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2話 生き返らせなさいよ!
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しかし、蓋を開けてみたら、会議では満場一致で私が女王になることが決まった。
どうやらこの国は私が打ち出した改革に賛同してくれている人が多いようだ。
それにアーベルの根回しも効いているのだろう。
私は男女年齢身分関係なしに力のあるものが適材適所で働ける国にしたい。もちろん危機管理は大事。自国は自国で守れるように騎士団も強化した。
我が国は大昔に魅了の魔法を禁忌にして以来、魔法など使わなくてもいいという風潮だったので他国よりも魔法についてかなり遅れていた。それを取り戻すために、以前に私が留学していた魔法大国であるクラウベルク王国の協力を得て魔法を学ばせ、使える者を増やした。
しかし、他国から指導者を招いたことや、平和主義の父が国王をやっていた時に、悪事を働き私服を肥やしていた者達を一斉に処分したことにより、私を快く思っていない者も沢山いた。
いわゆる逆恨みというやつだ。改革を行う時には痛みを伴うものだ。だから反対する者が多数いて、私が女王になどなるわけがないと思っていた。
仕方ない。約束だし、満場一致であるならばもう逃げられない。私は腹を括って国のために奔走した。
そして女王になり1年。今日の記念式典とあいなった。
◇◇◇
今日は朝から大忙しだ。侍女達にいつも以上に念入りに磨きあげられる。髪はアップにし、化粧も念入りにはほどこされる。
コルセットで思いっきり絞められて、いかにも女王というような真っ白な生地にゴールドの薔薇の刺繍が刺されたマーメイドラインの豪華なドレスを着せられた。
式典ではバルコニーでの挨拶のあとはオープン馬車でパレードもあるそうだ。
身分を問わず実力があれば良い仕事につけるようになったことで私は平民から人気があるらしい。
パレードで生の私をひとめ見ようと、朝早くから大通り脇の歩道には沢山の人達が並んでいるという。
今日も女王の仮面を被り頑張るしかないな。
今日は恋人のライムントも来てくれている。
ライムントは私がクラウベルク王国に留学していた時に知り合い恋に落ちた。4歳年下なのだが飛び級で王立魔法学校に入った実力者だ。
天才魔導士と呼ばれ、どんな魔法も自在に操り、頭もキレる。苛烈な私に比べるといつも冷静沈着で頼りになり、まるでライムントの方が年上のように思える。
ライムントはクラウベルク王国の第2王子で、私の弟のアーベルが我が国の国王になったら、私はクラウベルク王国に渡り、ライムントと結婚しようと約束していた。
それなのに私が女王になったばかりにクラウベルク王国に嫁ぐことは無理になってしまった。
私の王配になって、我が国に定住して欲しいのだが、ライムントも王弟として兄を支える立場、なかなか愛だけでは決められない。
あ~も~、アーベルめ、人の幸せを奪いやがって! 自分だけ幸せになるなんてとんでもない奴だわ。
◇◆◆
即位1周年式典は恭しく行われた。
大司教の『バウムガルテン王国並びにエデルガルト女王陛下に神より加護を! 永遠の幸せを!』との言葉に見に来ている民達は盛り上がる。
私は民達に向かって挨拶をする。
「私はこれからも全ての人が住みやすい、全ての人に優しい、バウムガルテン王国になるように頑張ります。どうか皆さん私にチカラを貸してください。一緒にこの国を素晴らしい国にしていきましょう!」
ウォ~!!
民からは歓声が上がる。やっぱり女王でいるしかないのね。
「陛下、次はパレードです。これで終わりですので頑張ってください」
「わかってるわ。頑張るわね」
宰相の言葉に頷き、護衛騎士のエスコートでステップに片足をかけ、馬車に乗り込もうとした。
「天誅!」
馬車のそばにいたお仕着せを着た女が急に叫んだ?
え? 何? どうしたの?
私は脇腹に熱さを感じた。そこに目をやると私の脇腹にはナイフが差し込まれている。
お仕着せを着た女はヘラヘラ笑っていた。
「あんたのせいであたしは王妃になれなかったのよ。死ねばいいわ。あんたなんか死ねばいいのよ。アハハハハハハハ」
この女見たことあるような? 誰だったかしら? そうだ。魅了の魔法をかけた女……名前は??? ミア、そうミアだわ。
みんな何が起こったのか一瞬分からず固まっている。
まだまだ危機管理が足りないわね。もっと素早く対応ができるように訓練しなくちゃダメね。これじゃあ護衛騎士じゃなくてただの役立たずだわ。
ミアは私の脇腹に刺さっていたナイフを引き抜いた。
真っ白なドレスが赤い色に染まる。
「女王陛下!」
「その女を捕えろ!」
遅いわよ。もっと早く動かなきゃ。ナイフを抜いたせいで血が止まらないわ。
「エデル!」
ライムントが私に駆け寄り、回復魔法を掛けてくれている。
「ライ、大丈夫よ。ありがとう」
「姉上!」
「アーベル、危機管理がまだまだね。何故あの女がここにいるの? 死罪になったのじゃないの? 護衛騎士の動きも悪いわ。明日から鍛え直さなくちゃね」
「はい。姉上」
捕らえられ、騎士に押さえつけられているミアは高らかに笑う。
「アハハハハハ、このナイフには回復魔法無効の魔法を付与しているから付けた傷には魔法は効かない。つまりその女の傷は回復魔法では治らないのよ。ざまぁみろ!」
手に持ったナイフを高く掲げ、笑っている。
凄い魔法を付与しているのね。ということは私は出血多量で死ぬわけね。
私も危機管理不足だったわ。こんなことならドレスの下に鉄板でも入れておくのだった。
だから、私は女王になんかなりたくなかったのよ。ライムントと結婚してクラウベルク王国で幸せに暮らしたかったのに。こんな中途半端な時に死ぬなんて。
神様! こき使うばかりで私にご褒美はないの!
私、色々がんばったのに、こんな仕打ちはないんじゃない?
生き返らせなさいよ!
奇跡とやらを起こしなさいよ!
神様! 聞いているの?
「エデル! エデル!」
ライムントが私を抱きしめている。
「ライ、この国を、アーベルを頼むわ。お願い」
「姉上!」
「アーベル、ローザとライと一緒にこの国を強い、良い国にして頂戴。次の国王はあなたよ! しっかりしなさい」
「姉上~」
アーベル、何を泣いているの。国王なんだからしっかりしなさい。
「ライ、愛してるわ。私が死んだら私のことなんか忘れて幸せになってね」
「馬鹿なことを言うな! 私にはエデルだけだ!」
馬鹿ね。ライはまだ若いのだから素敵な人と幸せにならなきゃ。でも、私だけだなんて言ってくれて嬉しいわ。
あぁ、だんだん目の前が暗くなってきた。そろそろ逝くのね。眠いわ。
『お主の願いはしかと聞いたぞ』
ん? 誰の声? ライかしらね。ちょっと変な喋り方だけど……。
この国はライがいればなんとかなるわ。天才魔導士だもの。
ライ、この国を、アーベルをお願い……。
◇◆◇
「王妃様、お生まれになりましたよ。美しい姫様ですよ。陛下にもお知らせいたしましょうね」
「姫、女の子なのね。この子はきっとエデルお義姉様の生まれ変わりだわ」
ん? どういうこと? 王妃様? エデルお義姉様?
まさか? ローザなの?
まさか私、アーベルとローザの娘に生まれ変わっちゃったの?
どうやらこの国は私が打ち出した改革に賛同してくれている人が多いようだ。
それにアーベルの根回しも効いているのだろう。
私は男女年齢身分関係なしに力のあるものが適材適所で働ける国にしたい。もちろん危機管理は大事。自国は自国で守れるように騎士団も強化した。
我が国は大昔に魅了の魔法を禁忌にして以来、魔法など使わなくてもいいという風潮だったので他国よりも魔法についてかなり遅れていた。それを取り戻すために、以前に私が留学していた魔法大国であるクラウベルク王国の協力を得て魔法を学ばせ、使える者を増やした。
しかし、他国から指導者を招いたことや、平和主義の父が国王をやっていた時に、悪事を働き私服を肥やしていた者達を一斉に処分したことにより、私を快く思っていない者も沢山いた。
いわゆる逆恨みというやつだ。改革を行う時には痛みを伴うものだ。だから反対する者が多数いて、私が女王になどなるわけがないと思っていた。
仕方ない。約束だし、満場一致であるならばもう逃げられない。私は腹を括って国のために奔走した。
そして女王になり1年。今日の記念式典とあいなった。
◇◇◇
今日は朝から大忙しだ。侍女達にいつも以上に念入りに磨きあげられる。髪はアップにし、化粧も念入りにはほどこされる。
コルセットで思いっきり絞められて、いかにも女王というような真っ白な生地にゴールドの薔薇の刺繍が刺されたマーメイドラインの豪華なドレスを着せられた。
式典ではバルコニーでの挨拶のあとはオープン馬車でパレードもあるそうだ。
身分を問わず実力があれば良い仕事につけるようになったことで私は平民から人気があるらしい。
パレードで生の私をひとめ見ようと、朝早くから大通り脇の歩道には沢山の人達が並んでいるという。
今日も女王の仮面を被り頑張るしかないな。
今日は恋人のライムントも来てくれている。
ライムントは私がクラウベルク王国に留学していた時に知り合い恋に落ちた。4歳年下なのだが飛び級で王立魔法学校に入った実力者だ。
天才魔導士と呼ばれ、どんな魔法も自在に操り、頭もキレる。苛烈な私に比べるといつも冷静沈着で頼りになり、まるでライムントの方が年上のように思える。
ライムントはクラウベルク王国の第2王子で、私の弟のアーベルが我が国の国王になったら、私はクラウベルク王国に渡り、ライムントと結婚しようと約束していた。
それなのに私が女王になったばかりにクラウベルク王国に嫁ぐことは無理になってしまった。
私の王配になって、我が国に定住して欲しいのだが、ライムントも王弟として兄を支える立場、なかなか愛だけでは決められない。
あ~も~、アーベルめ、人の幸せを奪いやがって! 自分だけ幸せになるなんてとんでもない奴だわ。
◇◆◆
即位1周年式典は恭しく行われた。
大司教の『バウムガルテン王国並びにエデルガルト女王陛下に神より加護を! 永遠の幸せを!』との言葉に見に来ている民達は盛り上がる。
私は民達に向かって挨拶をする。
「私はこれからも全ての人が住みやすい、全ての人に優しい、バウムガルテン王国になるように頑張ります。どうか皆さん私にチカラを貸してください。一緒にこの国を素晴らしい国にしていきましょう!」
ウォ~!!
民からは歓声が上がる。やっぱり女王でいるしかないのね。
「陛下、次はパレードです。これで終わりですので頑張ってください」
「わかってるわ。頑張るわね」
宰相の言葉に頷き、護衛騎士のエスコートでステップに片足をかけ、馬車に乗り込もうとした。
「天誅!」
馬車のそばにいたお仕着せを着た女が急に叫んだ?
え? 何? どうしたの?
私は脇腹に熱さを感じた。そこに目をやると私の脇腹にはナイフが差し込まれている。
お仕着せを着た女はヘラヘラ笑っていた。
「あんたのせいであたしは王妃になれなかったのよ。死ねばいいわ。あんたなんか死ねばいいのよ。アハハハハハハハ」
この女見たことあるような? 誰だったかしら? そうだ。魅了の魔法をかけた女……名前は??? ミア、そうミアだわ。
みんな何が起こったのか一瞬分からず固まっている。
まだまだ危機管理が足りないわね。もっと素早く対応ができるように訓練しなくちゃダメね。これじゃあ護衛騎士じゃなくてただの役立たずだわ。
ミアは私の脇腹に刺さっていたナイフを引き抜いた。
真っ白なドレスが赤い色に染まる。
「女王陛下!」
「その女を捕えろ!」
遅いわよ。もっと早く動かなきゃ。ナイフを抜いたせいで血が止まらないわ。
「エデル!」
ライムントが私に駆け寄り、回復魔法を掛けてくれている。
「ライ、大丈夫よ。ありがとう」
「姉上!」
「アーベル、危機管理がまだまだね。何故あの女がここにいるの? 死罪になったのじゃないの? 護衛騎士の動きも悪いわ。明日から鍛え直さなくちゃね」
「はい。姉上」
捕らえられ、騎士に押さえつけられているミアは高らかに笑う。
「アハハハハハ、このナイフには回復魔法無効の魔法を付与しているから付けた傷には魔法は効かない。つまりその女の傷は回復魔法では治らないのよ。ざまぁみろ!」
手に持ったナイフを高く掲げ、笑っている。
凄い魔法を付与しているのね。ということは私は出血多量で死ぬわけね。
私も危機管理不足だったわ。こんなことならドレスの下に鉄板でも入れておくのだった。
だから、私は女王になんかなりたくなかったのよ。ライムントと結婚してクラウベルク王国で幸せに暮らしたかったのに。こんな中途半端な時に死ぬなんて。
神様! こき使うばかりで私にご褒美はないの!
私、色々がんばったのに、こんな仕打ちはないんじゃない?
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神様! 聞いているの?
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「姉上!」
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「姉上~」
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「ライ、愛してるわ。私が死んだら私のことなんか忘れて幸せになってね」
「馬鹿なことを言うな! 私にはエデルだけだ!」
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