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最後に笑ったのは?
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結局私はヒューバート殿下と結婚する。
結婚するまでの婚約期間、ヒューバート殿下はあらゆる害から私を守ってくれた。
リネット嬢程ではないが、ヒューバート殿下に懸想し、私に嫌がらせをしようとした令嬢はいつの間にか消えてしまった。
兄から弟に乗り換えたとか、王太子妃の地位が欲しいだけなのか? と陰口を叩かれたがそれも言っている人が皆消えてしまった。
今はもう誰も何も言わない。ただ祝福してくれているようだ。
王妃様は昔より一層私を可愛がってくれている。
私は多分幸せなのだろうが、本当にこれが最後に笑うという状況なのだろうか?
まぁ、所詮政略結婚だ。フランシス殿下に恋愛感情はなかったし。ヒューバート殿下に代わってもどうってことはない。
ヒューバート殿下の方がしっかりしているし、頼りになる。ヒューバート殿下で良かったのかもしれないなと思うことにしよう。
父と大聖堂の祭壇前まで並んで歩く。
「ユーファ、良かったな」
父が微笑む。
何が良かったのだろう?
ドレスが無駄にならなかったことかしら?
「殿下ユーファをよろしくお願いします」
父は私の手をヒューバート殿下に差し出す。
「もちろんです、義父上。必ず幸せにします」
ヒューバート殿下はそう言って私の手を取り優しく微笑む。
ーヒューバートー
やっと手に入れた。
物心ついた時からずっと兄上から奪ってやろうと思っていた。
小さい頃から私が策を練っていたなどと誰も思わないだろう。
兄上は良い人だ。素直で優しい。国王には向いていなかった。
あんな頼りない男にユーファを渡せない。
ユーファの母上が亡くなった時、私は行動に出た。
前の大公だった父上の弟に愛妾母娘を公爵に押し付ければいいと唆した。
私はあの娘がメイドだった時に聞こえるように娘なのにメイド扱いされて可哀想だとつぶやいた。
もちろん私が言ったとはわからないように。
女には大公が父だと思い込んでもらう。
全ては私の書いた筋書き通りに事が進み、兄上は廃嫡された。
親友の娘のユーファを溺愛している母上は兄を許さない。
ユーファの父親も私をなんだかんだ言いながら支持してくれた。
長かった。やっと私は欲しいものを手に入れた。
もう2度と離さない。
ヒューバートは国王となった後も側妃も愛妾も持たず、ユーファミアだけを愛し続けた。
ユーファミアにとっては狭量なヒューバートとの夫婦生活は窮屈ではあったが、愛されて幸せだったはず。
最後に笑ったのは誰だったのだろう。
結婚するまでの婚約期間、ヒューバート殿下はあらゆる害から私を守ってくれた。
リネット嬢程ではないが、ヒューバート殿下に懸想し、私に嫌がらせをしようとした令嬢はいつの間にか消えてしまった。
兄から弟に乗り換えたとか、王太子妃の地位が欲しいだけなのか? と陰口を叩かれたがそれも言っている人が皆消えてしまった。
今はもう誰も何も言わない。ただ祝福してくれているようだ。
王妃様は昔より一層私を可愛がってくれている。
私は多分幸せなのだろうが、本当にこれが最後に笑うという状況なのだろうか?
まぁ、所詮政略結婚だ。フランシス殿下に恋愛感情はなかったし。ヒューバート殿下に代わってもどうってことはない。
ヒューバート殿下の方がしっかりしているし、頼りになる。ヒューバート殿下で良かったのかもしれないなと思うことにしよう。
父と大聖堂の祭壇前まで並んで歩く。
「ユーファ、良かったな」
父が微笑む。
何が良かったのだろう?
ドレスが無駄にならなかったことかしら?
「殿下ユーファをよろしくお願いします」
父は私の手をヒューバート殿下に差し出す。
「もちろんです、義父上。必ず幸せにします」
ヒューバート殿下はそう言って私の手を取り優しく微笑む。
ーヒューバートー
やっと手に入れた。
物心ついた時からずっと兄上から奪ってやろうと思っていた。
小さい頃から私が策を練っていたなどと誰も思わないだろう。
兄上は良い人だ。素直で優しい。国王には向いていなかった。
あんな頼りない男にユーファを渡せない。
ユーファの母上が亡くなった時、私は行動に出た。
前の大公だった父上の弟に愛妾母娘を公爵に押し付ければいいと唆した。
私はあの娘がメイドだった時に聞こえるように娘なのにメイド扱いされて可哀想だとつぶやいた。
もちろん私が言ったとはわからないように。
女には大公が父だと思い込んでもらう。
全ては私の書いた筋書き通りに事が進み、兄上は廃嫡された。
親友の娘のユーファを溺愛している母上は兄を許さない。
ユーファの父親も私をなんだかんだ言いながら支持してくれた。
長かった。やっと私は欲しいものを手に入れた。
もう2度と離さない。
ヒューバートは国王となった後も側妃も愛妾も持たず、ユーファミアだけを愛し続けた。
ユーファミアにとっては狭量なヒューバートとの夫婦生活は窮屈ではあったが、愛されて幸せだったはず。
最後に笑ったのは誰だったのだろう。
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