去年生まれた弟のルートガーは特に誰かの生まれ変わりというわけではなく何の記憶も無いただの赤ちゃんのようだ。
「エデル、ルーは手がかかる。やっぱり君は姉上の生まれ変わりだけあるなぁ。ルーも誰かすごい人の生まれ変わりならいいのに」
アーベルはそんな間抜けた事を言う。
「アーベル様、ルーがもし悪い人の生まれ変わりだったらどうするのですか? 普通の子でいいのよ」
母のローザリアは困り顔だ。
「わたくちもふちゅーのこよ」
「そうね」
私は母と顔を見合わせて微笑み合う。
アーベルは元々第2王子だった。それなのに急に王太子になり、急に国王になった。自分でも国王に向いていないことはよくわかっている。
今は妻のローザリアと母親の王太后、そして父親の元国王に支えられなんとか国王として頑張っている。
本来の王太子だった嫡男が廃嫡され、頼りの姉も暗殺され、仕方なく国王になった。とばっちりといえばとばっちりなのだ。そう思うと可哀想かもしれない。
しかし、今は国王なのだしっかりしてもらわないと困る。なってしまった以上やるしかないのだ。
「お父しゃま、しっかりしてくだしゃいまちぇ」
「エデル。やっぱり女王は嫌か?」
「嫌でしゅ。絶対嫌!」
「そうか残念だなぁ。エデルは女王に向いているのに」
性懲りもないやつだ。私は今度は絶対女王になんかならない。
「ゲオ、行こう」
私は護衛のゲオルグの手を引っ張り部屋を出た。
ゲオルグは宰相の末の息子で18歳になる。つい最近、留学していたクラウベルク王国から戻ってきた。
クラウベルク王国では、魔法と剣を学んでいたそうで、今は私の護衛として傍にいてくれている。
ゲオルグはライムント程ではないが、なかなか優秀な魔導士で、魔法騎士でもある。
「大変ですね。相変わらず陛下はエデル様を女王にしようとしている」
「ほんとにね。わたくちは女王なんかにならないわ」
生まれ変わりたくなんてなかった。できれば、エアハルトが魅了の魔法にかかる前に時を戻して欲しかった。
そしたらあいつに魅了の魔法無効の魔道具をつけまくってやる。あのアンボンタンが魔法にかかるから私がこんな目にあうんだ。全くもう。
「エデル様の百面相はいつも面白いです。また、何やらよからぬことを考えているのですか?」
ゲオルグはくくくと笑っている。
「もう、よからぬことなんちぇ、かんがえてないわ!」
私はゲオルグを睨んだが、まだ笑っている。変なやつだ。
「さぁ、そろそろ行きましょうか。父と合流します。エデル様、気を引き締めてくださいね」
「ゲオもね」
そろそろパーティーが始まる。
◆◆◆
会場にはたくさんの貴族が集まっている。爵位が低い順に入場だ。今は伯爵家が入場している。私達王族は最後に入場する。
入場の合図が来るまでここで待機だ。ここには私と父母、弟、祖父母がいる。祖父は祖母に何やら言い含められているようだ。祖母と目が合った。
「エデル、今日はこの人はあなたに近づけないから安心してね。私がしっかり見張っているわ」
祖母はウインクをする。
「私はもうヘマはしない。エデルを守る」
祖父は何だか変なスイッチが入っているようだ。
私も3歳になったし、そろそろ自衛できるくらいの魔法の練習でもしなきゃね。守られてばかりでは動きづらい。
「皆が揃いました。お出ましくださいませ」
宰相の声がした。
父を先頭に私達も入場する。
さぁ、パーティーが始まった。
「皆の者、今日はエデルガルト姫の3歳の祝いとルートガー王子の1歳の披露目の儀に集まってくれて礼を申す。楽しい時間を過ごしてもらえたら嬉しい。このふたりもきっと王国を繁栄させる大きな力になるであろう。皆の者このふたりをよろしく頼む」
とりあえず王様らしい挨拶はできたようだ。
アーベルは玉座に座る。
今日は私の1歳のお披露目パーティーのような立ち挨拶は無しだ。
王家は座り、貴族達が順番に挨拶に来るようにした。
この方が守りやすい。私もだが、ルートガーも狙われるかもしれない。
犯人の目的は国を我がものにする事なのだろうか? それとも私に対する私怨か?
まだよくわからない。
わかっていることは、国王のアーベルは今のところ、狙われてはいない。
前回の私の死はミアの自白によって黒幕にまで行きつき、亡き者にしたということだし、実行犯のミアもライムントに殺されたらしい。
今度は殺されたくないし、国も民達も守らなければならない。
いったい誰が何のために私を狙っているのだろう?
あ~、小さい身体がもどかしい。早く大きくならないものか。
貴族達の退屈な挨拶を眺めながら私のイライラのボルテージは上がりまくっていた。
1歳の時よりも今回は護衛騎士や魔導士がやたらたくさんいる。もちろん影もわんさかいるようだ。
今日は私は白いフリルがひらひらしていて、生地が柔らかく、スカートがふわふわしたドレスを着せられている。スカートには白い花のモチーフがたくさんついている。軽い生地でできたモチーフなので重くはない。
髪も結構伸びてきたので可愛くハーフアップに結ってもらい、ドレスのモチーフと同じ白い花の髪飾りをつけられた。
披露パーティーの時に私が着せられそうになった白字に金の刺繍が施された謎のドレスを調べてみたら、小さな毒針が仕込まれていて、あれを着ていたら即死だった。おかしいと気づいて本当によかった。
犯人は幻影魔法が使える奴だ。この2年の間に幻影魔法や悪意のある魔法を察知できるような魔法を前世の私が鍛えた魔導士達が作り上げた。彼らからは2度と王女を失わないと執念すら感じる。
コンコン
扉を叩く音がする。
「はい」
メアリーが返事をする。
扉が開き、顔を出したのはアーベルだった。
「用意ができたようだね。今日のエデルは格別に可愛いな。不埒な奴らの手に落ちないようにこの魔道具をつけておこう」
アーベルはポケットから花の形に石を並べたネックレスを取り出して私の首につけた。私につけたネックレス型の魔道具は邪な心を持った奴が私に触れるとかなり強力な電気ショックを受けるらしい。これには、前のように何かあってはいけないというアーベルの気合いを感じる。そんな人に遭遇したくはないが、どうな風になるかちょっと見てみたい気もする。
「まぁ、今日は悪人にはエデルに指一本触れさせるつもりはないがな」
アーベルは気合い十分だ。
さすがに3歳ともなると拙くはあるが言葉を話すことができる。
「パパ、ぱーちぃの警護は大丈夫? おじいちゃまのまわりは特に注意ちてね」
「あぁ、父上には幻影魔法に惑わされない眼鏡をかけてもらっている。それに影をはべらして、厄介な奴は近づけないようにしているよ。王太后様も目を光らせている。エデルはずっと私が抱っこいている予定だ」
「また、犯人はわたくちに接触しようとちてくるかも?」
私は普段は堅い守りの中にいる。魔導士達によって何重にも結界魔法がかけられた場所にいる。私が幼児のうちは危ないのでこうしておくらしい。私は王宮の中の安心安全な場所でのんびり幼児ライフを送っている。
3歳児ではあるけれど、女王エデルガルトの記憶や知識はそのままあるので、勉強なども特にしなくても脳や身体に染み付いている。今回はその辺りは楽だ。
そうそう、今、私の側にはあの時の誘拐犯のふたりがいる。この2年の間、ふたりはに鍛えられいっぱしの護衛になった。そして魔法で姿を変え、名前もトーマスとジェフリーに変えた。
「まぁ、トーマスとジェフリーもいるしな」
「しょうね。トーマチュもジェフジーもルドルフにきちゃえられて強くなったもんね」
「あぁ、それにあいつらはあいつらに直接指示した奴のことは覚えている」
「来たらわかりゅといいわにぇ」
私の幼児言葉に普通に対応しているアーベルはなかなか大した奴だと思う。血の繋がりでわかるのだろうか?
3歳になるまでにも私は何度か命を狙われた。その都度、優秀な護衛騎士や魔導士、影達が助けてくれている。それはもう感謝しかない。
今日のパーティーは私の3歳の誕生日パーティーと弟の1歳のお披露目パーティーも兼ねている。去年生まれた弟のルートガーは特に誰かの生まれ変わりというわけではなく何の記憶も無いただの赤ちゃんのようだ。
「エデル、ルーは手がかかる。やっぱり君は姉上の生まれ変わりだけあるなぁ。ルーも誰かすごい人の生まれ変わりならいいのに」
アーベルはそんな間抜けた事を言う。
「アーベル様、ルーがもし悪い人の生まれ変わりだったらどうするのですか? 普通の子でいいのよ」
母のローザリアは困り顔だ。
「わたくちもふちゅーのこよ」
「そうね」
私は母と顔を見合わせて微笑み合う。
アーベルは元々第2王子だった。それなのに急に王太子になり、急に国王になった。自分でも国王に向いていないことはよくわかっている。
今は妻のローザリアと母親の王太后、そして父親の元国王に支えられなんとか国王として頑張っている。
本来の王太子だった嫡男が廃嫡され、頼りの姉も暗殺され、仕方なく国王になった。とばっちりといえばとばっちりなのだ。そう思うと可哀想かもしれない。
しかし、今は国王なのだしっかりしてもらわないと困る。なってしまった以上やるしかないのだ。
「お父しゃま、しっかりしてくだしゃいまちぇ」
「エデル。やっぱり女王は嫌か?」
「嫌でしゅ。絶対嫌!」
「そうか残念だなぁ。エデルは女王に向いているのに」
性懲りもないやつだ。私は今度は絶対女王になんかならない。
「ゲオ、行こう」
私は護衛のゲオルグの手を引っ張り部屋を出た。
ゲオルグは宰相の末の息子で18歳になる。つい最近、留学していたクラウベルク王国から戻ってきた。
クラウベルク王国では、魔法と剣を学んでいたそうで、今は私の護衛として傍にいてくれている。
ゲオルグはライムント程ではないが、なかなか優秀な魔導士で、魔法騎士でもある。
「大変ですね。相変わらず陛下はエデル様を女王にしようとしている」
「ほんとにね。わたくちは女王なんかにならないわ」
生まれ変わりたくなんてなかった。できれば、エアハルトが魅了の魔法にかかる前に時を戻して欲しかった。
そしたらあいつに魅了の魔法無効の魔道具をつけまくってやる。あのアンボンタンが魔法にかかるから私がこんな目にあうんだ。全くもう。
「エデル様の百面相はいつも面白いです。また、何やらよからぬことを考えているのですか?」
ゲオルグはくくくと笑っている。
「もう、よからぬことなんちぇ、かんがえてないわ!」
私はゲオルグを睨んだが、まだ笑っている。変なやつだ。
「さぁ、そろそろ行きましょうか。父と合流します。エデル様、気を引き締めてくださいね」
「ゲオもね」
そろそろパーティーが始まる。
◆◆◆
会場にはたくさんの貴族が集まっている。爵位が低い順に入場だ。今は伯爵家が入場している。私達王族は最後に入場する。
入場の合図が来るまでここで待機だ。ここには私と父母、弟、祖父母がいる。祖父は祖母に何やら言い含められているようだ。祖母と目が合った。
「エデル、今日はこの人はあなたに近づけないから安心してね。私がしっかり見張っているわ」
祖母はウインクをする。
「私はもうヘマはしない。エデルを守る」
祖父は何だか変なスイッチが入っているようだ。
私も3歳になったし、そろそろ自衛できるくらいの魔法の練習でもしなきゃね。守られてばかりでは動きづらい。
「皆が揃いました。お出ましくださいませ」
宰相の声がした。
父を先頭に私達も入場する。
さぁ、パーティーが始まった。
「皆の者、今日はエデルガルト姫の3歳の祝いとルートガー王子の1歳の披露目の儀に集まってくれて礼を申す。楽しい時間を過ごしてもらえたら嬉しい。このふたりもきっと王国を繁栄させる大きな力になるであろう。皆の者このふたりをよろしく頼む」
とりあえず王様らしい挨拶はできたようだ。
アーベルは玉座に座る。
今日は私の1歳のお披露目パーティーのような立ち挨拶は無しだ。
王家は座り、貴族達が順番に挨拶に来るようにした。
この方が守りやすい。私もだが、ルートガーも狙われるかもしれない。
犯人の目的は国を我がものにする事なのだろうか? それとも私に対する私怨か?
まだよくわからない。
わかっていることは、国王のアーベルは今のところ、狙われてはいない。
前回の私の死はミアの自白によって黒幕にまで行きつき、亡き者にしたということだし、実行犯のミアもライムントに殺されたらしい。
今度は殺されたくないし、国も民達も守らなければならない。
いったい誰が何のために私を狙っているのだろう?
あ~、小さい身体がもどかしい。早く大きくならないものか。
貴族達の退屈な挨拶を眺めながら私のイライラのボルテージは上がりまくっていた。
156
お気に入りに追加
1,392
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
【完結】婚約を解消して進路変更を希望いたします
宇水涼麻
ファンタジー
三ヶ月後に卒業を迎える学園の食堂では卒業後の進路についての話題がそここで繰り広げられている。
しかし、一つのテーブルそんなものは関係ないとばかりに四人の生徒が戯れていた。
そこへ美しく気品ある三人の女子生徒が近付いた。
彼女たちの卒業後の進路はどうなるのだろうか?
中世ヨーロッパ風のお話です。
HOTにランクインしました。ありがとうございます!
ファンタジーの週間人気部門で1位になりました。みなさまのおかげです!
ありがとうございます!
この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~
柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。
家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。
そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。
というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。
けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。
そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。
ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。
それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。
そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。
一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。
これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。
他サイトでも掲載中。
白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます
時岡継美
ファンタジー
初夜に旦那様から「白い結婚」を言い渡され、お飾り妻としての生活が始まったヴィクトリアのライフワークはなんとダンジョンの攻略だった。
侯爵夫人として最低限の仕事をする傍ら、旦那様にも使用人たちにも内緒でダンジョンのラスボス戦に向けて準備を進めている。
しかし実は旦那様にも何やら秘密があるようで……?
他サイトでは「お飾り妻の趣味はダンジョン攻略です」のタイトルで公開している作品を加筆修正しております。
誤字脱字報告ありがとうございます!
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる