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4話 元父母で現祖父母に会いました。
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今日は父母が私に会うためにここに来るらしい。
父が国王を退位したあと、ふたりは離宮に移り、のんびり暮らしているはずだったのだが、今はそうでもないらしい。
元々、父は穏やかで平和主義、腹黒い策士ではないので国王には向いていない。退位した後、エデルガルトが生きている間は趣味の絵を描いたり、庭師と一緒にガーデニングをしたりしながら楽しく暮らしていたが、亡くなってからは、現国王であるアーベルの手伝いをしているそうだ。
母はしっかり者なのでエデルガルトが生きている時から王太后として社交界を仕切っている。嫁の現王妃のローザリアとは小さい頃から王子妃教育で顔を合わせているので本当の娘のように仲が良い。エデルガルトが生きていた頃はよく3人でお茶会をしていた。
それにしても弟で王太子だったエアハルトが魅了の魔法にかかり、勝手に長年の婚約者だったローザリアに婚約破棄を告げたと聞いた時は母も私も驚きで腰を抜かしそうになった。
ローザリアがいるから、なんとかなるかという感じだったのに。簡単に魅了の魔法にかかってしまうくらいエアハルトの心には隙があったのだろう。
エアハルトは自分より出来のいいローザリアに対してコンプレックスがあったようだ。自分の弱さを認め、ローザリアとともに国政を行うと腹を括れていれば魅了の魔法になどかからなかったのだろう。
エアハルトは弱いくせにプライドが高かった。
私達はエアハルトより、ローザリアを選んだ。
魅了が解けたあと、エアハルトは友好国の女王の王配になった。王配と言っても沢山いる王配のうちのひとり。まぁ、側妃? 愛妾? みたいな感じのポジションらしい。エアハルトは見た目だけはものすごく良いので、女王が気に入ってくれたようだ。エアハルトが心穏やかに過ごせることを祈るしかない。
ローザリアはエアハルトの弟で王太子にスライドしたアーベルに是非にと望まれ王太子妃となった。
アーベルが子供の頃からローザリアを慕っていたのは知っていたし、王妃教育まで済ませてしまって、王家の深い部分まで知ってしまっているローザリアは可哀想だが、そうするしかなかった。
そして神様が私の願いを間違えて、私はふたりの子供に生まれ変わってしまった。
「エデル、もうすぐお義父様とお義母様が来られるわ。おふたりあなたに逢いたがっていたのよ」
ローザリアは私をエデルガルトの生まれ変わりにするらしい。
そうそう、ローザリアのたっての希望で私はエデルガルトと名付けられた。前世と同じ名前だ。
「今世では一応親なのでエデルと呼び捨てにするけど許してね」と言っていたな。
まぁ、許すしかない。
心では生まれ変わりではないと思っているのに、生まれ変わりとして扱うか……ローザリアの覚悟みたいなものを感じる。
いったいこの国はどうなっているのだろう。赤ちゃんになってしまったせいで動けないのが歯痒い。
―コンコン
扉を叩く音がする。扉が開きアーベルが顔を出した。
「入って」
また来たか。アーベルは仕事の合間にしょっちゅう私に会いに来る。
「エデル~、今日も可愛いな」
アーベルが私を抱き上げ頬ずりをする。朝からその言葉、何回も聞いているわ。
「我が子ながら本当に可愛いと思うわ。お義姉様が赤ちゃんの時もこんなに可愛らしかったのかしらね」
ローザリアも完全に親バカになっている。
「今度は何があってもエデルを守る。もうあんな思いはしたくないからね」
「そうね。お義姉様を亡くした時は私達だけじゃなく民も哀しんだもの。早く民達にもエデルはお義姉様の生まれ変わりだってお披露目したいわ」
いやいや、生まれ変わりだってお披露目をしたら、民達はこの王妃の頭はお花畑か? と思うよ。
生まれ変わり云々は黙っておこうよ。
◆◆◆
「王妃様、先王様と王太后様がお見えになりました」
「ありがとう。サロンに行くわ」
やっと来たか。
私はアーベルから乳母のメアリーに渡された。
メアリーは前世の私の乳母で私が亡くなるまで侍女として側にいてくれた。まさか今世でもまた乳母になってくれるなんて驚きだ。
「お嬢様のお子様の乳母も私がやりますよ。早く産んでくださいまし」とまだ結婚もしていない私によく言っていたが、まさか私の子供ではなく、また私の乳母になるとはね。
私の乳母はメアリーしかいないと、私が亡くなってから塞ぎ込んでいたらしいメアリーを引っ張り出してきてくれたアーベルには感謝しかないわ。
「エデルガルトお嬢様、私はあなた様のお世話が出来て幸せです。どうか私より先に亡くならないで下さいましね」
顔を見るたびに同じことを言う。私も今度はあんなに早く亡くなるつもりはないわよ。今の私の護衛は精鋭揃いだし、影も沢山張り付いているものね。そう簡単には殺されないわ。
「ローザリア、顔色がいいな」
「はい。産後の肥立も良いようです。お義父様、お義母様、娘のエデルガルトですわ」
ローザリアがメアリーの手から私を抱きとり父母に見せる。母は私を見て固まっている。
「ローザリア、この子……エデル?」
「やっぱりお義母様は分かりましたわね。この子はエデルガルトお義姉様の生まれ変わりですわ」
「そうなの? エデル、戻ってきてくれたのね」
母はローザリアから私を受け取り泣きだした。
母よ。簡単に信じるのか? 普通そこは引くだろう。
私の顔がお祖母様の涙でびしゃびしゃだ。メアリー、早く拭いてくれ~。
「本当にエデルの生まれ変わりなのか? 私はよくわからんがみんながそう言うならそうなのだろう。エデル、よく戻ってきたな。余程アーベルが頼りなかったか?」
父、いや、お祖父様は笑っている。
確かにアーベルは頼りないがローザリアとライムントがついていれば大丈夫だと死ぬ間際に思った。
まさかライムントが亡くなり、ローザリアも懐妊し、戦力不足を父と母が補ってくれていたとは。
「やはりエデルの存在は大きすぎたわ」
お祖母様はため息をつく。
「ねぇ、ローザ、この子はエデルの記憶があるのかしら? 自分がバウムガルテン王国の女王、エデルガルトの生まれ変わりだと分かっているのかしらね?」
「どうでしょうね。記憶があるといいのてすが……」
ローザリアは私の目を見つめる。知らんがなというような目で見つめかえした。
「早く話せるようになると良いな。またエデルが女王だ」
お祖父様のつぶやきは怖すぎる。
嫌よ。頭を左右に振ろうとしたが、まだ上手く振ることができない。
アーベルが私を抱き上げつぶやいた。
「姉上は女王になるのがいやだったんですよ。だから今世はできれば普通に嫁がせてやりたいです」
「そうね。エデルは嫌がっていたわね。でも誰と結婚するの? ライムントはもういないわ」
「そうですね。エデルはまだ生まれたばかりです。これから良い縁を探せばいいと思います」
アーベルは良いこと言った。でもできればライムントと結婚したかったな。やっぱり生まれ変わりではなく、巻き戻してほしかったわ。
お祖父様とお祖母様はすっかり私を気に入り、それ以来、離宮から毎日やってきて、また王宮に戻ろうかなんて言い出す始末だ。
私が亡くなって以来、暗く沈んでいた王宮も再び私の誕生で明るさを取り戻してきたようだ。
私は祖父母、父母、乳母のメアリー、そして王宮の使用人達からこれでもかというくらい溺愛され、もうすぐ1歳になる。
1歳になるとお披露目のパーティーが催される。
そこで、国内外に向けて、私の誕生を知らしめることになる。
もちろん警備は万全。騎士達だけでなく、クラウベルク王国で学んできた魔導士達が魔法で色々な対策を講じているらしい。
お披露目パーティーでまた、狐さんや狸さん達と会わなければならないかと思うとゾッとするが、私のやり直しの人生はまだ始まったばかり、どんな披露パーティーになるのか楽しみにしよう。
父が国王を退位したあと、ふたりは離宮に移り、のんびり暮らしているはずだったのだが、今はそうでもないらしい。
元々、父は穏やかで平和主義、腹黒い策士ではないので国王には向いていない。退位した後、エデルガルトが生きている間は趣味の絵を描いたり、庭師と一緒にガーデニングをしたりしながら楽しく暮らしていたが、亡くなってからは、現国王であるアーベルの手伝いをしているそうだ。
母はしっかり者なのでエデルガルトが生きている時から王太后として社交界を仕切っている。嫁の現王妃のローザリアとは小さい頃から王子妃教育で顔を合わせているので本当の娘のように仲が良い。エデルガルトが生きていた頃はよく3人でお茶会をしていた。
それにしても弟で王太子だったエアハルトが魅了の魔法にかかり、勝手に長年の婚約者だったローザリアに婚約破棄を告げたと聞いた時は母も私も驚きで腰を抜かしそうになった。
ローザリアがいるから、なんとかなるかという感じだったのに。簡単に魅了の魔法にかかってしまうくらいエアハルトの心には隙があったのだろう。
エアハルトは自分より出来のいいローザリアに対してコンプレックスがあったようだ。自分の弱さを認め、ローザリアとともに国政を行うと腹を括れていれば魅了の魔法になどかからなかったのだろう。
エアハルトは弱いくせにプライドが高かった。
私達はエアハルトより、ローザリアを選んだ。
魅了が解けたあと、エアハルトは友好国の女王の王配になった。王配と言っても沢山いる王配のうちのひとり。まぁ、側妃? 愛妾? みたいな感じのポジションらしい。エアハルトは見た目だけはものすごく良いので、女王が気に入ってくれたようだ。エアハルトが心穏やかに過ごせることを祈るしかない。
ローザリアはエアハルトの弟で王太子にスライドしたアーベルに是非にと望まれ王太子妃となった。
アーベルが子供の頃からローザリアを慕っていたのは知っていたし、王妃教育まで済ませてしまって、王家の深い部分まで知ってしまっているローザリアは可哀想だが、そうするしかなかった。
そして神様が私の願いを間違えて、私はふたりの子供に生まれ変わってしまった。
「エデル、もうすぐお義父様とお義母様が来られるわ。おふたりあなたに逢いたがっていたのよ」
ローザリアは私をエデルガルトの生まれ変わりにするらしい。
そうそう、ローザリアのたっての希望で私はエデルガルトと名付けられた。前世と同じ名前だ。
「今世では一応親なのでエデルと呼び捨てにするけど許してね」と言っていたな。
まぁ、許すしかない。
心では生まれ変わりではないと思っているのに、生まれ変わりとして扱うか……ローザリアの覚悟みたいなものを感じる。
いったいこの国はどうなっているのだろう。赤ちゃんになってしまったせいで動けないのが歯痒い。
―コンコン
扉を叩く音がする。扉が開きアーベルが顔を出した。
「入って」
また来たか。アーベルは仕事の合間にしょっちゅう私に会いに来る。
「エデル~、今日も可愛いな」
アーベルが私を抱き上げ頬ずりをする。朝からその言葉、何回も聞いているわ。
「我が子ながら本当に可愛いと思うわ。お義姉様が赤ちゃんの時もこんなに可愛らしかったのかしらね」
ローザリアも完全に親バカになっている。
「今度は何があってもエデルを守る。もうあんな思いはしたくないからね」
「そうね。お義姉様を亡くした時は私達だけじゃなく民も哀しんだもの。早く民達にもエデルはお義姉様の生まれ変わりだってお披露目したいわ」
いやいや、生まれ変わりだってお披露目をしたら、民達はこの王妃の頭はお花畑か? と思うよ。
生まれ変わり云々は黙っておこうよ。
◆◆◆
「王妃様、先王様と王太后様がお見えになりました」
「ありがとう。サロンに行くわ」
やっと来たか。
私はアーベルから乳母のメアリーに渡された。
メアリーは前世の私の乳母で私が亡くなるまで侍女として側にいてくれた。まさか今世でもまた乳母になってくれるなんて驚きだ。
「お嬢様のお子様の乳母も私がやりますよ。早く産んでくださいまし」とまだ結婚もしていない私によく言っていたが、まさか私の子供ではなく、また私の乳母になるとはね。
私の乳母はメアリーしかいないと、私が亡くなってから塞ぎ込んでいたらしいメアリーを引っ張り出してきてくれたアーベルには感謝しかないわ。
「エデルガルトお嬢様、私はあなた様のお世話が出来て幸せです。どうか私より先に亡くならないで下さいましね」
顔を見るたびに同じことを言う。私も今度はあんなに早く亡くなるつもりはないわよ。今の私の護衛は精鋭揃いだし、影も沢山張り付いているものね。そう簡単には殺されないわ。
「ローザリア、顔色がいいな」
「はい。産後の肥立も良いようです。お義父様、お義母様、娘のエデルガルトですわ」
ローザリアがメアリーの手から私を抱きとり父母に見せる。母は私を見て固まっている。
「ローザリア、この子……エデル?」
「やっぱりお義母様は分かりましたわね。この子はエデルガルトお義姉様の生まれ変わりですわ」
「そうなの? エデル、戻ってきてくれたのね」
母はローザリアから私を受け取り泣きだした。
母よ。簡単に信じるのか? 普通そこは引くだろう。
私の顔がお祖母様の涙でびしゃびしゃだ。メアリー、早く拭いてくれ~。
「本当にエデルの生まれ変わりなのか? 私はよくわからんがみんながそう言うならそうなのだろう。エデル、よく戻ってきたな。余程アーベルが頼りなかったか?」
父、いや、お祖父様は笑っている。
確かにアーベルは頼りないがローザリアとライムントがついていれば大丈夫だと死ぬ間際に思った。
まさかライムントが亡くなり、ローザリアも懐妊し、戦力不足を父と母が補ってくれていたとは。
「やはりエデルの存在は大きすぎたわ」
お祖母様はため息をつく。
「ねぇ、ローザ、この子はエデルの記憶があるのかしら? 自分がバウムガルテン王国の女王、エデルガルトの生まれ変わりだと分かっているのかしらね?」
「どうでしょうね。記憶があるといいのてすが……」
ローザリアは私の目を見つめる。知らんがなというような目で見つめかえした。
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お祖父様のつぶやきは怖すぎる。
嫌よ。頭を左右に振ろうとしたが、まだ上手く振ることができない。
アーベルが私を抱き上げつぶやいた。
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「そうね。エデルは嫌がっていたわね。でも誰と結婚するの? ライムントはもういないわ」
「そうですね。エデルはまだ生まれたばかりです。これから良い縁を探せばいいと思います」
アーベルは良いこと言った。でもできればライムントと結婚したかったな。やっぱり生まれ変わりではなく、巻き戻してほしかったわ。
お祖父様とお祖母様はすっかり私を気に入り、それ以来、離宮から毎日やってきて、また王宮に戻ろうかなんて言い出す始末だ。
私が亡くなって以来、暗く沈んでいた王宮も再び私の誕生で明るさを取り戻してきたようだ。
私は祖父母、父母、乳母のメアリー、そして王宮の使用人達からこれでもかというくらい溺愛され、もうすぐ1歳になる。
1歳になるとお披露目のパーティーが催される。
そこで、国内外に向けて、私の誕生を知らしめることになる。
もちろん警備は万全。騎士達だけでなく、クラウベルク王国で学んできた魔導士達が魔法で色々な対策を講じているらしい。
お披露目パーティーでまた、狐さんや狸さん達と会わなければならないかと思うとゾッとするが、私のやり直しの人生はまだ始まったばかり、どんな披露パーティーになるのか楽しみにしよう。
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